ワークライフバランス

ABWとは?オフィス改革と働き方改革を同時に実現する方法と事例を紹介

ABWを導入して笑顔でいきいきと働く従業員

多くの企業では、テレワークを継続しながらもアフターコロナを見据えて出社を認めています。さかのぼること2020年に新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなって、在宅勤務などオフィス以外の場所で仕事をするテレワークが急激に増加したことから、オフィスの縮小や解約が相次ぎ空室が増えましたが、2021年は事業や機能の統合によるオフィス移転が増え、オフィスの空室は前年より下げ止まりました。つまり、オフィス自体の解約数は減ったものの、オフィスの面積は依然として縮小傾向にあるということを意味します。この背景には、テレワークの導入で低下したエンゲージメントの向上と、オンラインでは完全に成立しづらい組織内のコミュニケーションの活性化で、完全なテレワークだけの働き方(フルリモート)ではなく、多少なりともオフィスへも出社する動きがみられるようになったことが挙げられます。

こうしたテレワークとオフィス出社のハイブリッドな働き方の起源に「ABW」があります。今回は、このABWとはどういう働き方なのかということと、今後のオフィスや働き方をどう変えるのか、導入事例と合わせて紹介します。

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ABWとは?

オフィスとリモートのハイブリッドワークで時間と場所を問わない働き方をする従業員

ABWとは「Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略で、仕事を効率よく進めるために時間や場所を自由に決められるワークスタイルを定義としています。もともとは1990年代にオランダのコンサルティング企業であるVeldhoenCompany(ヴェルデホーエン)が提唱した働き方で、従業員には10種類の活動内容があり、高い生産性と新たな価値を創造するためには仕事内容と人数に合わせた最適なワークプレイスが必要という考えが起源とされています。例えば、中断することなく高いレベルでの集中力が求められる仕事は自宅で1人でおこない、アイデアの構築や情報共有はオフィスで3人以上でおこなうなど、仕事内容に応じて広さや環境が適切なワークプレイスを自由に選ぶ働き方がABWです。

 

場所や時間にとらわれない他の働き方との違い

ABWのように場所や時間にとらわれない働き方として、「フリーアドレス」「テレワーク」「ワーケーション」「フレックスタイム」などがありますが、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの働き方をABWと比較して解説します。

フリーアドレスとの違い

フリーアドレスとは、オフィス内で従業員の座席を決めず自由に自分の好きな席で働くワークスタイルのことで、企業だけでなく官公庁でも採用されている事例もあります。コロナ禍でやむを得ずオフィス出社する場合の感染症対策として、ソーシャルディスタンスを確保する点でも、相性の良い働き方でありながらもオフィス全体のコミュニケーション活性化につながることがポイントです。これに対して、ABWは働く場所をオフィス内に限定せず、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどを含むため、さらに空間的自由度の高い働き方といえます。また、ABWでは仕事内容に応じてワークプレイスが選べることから、業務効率や生産性向上を視野に入れて自律的に作業空間をデザインする働き方の要素も含まれています。

テレワークとの違い

テレワークでは、自宅やカフェなどオフィス以外の場所でも働けます。ノートパソコンに代表されるようなモバイルデバイスが普及したことや、コロナ禍の現状を踏まえて近年では多くの企業で導入されています。テレワークのメリットは、書類はクラウドなどで管理してペーパーレス化で効率を上げる点や、オフィス面積の縮小などコスト削減に効果が大きいところです。ただし、テレワークは原則ルールとして決められた就業時間内に働くことを前提としていますが、ABWでは時間も自分で選択して働くことが可能です。つまり、ABWは空間的にも時間的にも自由な働き方なのです。

ワーケーションとの違い

ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、山や海、ホテルといったリゾート地などオフィス以外の場所で働きながら休暇取得もおこなう働き方です。官公庁ではワーケーションを休暇型と業務型に分類しており、従業員にとっては生産性向上やワークライフバランスの充実に、企業側にとっては有給休暇の取得や従業員のエンゲージメントを向上させる目的があります。仕事内容に合わせて場所や時間を選ぶABWとは勤務する場所や目的が異なっていますが、ワーケーションはABWに余暇を加えた働き方といえますので、オフィス以外での働き方としてABWの延長線上にワーケーションがあるともいえます。

フレックスタイム制との違い

フレックスタイム制はABWと同様にワークプレイスは自由に選択できますが、制度そのものとして始業時間や終業時間といった労働時間の清算期間を日単位ではなく月単位にすることで、いつどれだけ働くかを自分で自由に決められる働き方です。これに対して、ABWは前述のとおり時間も場所もフレキシブルに決められますので、フレックスタイム制はABWの中に含まれる働き方であるといえます。

 

ABWを導入するメリット・デメリット

ここでは、ABWを導入する際に生じる企業側と従業員側のメリット・デメリットを解説します。ABWに限らず新たな働き方を導入するということは従業員に直接的な影響が大きいですので、メリット・デメリットともに説明することが重要です。

