人材育成

自律型組織とは?組織づくりのポイントや従来の組織との違いも紹介

自律的に行動して組織やチームでのプロジェクトを完成させる従業員

この記事のまとめ

・自律的は自立的と異なり、「自分の行為に対する主体的な規制」が求められる

・自律型組織の上司のマネジメントは、部下とのビジョンの共感や、部下が仕事をしやすい環境の整備

・ピラミッド組織と異なり自律型組織に詳細な指示やマニュアルはなく、現場に一定の裁量がある

・自律型組織のデメリットは、情報を共有しにくいことと日本では親しみがなく導入ハードルが高いこと

・自律型組織の例として、アジャイル組織、ティール組織、ホラクラシー組織などがある

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自律型組織とは?

オフィスとリモートのハイブリッドワークで時間と場所を問わない働き方をする従業員

自律型組織とは

自律型組織とは、その組織に所属する各メンバーが自ら判断し、行動できる自律分散型の組織形態です。

自律型組織で重要なことは、以下2つです。

・都度、上司から具体的な指示を受けたりマニュアルに従うのではなく、状況に応じた臨機応変な対応が求められる
・個々の判断は完全な独断でない

自律と自立の違い

「自律」は「自立」と異なり、主体的な規制が必須要件とされています。

自律的

自律型

自分の行為を主体的に規制すること。外部からの支配や制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること

自立的

自立型

他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること。ひとりだち。

出典:広辞苑

前項の判断について、自律型組織における個の裁量に基づく判断の根拠は「会社(組織)のビジョンに適合すること」が求められることから、完全な独断ではありません。ただし、「会社のビジョンに適合すること」を他に強制されるのではなく、自身による主体的な規制が期待される点が自律型組織の特徴です。また、会社や組織によっては、ビジョンは価値観やバリュー(行動指針)とも言い換えられます。

「自立型」は「それぞれ自分がベストだと思う判断や行動」のみを担保するのですが、各々の社員が自分の軸だけで業務を遂行していたら組織としての一貫性が保てなくなります。よって、「自律型」であることで、組織としての一貫性を維持することができるのです。

自律型組織が必要な理由

今、自律型組織が注目されている理由は、変化が激しく不透明な時代背景にあります。1人ひとりが自由に情報を受け取り、発信できるようになった状態であることも作用し、市場のニーズは多様化して変化も激しくなりました。したがって、現代社会においては、現場に意思決定の裁量があり、変化に即応できる自律型組織が求められています。

また、テレワークやフレックスタイムなど働く場所や時間が多様化していることから、自律的に行動できる人材が集まり、組織として自律的な業務への取り組みが必要とされています。その一方で、テレワークでは成果におけるマネジメントがしづらく、従業員自身も自分の努力が伝わらないとモチベーションが低下して企業との心理的な距離感が遠くなってしまいます。そのため、マネジメントにおいても数値の管理ではなくやる気を与えたり部下が抱える課題に対して解決方法を提案するなどでオフィス出社と同等のエンゲージメントを保っておく必要があります。

従来型組織と自律型組織の違い

自律的にプロジェクトを組んで白熱した議論をしている従業員

日本で従来からある「階層型」や「管理型」と呼ばれるピラミッド型組織と、今、注目されている自律型組織には意思決定機能の所在に明確な違いがあります。

 

ピラミッド型組織(従来型組織)

ピラミッド型組織(従来型組織)のイメージ

構造              :トップダウン型・ウォーターフォール型
マネジメント:指示通りに対応させる/個のプロセスや結果(数字)を管理
意思決定       :トップに集中
仕事の進め方:計画重視

 

自律型組織

自律型組織のイメージ

構造              :自律型・アジャイル型
マネジメント:個に権限を与える/個が動きやすいようにマネジメント  
意思決定       :現場に分散

仕事の進め方:現場重視(改善と実行の高速回転)

