残業代の還元なくして働き方改革の成功はない|3つの還元手法

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長時間労働の是正が大きな焦点となっている働き方改革、あなたの会社では取り組みは進んでいますか?

懐疑的な声も聞こえてくる働き方改革ですが、働き方改革が世間に浸透した前後では、時間外労働時間が減りサービス残業が減った、という一定の成果が出ているようです。

※引用:日経ビジネスDIGITAL 2017年4月3日 改革するほど消費減退のワケ

このような結果を見ると一定の成果が上がっているように感じられますが、

  • 会社側は残業時間の削減を要請するが、具体的な提案や行動がない
  • 残業時間の上限を設けるだけで、仕事の中身を考えようとしていない

など、まだまだ本質的な取り組みには至っていない現状があることも明らかになりました。
私自身、仕事柄様々な企業の方々とお会いする機会がありますが、とりあえず上司から早く帰れと言われ、オフィスの消灯があるから持ち帰り残業が増えて困っている、そんな営業現場の愚痴をよく耳にします。
そこで考えなければならないことが、働き方改革のそもそもの目的です。

働き方改革の目的・本質は生産性の向上であり、単に労働時間を削減すれば良いというものではありません。目的を達成してこそ、はじめてその取り組みは意味を成します。

生産性を向上させる具体的な策もなく、社員へ残業削減を強いるだけのいわゆる無茶振りでは短期的に残業時間が圧縮できても、仕事の積み残しや持ち帰り残業などで社員に高いストレスがかかり、離職・転職ということに繋がりかねません。
また、経営者・人事が求める意識改革はなし得ません。

本来の目的である生産性を向上させるための働き方改革には、社員の意識変革だけではなく会社が制度や仕組みを用意するという両輪が必要になりますが、
本記事では特に正しく意識変革を促すための3つの手法を説明します。
なぜなら、意識が変わらなければたとえ優れたITインフラを導入したとしても長時間労働は減らないからです。理由も含め解説します。

社員の意識変革を促すには働き方改革の先にある生活のビジョンを見せる

働き方改革の主語は社長や経営幹部ではなく、現場の社員です。
働き方を変える主役である社員の意識変革を促すには、働き方改革の先にある生活のビジョンを見せることが重要です。

そのビジョンが社員本人にとって素晴らしいものであれば、それを実現するために自然と働くことに対しての意識が変わってくるはずだからです。
果たして生産性を向上させながら、残業を圧縮した先にどのような生活のビジョンが見えるのでしょうか?

残業が圧縮されると、今よりも家に帰って家族との時間が増え、プライベートが充実でき、趣味に没頭でき、より人生を楽しめるかもしれません。
しかし、残業時間が減るということは同時に残業代が減るということでもあります。
家族との時間や趣味にかけられる時間は増えますが、生活費(可処分所得)は減少します。時間はあるがお金がない、ローンの支払いに困るかもしれません。

先述の通りすでに働き方改革の浸透により、
一定数の残業が削減されています。
それによって生活費が減って出費減退の懸念が出ているという意見も出てきています。
※引用:日経ビジネスDIGITAL 2017年4月3日 改革するほど消費減退のワケ

変化には多大なエネルギーがかかります。
しかし、苦労して変化をなし得た先に生活費が減るというビジョンが見えたらどうでしょうか。

働き方改革は現場の社員にとってはデメリットだらけではないでしょうか。
ではどうすればよいのでしょうか?

残業がなくとも、今と同等の収入を保証すべき

答えは簡単です。今と変わらない収入を保証してあげればよいのです。
早く帰っても残業しても収入は一緒であることを保証できれば、家族との時間や趣味に没頭する時間を確保したい、自らの健康のために自然と意識が変革するのではないでしょうか。
また、残業代を確保するために無駄な仕事をする生活残業を防止でき、効率よく仕事をする方法を、現場の社員が本気で考え始めるのではないでしょうか?

働き方改革の先行事例としてメディアに多く取り上げられるSCSK株式会社ですが、実はこの考え方がポイントとなり成功しています。事例をご紹介します。

SCSK株式会社 長時間労働の是正を目的とした働き方改革

参考:SCSK株式会社 コーポレートサイト

背景

SCSK株式会社は2017年3月31日現在11,910名 (連結)が働く大手IT企業です。
IT業界の例に漏れず長時間労働が問題になっていました。
2012年住友商事株式会社からSCSK株式会社の社長に就任した中井戸氏は現場の疲弊を目の当たりにし、働き方改革、長時間労働の是正を決意します。

残業半減運動の成功は長く続かなかった

中井戸氏はフレックスタイム制の導入や裁量労働制などの人事制度整備と共に社内で残業時間の多い32部署を対象に、4-6月の平均残業時間から「半減」するよう目標を設定しました。
各部それぞれが業務見直しや負荷分散、ノー残業デーの推進に取り組むことで一時的には成功しました。
しかし、繁忙期である年度末を迎えると残業時間は急増して、取り組み前と同じ状況になってしまったのです。

スマートワークチャレンジ20の始動 残業代還元の開始

中井戸氏は2013年に月平均残業時間20時間、有給取得休暇数20日(当年度付与数100%消化)を目標としたスマートワークチャレンジ20を発令しました。
達成部門に対して削減された残業手当を原資に、賞与に特別加算するというインセンティブ制度がこの施策の大きなポイントでした。

残業時間18時間の達成

残業代還元を始めた2013年には22時間3分、その翌年の2014には18時間16分にまで残業時間の削減が出来ました。
中井戸氏は残業代の還元について日経ビジネスのインタビューにこう語っています。

