福利厚生

アフターコロナのニューノーマル時代!あなたの仕事はどう変わる?

デジタル化する働き方で変わる世界と従業員の行動

この記事のまとめ

・アフターコロナのニューノーマル(新常態)時代の出発点は「衛生意識の変化

・衛生意識の変化をきっかけとして、多くの業種や職種のあり方が急速に変わる

・一方で業種や職種の変化は突然生まれたものではなく、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)によって従来から緩やかに続いていたIT・ICT・AI技術の浸透が加速して顕在化したもの

・仕事は今後大きな変化が予想され、それに適応する準備が必要。職種別での具体例として、営業では足を使った対面営業の費用対効果が問われ、財務では紙ベースの経理処理や数字の手入力などが見直される可能性が高い

・ニューノーマル時代は女性の社会進出を阻む課題を大幅に改善する可能性が高い

企業の労働生産性を向上させるには

人手不足の今、以下のような課題には早急に取り組む必要があります。

・従業員一人当たりの労働生産性の向上
・離職率の低下、採用強化
・従業員満足度の向上
・テレワークの拡大
・ITリテラシーの向上

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コロナ禍で見直す業種や職種のあり方

デジタルと人間がうまく連携しようとしているイメージ

オズボーン博士らの論文「雇用の未来」とは?

2013年9月に、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士とカール・ベネディクト・フレイ研究員が共著で発表した論文です。その副題には「仕事はいかにコンピューター化の影響を受けるか?」という問いが掲げられており、業種や職種の再編について記されています。

同論文の「1020年後に、米国雇用者の約47%は職を失うリスクが高い」と前述の問いに対する回答(結論)は、当時日本でも多くのメディアが取り上げました。論文の中では、コロナ禍よりはるかに前の時点で仕事の担い手がAIなどを含むコンピューターに代わることを「オートメーション化」という言葉で定義しており、「ルーティーン化できる仕事は全てオートメーション化が可能である」と記されています。

2030年頃までにオートメーション化される可能性が高い業種や職種

以下の表は、オートメーション化される可能性が高い業種を抜粋したものです。

オートメーション化の確率 業種や職種
99% テレマーケター(電話を活用した販売員)
99% 保険事務員
98% 銀行窓口係
98% 出入荷、物流管理者
98% 運転手、販売員
98% 予約受付係
97% レストラン、ラウンジ、カフェ従業員
97% レンタル店員
97% 電気機械組立工
96% 郵便物郵送

出典:THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? Carl Benedikt Frey† and Michael A. Osborne‡

 

その一方で、オリジナリティが求められる仕事はオートメーション化される可能性が低いとされており、デザイナー建築家はその代表例として挙げられています。

ニューノーマル時代で注目されているテレワークとDX

IoT・ICT化して業務効率化を実現するイメージ

新型コロナはテレワークなどの新しい働き方を生んだのではなく導入を加速させた

オズボーン博士らの予測から9年後の2022年現在に時を戻しましょう。
アフターコロナを見据えたニューノーマル時代の起点は衛生意識の変化です。2020年、新型コロナの感染拡大の原因となった「密集・密接・密閉」の3密の回避を中心に可能な限り接触を避けることが優先され、テレワーク(在宅勤務・リモートワーク)やデリバリービジネス、ECサイトなどの非接触サービスが普及しました。これらはアフターコロナも継続される想定です。

テレワークは前述の通り、新型コロナの感染拡大を防ぐ目的で導入されましたが、テレワークそのものが与えるメリットを経験し、Withコロナを前提に従来のワークスタイルであるオフィス出社と併用したハイブリッドワークとしてテレワークを継続する企業もあります。テレワークとオフィス出社双方のメリットを効果的に取り入れて働き方の最適化を図り、従業員のワークライフバランスと企業の生産性向上に貢献しています。

また、DX(デジタルトランスフォーメーション)は非接触サービスの普及に必須です。DXとは、デジタル技術を活用してビジネスやサービスを変革するとともに企業や従業員の意識も変えるという意味です。この場合は、新たなサービスの開発・設計・運用はもちろん、サービスを利用者側にもデジタル化に対する考え方の理解と変化が必要です。

ニューノーマル時代の業種・職種の変化

ここでは、ニューノーマル時代の業種や職種の変化とオズボーン博士らの予測を比較しつつ、その接続を確認しましょう。

ニューノーマル時代の業種・職種の変化とオズボーン博士らの予測との比較表

ニューノーマル時代の業種・職種の変化 オズボーン博士らによるオートメーション化の確率が96%以上の業種・職種

対面売買や取引の方法がECサイトに推移する(インターネット上での売買)

