福利厚生のポイント制度とは?利用状況を可視化する効果的な導入方法を紹介
この記事のまとめ
・福利厚生のポイント制度とはカフェテリアプランと呼ばれ、付与されたポイントの範囲内で従業員が好きなサービスを利用できる制度
・カフェテリアプランは多様なニーズに応えられて、求人の際にも強みとなる点がメリット
・カフェテリアプランを非課税の福利厚生費で会計処理するには、全従業員に恩恵があり、金銭の提供ではないことが大原則
・カフェテリアプランとパッケージサービスの主な違いは、カスタマイズの可否に見ることができる
・カフェテリアプラン導入時は、ノウハウのあるアウトソーシング会社に委託することで費用と手間の削減が可能
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目次
福利厚生のポイント制度「カフェテリアプラン」とは
カフェテリアプランとは
ポイント制の法定外福利厚生制度(※)はカフェテリアプランと呼ばれ、毎年、会社から従業員へポイントを付与します。平均的な支給ポイント数は、年間およそ60,000円相当です。企業は様々な福利厚生メニューを用意し、従業員は付与されたポイントと交換をすることで自分が選択したメニューを利用するという仕組みです。数ある福利厚生制度の中で、変化し続ける働き方と多様化するライフスタイルを支援するためにもメニューの種類を豊富に揃えることで、多くの従業員のニーズや現在置かれている背景に対応しやすいため、一定数の従業員規模の企業では特にカフェテリアプランが重宝されています。
※法定外福利制度・・・福利厚生は、法定福利厚生と法定外福利厚生に分類されます。法定福利厚生は法律で定められた福利厚生制度(社会保険・労働保険)を指し、法定外福利厚生は企業が独自に導入する福利厚生制度です。ここでは、法定外福利厚生を福利厚生として記載します。
カフェテリアプランの歴史
カフェテリアプランの語源は、豊富なメニューから好みのモノを選択できる「カフェテリア」です。1980年代にアメリカで普及し、その後に日本の大手企業が導入したことで話題となりました。2019年度の日本経済団体連合会の調査では、約17%の企業がカフェテリアプランを導入しています。
参照:一般社団法人日本経済団体連合会 第64回 福利厚生費調査結果報告
カフェテリアプランとインセンティブポイントの違い
カフェテリアプランと類似する制度にインセンティブポイントがあります。インセンティブポイントは、仕事で高評価を得た個人や組織にのみポイントを付与する一方で、カフェテリアプランは全従業員に平等にポイントを付与する点が異なります。
カフェテリアプランとインセンティブポイントの比較
比較制度 | 付与されるポイント |
カフェテリアプラン | 全従業員に同じポイントが付与される |
インセンティブポイント | 評価に応じて、特定の個人や組織にポイントが付与される |
人気のカフェテリアプランメニュー
以下の調査では、財形や保険などを除いては旅行やイベント等の活動や食事補助が人気であることがわかります。
順位 | メニュー | 割合 |
1位 | 活動(旅行や各種イベントetc.) | 24.5% |
2位 | 財産形成 | 14.8% |
3位 | 保険 | 11.1% |
4位 | 食事手当・給食補助 | 8.8% |
参照:一般社団法人日本経済団体連合会 第64回 福利厚生費調査結果報告
前述の調査はコロナ前でしたので、旅行やイベントなど現地で体験するアクティビティのニーズが高かったのですが、コロナ禍の現在はテレワークの普及によってオフィス以外でも利用できるサービスのニーズが強く、提携する宿泊施設の宿泊料やコンビニエンスストアの飲食代の補助も人気を集めています。また、育児関連の福利厚生メニューも根強いニーズがあります。
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・多様なニーズに合わせて、約20,000点から好きなアイテムと交換できる
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・人材定着率40%アップに成功した事例も。確実な導入効果を実感できる
