健康経営

Well-Being向上で健康経営!企業と従業員が今日からできる4つこと

毎年320日の国際幸福デーに国連が発表している世界の幸福度ランキングですが、直近で公表された2021年版で日本は149ヵ国中54位でした。コロナ禍という状況でも心配とストレスの項目では2020年版より4%向上しましたが、総合的にみると例年通り上位は福祉制度が充実しているとされる北欧地域の国々で独占され、日本は他の先進国と比べても順位に遅れをとっています。

幸福な状態を保ち続けるためのWell-Being(ウェルビーイング)に個人が自らの生活の中で工夫できることもありますが、同時に個人単位では限界もあります。それをカバーするのが社会であり、企業だといえます。また、企業にとってWell-Beingの向上は健康経営にも寄与します。今回は、なぜ今、企業がWell-Beingに取り組むのか、そのために企業と従業員には具体的に何ができるのか紹介します。

従業員満足度・労働生産性を高めて企業売上向上に導く働き方改革を

残業を減らし、有給取得のしやすい環境整備も整えた、でも蓋をあけてみると売上が芳しくない…それは、本質的な働き方改革の実施ができていないことが原因です。人手不足の今、

・従業員一人当たりの労働生産性の向上
・離職率の低下、採用強化
・従業員満足度の向上
・テレワークの拡大

上記課題は早急に取り組む必要があります。
「ベネフィット・ステーション」は月額1人当たり1,200円~で上記課題の解決にオールインワンで寄与します。
まずは無料で資料ダウンロードが可能です。
ぜひご覧ください。

Well-Beingとは?

フィジカル・メンタルともに健康な状態のイメージ

Well-Beingの定義

Well-Being(ウェルビーイング)とは、端的に言えば、「幸福、健康であること」です。もともと社会福祉の分野で使われることが多い言葉でしたが、最近ではビジネスや働き方に関連しても用いられるようになりました。

何をもってWell-Beingを概念づけるか、個人の感じ方に依存している部分もありますが、すべての人に共通している点についてはWHO(世界保健機関)憲章の前文にある次の定義が当てはまるのではないかと考えます。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう」(英語:”Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity” )

そして、この「すべてが満たされた状態」という部分を英訳するとWell-Beingになり、このことからWell-Beingとは瞬間的に「幸せ!」と感じる感覚的なものではなく、心身ともに健康である「状態」のことである、ということがおわかりいただけると思います。健康であることをWell-Beingとするため、特に最近では健康経営がWell-Beingに含まれるという概念も持たれています。

日本人のWell-Beingが低いのはなぜ?

さて、ここから一つの疑問が生じます。日本ではこれだけ医療制度が充実しており、誰もがいつでもどこでも食べたいものを手に入れることができ、運動する施設や機会にも恵まれているのに、なぜ世界の幸福度ランキングで54位に位置づけられてしまうのでしょうか。
その理由には、わたしたちの働き方が大きく影響しています。

日本企業は労働生産性が低く、公益財団法人日本生産性本部が2021年に発表した「労働生産性の国際比較2021」によると、2020年の日本の一時間あたりの労働生産性は49.5ドル(5,086円)で、これはアメリカの6割に相当します。また、OECD加盟国38ヵ国の中では23位でした。1人の労働者の観点からみると、長時間働いているにも関わらずなかなか成果を生み出せないため達成感を感じることができない、ということになります。つまり言い換えると、社員1人ひとりが身体を壊しやすい環境で長時間労働をしていると心が満たされていないため、Well-Beingが向上しないのと同時に健康経営の実現も困難になります。

しかし、個人がいかに労働生産性を向上するように努力したとしても限界があることは明らかで、Well-Beingは企業における健康経営の取り組みや働き方の仕組みづくりとも関係していることがわかります。また、生産性向上は今後すべての日本企業が取り組む必要がある深刻な人材不足という課題解決ともつながってきます。

 

Well-Beingを意識した健康経営とは?