銀行窓口係、販売員、予約受付係、レンタル店員

ECサイトのさらなる台頭にともないコストのかかる電話販売は減少する テレマーケター(電話を活用した販売員)
ECサイトにより小売店が減少し、物流形態が大きく変わる

販売員、レンタル店員、出入荷、物流管理者

タクシーなど密室空間では自動運転が増える 運転手
外食はテイクアウトや宅配の割合が増え、ウエイターのロボット化や回転寿司のようなデリバリーベンダーのさらなる普及が進む レストラン、ラウンジ、カフェ従業員
テレワークの普及により、工場などの生産現場では生産ラインの自動化が進む 電気機械組立工
接触を生む郵便物は減少し、電子化(Eメール、チャットなど)が進む 郵便物郵送者

出処の違う2つの予測ですが、接続する部分が多いことがわかります。ニューノーマルの業種や職種の変化は突如として生まれたわけでなく、新型コロナの影響でDXが加速したことが背景となり、従来から進んでいたITICTAI技術の実生活レベルへの浸透(=オズボーン博士らの予測)が急速に顕在化したとの見方もできます。

ニューノーマル時代における職種別の変化と対応案

デジタル化する働き方を実践する従業員

アフターコロナでもテレワークを導入する企業が多いと予想される理由には、Withコロナを前提としている他に「業務効率化」が挙がります。
このトピックスでは、各職種の変化をより詳しく解説します。ニューノーマル時代には業務効率化がこれまで以上に求められることを想定しつつ、テレワークを主軸に添えた職種別の働き方の変化や対応策について、いくつかの職種をピックアップして考えてみましょう。

参照:ランサーズ株式会社 【業務改善・効率化】職種・部署別の働き方改革はこう進める!

外勤営業(フィールドセールス)と内勤営業(インサイドセールス)の変化や課題

外勤営業:「足を使って会って話す」営業の価値観が試される時代へ

・客先へ訪問して雑談も含め関係性を構築し、仕事に繋げる手法が、インサイドセールスが担うマーケティングオートメーションMA)やセールスフォースオートメーションSFA)といったデジタル手法(※)と比較される

・営業の「モノ売り」時代の終焉は加速し、顧客のニーズを汲み取る力(需要の創造、潜在需要の顕在化)やアフターフォローにおける提案など営業の価値を見出すことが求められる

 

内勤営業:デジタル手法を取り入れて顧客情報を分析し、購買の確度を高めた営業活動を実施

・従来の営業スタイルに固執せず、需要の顕在化的確な解決策の提示のために、コンサルティングやマーケティングの知識を身につける

・コロナ禍で急速に必要性が高まったインサイドセールスが少ないリソースで多くの顧客接点を持つためには、前述のデジタル手法を取り入れながら顧客の購買行動(ファネル)がどの位置にいるかデータでもって確認し、行動を分析した結果をもとに営業活動をおこなうことで顧客のニーズを汲み取る

 

対策は関連する知識やスキルを身につけ自身の付加価値の向上を目指すこと

・テレワークの普及から顧客もオフィス内は不在になりがちでオフィスへ連絡がつきづらい現状に鑑み、オンラインで実施する商談の普及で電話によるアポイントの獲得は減少するが、オンラインでスムーズに実施できるようにITリテラシーの向上が必要

・オンライン商談の場合は名刺交換をオンラインで実施して顧客の連絡先を正確に把握し、顧客との持続的な接点は外勤営業と同様に構築する

・オンライン商談が普及する事でエリアごとにわけられていた担当は業種や業界でわける等、特定業界のスペシャリストになる知識を身につけた営業活動を実施することで受注確度が向上する

・特にメーカー系の営業は、技術を語れる知識を身につけることが必要。業務の効率化により、技術系の人材に営業を任せる企業が増えていくことも想定される

 

※デジタル手法の例

デジタル手法の例 内容
マーケティングオートメーション(MA 顧客のメール開封や閲覧WEBサイトなどのデータを分析し、各々の顧客の特性に応じた情報を提供することでその後の商談の有効数を増やすシステム
セールスフォースオートメーション(SFA 営業支援システムであり、顧客情報や商談の進捗管理、営業間の事例共有などのシステム

事務職(一般職)の変化や課題

業務の大幅な再編が予想され、既存の業務は減少へ

・テレワークなどオンラインで実施する業務の普及により、社内の電話応対やコピー・FAXの対応、会議室の設置準備は減少し、加えて会計や帳票管理などの業務も自動化される

