5分でわかる健康経営!取り組みのステップと企業事例を完全解説

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5分でわかる健康経営!取り組みのステップと企業事例を完全解説

従業員の健康管理は、ますます企業にとって重要な課題となっています。

  • 長時間労働の常態化
  • うつなどの職場メンタルヘルスの増加

など「健康で元気に働ける企業」というある意味当たり前の事が実現しにくい世の中になっています。 その現状からいっそう注目を集め、政府も推進しているのが「健康経営」です。 「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営的な課題ととらえ、戦略・計画的に取り組む経営手法です。 従業員の健康促進によって

  • 生産性の向上
  • 離職率の低下
  • 企業イメージアップ

といった効果が期待できるわけです。 健康経営の促進イメージ しかし「健康経営に取り組みたいけど、何から始めればいいのか…」と思っていませんか? 健康経営はポイントを押さえれば、決して難しい事ではありませんが、

  • 年に一回は健康診断を受けましょう
  • 休日は適切に取りましょう

といった最低限・表面的な施策だけでは、健康経営を本質的に行っているとはいえません。 高いパフォーマンスを実現する健康経営には以下の共通点があります。

  • 経営者が主体となり、全従業員を牽引している
  • 従業員が興味を持ち、参加しやすい内容
  • 定期的にセミナーやイベントを行い、健康を意識しやすい環境づくりをしている

今回は、健康経営に取り組むべき理由と共に

  • 健康経営の導入ステップ
  • 健康経営の好事例に見る成功ポイント

までを徹底解説します。 明日から、あなたの会社でも健康経営を開始するために必要な知識をまとめています。 ぜひ最後までご覧ください。

中小企業の方向けに、別記事「従業員の健康を守る!中小企業こそ健康経営に取り組むべきその理由」もご用意しております。合わせてお読みください。

【注目】自社にとって本当に必要な福利厚生制度は?

もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。

図解でわかる!健康経営とは

図解でわかる!健康経営とは 健康経営とは、冒頭でお話ししたように「従業員の健康管理を経営課題とし、戦略的に取り組む経営手法」の事です。

従業員が健康であれば、高い集中力を保って仕事に取り組めるため生産性が向上し、さらに医療費にかかる企業負担が減少することで利益率が上がるというプラスのサイクルが生まれます。 図解でわかる!健康経営とは このサイクルを作るために、企業が投資して従業員の健康を管理するというのが健康管理の基本です。

健康経営では、従業員の健康管理にかかる負担は、費用でなく「将来に向けた投資」と捉えます。

ちなみにこの考え方は、アメリカの経営心理学者ローゼンの著書「The Healthy Company」が始まりだと言われています。

これは「健康経営の考え方のバイブル」として、経営者で愛読する方も多いです。

対して「不健康経営」とも言える状態においては、従業員の健康悪化が生産性の低下・離職率の増加につながり、結果的に企業収益性が低下・健康促進に投資もできない状態という負のスパイラルを生みます。 「不健康経営」とも言える状態

日本における健康経営推進

日本における健康経営推進 日本でも現在、政府主導の施策の中の一環として健康経営を促す動きがあります。

具体的には、経済産業省と東京証券取引所が「健康経営銘柄」を選定したり、日本政策投資銀行による「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」が融資制度に加わったりと、官民一体となって健康経営を行う企業を応援する仕組みが構築されてきました。

