働き方改革

働き方改革の企業事例10選!テーマ別に取り組みを解説

働き方改革の事例を知りたい方に!具体的な取り組みがすぐ見つかるまとめ

日本の社会問題として日々深刻化しつつある、少子高齢化の問題。

福祉や年金問題のほか、人口減少により、日本経済の成長にブレーキが掛かることが懸念されています。

2018年に安倍内閣は、そうした日本の将来における深刻な労働力不足に備え、「働き方改革」の構想を打ち出しました。

働き方改革は、

  • 長時間労働の是正
  • 非正規雇用の格差改善
  • 多様な働き方の実現

の3本柱から成り立っており、少子高齢化に対する本格的な解決策として、政府が乗り出しています。

しかし、企業と働き手の双方にとって快適な働き方に関する施策が実行されている一方で、「自社に取り入れるべきものは何か」「何を優先するべきなのか」といったお悩みを抱えている企業担当者も少なくありません。

そこで本記事では、働き方改革における主な施策をカテゴリー毎に分類し、企業の事例と共にその概要をご紹介していきます。

様々な好事例をピックアップしているので、自社の業種や規模、従業員のニーズなどと照らし合わせてみて、もし取り入れられそうな施策があればぜひ実践してみてください。

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働き方改革の基礎から振り返りたいという方は、別記事「5分で分かる「働き方改革」とは?取り組みの背景と目的を解説」をご覧ください。

まずこの章では、働き方改革において基本的かつ重要な取り組みを4つ厳選してご紹介します。各企業の成功事例は、以下のテーマに沿っています。

  • 育児休暇
  • 短時間勤務
  • フレックスタイム
  • テレワーク

(1)育児休暇

育児休暇の事例

「育児休暇」に関する取り組みは、既に多くの企業で導入が進んでいます。

一般的に休暇に関する制度は、女性を対象とするものが多いですが、働き方改革では「男性が育児休暇を活用しやすい状態にする」ことも重要とされています。

男性従業員の育児休暇を促進することが、女性の活躍へと繋がり、ひいては働き方改革の実現にも繋がると考えられているからです。

トヨタ紡織株式会社の取り組み

トヨタ紡織公式サイトより

トヨタ系列企業であるトヨタ紡織株式会社では、女性活躍に重点を置いた育児・介護休職制度の充実に力を入れています。

取り組みの特徴は、主に以下の3つ。

  • 子どもが3歳になるまで、育児休職の取得が可能
  • 事務・技術部門では従業員の子どもが8歳になるまで/技術部門のみでは子どもが3歳になるまで、育児短時間勤務制度の利用が可能
  • 配偶者の転勤などの理由で退職した元従業員を、同一職務に再雇用する制度(登録制)を設け、職場復帰を可能に

実績として、2018年には育児休職制度の利用者は178人。そのうち8人の男性従業員が、育児休職を取得しています。

※参考:厚生労働省|働き方・休み方改善ポータルサイト

花王株式会社の取り組み

花王公式サイトより

化学製品などを中心に取り扱う花王グループでは、1980年代から女性従業員の活躍支援と、多様な働き方を支援する仕組みづくりに取り組んできました。

2006年に「育児休暇取得で無収入となる世帯への支援制度」など、働き方改革の構想が打ち出される以前から、従業員の育児をサポートする施策を行なっています。

近年では、法定以上の育児休暇制度(満1歳の4月末まで)を設けることで、女性従業員の育児休職取得率は、100%を達成しています。

また、男性従業員への啓蒙活動を進めることで、2019年度には、33%の男性従業員が育児休職を利用しています。

※参考:厚生労働省|働き方・休み方改善ポータルサイト

株式会社メルカリの取り組み

メルカリ公式サイトより

フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリでは、育児と従業員のワーク・ライフ・バランスを考慮した施策が定着しています。

例えば、産休期間の延長や、産休・育休期間中の給与を100%保証しており、出産・育児に専念できる環境が用意されています。

女性と男性の保証内容の違いは以下です。

  • 女性:産前10週+産後約6ヶ月間の給与を保証
  • 男性:産後8週の給与を100%保証

この施策により、育休取得率は80%を超え、平均で2〜3ヶ月程度の休暇が取得されています。

※参考:mercan|メルカリの「人」を伝える

(2)短時間勤務制度

「短時間勤務制度」は、育児休暇と同様に、働き方改革において重要視されている取り組みの一つです。

これまでは、育児休暇から復帰した女性従業員に向けた制度が中心でしたが、現在では介護を目的としたものや、男性・管理職も対象とした制度を設ける企業も増えてきています。これには、従業員のワーク・ライフ・バランスを考慮した取り組みが企業全体で積極的になってきている、という背景が伺えます。