健康経営とWell-Beingの関係

企業は組織全体の持続的な生産性向上を実現するためには、Well-Beingを意識した経営、とりわけ従業員が心身ともに健康である健康経営を実践する必要があるということになります。経済産業省は健康経営について、「従業員の健康保持・推進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と定義しています。

出典:経済産業省 ヘルスケア産業課 令和3年10月 「健康経営の推進について

では、この健康経営と従業員のWell-Beingは、具体的にはどのように密接に関係しているのでしょうか。東京大学等が土木建築業者大手23社に対して、健康経営度と従業員の実際の健康状態を比較した調査によると、健康経営度が高スコアの企業は低スコアの企業に比べ、年間医療費平均、メタボ該当率、喫煙リスク者率、空腹時血糖値リスク者率、脂質異常症リスク者率、血圧リスク者率において下回るという結果が得られました。つまり、企業の健康経営の取り組みが従業員の身体的健康状態と密接な因果関係があることがわかります。

それでは、心の満たされた状態と健康経営はどうつながるのでしょうか。前述したように心が満たされるためには従業員1人ひとりが達成感を感じ、仕事に満足していることが重要です。

この事例を1つ解説しましょう。幸福な従業員を生み出す会社を表彰する「ホワイト企業大賞」を受賞したあるナット製造の会社は、何と毎日チームごとに1時間の朝礼を実施することで従業員1人ひとりにコミットし、企業全体でミッションや方向性、指標を共有することが可能になります。この会社は、朝礼で従業員各人が自分たちはどこに向かっているのかを確認することができ、日々自分の成し遂げたことを成果として体感することができるのです。実際、この会社の80%の従業員が「月曜日には仕事に行きたくてたまらない」と述べています。

こうしたホワイト企業の真逆がいわゆるブラック企業ですが、その特徴は長時間労働、パワハラ、従業員1人ひとりの尊厳や人権を認めない社風です。短期的・表面的には業績が向上しているように見えるかもしれませんが、その実態は従業員のWell-Beingを顧みず、企業側の都合や利益のみを追求することにより心身ともにボロボロになる従業員が続出し、結果として従業員満足度は低下するとともに離職率は増加、そして長期的に見れば業績安定は見込めないのです。

Well-Beingを意識した健康経営の取り組み事例

健康経営の取り組みとWell-Beingについて論じると、よく登場するのが「マインドフルネス」「ワークエンゲージメント」「SDGs」というワードです。

マインドフルネスは、「今、この瞬間」に意識を向けるための瞑想や心の健康を意識した様々なメソッドで、アメリカの大手IT企業によって取り入れられはじめ、日本の多くの企業もセミナーなどで取り入れている動きがあります。国内の多くの企業はメンタルヘルスよりもまずは健康診断の定期的な実施やイベントの実施など、体の健康を維持する取り組みに重きを置いているように見受けられます。この事例では、コンビニエンスストア大手のある企業は「元気チャレンジ」というイベントを実施し、チームや個人で一日8,000歩以上を目指したり、睡眠や食事など毎日の習慣を維持したりする取り組みをアプリで測定・記録し、ポイント化、上位者には報酬が与えられる試みをおこなっています。

ワークエンゲージメントは、直訳すると「仕事に対する深い関係」で、仕事において前向きで充実した状態を指します。仕事に対するやりがいや熱意が一時的な状態ではなく持続的な状態で、Well-Beingを意識した健康経営に取り組むことでワークエンゲージメントは向上するといわれています。この事例として、アメリカが発祥の日本法人のドーナツチェーンでは、従業員のワークエンゲージメントを向上するためには自分の仕事だけでなく、会社としてのビジョンについて他人事で済ませるのではなく社員1人ひとりが当事者であると意識づけることが必要と考えるようになりました。その結果、半年に1回の社員集会時にワークショップを実施し、会社が目指すビジョンについて経営陣が言語化して共有することで社員の当事者意識を促しました。

SDGsについては最近特によく目にしますが、2030年までに持続可能なよりよい世界をめざす国際目標のことです。SDGsの目標3に「すべての人に健康と福祉を」がありますが、この目標こそがまさにWell-Beingを象徴しています。この事例として、日本国内の大手食料品企業では、自社で働いていると自然に幸せになるという目標を掲げ、社員全員が自分の健康状態を確認できる専用のWebサイトを設置し、1人ひとりの状態に合わせて心身ともにサポートしています。また、所定労働時間を短縮したり時間や場所を選ばない働き方を推進するなど、業務の質の向上と効率に関する見直しを実施しています。

 

Well-Beingを向上するために今日からできる4つのこと

コミュニケーションや信頼関係でWell-Beingを感じながら仕事をする従業員

健康経営の取り組みは、経営者が動かなければ何もできないというものではありません。健康経営を実現するためには従業員の意識次第で少しずつ変えられるものもあります。そして、健康経営が実現するとWell-Beingが向上します。ここでは、Well-Beingを向上するために今日からわたしたちができることを4つ紹介します。