カフェテリアプランのメリット・デメリット
ここでは、カフェテリアプランのメリットとデメリットを企業と従業員それぞれの目線から解説します。
カフェテリアプランのメリット
従業員 | 企業 |
・豊富なメニューから自分の好みに応じて選択できる ・選択肢が多いので職種や勤務形態に関わらず公平性がある |
・予算の上限を管理しやすい ・利用状況が数値で可視化できる ・就職や転職者の会社選びで優位となり従業員満足度が向上する |
福利厚生制度の充実は、特に就職者や転職者の会社選びにおいて重要な項目であるとの調査結果も多く、数ある求人との差別化に不可欠な項目といえます。
カフェテリアプランのデメリット
従業員 | 企業 |
・ポイント制なので利用ポイントが上限に達すれば利用できない ・ポイントには有効期限があり、期限内に使いきれない場合がある |
・カフェテリアプランを自社のみで策定する場合は膨大な時間と費用がかかる ・ポイント管理等の運用に手間がかかる ・メニューによって課税非課税が複雑で処理に手間がかかる |
カフェテリアプランは従業員に大きなメリットがある一方で、導入企業のデメリットはその運用にあるといえます。特に、自社のみでカフェテリアプランを設計し運用する場合、導入までにかなりの時間と費用がかかりますがアウトソーシングすることで短期間での解決が可能です。
競合他社との差別化をはかる!企業のイメージアップは「ベネフィット・ステーション」で 人生100年時代と言われるようになり、定年年齢の引上げや定年廃止が進んでいます。 例えば「仕事とプライベートの充実ができる働きやすい会社か」「風通しが良い社風で一緒に働く人と一体感を持つことができる働きがいがある会社か」といった不安を払拭する必要があります。 これらの課題は、福利厚生サービスベネフィット・ステーションの導入で解決すること出来ます。 1. 140万件以上のサービスが利用できるため、年齢や性別関係なく、従業員の多様なニーズに応えることができる 2. 企業の福利厚生制度として「スポーツジム割引」「育児・介護補助」などの記載が出来るため、競合他社との差別化ができる 従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。 ぜひ、企業のイメージアップや労働環境の改善策の一つとして、福利厚生制度の検討をしましょう。
少子高齢化による人手不足の原因の一つとなっている中で、「企業のイメージアップ」は離職率低下や若手の人材確保において重要な役割を担います。
カフェテリアプランの課税ルール
カフェテリアプランの課税・非課税のポイント
従業員にポイントが付与された時点では課税とはならず、そのポイントを利用してサービスを受けた際にそのサービス内容によって課税・非課税の会計処理方法が決定します。非課税対象とするための最低限のポイントは以下の通りです。
会計処理で非課税となるポイント
・付与されるカフェテリアポイント数が従業員・役員ともに一律である
・従業員・役員が等しく利用できるサービスである
・現金や金券類ではない
・サービスの金額が社会通念上、常識的な金額である
具体的な会計処理事例
A社のカフェテリアプランには、次のようなメニューがありますが、これらのメニューを利用した場合に課税対象となるのでしょうか。
(1) ポイントを利用する従業員が自由に計画した旅行の場合
Q.旅行費用、レジャー用品等の購入代、映画・観劇チケットやスポーツ観戦チケットの購入代を一定限度額(10,000円相当)まで補助するメニューは課税対象となりますか?
A.対象となります。使用者(会社)が企画・立案したレクリエーション行事のように、全従業員が等しく利用できるサービスでない限り課税対象となります。
参考:国税庁 カフェテリアプランによる旅行費用等の補助を受けた場合
(2)会社が契約している福利厚生施設に宿泊する場合
Q.会社が契約している福利厚生施設があり、従業員は通常の販売価格の70%で利用できますが、割引後の価格をポイントで支払った場合、課税対象となりますか?
