第18回:正規と非正規における待遇差対応の優先度について

正規と非正規のすべての待遇差が見直しの対象となり得るが、見直しに当たっては順位を付けたい。その理由は、同時に行うと作業量やマンパワー面で不足するというだけでなく、待遇改善原資にも限界があるためである。 順位を高くすべきは、厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」に具体的に明記されている待遇である

「同一労働同一賃金」最高裁判決をわかりやすく解説します!

企業が同一労働同一賃金を具体的に実現していくために、どのようなことをしなければならないのかについて、各社が頭を悩ませているところだと思います。その中で、今後の同一労働同一賃金の対応に大きな影響を与えると考えられていた裁判があり、2020年10月13日と15日に判決がありました。今回は社会保険労務士の

第17回:ガイドラインに明記されていない福利厚生的手当について

多くの非正規従業員はその勤務する事業所での採用であり転勤や異動がない。基本給や時給にはその地域の物価が反映されていると考えられるため、福利厚生的手当である地域手当の支給は、ガイドラインでは不要とされている。 一方、ガイドラインに明記されていない福利厚生的手当に、配偶者手当や子ども手当(総称して家族手

第16回:「同一労働同一賃金」に向けた企業の対応について(第15回のつづき)

前回大企業において「同一労働同一賃金」への対応が進んでいない理由として、多様化した雇用区分、法解釈の幅の広さ、待遇改善の優先順位、改善原資の確保の問題を指摘した。以下では、これらの課題の対応を進めている事例や対応方法案を提示し、解決策を探っていく。 まず待遇改善の優先順位付けである。ガイドラインに例

第15回:「同一労働同一賃金」へ向けた企業の対応について

 「同一労働同一賃金」に向けた企業の対応が難航している。大企業の社長100人を対象に民間企業が実施したアンケート調査によると、待遇改善によって人件費負担が増えるとの回答は46・9%で約半数に上る。法改正への対応が完了したとする回答は39・3%で約4割に止まっている。  また筆者が9月に開催した「同一

第14回 退職一時金制度について

多種多様な退職一時金制度のうち、もっとも一般的な給付算定式は、給与比例方式である。「退職時点での基本給月額×勤続年数(に応じた係数)×退職事由係数」が多く使われている。この算定式では、給与の多寡も退職金に影響することになる。 ポイント制は、従業員の毎年の働きぶりを退職金額に反映する「成果主義型」の算

第13回:「メトロコマース」高裁判決について(第12回の続き)

長い間、非正規従業員は、労働力需要の繁閑に対応する補完的・短期的な労働力として位置付けられてきた。その後、非正規雇用が多様化する中で、非正規従業員の長期勤続が増えてきた。さらに雇用需給がひっ迫する中、事業主側も定着を促すようになってきた。こうした背景で、「非正規は退職金がないのは当然」というかつての

【社員旅行がコロナで中止!】そんな時、代替案として活用できる福利厚生サービスとは

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「新しい生活様式」が浸透しつつある中、感染リスクを下げる観点から社員旅行を中止する企業が相次いでいます。 また、近年ではライフスタイルの多様化により、そもそも「社員旅行には行きたくない」と考える社員も少なくありません。こうしたことから、企業における福利厚生とし

第12回:選択制企業年金の事例について

コストを抑えて待遇改善する手段として、選択制企業年金の事例を紹介する。「メトロコマース事件」高裁判決のように、非正規従業員にも長期勤続に対応する退職金を支給すべきとの判決も現れている。 選択制企業年金は、企業年金掛金を拠出するかどうかを、事業主ではなく従業員が選択できる仕組みである。企業年金(確定給

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