自分の健康状態を数値化し、モニタリングしてみる

実際のところ、経営者がいくら従業員に対して健康経営の重要性を説いたところで、1人ひとりの意識がすぐに変化することはありません。個々の従業員の「気付き」があって初めて健康経営がオフィスやテレワークで仕事をしている社内全体に広がっていきます。そうした「気付き」を生むためには自分の現状について知る必要があり、そのためにアプリなどで心拍数や血圧、睡眠時間、毎日の歩数などを測定・記録し、疲労やストレスの度合いをモニタリングするのは有効的です。先に挙げたコンビニエンスストア大手企業の取り組みはそのことを示しています。

従業員が良好な健康状態を保っていれば高い集中力でその日の仕事に臨むことができ、それぞれが持っている能力やスキルにおいて高いパフォーマンスを発揮することが可能になります。また、結果として体調不良による欠勤や遅刻が減り、結果的に社内全体の活動が活性化されることから生産性も向上することになります。

他人とのつながりを大切にする

「幸福学」を研究している慶応義塾大学教授の前野隆司氏によると、1,500人の日本人を調査した結果、幸福に寄与するのは以下4つの因子だということがわかりました。

1 やってみよう
2 なんとかなる
3 ありのままに
4 ありがとう

この4因子ですが、前者3つが個人の在り方と関係しているのに対し、最後の「ありがとう」は他者とのかかわりでのみ感じることができるものです。1人ひとりが自分の業務だけに目を向けていれば、従業員の間に信頼関係が醸成されることは難しく、当然お互いに感謝したり、感謝されたりする機会もなかなか生まれません。

この「ありがとう」を生むためには、従業員同士の表面的な関わり合いから一歩踏み込んだコミュニケーションや信頼関係が必要になります。この事例として、eコマースで有名な中国の大手企業はすべてのスタッフをニックネームで呼び合うといいます。ニックネームは小説などの中から自分で選びますがそれぞれのスタッフの本質を表しており、単に面白いだけでなく会社の肩書や役職を曖昧にします。このニックネームがきっかけとなって社内で会話が始まり、笑いが生まれ、親密さや信頼関係が醸成されるそうです。

かの稲森和夫氏は経営者と従業員の関係を「家族」に例えましたが、先に挙げたナット製造の企業の社長は「家族以上」だといいます。もちろん、お互いの関わりが親密になればなるほど、摩擦や軋轢も生まれるかもしれませんが、それを乗り越える過程でお互いを認めることや、互いの存在のありがたさ、感謝なども生まれ、それがWell-Beingにもつながってくるのです。

仕事人間をやめる

雇用政策研究会が2019年7月に発表した報告書「人口減少・社会構造の変化の中で、ウェル・ビーイングの向上と生産性向上の好循環、多様な活躍に向けて」によると、かつての日本型の雇用形態においては、企業は一括して新卒採用し、産業構造や業務量の変化に合わせて、従業員の職務の変更や転勤、残業等の人事ローテーションをおこなってきましたが、結果として労働者が希望するライフスタイル実現を阻んでいました。そして、これまでの施策は、企業のために自分の人生を賭ける「企業戦士」「仕事人間」を生み出してきましたが、Well-Beingを向上させる企業の方向性とはだんだんとそぐわなくなってきました。そして、コロナ禍が大きな転機となりテレワークとジョブ型雇用が一気に導入され、終身雇用制度はますます崩壊の一途をたどり、従業員自身の市場価値を高めるためのスキルアップや副業の解禁が注目されています。一方で、企業は労働人口の減少から起因する人手不足をカバーするために、離職防止の対策として働き方の多様化と福利厚生制度の導入などでEX(従業員体験)の向上を推進し、従業員の幸福度や満足度の向上がWell-Being、ひいては健康経営につながるとも考えられています。

かつての集団的な雇用管理は企業の都合や利益を第一にしていたものですが、従業員側からすると働き方がどうしても受動的になってしまいます。しかし、これでは先に挙げた前野隆司教授の幸福に必要な4因子の中に挙げられていた「やってみよう」という気持ちを持つことが難しくなります。そうなると必然的に労働生産性や創造性が低下し、達成感も持ちにくく、Well-Beingの向上が難しいのです。

そこで雇用政策研究会は「個人の希望・特性に応じて柔軟でよりきめ細やかな雇用管理を推進することが重要である」、「本人の希望に配慮した配置の実施や軸となる専門分野の確立等を支援していく必要がある」としていますので、企業は従業員1人ひとりのパーソナリティに合わせた人員配置や勤務制度を導入する必要があるといえます。