日本で健康経営が推進される背景

健康経営が注目を集め、推進されるのには「健康保険の赤字額が企業財政を圧迫してきた」という背景もあります。

健康保険の企業負担は想像以上に大きい

実際、健康保険の赤字額は想像以上に膨らみつつあります。

平成29年度の健康保険組合予算集計結果によれば、経常赤字額が3060億円となることが明らかにされています。

割合でいえば、赤字組合は全組合の7割を超えています。 その赤字負担は該当企業が行わなければなりません。

どんなに事業の売上や利益率が高くても、健康を損なう従業員が多ければ、医療費という思いがけない負担が生まれてくるのです。

また病欠しがちな従業員や、心身が万全でない従業員が多く働く職場では、生産性やモチベーションが上がりにくくなります。

それだけでなく、病気で休む従業員の穴埋めを他の従業員が行うとなると、カバーする側に負担がかかります。

結果、カバーに入った社員まで体を壊す…といった事も珍しくありません。

一旦「不健康経営」の負のスパイラルに陥った職場は、離職率が高くなり企業のイメージダウンにもつながりかねません。

健康経営による赤字減少、業績アップへの期待

会社が従業員の健康を管理し皆が病気にかからずに仕事ができれば、健康保険を使う回数も減り保険の赤字が減少します。

また、仕事の効率も上がり、高い生産性を生みやすくなります。

  • 従業員が健康なら、病院へ通う頻度が減り、保険を利用する機会も減る
  • 健康経営が評価されると、会社のイメージアップにつながる
  • 株価が上がりやすくなり、会社の価値も高くなる
  • 健康経営を行うと、健康保険にかかる費用の削減と収益アップの両方が期待できる

というプラスの効果が生まれるため、政府主導で推進されるようになりました。

従業員が健康でいれば、大きな病気を発病するリスクを下げることが可能ですし、長期に渡って元気に勤務できる環境を整える事にもつながります。

健康への投資は3倍の投資効果がある

健康経営に投資をしてどのくらいの効果があるのか、不安を感じる人もいるでしょう。

J&Jグループが世界250社、約11万4000人の従業員に健康教育プログラムを提供し、その投資にどれだけのリターンがあったかを調べた結果があります。

この結果によれば、健康経営の投資(人件費や保健指導利用費、システム開発や運用費、設備費用)を1ドルとしたとき、リターンは3ドルあったとされています。

リターンの内容は、生産性の向上や医療コストの削減、優秀な社員を獲得しやすくなったなど、多岐に渡りました。

調査によって分かった健康経営のリターン
  • 欠勤率低下
  • 作業効率アップ
  • 医療費抑制
  • モチベーションアップ
  • 就職人気ランキングで上位ランクイン
  • ブランドイメージの向上
  • 株価上昇

健康経営を進め、従業員の健康に投資することは、多方面で嬉しいリターンを生むと言えます。

現在の国内経営の課題

日本の企業は、諸外国に比べて労働時間が長いことで知られています。

また、強いストレスを感じながら仕事をしている人も多く、長期休業する人の多さや、高い自殺率も見過ごせません。

さらに、休まず会社に通勤している人の中でも、慢性的な疾患(肩こりや腰痛)を抱えながら働く人ばかりです。 万全でない体調を押して働くと、集中力をはじめパフォーマンスが低下します。

長期休業者がいれば、その分を他の従業員が埋めなくてはいけないため、周囲に負担がかかり、さらに生産性を低下させます。

また、離職率が高いと、頻繁に人材の募集や新しい人材への教育を行わなくてはならず、人件費が余計にかかります。 今後、少子化により労働人口が減少していくことはほぼ確実です。

優秀な人材を確保することがどんどん難しくなる為、現在いる従業員になるべく長く勤めてもらうことが、人材確保にかかるコストを節約する意味で重要です。

従業員が万全の体調で長く勤務し続けられるよう環境を整えるのは、企業の今後にとって欠かせない投資と言えます。

具体的な政府の取り組み

日本では、政府が主導する日本再興戦略の1つ「健康寿命の延伸」が健康経営に結びついています。

「健康寿命の延伸」は、健康予防や介護関連事業、医薬品などの市場規模を拡大することを目的としており、そのために予防や健康管理の新たな仕組みが必要だとしています。

2013年に日本再興戦略が閣議決定された後、経済産業省がまとめたアクションプラン2015において、健康経営が打ち出されています。

アクションプラン2015では、健康経営優良企業を認定する制度を作り、優良だと認められた企業には、企業規模に応じたインセンティブを付与することが検討されました。

インセンティブの内容は地域によって異なりますが、事業資金融資の金利優遇としている自治体がほとんどです。

健康経営のメリットと注意点

健康経営のメリットと注意点 冒頭でお話しした通り、健康経営を行うと、以下のようなメリットがあります。

  • 生産性アップ
  • リスクマネジメント
  • 企業が負担する医療費の軽減
  • イメージアップ

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

健康経営のメリット(1)生産性アップ

心身ともに健康な状態で仕事に取り組むと集中でき、良いパフォーマンスを発揮できます。 しかし何らかの不調を抱えていると、

  • 集中できずミスをしやすい
  • 作業スピードが落ちる

など、生産性が低下します。

健康日本21フォーラムが発表した「疾患・症状が仕事の生産性などに与える影響に関する調査」によれば、健康な状態での業務遂行能力を100としたとき、メンタル面で不調があると業務遂行能力は約半分に低下、肉体の不調があると約7割に低下してしまいます。 「疾患・症状が仕事の生産性などに与える影響に関する調査」 イライラや不眠などのメンタル面の不調や、肩や首のコリ、腰痛など「出勤して仕事はできるけれど不調を抱えている」状態では、健康な状態のパフォーマンスで仕事が出来ません。