A.対象となりません。割引後の価格を全従業員が等しく利用できる限り、課税しなくて差し支えがありません。
参考:国税庁 カフェテリアプランによる旅行費用等の補助を受けた場合
その他、医療費等の補助に関する課税ルールについては、国税庁のHPにてご確認ください。
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カフェテリアプランの特徴とパッケージサービスとの比較
カフェテリアプランの特徴について、カフェテリアプランと並んで福利厚生の代表格であるパッケージサービス(パッケージプラン)といくつかの項目で比較しながら解説します。
メニューのカスタマイズ性
どちらも複数のメニューから好みのものを選択できますが、そのカスタマイズの自由度に大きな違いがあります。
パッケージサービス
カフェテリアプラン
パッケージサービスは原則的にカスタマイズできませんが、カフェテリアプランはアウトソーシング先のメニューに加え、住宅手当や健康診断(人間ドッグ)などの自社で採用した独自のメニューの組み合わせも可能で、より選択の自由度が高くなります。
予算管理や利用可視化の容易性
カフェテリアプランは、社員に一律のポイントを付与しますので予算上限の管理や利用状況の可視化が容易です。一方で、パッケージサービスも定額制(従業員1人あたりの費用を定額で支払う方法)ですので同じく予算管理は比較的容易といえますが、利用状況についてはメニューごとに利用回数をカウントしたり従業員の利用履歴をまとめる等して可視化したりすることなり管理には手間がかかります。
また、予算を変更する際はカフェテリアプランの方が簡単に管理可能です。例えば、会社が様々な事情や目的で福利厚生費を減額する場合、カフェテリアプランは付与するポイントを減額(例:年50,000ポイントを40,000ポイントに変更)すればよいのですが、パッケージサービスでは利用できるサービスやそれぞれの割引額の調整などが生じます。
利用時の自由度
カフェテリアプランは、利用時の自由度が大きい点も特徴です。パッケージサービスの場合、利用補助(費用補助)は定率・定額で、例えば、宿泊に際して受けられる割引率は一定ですが、カフェテリアプランの場合は最大で宿泊費全額をポイントで支払うことも可能ですし、もし、会社側でポイントの使用数を制限していれば一部をポイントで支払うことも可能です。
パッケージサービスとカフェテリアプランの比較/宿泊代が10,000円(消費税込)の場合
サービス例 | 従業員負担額例 | |
通常 | – | 10,000円 |
パッケージサービス | 一律10%割引 | 9,000円 |
カフェテリアプラン 年額50,000ポイント |
ポイント交換換算(1ポイント=1円) ※最低交換は1,000ポイント以上 |
0円〜9,000円 (ポイント利用10,000〜1,000ポイント) |
総合福利厚生サービス ベネフィット・ステーション ベネフィット・ステーションは、従業員満足度を向上し、健康経営やスキルアップを促進する総合型福利厚生サービスです。 さらに ・お得な特典や割引がついたサービスを会員企業の従業員様が給与天引きでご利用頂ける、給与天引き決済サービス などをご用意しています。
グルメやレジャー、ショッピングだけでなくeラーニングや介護・引っ越しなどライフイベントに関わるものまで、幅広いメニューを取りそろえています。
・Netflixが見放題のプラン
カフェテリアプラン導入時のポイント
最後に、カフェテリアプランを導入する際のポイントを紹介します。カフェテリアプランの導入を検討される場合は、本記事の中でも特に参照してください。
アウトソースを利用する
カフェテリアプランを導入する際、アウトソースの利用が一般的です。豊富な福利厚生メニューを自社のみで用意するには、多額の費用と仕事量になるためです。カフェテリアプランの導入はいわゆるノンコア業務にあたりますので、アウトソーシング会社を利用して多彩なメニューを安価に取り入れつつも自社サービスも活用して、自社ならではの独自性があるカフェテリアプランを作りましょう。
ノウハウのあるアウトソーシング会社を選ぶ
従業員が喜ぶ最新のトレンドを踏まえたメニューの組み合せをはじめ、魅力的なカフェテリアプラン設計のために豊富な情報や経験値をもってサポートしてくれるアウトソーシング会社を選びましょう。さらに、福利厚生に絡む消費税や所得税、法人税などの複雑な税金関係や福利厚生費として計上するための会計処理上のルールなどについて、相談できることも重要なポイントです。
