リモートワークで薄れる社員のエンゲージメントへの対策!
この記事のまとめ
・リモートワークにより空間の共有と対面でのコミュニケーションが難しくなり、社員のエンゲージメントが薄れた
・エンゲージメントの低下によって仕事の質が落ち、組織の生産性は低下して会社の成長が鈍化するケースもある
・社員1人ひとりが求める経験やその思考性に寄り添うことでエンゲージメントは担保される
・1つのルールで社員全体をコントロールしていた時代からの脱却が、企業の成長を左右する
企業の労働生産性を向上させるには 人手不足の今、以下のような課題には早急に取り組む必要があります。 ・従業員一人当たりの労働生産性の向上 ベネフィット・ステーションは、従業員満足度を向上し、健康経営やスキルアップを促進する総合型福利厚生サービスです。
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目次
リモートワークで懸念される社員のエンゲージメントとは?
エンゲージメントとは?
エンゲージメント(Engagement)とは「約束」「(雇用)契約」の意であり、ケースに応じて「婚約」や「交戦」という意を持つ汎用性の高いワードです。一般的に人事や組織の文脈では、「帰属意識」と意訳されます。もしくは、「会社への愛着」「会社との絆」と言い換えても良いでしょう。
リモートワークによるエンゲージメントの低下
在宅勤務を中心とするリモートワーク(テレワーク・在宅勤務を含む)により、エンゲージメントの低下が問題になっています。
エンゲージメント低下の主要因は、「空間の共有」及び「対面でのコミュニケーション」の欠如です。これまでオフィスに集って対面で話をしながら仕事をすることで、ほぼ無意識的に各々が会社に居場所を見つけてつながりを作ってきました。しかし、リモートワークによって個別空間・非対面コミュニケーションでの働き方が主流となったことで従来の居場所作りや関係性の構築が難しくなり、会社への帰属意識が薄れている人もいることでしょう。
「新入社員ならともかく、既存の社員はこれまでの空間共有や対面でのコミュニケーションの積み上げがあるのに、数ヶ月リモートワークになったらエンゲージメントが下がるのか?」と疑問も生じますが、例えるならば遠距離恋愛になったカップルに困難が生まれることに似ているかもしれません。
エンゲージメントが薄れることで社員の仕事や組織に及ぶ悪影響
エンゲージメントが薄れることによる悪影響を3つの視点から紹介します。
生産性や品質の低下が組織レベルに波及
社員の帰属意識が低いということは、仕事において「会社(の利益)のために」という働き方が生まれにくくなることを意味します。能動的な仕事が期待できない上に、生産性や質の低下や思わぬ事故などの安全面にも影響が及びます。
また、不満や愚痴をこぼす社員やパフォーマンスが下がる社員が出てくることで、そのネガティブなモチベーションは組織に蔓延します。
カリフォルニア大学リバーサイド校の研究者ハワード・フリードマン博士らは「不安を言葉や態度で強く表現している人が視界に入れば、自分も同様の感情になる可能性が高く、脳のパフォーマンスが悪影響を受ける」と発表しています。また、別の研究ではストレスを感じている人を見た被験者の26%が、コルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが高まるとの発表もあります。
企業の成長が鈍化
個人が生み出す仕事の生産性や質が低下し、それがチームにも広がれば企業の成長は鈍化します。例えば、社員のエンゲージメントと業績との相関について、コーンフェリー株式会社の社員エンゲージメント調査結果によると、社員エンゲージメントが上位25%の会社と下位25%の会社では、売上の平均成長率やEPS(1株あたりの純利益)に大きな差が生まれていました。また、日本は社員エンゲージメントの水準が世界一低いと述べられています。
モノ社会からコト社会への適応が困難に
米ギャラップの調査によると、日本における「やる気」のある社員、つまりエンゲージメントが高い社員はわずか6%にすぎず、エンゲージメントが低い社員は70%で、さらに不満を周囲にまき散らしている無気力な社員が24%という結果でした。このエンゲージメントの低さは世界139ヵ国中132位という最低レベルです。
このように日本はもともと企業に対するエンゲージメントが高い国ではありません。それでは、なぜ近年エンゲージメントが注目されるようになったのでしょうか。その背景にはコト社会への推移があります。
従来の「モノ社会」では、ルールに沿ってモノを作ることが求められました。エンゲージメントが低いことによる生産性や仕事の質の低下は、ルールやマニュアルで一定程度カバーできたということです。モノ社会は工業社会と置き換えることができ、均一的なモノを大量に生産して大量に消費するモデルでした。しかし、コト社会は(場合によってはモノの購入を通じて)個別的かつ継続的に得られる体験や経験に価値を見出す点が特徴です。
よって、それぞれの顧客の好みにアプローチできる商品やサービスの提供を均一化したルールが通用しない中で実現することが求められます。すなわち社員のエンゲージメントやモチベーションが高く、自律的に仕事ができる状態にあるか否かが企業の業績に大きく影響します。
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リモートワークにメリットを感じる社員と会社が多数?