厄介なことに、メンタル面の不調や慢性的な肉体の不調は、本人は辛い一方で周囲は気づきにくいという側面があります。

また出勤して通常通り勤務しているため、パフォーマンスの低下も見過ごされがちです。

従業員が心身共に万全の体調で仕事に取り組めれば、それだけで生産性が上がることが予想できます。

健康経営のメリット(2)リスクマネジメント

健康に問題がある状態で勤務し続けていると、最悪の場合、心筋梗塞やくも膜下出血などを起こす可能性が高くなります。

従業員が突然入院する、死亡したとなると、企業はすぐに変わりの人材を確保しなくてはならず、コストがかかります。

また病院へ通い保険を使うため、企業が負担する保険の赤字補填分も膨らみます。 それだけではありません。

心身に何らかの負担を抱えたままでは仕事に集中しにくく、その結果、事故や不祥事を起こしやすくなります。

仕事中に起こる事故は、場合によっては会社全体を揺るがす大きな問題になりかねません。

さらに通勤中や勤務中に起こった事故で怪我をした場合は労災が適用され、その費用もかかります。

例えば残業続きで慢性的な睡眠不足になっている従業員が「通勤中ぼーっとして駅の階段で足を滑らせた」という場合でも労災が認定されます。

従業員の健康を管理するのは、リスクマネジメントの一環でもあり、企業を守ることにもつながります。

健康経営のメリット(3)企業が負担する医療費の軽減

従業員が健康を害した場合は病院で診療を受けることになります。

この時、当然ながら保険を使う訳ですが、その健康保険は企業が負担しなくてはいけません。

健康でめったに病気にならない社員が多い会社は、健康保険の負担が少なく済みます。

健康保険にかかる費用の増加を防ぐためには、個人だけに健康管理を任せるのではなく、企業が積極的に健康維持に関わった方が効果的なわけです。

健康経営のメリット(4)企業のイメージアップ

健康経営を行うと「従業員を大事にする会社」という良いイメージがつきます。

経済産業省では「健康経営優良法人認定制度」を作り、優良な健康経営を実践している企業や法人を顕彰しています。

健康経営を行う企業が見えるようにすることで、求職者からの印象も良くなりますし、従業員も安心して勤務できます。

さらに金融機関や関連企業からも信頼され、評価されやすくなるなど、社会的な価値が高まるのです。

この制度は、大規模な法人を対象にした部門と、中小規模の企業を対象に2部門に分かれており、それぞれの部門で有料法人が認定されます。

健康経営による株価の上昇効果

また、健康経営による企業のイメージアップは株価にも反映されます。

2017年に健康企業銘柄(経済産業省が選定する、健康経営を行っている魅力的な企業)に選ばれた企業24社の株価と、日経平均、およびTOPIXの株価のパフォーマンスを比較した資料があります。

2015年1月5日終値 2017年10月31日終値 期間騰落率
日経平均 17,408.71 22,011.61 26.4%
TOPIX 1,401.09 1765.96 26.0%
健康企業銘柄24社平均 28.3%

社会的な要因などにより下落した企業もありますが、約半数の企業が日経平均やTOPIXの期間騰落率を上回っています。

健康経営を行う企業は株価が平均よりも上がりやすく、投資家も「優良な投資先」として投資をするかどうかの基準にできるのです。 健康経営の注意点 さて、ここまで健康経営のメリットをお話ししてきましたが、闇雲に取り組んでもなかなか効果が出にくいのが健康経営。 健康経営の注意点もしっかり押さえておきましょう。