管理しやすいシステムの選択
カフェテリアプランは導入して終わりではなく、従業員のポイント管理やサービスの利用率・利用者属性などのデータ集計・分析することは福利厚生メニューを安定的に運営・改善する際に必要です。よって、データ収集や分析に対応し、柔軟性や拡張性を持つシステムの選択がおすすめです。システムを含めた福利厚生の管理・運用をアウトソーシング会社に任せることで、自社の従業員が担当するよりも安価に導入することができます。アウトソーシング会社は、福利厚生サービスに特化したビジネスをコア業務として展開していますので、自社のシステムコストや人件費を抑えることができます。直接的に自社の利益に結びつかないノンコア業務である福利厚生業務を外注化することで、その分のマンパワーをコア業務に集中させることが可能になります。
福利厚生のアウトソーシングについて 福利厚生の充実は、従業員満足度を向上させ、採用や離職防止にも役立ちます。 総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」は ・140万件以上のサービスが利用できるため、年齢や性別関係なく、従業員の多様なニーズに応えることができる ぜひこの機会にご検討ください。
・福利厚生会員数は業界最大の1,613万人(※2024年4月現在)
・「福利厚生」「健康支援」「教育・研修」をサポート
まとめ
カフェテリアプランは多くのメリットがありますが、導入から運用にかかる手間が課題です。そのデメリット解消にアウトソーシング会社の選定は大変重要となります。ベネフィット・ワンでは、豊富なノウハウをもとに効果的なカフェテリアプランのメニュー構築や、多くの福利構成制度を一元管理できる柔軟なシステムを開発・運用しています。また、カフェテリアプランに組み込むメニューと企業独自で追加・廃止するメニューをカスタマイズできます。
カフェテリアプランで利用できる「ベネフィット・ステーション」は、約140万件以上の福利厚生サービスが地域・世代間格差なく平等にご利用可能です。さらに、その利用範囲は会員ご本人様と配偶者からそれぞれの二親等以内のため、会員本人の家族だけでなく配偶者の父母、兄弟、祖父母の方もご本人と同じ会員特典を受けることが可能です。
他社との差別化を図りたい方は、圧倒的なメニュー数と幅広いカテゴリを持つベネフィット・ワンのカフェテリアプランをご検討ください。
この記事のまとめ
・福利厚生のポイント制度とはカフェテリアプランと呼ばれ、付与されたポイントの範囲内で従業員が好きなサービスを利用できる制度
・カフェテリアプランは多様なニーズに応えられて、求人の際にも強みとなる点がメリット
・カフェテリアプランを非課税の福利厚生費で会計処理するには、全従業員に恩恵があり、金銭の提供ではないことが大原則
・カフェテリアプランとパッケージサービスの主な違いは、カスタマイズの可否に見ることができる
・カフェテリアプラン導入時は、ノウハウのあるアウトソーシング会社に委託することで費用と手間の削減が可能
多様なニーズに対応する柔軟なカフェテリアプランで
もう一段上の従業員満足度向上を目指す
働き方改革の中で大きなポイントでもある「従業員満足度向上」は、
従業員の生産性向上を実現する重要な指標の一つとなります。
やりがいや成長が実感できる働き方を通じて
・従業員の充実した生活
・より良い人生のサポート
を実現していくことが今後より一層求められていくでしょう。
そこでおすすめなのがカフェテリアプランです。
カフェテリアプランは、企業が従業員に対し独自でルール・付与ポイント数・利用できるメニューを決めることができるため、自社の従業員の特徴や自社制度に応じて柔軟に対応することが可能です。
また、例えば従業員に健康支援メニューを多く利用してほしい場合、予防接種補助のポイントレートをあげる、といったポイント設定ルールにて調整が可能なため、福利厚生サービスに対する目的を企業からのメッセージとして反映することが可能です。
・より一層充実した福利厚生を従業員に提供したい
・既存の福利厚生サービスの利用をもう一段階あげていきたい
・自社独自の福利厚生としてメッセージ性をもって提供したい
上記に当てはまる方は、ぜひこの機会にご検討ください。