企業にとってのメリット

1.コスト削減

ABWを導入することで常時オフィスにいる従業員の数が減るとともに、紙媒体の資料や書類をデータ化することで書類を保管していたスペースが空きます。その結果、オフィスの縮小やペーパーレス化が可能になり、オフィスにかかっていた賃料や光熱費をはじめとするコスト削減につながります。固定席も必要なくなるため、デスクや椅子などの備品やデスクトップPCや固定電話なども必要最低限数になります。

 

2.企業ブランド向上

コロナ禍により、多くの人々が自分の価値観や人生を見直すようになりました。特に、これから就職する学生世代はワークライフバランスを重視している傾向にあります。「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」では、全国約48,000人の学生を対象に就職先を決める際のポイントを質問したところ、「給料の良い会社(19.0%)」や「休日、休暇の多い会社(12.2%)」が大きく増加しました。これまで約20年間の調査では「自分のやりたい仕事や職種に就ける会社」がトップだったのが35.7%で、「安定している会社」が調査以来、初めてのトップで39.6%となりました。これは2022年度卒の学生にも同じことがいえ、「2022年卒マイナビ大学生就職意識調査」では、「安定している会社」と回答した学生は全国約41,000人のうち42.8%を占め、依然として首位をキープしています。

また、2022年卒の傾向としては「働きがいのある会社」が12.8%を獲得していますが、この項目は中小企業を志望している学生で高い値を示しており、企業規模を問わずやりがいや働きやすさを重視している傾向がうかがえます。アフターコロナを見据えてABWをいち早く導入すれば、企業の魅力アップや採用ブランディングの向上につながるため、優秀な人材の確保にも有利になります。

 

3.DX推進

経済産業省によると、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。ABWはデジタル化をともなって労働環境を整備し、これまで常識とされてきた働き方を変革して仕事の効率を中心に場所や時間を決めていくワークスタイルのため、企業が競争上の優位性を確立する上でも相性の良い働き方といえます。

企業にとってのデメリット

1.労務管理や評価が困難

仮に、従業員が連日オフィスへ出社しても居場所が毎日変わり、日によってはオフィスにいないとなれば上司は部下の仕事ぶりを管理することが難しくなります。これまでのように勤務時間や勤務態度に基づく人事評価制度は立ち行かなくなるでしょう。また、テレワークやフレックスタイム制にもいえることですが、ABWでも時間や場所をフレキシブルに決められることからこれまでのような労務管理も難しくなるため、新たな勤怠管理システムの構築や制度の策定が必要となります。

 

2.セキュリティ低下の恐れ

テレワークにもいえることですが、ABWでもノートパソコンなどモバイルデバイスを使用した仕事が前提となります。そのため、どこで仕事をしていてもオフィスと同等のセキュリティを確保し、企業の機密情報の漏洩やサイバー攻撃を防ぐための対策を講じる必要があります。

従業員にとってのメリット

1.生産性の向上

ABWを導入する主な目的は生産性向上を中心としたワークライフバランスの実現や働き方における従業員満足度の向上です。これまでは一人で集中しなければならない作業であっても打ち合わせであっても、どのような業務も同じオフィスでおこなってきたことに対してABWは変革をもたらし、業務に合わせて最適な場所で働くようにするため、生産性の向上が期待できます。

 

2.ワークライフバランスの向上

オフィスに必ず出勤して仕事をする場合、往復の通勤時間分を家族との時間やプライベートに充てる時間を犠牲にしなければなりません。この点に対して、ABWは自宅や近所のカフェなどでも勤務可能のため、子育てや介護のための時間も確保しやすくなり、ワークライフバランスを維持しやすくなります。結果的に、自分のライフスタイルに合う働き方が実現することから従業員満足度が向上し、仕事に対する従業員の自律性を育むことにもつながります。また、ABWで働く時間や場所を自由に決められることで幸福感が得られますので、心身ともに幸福な状態を意味するWell-being(ウェルビーイング)向上にも効果があります。

従業員にとってのデメリット

従業員にとってのデメリットとして、コミュニケーションの不足が挙げられます。ABWの導入により、同じチームや部署で働いていてもフリーアドレスやテレワークと同様に直接顔を合わせる機会が減るためです。たとえ、非対面(オンライン)であってもこまめにコミュニケーションの機会を確保しておかないと、認識のずれが生じたりプロジェクトを遂行する上で支障が出たりする可能性があります。また、相手のコンディションを把握しないままプロジェクトを進めていては、お互いに本来のパフォーマンスを維持できずかえって生産性が低下してしまいます。この課題を解決するためには、従業員同士が決められた日に出社することや、オンライン上で定期的にミーティングを実施するなどして、交流を持つ機会を作ることが必要になります。

 