エンゲージメント低下の原因であるリモートワークの今後
コト社会への推移に加え、終身雇用の終焉によって人材の流動化が進むことに鑑みると、多くの企業にとって社員のエンゲージメントはケアすべき課題となります。しかし、新型コロナウイルス感染症対策が緩和された場合など、リモートワーク(テレワーク)を取りやめれば一定の解決に至るのでしょうか。
パーソル総合研究所が2022年8月に公表した「第七回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する調査」では、今後の働き方としてリモートワーク(テレワーク)を継続する意向がある人は約8割に及んでいます。
学情の調査によるとリモートワークを導入する企業はホワイト企業であるというイメージや、求職者はリモートワークが可能な就職・転職先を選ぶ傾向にあり、人手不足の時代に効果的な採用ブランディングとなっています。
しかし、先のパーソル総合研究所によると、リモートワークを実施できる業務内容ではないことやリモートワークが制度として整っていないことを理由に、リモートワークの実施をとりやめたり出社とのハイブリッドワークを実施している企業もあります。
当初は、新型コロナウイルス感染症の対策として取り入れられたリモートワークが働き方改革の文脈で適用され、リモートワークの導入によってエンゲージメントの低下が生じたにも関わらずリモートワークをやめることでもエンゲージメントが下がる状態にあることがわかります。
実際に内閣府の調査でも、リモートワーク経験者の多くが働き方としてリモートワークの継続を望んでいます。以下のグラフを見ると、東京23区ではアンケート回答者の55.5%がリモートワーク経験者であり、そのうち6割以上(リモートワーク未経験者も母数に含めると約34%)が勤務全体の半分以上の頻度でリモートワークを希望しています。
地域別テレワーク(リモートワーク)経験者の利用希望(今後、どのような頻度でテレワークを利用したいか)
出典:内閣府 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査
エンゲージメント向上の鍵はコミュニケーションにあり!
リモートワーク(テレワーク・在宅勤務を含む)導入に伴うエンゲージメントの低下は、「リモートワークに不慣れであった」ことも一因です。すなわち、リモートワークによりエンゲージメントの醸成手段であった共有空間・対面コミュニケーションが遮断されたことがこの問題の根っこではあるのですが、共有空間・対面コミュニケーションがエンゲージメントを高める唯一の方法ではありません。
リモートワークに馴染むことで違ったエンゲージメントの高め方に適応できる可能性は十分にあります。よって、「リモートワーク=エンゲージメントの希薄化」ではなく、リモートワークであっても別の方法でエンゲージメントが高めることが可能なのです。
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エンゲージメント向上の具体的な対策
出社とのハイブリッドワークなど、何らかの形でリモートワークが続くことを前提とすると、どのようなエンゲージメント対策が必要なのでしょうか。ここでは、エンゲージメントの向上を図る具体的な施策を紹介します。
オンラインMTGで雑談の時間を設ける
従来のエンゲージメント向上に寄与していた共有空間や対面コミュニケーションを別の形で担保するアプローチの中では最も導入しやすい対策です。画面越しとはいえ、顔を見ながら雑談する時間を設けることで社員の居場所を作ることが可能です。
リモートワークでは「簡潔」で「素早い」やり取りが目的のチャットによるコミュニケーションが多くなるので、孤独感を覚え、悩みを相談する機会も持てずに居場所を失ってしまう社員もいます。その対策として、オンラインMTGでグループのメンバーが顔を合わせて雑談する時間や、1on1で上司とメンバーがフリートークする時間を持つことは効果的です。
社員のスキルや経験、思考性を把握して適した仕事や能力開発支援を行う
社員1人ひとりの特性や思考性を会社が確認することは重要です。その理由は2つあります。
1つ目は、各々の社員の能力や経験、またそれぞれが望むキャリアやブラッシュアップしたいスキルを把握することで、会社はこれまでよりも確度の高い適材適所を実現でき、一方で組織の課題も可視化できるからです。
2つ目は、社員1人ひとりのキャリアアッププランやそれに応じて開発すべき能力を会社が把握することでその機会を提供が可能となり、社員のエンゲージメント向上に寄与するからです。