‟会社というのは、10億円とか15億円とか残業削減で浮いて、営業利益に上積みしたらものすごく助かるのや。でもそれはしない。皆さんの健康の原資だから、信じられないかもしれないけど、それは皆さんに戻す。残業しなくても残業代を払うから、心配しないで効率を考えてくれ、健康を考えてくれと。健康を害されたらもうどうしようもない。”
引用:日経ビジネスオンライン 2015年6月16日 残業しない人に残業代を払う会社

社員の意識を変革し、全員で取り組む

残業削減を現場社員に求めるだけでは今の成功はなかったでしょう。
経営者の決断と共に残業代還元施策が行われ、社員それぞれが真の効率を考えることになりました。意識を変革し、組織と社員が一丸となって取り組んだ結果、大幅な残業時間削減を達成できたのです。
この例から、働き方改革を成功させるためには、社員に意識変革をただ求めるのではなく、社員の意識変革を促すために企業自らの意識を変革し、身を切る覚悟(残業代の還元)も念頭に入れて取り組むことが重要であると思います。

残業代3つの還元案

福利厚生を整えるメリット

残業代が出ないならば、その分給与が上がるのが一番シンプルです。
賃金を上げるには年齢や勤続年数によって毎月の給与を増やす定期昇給(定昇)と、定昇のベースとなる基本給全体の水準を底上げするベースアップ(ベア)があります。

ボーナスや残業代、定昇の算定にも影響するベアは社員にとって最も効果のある施策と言って良いでしょう。しかし、同時に企業に対して多大な負担を迫るものであり、残業代の代替策として実施しているケースはほとんどないのが実情です。

そこで、今回は残業代の代替案として考えられる、手当/賞与での還元、カフェテリアプラン、割引サービスの導入という3つの還元案についてご紹介します。

賞与/手当での支給

残業の減少量に応じて賞与や手当を追加支給することは、ベースアップと比べリスクが少なく、比較的取り組みやすい制度といえます。生産性を向上を目的としたITインフラの導入など、大きな経費が掛かる予定がなければぜひ取り組んでほしい案です。
先述のSCSK株式会社は残業削減できた時間分を還元、紳士服大手のはるやまホールディングスは、月の残業時間がゼロの社員に1万5,000円のNo残業手当を支給する方針を発表しています。

カフェテリアポイントでの還元

カフェテリアプランとは大手企業を中心に広まっている選択型/ポイント消費型福利厚生制度です。
例えば社員1人あたり年間5万円分のポイントを付与された場合、旅行に3万円、介護に2万円分など、自分のニーズに合わせて、利用メニューと利用金額を自由に選択できる制度です。
カフェテリアプランの詳細はコチラ:ベネフィット・ワン|カフェテリアプラン
2017年8月現在、賞与や手当と同様に残業代の代替策として新たに導入を検討する企業や、すでに導入しているがポイントの増資を検討するケースが増えてきています。
使途が見えにくい現金とは異なり、使途を企業側の指定したメニューに制限することができるというのが特徴です。
例えばギャンブル等に利用されることを防ぎ、一部メニューに絞ることで「生産性向上」や「健康経営」に特化して、企業としての方針を強く打ち出すことができます。
すでにカフェテリアプランを導入している企業では検討しやすいと思います。

割引サービス(福利厚生サービス)の導入

ITインフラへの投資等で予算が残らない企業には福利厚生サービスの導入をおすすめします。
旅行やスポーツクラブ、映画などの利用料金が割引になるベネフィット・ステーションなどの福利厚生サービスはそれ単体では残業代の代替策にはなり得ませんが、その割引を有効活用することで、可処分所得を増やすことができます。
生活費を増やすのではなく、生活費を割引によって減らす、という考え方です。
一人当たり月400円程度で導入可能のため、比較的容易に拡充することができます。

まとめ

生産性向上を目的とした働き方改革は社員の意識変革を大前提としています。
SCSK株式会社の事例からもわかる通り、意識を変えるためには単に残業削減を叫ぶのではなく、
残業代の還元を行い生活費を担保することが非常に重要です。
紹介した還元手法を基にこれからの働き方改革についてご検討いただけると幸いです。

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長時間労働の是正と共に検討すべき
福利厚生制度の拡充

働き方改革が進む中で、その取り組みの中心となっている長時間労働の是正。

すでに多くの企業が取り組みを行っている中で、セットとして注目されているのが、給与・福利厚生制度などの待遇面の向上です。

残業削減は従業員のプライベートを確保し、仕事に対するモチベーションの向上に繋がっている一方で、残業代が減り、従業員の賃金低下が目立ってきています。

しかし、基本給を上げることは難しいので、残業代の代替策が求められます。

従業員満足度、生産性の向上、採用強化・離職防止に繋がる福利厚生制度の拡充を検討していくことが得策です。

業界トップの導入実績を誇るベネフィット・ステーションは、

・最短2週間で大手企業と同等の福利厚生を簡単に整備できる
全国の企業、幅広い年代層や多様なニーズに応えるための120を超える福利厚生優待サービス
東証一部上場企業の45.3%、公務団体の46.6%が導入済み
従業員が直接サービスを申込むため、導入後の事務作業は一切なし

と、従業員1人あたり380円(税抜き)~で充実した福利厚生制度の拡充が実現できます。

企業は人なりという言葉があるように、従業員の会社に対する満足度を高めることは、企業の業績を向上させることに繋がります。

ぜひこの機会に、福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。


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