健康経営の注意点(1)全体に健康経営の重要さを伝える必要がある

健康経営にはさまざまやり方がありますが、うまく企業全体に浸透させて行かなければ、告知しただけで誰も参加しないという状態になりかねません。

例えば自主参加の健康に関するセミナーを開催したとしても、参加者の顔ぶれが固定される恐れがあります。 健康に関心がありセミナーに参加できる時間がある従業員のみが参加し、一番受講してほしい

  • 健康に無関心な従業員
  • 仕事に追われてストレスが溜まっている従業員

が不参加だった、という結果になることが予想されるのです。

これを避けるためには、全体への影響力が強い人から、健康経営へ参加するよう呼び掛けてもらうのが効果的です。

影響力がある人を巻き込み、健康経営を推し進める中心人物になってもらうのが一番です。 大きな声で発信できる人に仲間になってもらうと、いつの間にか多くの人々が健康経営に参加していた、という状況を作りやすくなります。

健康経営の注意点(2)トップの理解がなければ推進しにくい

健康経営を行う為に重要なのが、健康管理の大切さを企業のトップに伝え、トップの理解を得ることです。

トップがその重要さを理解しなければ、健康経営はいつしか多くの施策の中に埋もれてしまいます。

その結果、企画が立ち消えになったり、予算を削られてしまったりする恐れがあります。

しかしトップが健康経営の内容に賛同し、健康経営について何らかの発信をしてくれれば、会社全体の取り組みとして全社員に認知され、協力を得やすくなります。

健康経営に取り組むべき企業の特徴

健康経営に取り組むべき企業
健康経営は全ての企業で必要だと言えますが、中でも、早急に取り組むべき企業は以下の通りです。

  • ストレスチェックの結果が悪い企業
  • 長期休業者が多い企業
  • 人材不足で、労働時間が長くなりがちな企業
  • 中高年の従業員が多い企業

(1)ストレスチェックの結果が悪い企業

2015年から一定以上の規模の企業に対して義務化されたストレスチェック制度の結果で、高レベルのストレスを抱えている社員が多い企業は、社員のメンタルヘルス悪化を防ぐ為にも健康経営が必要です。 また全体の結果だけでなく、

  • 部署ごとの結果
  • 年代別の結果
  • 役職別の結果

などにも目を向けてみましょう。 一部の部署や年代にだけ、高ストレスの従業員が偏っているケースは珍しくありません。

ストレスチェック制度の詳細については、別記事「毎年の実施が義務化に、ストレスチェック制度完全マニュアル」でご紹介しております。

(2)長期休業者が多い企業

職場でストレスを抱えてうつ病にかかった結果、出勤できなくなって長期休業する人も少なくありません。

アデコが2017年にストレスチェックを実施する会社の責任者へ行った調査では、6割がメンタルヘルス対策に課題や悩みがあると回答しています。

そしてその悩みの実に半分が「休職者の増加」だったのです。 日本の自殺率は非常に高く、世界でワースト6位に位置します。

更にうつ病は自殺の引き金になる事が珍しくありません。 自殺の直接的な理由は、健康上の理由や経済的な理由などさまざまですが、約15%が、勤務問題を理由として自殺しているとされます。

特に自殺者は40代~50代の働き盛りの世代が多い点も見逃せません。 従業員が職場でストレスを感じずに働ける環境を整え、うつ病になるリスクや自殺をするリスクを減らすことは、職場全体が高いパフォーマンスを発揮することにつながります。

(3)人材不足で、労働時間が長くなりがちな企業

長時間の残業や休日出勤が恒常化している企業も、健康経営が必要です。

長い時間会社にいる為、体調が悪くても必要な治療を受けに病院に通えず、病状が悪化し慢性化している恐れがあります。

また長時間労働や休日出勤は、心身をリラックスさせる時間を取りにくいため、肉体的だけでなく精神的にも悪影響を与えます。

人材不足の原因と対策については、別記事「データで読み解く!人手不足の本当の原因と経営者のための対抗策」にてご紹介しております。

(4)中高年の従業員が多い企業

若い従業員の死因は自殺や不慮の事故が上位を占めますが、中高年の死因の主な原因は悪性新生物や心疾患、脳血管疾患です。

特に30代後半を過ぎるとこれらの原因で死亡する人の割合が増加します。

しかしこれらは健康管理がきちんと出来ていれば、防げた可能性も高いと考えられます。

職場で責任があるポジションに就き精力的に働く中高年の従業員を守るためにも、会社が主体的に健康管理を行う働きかけが必要です。

健康経営の完全導入4STEP

健康経営の完全導入ステップ 次に、健康経営を具体的に導入するための必要ステップを解説していきましょう。

考え方自体はシンプルですので、決して難しくはありません。 以下4つのステップに分類する事で、明日から着実に取り組むことが可能だと考えています。 健康経営の導入ステップ