モノ社会はエンゲージメントの低下をルールで補えましたが、コト社会では社員1人ひとりのモチベーションや自律性が重要である旨は紹介しました。モノ社会では一律的ではなく個々に適した成長機会(能力開発)を提供することで、社員のモチベーションを上げエンゲージメントを強めながら自律性を養うことができます。
しかし、組織の規模が大きくなるほど、1人ひとりの社員の能力や思考性を把握するだけでも大きな手間がかかります。さらに、その分析や機会提供が可能になるまでに何年も費やしていまいそうですが、近年ではアウトソースを活用することで手間を省いて実施することができます。
その一例として、ベネフィット・ワンが提供するデータ活用プラットフォーム「ベネワン・プラットフォーム」では、従業員の勤怠や健診結果などのデータを1ヶ所に集約して可視化と分析を行うことで、従業員が本来持つ能力を最大限に引き出して質の高い働き方を実現し、ひいては人事領域のDX化を可能としますのでぜひご検討ください。
各々の社員が期待する従業員体験(EX)を福利厚生で提供する
前項のように会社が従業員の特性や思考性を確認することも重要ですが、さらに踏み込んで従業員に選択肢を与えることで従業員の多様性にアプローチする方法もあります。
コト社会は消費者にのみ関わる話ではありません。従業員の価値観にも影響しています。具体的には、労働の対価として「お金(給与)」だけでなく、その会社に帰属することで得られる「コト(体験や経験)」に重きを置く従業員が増えています。従業員が求める体験や経験はそれぞれ異なりますので、一律的な施策では十分な対応にはなりません。よって、従業員に選択肢を与えることも1つの方法です。
例えば、世界規模でコーヒーチェーン店を展開する米国の企業では、アリゾナ州立大学と提携して週20時間以上勤務する従業員(パートタイムも含む)のオンライン学位取得プログラムの学費を全額負担しています。プログラムは50以上のコースから選択可能で、何を学ぶかは従業員の自由です。従業員1人ひとりの求める知的好奇心を満たせるように配慮されています。
このような対応は一歩進んだ事例となりますが、従業員が選択できる福利厚生を提供することで従業員満足度を高め、エンゲージメントを向上させる効果が期待できます。
また、リモートワークには従業員の日常生活をサポートする福利厚生制度がおすすめです。
ベネフィット・ワンが提供する「ベネフィット・ステーション」は人生のあらゆるシーンにご利用いただける総合福利厚生サービスで、そのメニュー数は約140万件を超えています。したがって、日々の業務にかかわるスキルアップだけにかかわらず家族との旅行やレジャーをはじめ、年齢、地域、時期など多様化するニーズに応えられる豊富なメニューをご用意しています。
リモートワークで希薄になったエンゲージメントを高めるためには、どこにいても所属している企業や組織の恩恵を受けていると実感することが大切です。そのためには全国どこでも利用できる福利厚生制度を導入することで従業員の生活そのものをサポートし、日々の業務で本来持つ能力を最大限に引き出すことが企業の持続的な成長へとつながることでしょう。
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まとめ
今回は「リモートワークにおけるエンゲージメント低下への対策」について詳しく紹介しました。ポイントは以下の4つです。
この記事のまとめ
・リモートワークにより空間の共有と対面でのコミュニケーションが難しくなり、社員のエンゲージメントが薄れた
・エンゲージメントの低下によって仕事の質が落ち、組織の生産性は低下して会社の成長が鈍化するケースもある
・社員1人ひとりが求める経験やその思考性に寄り添うことでエンゲージメントは担保される
・1つのルールで社員全体をコントロールしていた時代からの脱却が、企業の成長を左右する
幅広い種類の福利厚生を拡充できる
福利厚生サービス ベネフィット・ステーション
従業員満足度を高めるためには、福利厚生を幅広く用意する必要があります。
とはいえ、福利厚生を1から自前で整えるのは大きな労力がかかります。
そんなときに活用したいのが福利厚生サービスです。
ベネフィット・ステーションではレジャー・食事・育児・介護・財産形成といった幅広い福利厚生を一気に拡充することができます。
また、ベネフィット・ステーションは、
・一業者との契約で140万件以上のサービスが使えるようになる
・会員数は業界最大規模の1,100万人が導入済
・導入企業法人数16,000団体
従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどないのも特徴です。
ぜひこの機会に福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。