自律型組織のメリットとデメリット

ここでは、自律型組織のメリットとデメリットを比較します。

メリット デメリット
適合性

対市場◎

顧客や市場のニーズに柔軟に対応することが可能

対社内▲

日本で馴染みがなく、社内適合は容易ではない。社員の意識改革や人材育成が必要

現場判断

商品・サービス改善◎

現場判断で都度改善を入れるため、市場トレンドから取り残されにくい

社内情報共有▲

現場ごとに意思決定されるため、全社的な情報が集約されにくい

評価育成

主体性・自律性◎

個に権限があるため、社員の主体性や自律性を養うことができる

評価▲

個々が状況に応じた業務を臨機応変におこなうので、評価が難しい

モチベーション

エンゲージメント◎

仕事にやりがいを感じる社員が多く、エンゲージメントが向上する

ピラミッド型からの移行容易性▲

マニュアルや指示を正確に遂行することが得意な社員の配置配属やケアが必要

権限

負担の分散◎

権限が分散されることで、精神的・肉体的な負荷が分散する

責任性▲

権限の分散にともなう馴れ合いの発生で、効率を重視し革新が生まれにくい面もある

自律型組織では社員の主体性自律性が養われるため、イノベーションが生まれやすく自社事業における新たな価値創造やビジネスとしての成長が期待できます。しかし、権限のデメリットに記載したように、「馴れ合い」により効率ばかりを追い求めてしまうとイノベーションが生まれにくくなる可能性もあるため注意が必要です。

自律型組織の作り方とデメリット克服方法

上司に叱られている、場合によってはハラスメントにもなりかねない状態の従業員

自律型組織の作り方

自律型組織は自律型人材の集合だけでは成立しません。企業組織を変革して自律型組織の構築し、それを機能させるには原則として自律型人材をサポートする管理職のミッションがキーになります。自律型組織において管理職に求められる重要なタスクを2点紹介します。

 

1.部下が動きやすい環境を整える

自律型組織では部下の目標タスク数字管理よりも、部下が活躍しやすい環境整備モチベーション管理が求められます。最前線の現場に一定程度の権限が与えられていますので、その意思決定を歪めたり、または阻害する要因を取り除くことが重要です。

例えば、ICTツールの充実がチーム内で求められれば、その必要性の判断や予算の管理、折衝も上司の実践的な仕事で、チーム内でフリクション(摩擦・トラブル)が発生している際は、上司が率先して解決へ向けて行動する必要があります。

 

2.ビジョンの共感と浸透

自律型組織において意思決定は会社のビジョンバリュー(行動指針)が軸ですが、これを社員に丁寧に説明し、理解と共に共感を得て浸透させることも重要です。場合によっては、従業員の共感が得られる行動指針への見直しも必要です。従業員と共に行動指針を作り直しガバナンスを強化する企業も見受けられます。

自律型組織のデメリットの克服例

自律型組織のデメリットについて、対応例を2点紹介します。

 

1.社内適合性が低いことや、自律型組織に馴染めない社員がいる

自律型組織は日本に馴染みが薄いので、全社一斉に導入するのではなくパイロット的に一部の部署で導入してノウハウを蓄積していくことからおすすめします。ピラミッド型組織で長く経験を積んだベテラン社員が多い部署でなく比較的若手が多い部署から始めることや、自律型組織に馴染めない社員に対してマネジメント手法である1on1ミーティングを実施することもポイントです。

 

2.社内の情報共有が難しい点

自律型組織は、チーム内で課題を解決して業務を完結する観点から他職種の社員とチームを形成することがメインになります。後述するアジャイル組織のように、チーム横断で職種軸の切り口を設け、それを統括する人材を配置すれば職種軸で業務内容の情報共有を図ることができ、それをチームにフィードバックできるようになります。

自律型組織の具体例:アジャイル・ティール・ホラクラシー組織

アジャイル組織のリーダーとメンバー

自律型組織の具体例として、以下3種類の組織を紹介します。

アジャイル組織
ティール組織
ホラクラシー組織

ティール組織やホラクラシー組織は、上司や部下といった「階層(ヒエラルキー)」が存在しない点で発展的・特徴的となりますので、まずはアジャイル組織のような組織の構築からおすすめします。