STEP1. 健康経営を行うことを告知する

まず社内広報やプレスリリースで、健康経営を行うことを社内、社外に宣言します。

企業トップが健康経営の重要さを理解し、経営理念の中に明文化した上で、従業員や投資家に向けて発信するのが理想です。

また経営理念に基づき、具体的に何をするのかという指針を示します。

加入している全国健康保険協会や健康保険組合では「健康宣言事業所の募集」を行っている場合があります。 これらの組織に確認し「健康企業宣言」も行いましょう。

STEP2. 組織の体制作り

健康管理を行うための組織を作り、方針に応じて専門部署を作ります。

人事部などに担当者を置く他、さらに効果を高める為に健康経営アドバイザーなど、外部の人材の手を借りても良いでしょう。

担当者が健康管理について知識がない場合、健康管理研修も必要です。 また全社的に取り組み、行動しなければ意味がないため、企画段階から役員会などで取り上げていく事が大切です。

STEP3. 課題の確認

健康管理を進めるために、健康診断やストレスチェックテストの受診率を確認します。

その結果から、従業員の健康状況を調査し、必要な課題や改善すべき点を探しましょう。 部署や職階によって必要な課題が異なることもあります・

課題の例

  • 管理職の残業が多すぎる
  • 特定の部署で、高いストレスを感じている従業員が多い
  • 特定の部署の健康診断受診率が低い

残業や休日出勤、有給消化率を確認し、労働環境の問題点も洗い出しましょう。

STEP4. 計画作成と実行

課題の確認から明らかになった「社内で取り組むべき課題」に対し、解決方法を計画します。

取り組みの例

  • ノー残業デーを作る
  • 保険師による個別診断で、食事や運動の指導を行う
  • 運動やストレッチなど、身体を動かす時間を作る
  • 健康に関するセミナーを開き、健康への意識を高める