ABW導入事例

リモートワーク(在宅勤務)とオフィス勤務でオンラインMTGを実施する従業員

ここでは、実際にABWを導入している企業の事例を紹介します。導入シミュレーションの際、同じ業種であればより具体的なイメージを持っていただけるかと思いますが、別の業種であっても自社の働き方に照らし合わせて参考にしていただけるのではないでしょうか。

事務用品や各種設備を扱うA

A社は、前述したABWの生みの親であるVeldhoenCompanyと業務提携し、自社での導入のみならず、日本国内でのコンサルティングサービスもおこなっています。ABWを導入したオフィスでは、午前中は個室で集中して働き、午後からは対話しやすいブースで上司とのミーティングというように、仕事内容に合わせて働く環境を選択できるようになっています。

医療機器メーカーB

ワークプレイスに関して固定観念を払拭することを目指していたB社は、仕事内容に合わせて最適な場所を選択できるオフィスを設計しました。ちょっとした打ち合せや作業に適したダイナーテーブル、大人数のミーティングにも対応できるソファ席、一人で集中して業務に取り組みたいときに使用する個室ブースなど、ワークプレイスは多種多様です。同社はABWの実現のためオフィス改革だけでなく、他にも様々な働き方改革を実践しました。その一つに個人の荷物を90%減らす断捨離プロジェクトというものがあり、実施後の個人の荷物はパーソナルロッカーに納まる分だけになったそうです。

住宅総合メーカーC

C社のオフィスコンセプトは「Link Work Place」であり、そこにはヒトの「つながり」、企業の「つながり」、空間の「つながり」、多様な「つながり」を創造し、より生産性の高い働き方を実現したいという願いが込められています。そして、グループ・社内・部門・職種それぞれのつながりを高めるABWの具体例として、役員席を含めてフリーアドレス制を採用し、仕事内容によってつながりの深さや広さを選べ、状況に応じて可動式の家具を柔軟に調整できるようにしています。

外資系製薬会社D

D社では、これまでオフィスでの会議室不足やエレベーターの稼働効率の低さにより社員の遅刻が常態化し、部門同士のコミュニケーション不足も課題になっていました。この問題点を解決すべく、従来9フロアあったオフィスを3フロアに集約し、オープンスペースやテレワークの導入によりコスト削減とコミュニケーション促進を同時に進めました。

大手総合建築会社E

E社は、2018年に新たな価値創造と生産性向上を目指して本店のリニューアル工事を実施しました。その際に導入した働き方がABWで、「いきいきと働くことができる環境(人が繋がる・知識が繋がる)」を目指して「こもれるリフレッシュエリア」や「集中ワークエリア」などが設けられ、仕事内容に合わせて最適な環境を選択できるようにしました。ABWは働き方にも波及し、オフィスにある書類の50%を削減や社員がコア業務に集中できるようにノンコア業務に携わるオフィスコンシェルジュの登用を実施しました。

総合エンターテインメント企業F

F社では、ABWを「全社員が時間や場所にとらわれず自律的に行動する」働き方と定義し、サテライトオフィスの利用や在宅勤務を無制限に許可しています。また、出社が前提ではなくなった働き方を推進することで、通勤定期代の廃止をおこないました。同社が目指しているのは「ピラミッド型組織」から「チームやプロジェクトの集合体」への変革で、権限を管理者から現場へ移譲することです。ABWの実現は、同社が掲げる「自律」「オープン」「フラット」「シェア」を特徴とする企業文化へとつながると考えられています。

 

まとめ

多様なワークスペースを選べるようになった現在、ABWは非常に魅力的な働き方ですが、大切なことは自社が抱える課題を解決する上で効果的なのかどうかです。まず、自社の働き方や従業員の意識などを含めて現状を調査し、継続した事業の発展を目指すために従業員をどのように育成するのか、そのためにはどのような働き方が相当なのか検討していくことが必要です。

従業員の働き方における現状把握のためのツールとして、ベネフィット・ワンのデータ活用プラットフォーム「ベネワン・プラットフォーム」があります。このツールにより従業員の勤怠管理や健診結果など従業員の様々なデータや情報を一括管理し、ひいては人事部をDX化できます。

また、ABWに代表されるように、従業員はさらにワークライフバランスを重視していくことでしょう。従業員のライフスタイルに合わせて働き方が多様化する今の時代は、企業にとって福利厚生の充実は必須になります。ベネフィット・ワンが提供する「ベネフィット・ステーション」では、全国で活用できる140万件以上のサービスを提供しているため、従業員と家族の様々なニーズに応えることができる次世代型福利厚生サービスです。

働き方が大きく変わっている今、ベネフィット・ワンはオフィス改革と働き方改革をトータルでサポートします。ABWを導入する際は、前述のツールの導入を前提に、本記事のメリットとデメリットを踏まえ、事例を参考にしながら環境整備を進めていくことをおすすめします。

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従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどないのも特徴です。

ぜひこの機会に福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。


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