アジャイル組織

アジャイルは英語でAgileと表記し、「機敏で」「回転が早い」という意味です。柔軟性や俊敏性の高い組織構造で、計画重視でなく実行しながら改善を加えていく点に特徴があります。

アジャイル組織では改善を前提とするため意思決定のスピードが早く、トップダウンでなく現場に一定の権限を与えます。上司には部下のプロセスや結果を管理するマネジメントではなく、部下の働き方や職場環境を整えるマネジメントが求められます。

 

アジャイル組織の仕組み

アジャイル組織の組織図イメージ

名称 詳細内容
Tribe(部隊) Squadの集合。人数は最大でも150名程度が一般的
Squad(分隊)

業務遂行の基本チーム。必要な職種が最低人数在籍する。最大10名程度

Product Owner Squadを運営するリーダー。原則、Tribe LeadAgile Coachとの窓口となる
Tribe Lead 複数のProduct Ownerを束ね、Tribe内の予算調整や優先順位等を決定
Agile Coach

Squadメンバーの自律を支援し、気づきを与えてSquadを機能させる

Chapter Squadを横断した職種ごとの集合。ノウハウや必要な情報共有を実施
Chapter Lead Chapterの各メンバーのマネジメントやコーチングを実施

ティール組織

ティールは英語でTealと表記し、「青緑」の意味です。組織の目的を実現するために、1人ひとりが互いに協力する組織で、上司や部下が存在しない、つまりヒエラルキーがないフラットな点が特徴です。この組織論はフレデリッグ・ラルーによって提唱され、以下の5段階にわけられた組織フェーズの最終的な発展形として定義されています。

段階 名称 概要
1段階目 Red(赤) 個人による他の支配
2段階目 Amber(琥珀) ヒエラルキーと役割による機能(変動しない)
3段階目 Orange(橙) ヒエラルキーと役割による機能(成果を出せば変動し得る)
4段階目 Green(緑) ヒエラルキーと役割による機能と個々の多様性の共存
5段階目 Teal(青緑) ヒエラルキーはなく、目的の一致または共感による集合体

ホラクラシー組織

ホラクラシーは英語でHolacracyと表記し、役職をなくし生産性を上げるという意味を持つティール組織に含有される組織論です。上司や部下といったヒエラルキーは存在せずロール毎に権限が分譲され、それぞれが独立的に意思決定をおこないます。この意思決定の根拠は、明文化されたルールが拠り所となります。

そのため、上司によって権限が制限されることはありませんが、ロール毎に明文化されたルールにより個々の意思決定や活動が制限されます。前述のティール組織は、ロール毎に設定されるルールを必須条件にしているわけでない点で、ホラクラシー組織と一線を画しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、自律型組織について紹介しました。
自律型組織においては、ビジョンへの共感が重要であることをお伝えしましたが、個が組織のビジョンに共感するための大切な要素として、組織のパーパス(社会的な存在意義)が挙げられます。組織のパーパスにはビジョンよりも客観性が高い点でビジョンと異なりますが、この両輪を会社全体へ、そして、採用時には求職者へ訴えていくことで組織力の強化につなげることができます。

パーパスやビジョンを共有する際の注意点は、個々の従業員によってパーパスやビジョンの共感ポイントが異なることです。例えば“みんなを幸せにする”というビジョンにおいて、“みんな”に強く共感する従業員もいれば、“幸せにする”により共感を覚える従業員もいるでしょう。よって、さまざまな考えを持つ個々の従業員に応じて共有方法を変えることが大切です。

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この記事のポイントは以下の5つです。

・自律的は自立的と異なり、「自分の行為に対する主体的な規制」が求められる

・自律型組織の上司は、部下からビジョンの共感を得て、部下が仕事をしやすい環境の整備が必要

・ピラミッド組織と異なり自律型組織に詳細な指示やマニュアルはなく、現場の個に一定の裁量がある

・自律型組織のデメリットは、情報を共有しにくいことと日本では親しみがなく導入ハードルが高いこと

・自律型組織の例として、アジャイル組織、ティール組織、ホラクラシー組織などがある

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