必要な改善内容に合わせ、どのような成果を目指すのか目標を決め、その目標を達成できるような計画を立て従業員に告知します。

一定期間が経過したら、

  • 取り組みがどれくらい実行されたのか
  • 結果はどうだったのか

を検証します。 それを元に、新しい計画を立てる際の参考にしましょう。

取り組みのポイント

中小企業の場合、簡単かつ従業員が楽しんで取り組めるものから始めていくのがおすすめです。

企業によって

  • 従業員が求めているもの
  • 今まさに必要としているもの

が違うため、1つ前のステップで一番の問題は何かを検証した上で、計画を立てると良いでしょう。

取り組みの例
  • 階段使用を推奨し、体力アップを目指す
  • スポーツイベントを開催する
  • 疲労解消のため、昼寝を導入

ぜひ参考にしたい!健康経営の好事例5選

最後に、健康経営銘柄に選定された企業を中心に、効果を上げている健康経営の事例をご紹介します。

健康経営銘柄とは

健康経営に取り組む企業=魅力的な企業であるとし、経済産業省と東京証券取引所が、その銘柄を「健康経営銘柄」として発表しています。

健康経営に取り組む企業が「見える化」されているので、株式市場でも高い評価を得やすくなっています。

株式会社ベネフィットワン・ヘルスケア:代表取締役自らが、健康経営CHOに着任し、全体を牽引

株式会社ベネフィットワン・ヘルスケア:代表取締役自らが、健康経営CHOに着任し、全体を牽引 ※参照:https://www.bohc.co.jp/

株式会社ベネフィットワン・ヘルスケアの取り組みの特徴

  • トップが主体となって健康経営を行う
  • 健康に関する教育を随時実施
  • 短時間なので皆が参加しやすい
  • 教育を徹底して残業時間の短縮に成功

株式会社ベネフィットワン・ヘルスケアは、人間ドックの予約手配やメンタルヘルスケア事業など、健康に関わる事業を行う企業です。

ベネフィットワンでは、第業取締役社長が自ら健康経営CHOに着任し、健康経営を行うホワイト推進室を作りました。

社内の各事業部にホワイト推進責任者を配置し、定例会議を実施。 取締役会でも定例報告を行うなど、組織が一丸となって健康経営に取り組んでいます。

また従業員に対し、入社時および年6回の健康に関する教育を実施しており、生活習慣病やメンタル障害などの旬なテーマをその都度選定しています。

受講時間は20分と短く、忙しい社員でも負担にならずに受講できるよう配慮されています。

管理職には部下の健康管理支援について別途教育の機会が設けられ、従業員へ行き届いた健康管理ができる様に配慮されています。

その他、健康ポータルの情報提供を利用し、食生活の改善や運動習慣於定着を促す試みや、外来禁煙禁煙プログラムの提供をしています。 健康管理は業績にも好影響を与え、

  • 2016年の売上高は2015年比で722百万円増加
  • 労働生産性は2015年と比較し2016年は170%増加

したことが発表されました。 企業のトップが主導して行う健康経営に、社員全員が追随した好事例だと言えます。

株式会社ローソン:ボーナスカットの厳しいペナルティで、健康診断受診率100%

ローソン:ボーナスカットの厳しいペナルティで、健康診断受診率100% ※参照:http://www.lawson.co.jp/index.html

株式会社ローソンの取り組みの特徴

  • ポイントがもらえて、お得感がある健康管理
  • 厳しいペナルティで、健康診断受診率100%達成

健康経営銘柄に毎年選定されているコンビニエンスストアがローソンです。

ローソンでも経営トップ自らがCHOになり、全社を挙げて健康経営に取り組んでいます。 施策は健康診断受診推進など基本的なものから、

  • ローソンヘルスケアポイント
  • ロカボチャレンジ
  • 男性社員の育児休暇取得推進

など多岐にわたります。

ローソンヘルスケアポイントは、健康管理に関する事柄を自発的に行うことで貰えるポイントです。

社員それぞれが自分の健康診断の結果から自らの課題を設定し、スマホで100日間自分の行動をチェックしたり、eラーニングを受講したりするとポイントが付与されます。

ロカボチャレンジは食生活を改善する8週間のプログラムで、1食の糖質量を20~40gにコントロールします。 これらの施策を行った結果、社員の血圧や血糖値の値が改善し、

  • 疾病での休職者数が0.2%から0.1%に減少
  • メンタル疾患での休職者数は0.4%から0.2%に減少

という成果を上げました。

さらに2014年には16%だった男性社員の育児休暇取得率が、2015年には70%、2016年には80%を達成。

社員のみならず社員の家族もケアする取り組みとなっています。 ローソンの施策が成功した秘訣は

  • 健康診断を受診しないと本人及び上司のボーナスカット等、ペナルティを設けた点
  • ポイント付与で社員全員のやる気を高めた点

の2つにあると言えます。

TOTO株式会社:全社一丸となって取り組み、投資を惜しまない

TOTO株式会社:全社一丸となって取り組み、投資を惜しまない ※参照:https://jp.toto.com/

TOTO株式会社の取り組みの特徴

  • 全社一丸となって取り組む
  • 社内インフラを使い、こまめに情報発信
  • 従業員が興味を引くような面白い企画を作る

TOTOは、人を大切にする経営学会「日本でいちばん大切にしたい」会社大賞で経済産業大臣賞を受賞し、過去5年間の転職的離職率も0%という会社です。

「働きやすい会社」としても知られ、2018年時点で4年連続して「健康経営銘柄」に選定されています。

TOTOにおける健康経営の目玉は、2006年に設立した自社のヘルスケアセンターです。

治療ではなく予防をメインに従業員の健康管理に努めており、健康管理への投資を惜しまない企業の姿勢が確認できます。

また、社内インフラ内に健康づくり活動支援サイトを開設し、健康に関するさまざまな情報を発信しています。

さらに「健康川柳」を従業員から募集するほか、ヨガ教室や、チーム対抗で1ヶ月の総歩数を競うウォーキングイベントなど、各種イベントを随時行っています。

取り組みの成果

2014年のイベントへの参加者は延べ人数900名、2016年は1300人と順調に増加。 健康診断の有所見者は2014年の45%から2016年には42%と減少しました。