ECサイトの普及により小売店をはじめ、銀行や証券会社を含めた実店舗での人材需要が著しく低下する

・テレワークの中でオフィスの縮小を判断する企業が増え、一般職の業務再編とともに企業に所属して仕事をおこなうのではなく個人事業主として複数の会社と契約を結びながら、ワークライフバランスを充実させる働き方を選択する人が増加

 

対策は働き方の変化に柔軟に対応しつつ、自身のスキルを磨きながら準備する

・転勤をともなわず、ワークライフバランスの充実に重きを置ける事務職の仕事は、会社への所属でなく個や受託を生業とする会社への委託にシフトする可能性が高いので、自分自身の得意分野需要の高いスキルを磨くことが必要

・業務における専門性を高めることで、プロジェクト単位のジョブ型雇用でワークライフバランスの実現も可能

・個人事業主としての仕事も視野に入れ、仕事を受注するために必要なスキルや自分自身の能力をアピールするコミュニケーション力を向上させることも必要

財務の変化や課題

電子化と自動化が最も進む職種の1つ。より戦略的な部門へ

・財務や経理の仕事は、テレワークによりますます電子化が進む

・領収書や各種帳票が電子化され、自社の経理サーバーは会計ソフトやソリューションにより代替

・これまでは膨大な量の経理処理や、決算書や各種帳票の作成に多くの時間を割いていたが、その大部分が自動化される

 

対策はより戦略的な財務業務に対応するスキルアップ

・これまでは管理の側面が強く、業務には正確性や安定性が求められていたが、それ以上に戦略的なお金の配分や投資も含めた資金管理のスキルを身につける

戦略的な資金管理ツール(AI含む)を使いこなす知識を習得する

・財務の存在価値が変わることで人材の流動性が高まり、より専門職化することが予想される。経営戦略や投資戦略に加え、AIを駆使するスキルを学び、自分自身の市場価値を高めることが重要

総務・人事の変化や課題

テレワークによる効果を長期的に確認すべき業務が多く、ニューノーマルへの適応に苦慮

・総務系では、テレワークの導入に合わせたオフィス縮小などの施設面の整理が必要

・代表電話や代表住所であることが多い総務では、ステークホルダーのテレワーク導入具合によっても自社または自部署のテレワークの導入許容レベルが左右される

・人事系においては、採用にWEB面接やオンラインインターンシップ制度を取り入れることで応募層の裾野は広がり、コストが大幅削減となる反面、人となりの把握に苦慮する

人事評価はテレワークで過程が見えにくくなるために、評価指標を変える必要が生まれる

 

対策はテレワークの効果の見定めを目的とした比較材料の確保と客観的な比較

※総務人事系においては個の対策よりも部署全体としての対策が中心となる
※営業の受注成果などとは違い、求人の人材採用1つを取っても採用した社員が活躍するかどうかの確認は少なくとも数年を要する点に特殊性がある

WEB面接のメリット・デメリットのうち、短期的に把握可能なものではなく長期的な判断せざるを得ない項目(採用者の評価など)についてはPDCAを回せるように、求める人物像や内定を出した人材がそれに合致していると判断した根拠などを都度細かく記録に残しておくことが必要

・特に「WEB面接でも対面面接と同じように考えたが、結果それが間違っていた」というような事例を集めてノウハウを蓄積することが重要

・施設の縮小については、オフィスの賃貸料や従業員の交通費の削減など短期的に把握できる項目の他に、テレワーク前後の社員のパフォーマンスの比較に要する判断材料も収集、蓄積し、状況から今後の取り組みについて検討することが必要

情報マネジメントとシステム関連部署の変化や課題

これまで以上に組織の中核を担う一方で、強固なセキュリティ構築が求められる

・テレワークへの移行は業務の効率化や経費の削減にメリットがある反面、デメリットとしてICT環境の整備やセキュリティの強化が挙げられる

・特に、セキュリティについては、これまではオフィス内の一元的な管理が前提だったが、各従業員の就業環境も変わることで様々な状況に応じた情報保全対策の実現が必要

 

対策は、セキュリティの専門知識強化に加えて「伝える力」を磨くこと

・セキュリティ対策の前提が大きく変わるために、ITスキルや知識のアップデートは必須

・テレワークは各従業員が離れた場所で働くことを前提としているので、セキュリティレベルは各従業員の知識や業務環境にも大きく左右されることに鑑みて、これまで以上にセキュリティ教育や研修が必要になる。他部署の従業員など専門家ではない相手に理解してもらうために、わかりやすく伝えるコミュニケーション力が必要