なお、短時間勤務制度を実際に導入する際には、以下の2つを注意する必要があります。

注意点①:勤務時間には、バリエーションを持たせることが大切

短時間勤務制度を新しく設ける場合、従業員の生活や働き方に応じて、いくつかのバリエーションを用意しておくことが重要です。

ルールが固定化した短時間勤務では、制度が十分に活用されず浸透することも難しいでしょう。
例えば、以下のような方法があります。

  • 業務の短縮時間パターンを複数設定
  • 1日あたりの勤務時間を減らし、勤務日数を(総労働時間は増えないように)増やす
  • 従業員が希望する日程の勤務時間を短縮する選択ができる
  • 1週間あたりの勤務日数を減らすことができる

ポイントとしては、従業員が自分の意思でワークスタイルを選択できる、という点が重要です。

注意点②:適切な業務の割り当て

短時間勤務を希望する従業員への業務の割り当ても、適切に行われなければなりません。短時間でできるということで、単純作業や簡単な仕事しか与えられないという状況を生み出しかねないからです。

単純な仕事ばかりしては、働くモチベーションが低下する恐れもあります。

また複数の従業員が同時に短時間勤務を申し出した場合、職場全体の生産性にも影響する可能性が考えられます。
短時間勤務でもコアな業務を担当できるように、

  • 1業務を複数担当制にする
  • 1人1つはコア業務を持つ
  • 現場での情報共有

といった工夫が有効です。実際に事例を見てみましょう。

株式会社東急百貨店の取り組み

東急百貨店公式サイトより

株式会社東急百貨店は、育児・介護中の従業員の働き方への理解を深めるべく、短時間勤務制度を設けています。

下記の条件に当てはまれば、男性・女性問わず、制度を利用することが可能です。

  • 育児勤務:勤続1年以上で、小学校4年生以下の子を有する従業員を対象とし、1日の実労働時間を5時間又は6時間に短縮できる
  • 介護勤務:2親等以内の親族が常時介護を必要とする従業員を対象とし、職場ごとに設定されている勤務形態(シフト)に基づき、1日の実働労働時間を5時間まで短縮できる

※参考:東急百貨店公式サイト

株式会社ワコールの取り組み

ワコール公式サイトより

女性用下着メーカーである株式会社ワコールでは、女性従業員の比率が高く、出産・育児による離職率の高さが、大きな課題の一つとなっていました。

また、会社の中核となるメンバーの年齢層を中心に、介護事情を抱える従業員が増えてきたことも解決するべき課題でした。

そこで育児支援および介護支援の制度として、短時間勤務制度を導入。

全従業員を対象として、1日の所定労働時間(7時間30分)を、育児による短時間は30分単位、介護による短時間は1時間単位でそれぞれ2時間短縮を行いました。その結果、2019年時点で400人近くの従業員が短時間勤務制度を利用しています。

※参考:厚生労働省|短時間正社員制度導入支援ナビ

株式会社ドクタートラストの取り組み

ドクタートラスト公式サイトより

2004年創業のドクタートラストでは、子育て期にある従業員が生き生きと働ける環境づくりを目指し、2016年より短時間正社員制度を導入しています。

同社では育児・介護を目的とした利用のほか、自己啓発やボランティアを目的とした場合にも、会社に相談後許可が降りれば利用可能としています。

また「正社員」から「短時間正社員」になった後、再度正社員に戻ることも可能で、積極的な利用を呼びかけています。

※参考:厚生労働省|短時間正社員制度導入支援ナビ

(3)フレックスタイム制度

フレックスタイム制度は、比較的現在でもすでに浸透している制度ですが、労働法の改正を受け、取り組み直す企業が多い項目でもあります。

そもそもフレックスタイム制度とは、1ヶ月以内の期間で総労働時間を規定し、その枠内で始業・終業時間を自由に決定できる仕組みです。

この制度が優れている点として、総労働時間が変わらないため、給与の調整や昇給・昇格に伴う問題が発生しづらい点が挙げられます。

この制度を導入している企業の中には、1日の中で勤務する時間を規定する代わりに出勤時間を前後にずらせる「コアタイム」を設定したり、コアタイムの無いフル・フレックスタイム制度や、それに近い制度を導入している企業もあります。それらの一部を紹介しましょう。

ソフトバンク株式会社の取り組み

ソフトバンク公式サイトより

ソフトバンク株式会社では、働き方改革推進の一環として、スーパーフレックスタイム制度や在宅勤務制度、副業解禁などを導入し、従業員が最適なワークスタイルで組織と個人の生産性の最大化を図っています。