TOTOの施策が成功しているのは、会社をあげて健康管理に取り組む体制が出来ているからです。

TOTOグループの中心である安全衛生警防中央委員会が中心となり、各拠点で施策を推進するように徹底するなど、全社一丸となって健康経営を行っています。

さらに従業員が興味を持ち取り組みやすいイベントを多数開催することで、長期に渡り、健康に意識を向けられるよう、工夫している点も成功のポイントと言えるでしょう。

オムロン株式会社:「集中力を高めるため」を理由にアプローチ、全員が参加しやすく

オムロン株式会社:「集中力を高めるため」を理由にアプローチ、全員が参加しやすく ※参照:https://www.omron.co.jp/

オムロン株式会社の取り組みの特徴

  • 健康のためではなく集中力を高めるためとして利用を促す
  • 保健師に相談しやすい雰囲気づくり
  • 全員に健康経営に参加して欲しいが参加率が悪い
  • 従業員になかなか興味を持ってもらえない

という悩みを抱えている場合、参考にしたいのがオムロンの事例です。 2008年から独自にストレスチェックを行うなど、健康に関して従来から高い意識を持っていたオムロン。

社員の健康管理のためにさまざまな施策を行っていましたが、各地の事業所がそれぞれ目標を設定していたため、全体としての成果がなかなか見えませんでした。

そんな中、全社で取り組め、結果を振り返る施策が必要だと考え「睡眠・運動・食事・メンタルヘルス・禁煙」に絞った健康経営に取り組みます。

この項目は集中力を高め、生産性アップにつながるという視点からセレクトしたもの。

最初に行ったのは、睡眠状態を改善する為に保健師のセミナーを受講してもらうことです。

更にウェアラブル活動量計を希望者に配布し、日々の睡眠状態を記録して専用のアプリで見える化し、改善に取り組みました。 取り組みの結果、セミナーの受講率はそれまでと比較して非常に高くなりました。

またウェアラブル活動量計を付けている社員同士で睡眠状態を比較し合うなど、コミュニケーションを取るきっかけにもなっています。

オムロンの施策が成功したポイントは「健康になろう・悪いところを直そう」というスタンスではなく「集中力を高めよう」という方向から発信した事で、社員が参加しやすかった点にあります。

オムロンでは保健師も職場に出向き、健康経営に積極的に参加していますが、その際も白衣ではなく私服で回っています。

これは白衣の人が職場にいると「具合が悪い人がいるのか」と従業員が驚き、ネガティブな印象を持たれるのを防ぐためです。

また保健師が全体に溶け込める服装をしていることで、何か相談したいことがある人も周囲の目を気にせず、話しかける事ができます。

オムロンの取り組みは高く評価され、経済産業省が選定する「健康経営優良法人ホワイト500」に選定されています。

まとめ

今回の記事では、健康経営の定義から企業の好事例まで、あなたの会社で取り組みを開始する為の必要知識をお伝えしました。 図解でわかる!健康経営とは 改めてお伝えすると、健康経営自体はポイントを押さえれば決して難しい事ではありません。 ぜひ今回の記事を参考に、明日から健康経営の第一歩を踏み出してください。

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健康経営何から始めたら良いの?
とお困りの企業担当者の方へ

恒常的な働き手不足など、社会を取り巻く環境が大きく変化していく中、企業は従業員の健康管理を組織単位で個々の管理またはケアをしていくことが重要です。
 
改めて「企業は従業員に支えられている」「従業員の健康が企業の存続に影響する」といった考え方を再認識し、従業員の健康管理は「経営課題」として捉える必要性があります。
 
しかし「健康経営に取り組みたいけど時間とマンパワーがない」「なにから取り組めば良いのかが分からない」「健康経営銘柄も選定項目がありすぎて、一からやるのがめんどう」という企業の方は、ぜひ一度弊社にご相談してください。健康経営銘柄を取得した弊社がサポートをします。

前年度比116%を実現した労働生産性の向上、また定期健診受診率100%を維持し続けるといった、弊社の健康経営銘柄取得に至ったノウハウを提供します。

何からはじめていいかわからない方はぜひご相談ください。この機会に従業員の健康経営について考えましょう。


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