もっとも従業員1人ひとりができることとして、「将来のキャリアを会社任せにすることなく(中略)自らのキャリアプランを人事担当者に伝え、話し合うことも重要」とも述べており、会社側が何もしてくれないからといって、「やらされている感」を我慢しながらしぶしぶ働き続けるのでは、Well-Beingの実現は望むべくもないということがわかります。「仕事人間」をやめることも、働く側の1人ひとりの意識改革から始まるのです。

従業員エンゲージメント向上と多様な個人データの管理・一元化

個人の希望・特性に応じた雇用管理の前提として、多様な個人のエンゲージメントを高める会社側からのアプローチも必要です。その代表的な施策の1つが福利厚生です。個によって異なる趣味や需要を網羅するには、相応な福利厚生メニュー数が必要になります。

例えば、ベネフィット・ワンのベネフィット・ステーション「学トクプラン」は、約140万件以上の福利厚生サービスが地域・世代間格差なく平等にご利用可能で、その利用範囲は会員ご本人様と配偶者からそれぞれの二親等以内のため、会員本人の家族だけでなく配偶者の父母、兄弟、祖父母の方もご本人と同じ会員特典を受けることできます。

スキルアップに有効なeラーニングサービスやオンラインセミナー、メンタルヘルスケアにも効果的な24時間対応の相談デスクなど多種多様なサービスを揃え、従業員本人だけでなく配偶者の家族にまで特典が享受される点は、具体的な個の好みと家族孝行を考える層も含め幅広い個人のニーズへ対応できることが大きなメリットです。口コミでもサービスの多さと費用対効果には高い評価を得ています。

さらに、ベネフィット・ステーションを導入すると利用できるデータ活用プラットフォームの「ベネワン・プラットフォーム」では、社員のデータを一元管理や従業員を対象とした思考性や特性に関するデータの可視化や比較ができますので、あわせて利用すると従業員のデータ分析が容易になります。全従業員を対象にストレスチェックや働き方・健康経営に資する各種サーベイを一律で実施し、そのデータの一元管理が可能になることから、従業員の幸福度を可視化するための判断材料としてデータ活用に生かせるようになります。このデータ活用は健康経営を推進するためにもおすすめです。

 

まとめ

今回は、Well-Beingをテーマに企業が意識して健康経営をすべき理由、そして健康経営とは何かということについて、企業側だけでなく企業で働く従業員1人ひとりがWell-Beingを向上させるためにできる4つのことを紹介しました。Well-Beingが企業によって唱えられる形だけのスローガンにならないように、1人ひとりが自分にとってのWell-Being、つまり幸福な状態とはなにかじっくり考えたり、家族や同僚と話し合ったりするのも良いでしょう。

Well-Beingを研究している予防医学者、石川善樹氏も「働きやすさ」と「働きがい」は異なるといいます。政府主導の働き方改革によって、企業は「働きやすい」環境をわたしたちに提供してくれていますが、自分にとっての「働きがい」とは何か、という問題点に関しては1人ひとりが向き合う必要があります。そのため、石川氏は日常生活の中でWell-Beingを向上させるためには「自分にとっての良い人生は何か」をじっくり考えるようにと勧めています。

前出の前野隆司教授によると、アメリカでおこなわれた調査では「幸福な従業員は不幸な従業員よりも創造性が3倍高く、生産性が1.3倍高い」ということが証明されているとのことです。「個人にとっての幸せや満足とは何か」という問いから出発するときに、本当の意味で生産性向上や業務効率化が達成され、これまでとは違った働き方がみえてくることでしょう。

幅広い種類の福利厚生を拡充できる
福利厚生サービス ベネフィット・ステーション

従業員満足度を高めるためには、福利厚生を幅広く用意する必要があります。

とはいえ、福利厚生を1から自前で整えるのは大きな労力がかかります。
そんなときに活用したいのが福利厚生サービスです。
ベネフィット・ステーションではレジャー・食事・育児・介護・財産形成といった幅広い福利厚生を一気に拡充することができます。

また、ベネフィット・ステーションは、

一業者との契約で140万件以上のサービスが使えるようになる
会員数は業界最大規模の1,548万人が導入済
サービス利用率は業界トップクラスの600%、導入しても無駄にならない

※「サービス利用率」は1社ごとの優待サービス利用回数が、社員数と同じになった場合を100%とし、算出しています。

従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどないのも特徴です。

ぜひこの機会に福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。


詳しい資料を見る