ニューノーマルは仕事における女性と男性の不平等を改善

子育てしながらテレワークで仕事をする女性従業員

女性の社会進出を阻む問題

女性の社会進出は国策にもなり年々増えている一方で、正社員・正職員に占める女性の割合は27.4%、管理職の割合は最も多い係長クラスでも18.8%と、チームや部署のリーダーになる女性はまだまだ男性と同レベルには至っていません。

 

職種別正社員・正職員の男女比率

厚生労働省「職種別正社員・正職員の男女比率」

出典:厚生労働省 令和3年度雇用均等基本調査 企業調査結果概要

 

役職別女性管理職割合の推移(企業規模10人以上)

厚生労働省「役職別女性管理職割合の推移(企業規模 10 人以上)」

出典:厚生労働省 令和3年度雇用均等基本調査 企業調査結果概要

古くからの慣習や価値観が阻害要因となる一方で、出産や育児に関しては男性が代われない役割があることに加え、一般的な就業環境において、働き方改革が推進されているものの、女性には「仕事」か「出産・育児」の2択しかないケースが多いことも事実として根深く残っています。

働き方のニューノーマルが女性の社会進出を阻む問題にチャレンジする

ニューノーマル時代の働き方と女性の社会進出の促進はどのように接続するのでしょうか。

3つの観点から検証します。

 

1. 男性のワークライフバランスの充実がもたらす効果

テレワークの普及は、移動による時間的な拘束やオフィスで仕事をするという空間的な拘束から自由になるため、女性のワークライフバランスの充実に加えて男性が出産準備や育児に積極的に関わることを可能とします。女性が仕事に割ける時間がさらに増えることは、育休や退職によりキャリアを止める必要性が低下することで、女性に代わって男性の育児休暇取得率が向上するメリットもあります。

 

2. ニューノーマル時代の働き方の柔軟性がもたらす効果

ニューノーマル時代はテレワークにより時間および空間的な拘束から解放される他に、成果主義の導入や、より柔軟な働き方を推進するフレックスタイムの導入もキーワードとなります。例えば1日8時間という拘束時間が可変的になることで、女性の社会進出を後押しするとともにキャリアの分断を防ぎ、会社への定着率が向上します。

 

3. 環境が変わることで古い価値観や慣習がリセットされる効果

戦前に流れを汲む「女性は家庭に入り、男性が外で働く」という構図が慣習的に続いていました。現代では多くの社会人がそれを「古い常識」と理解していても、通勤や就業時間の拘束、男性では代替が効かない出産や育児における一面の存在を前に、その古い常識を積極的に変えようとする機運はありませんでした。

 

しかし、就業における前提が大きく変わることで、「なんとなく」で続いていた慣習が是正される機会を得るとともに、上記1.2.によって物理的な問題が一定程度クリアになることで、女性の社会進出の加速に寄与します。

まとめ

今回は、ニューノーマルの仕事において、業種や職種の変化に焦点を当てて紹介しました。

業種や職種のあり方が変わることで、会社は従業員のデータを整理・把握することに加えて、目指すべき姿を示し育成する必要が生まれます。一方で、変化する従業員自身のモチベーションや帰属意識の向上も不可欠です。従業員のモチベーションや帰属意識の醸成には、福利厚生制度の充実が1つの有力な施策です。近年、多くの調査で入社の決め手として「福利厚生の充実」を挙げる求職者が増えています。

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ニューノーマル時代を見据えた人材育成において、ぜひ「ベネフィット・ステーション」と「ベネワン・プラットフォーム」の導入をご検討ください。

 

この記事のポイントは以下の5点です。

・アフターコロナのニューノーマル(新常態)時代の出発点は「衛生意識の変化

・衛生意識の変化をきっかけとして、多くの業種や職種のあり方が急速に変わる

・一方で業種や職種の変化は突然生まれたものではなく、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)によって従来から緩やかに続いていたIT・ICT・AI技術の浸透が加速して顕在化したもの

・仕事は今後大きな変化が予想され、それに適応する準備が必要。職種別での具体例として、営業では足を使った対面営業の費用対効果が問われ、財務では紙ベースの経理処理や数字の手入力などが見直される可能性が高い

・ニューノーマル時代は女性の社会進出を阻む課題を大幅に改善する可能性が高い

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