特にスーパーフレックスタイム制では、既存のフレックスタイム制から、コアタイムを撤廃。業務の状況に応じた始業時刻・終業時刻の変更を可能にしました。

メリハリを付け、各組織・個人が最も効率的な時間帯に業務を行うことで、最も生産性高く成果が出せるような仕組みを目指しています。

※参考:ソフトバンク株式会社公式サイト

三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社の取り組み

三井物産ロジスティクスパートナー公式サイトより

三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社では、業界特有の長時間労働を是正するため、2012年にフレックスタイム制度を導入しました。

同社では11〜15時までをコアタイムとし、子育て中の従業員以外でも利用できる制度としています。

フレックスタイム制度の導入と同時に、従業員の意識改革を行うことで、導入1年で総人件費が15%減少し、従業員の満足度も高まっています。

※参考:厚生労働省|働き方・休み方改善ポータルサイト

(4)テレワーク(在宅勤務)

テレワーク(在宅勤務)の事例

近年、多くの企業で導入が進んでいるのが、テレワーク(在宅勤務)制度です。

2018年のみずほ総研の経済効果試算では、政府の目標を上回るテレワーカーの増加や生産性の向上が実現できれば、日本のGDP押し上げ効果は4億3000万円を超える見込みがあるとされています。

※参考:みずほ総合研究所|テレワークの経済効果

在宅勤務という環境下で、情報漏洩リスクの防止、勤怠管理を適切に行える仕組みが求められますが、ICTやセキュリティシステムを導入することで、テレワーク活用に成功している企業も多くあります。

ブラザー工業株式会社の取り組み

ブラザー工業公式サイトより

ブラザー工業株式会社では、ダイバーシティ(多様性)を推進するべく、フレックスタイム勤務や育児・介護のための休職、短時間勤務、看護休暇など、従業員のワーク・ライフ・バランスを支える制度が各種整備されています。

同社では、育児・介護などを行う従業員を対象に在宅勤務制度を導入し、Web会議システムなどを活用することで、業務上のコミュニケーションをとっています。

2015年に本格導入されたこの制度ですが、2018年度には在宅勤務の利用者は78名と、柔軟な働き方の選択肢として活用されています。

※参考:ブラザー工業公式サイト

株式会社キャスターの取り組み

キャスター公式サイトより

オンラインアシスタント事業をはじめとした人材事業を展開する株式会社キャスターでは、「リモートワーク(テレワーク)を当たり前にすること」をミッションにしています。

労務管理用の打刻ソフトウエアを利用し、チャットの時間と照合することで勤怠管理を行なっています。全国41都道府県にいる318名の従業員のうち、97%が常時リモートで業務を行なっています。

2019年には厚生労働省が主催する「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」で特別奨励賞を受賞しています。

※参考:令和元年度 テレワーク 推進企業等 厚生労働大臣 表彰

(5)長時間労働の削減

働き方改革の柱の一つである「長時間労働の是正」のためには、従業員の労働生産性向上が必要不可欠です。

長時間労働を減らすためには、「残業、休日出勤の禁止」「残業の事前申請」などのルールを設ける企業が多いですが、残業を制限するだけでは長時間労働を改善することは難しいでしょう。

業務改善を伴わない残業禁止措置では、

  • 自宅に仕事を持ち帰る
  • 一旦会社を出てから、従業員が仕事をしに戻る

といった本末転倒な事態を招きかねません。

短い時間で生産性向上の効果を出すためには、

  • 休暇の推奨
  • 短時間勤務制度
  • テレワーク
  • フレックス制度

といった施策を組み合わせて、最大限活用することが必要です。

長時間労働を行わなければならない理由は様々ですが、管理層は現場の声を聞きつつ、働き手にとって最も良い環境とは何かを考えていかなければならないでしょう。

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自社の労働生産性を上げるために悩まれている方は、ぜひ別記事「労働生産性とは?混同しがちな定義と計算式をわかりやすく解説」を参考にしてください。

まとめ|働き方改革の実践で「働きやすい会社」作りを

今回の記事では、実際の企業事例をもとに、基本的かつ重要な働き方改革の取り組みをご紹介しました。

これから働き方改革を実践していきたい!という経営者や企業担当者の方は、これらの取り組みを、自社にカスタマイズして導入してみることをおすすめします。働き方改革の対策をよりスムーズにするためには、以下のような働きかけも有効です。

  • 社内でプロジェクトチームを任命し、啓蒙・企画出しをしてもらう
  • その働きかけを、成果として正しく評価する
  • トップから、積極的に制度を利用・発信を行う
  • 既存の制度をキャッチーな名称で浸透しやすくさせる

ぜひ、あなたの会社で取り組む際の参考にしてみてください。

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