働き方改革

ワークシェアリングの導入でまず考えなければならない問題点

ワークシェアリング

働き方改革は企業にとって重要なテーマのひとつですが、そのなかでワークシェアリングという考え方があります。

ワークシェアリングとは、雇用の分担と一人あたりの労働時間の削減により、より多くの雇用機会を生み出すという考え方です。

オランダなどヨーロッパ諸国では実績を上げている国もありますが、雇用を増やしつつ労働時間と賃金の削減という2つの異なる取り組みがあること、また雇用を増やせば各種保険加入により企業の負担増などの背景から、日本国内では導入が進みにくいと言われています。

しかし、多くの企業がワークシェアリングの導入により諸問題の解決につながる可能性があります。

そこで、今回はワークシェアリングの基本的な考え方と進め方について紹介します。

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従業員満足度を高めて企業の労働生産性を向上し、持続的な事業成長へと導く働き方を

残業を減らして有給取得をしやすい環境整備も整えた。しかし、蓋をあけてみると業績が芳しくない…それは、時間や場所を問わない柔軟な働き方やデジタル化による業務効率化という本質的な働き方改革が実践されていないことが原因です。

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ワークシェアリング導入のメリットとデメリット

一人あたりの勤務時間や仕事負担が少なくなることで、雇用機会が拡大します。

例えば、フルタイムで仕事をすることが難しい出産前後の女性社員や親の介護をしている社員、労働意欲があっても体力的な問題があり働くことができない定年退職後の社員など、ワークシェアリングを導入することで、仕事が続けやすくなるため、雇用機会が大幅に広がります。

また、上記の人材が会社の軸となるような優秀な社員であった場合、流出を防ぐことも可能となります。

誰でもできる単純作業が多い企業や職場ほど、ワークシェアリングの導入は適しているでしょう。 ただ、このような仕事はパート・アルバイトで賄えるため、正社員での雇用がなかなか難しいという側面もあります。また、ワークシェアリングを導入することで、正社員が増え、各種保険の支払額が増えたり、業務プロセスの改善をしなければ生産性が低下するなどの問題点もあります。

そのため、ワークシェアリングの導入に際しては、企業側の組織改革が欠かせないものといえます。

ワークシェアリングを導入するには?

ワークシェアリング導入は以下の5つのステップを基本に進めていきます。

1.今現在の業務の流れ、方法を理解する
2.不要な仕事や無駄な仕事を減らす
3.ワークシェアリングが可能な業務を探す
4.業務マニュアルの作成
5.KPIを細かく設定して業務の進捗をチェックする

ワークシェアリングを導入するには、まず現在の業務の流れや方法の理解からはじめます。一般的にはフローチャートの作成により現状を把握し、次のステップで無駄な業務はないか、不要な仕事はないかをあぶり出して減らすことを考えます。

必要な仕事が判明したら、そのなかからワークシェアリングが可能な業務を探し出し、業務マニュアルの作成へと進みます。

そして、重要なのが最後のステップ、KPIの設定です。企業ごとでKPIの定義は異なりますが、ワークシェアリング可能な業務に対して、スピードの早さや仕事の精度、業務にかかるコストなどを設定すると社内の認識を統一させられるでしょう。

では、実際にワークシェアリングを導入して成功した企業にはどのような特徴があるのでしょうか。事例を踏まえて紹介します。

ワークシェアリングを導入した企業例

事例1 A社

工場の稼働を抑え、週休3日制を導入。工場ラインを止めた時間で研修カリキュラムを行い、従業員のスキルアップと生産性向上に努めた結果、従業員は余暇の利用拡大、企業は人件費の抑制と、企業と従業員の双方にメリットが生まれました。

この企業では、給与の減額が行われた一方で、工場ラインを止めたうちの一日は有給休暇にし、従業員の理解を得る努力をしたことが成功の要因です。

事例2 B社

将来的な企業存続の危機感から、労使間でのワークシェアリングの協定を結びました。労働時間の短縮により基本給をカット。給与額は減るものの、時給金額は若干増えるという仕組みです。この企業では、常にワークシェアリングが行われるのではなく、協定を結んだ条件(売上や従業員の激減など)が生じた場合に協定内容が発動する仕組みで、緊急的な事象に対するワークシェアリングという仕組みを確立しました。

これにより、従業員は企業が危機的な状況に陥っても直ぐに解雇されるおそれはなくなり、また企業にとっては労働時間を削減するケースを明文化しておくことで従業員からの不満を抑えられるようになりました。

※参照:厚生労働省「ワークシェアリング導入促進に関する秘訣集 第2章」(平成16年)

このように、ワークシェアリングで大切なのは、労使間双方にメリットが生じる仕組みにすることだといえるでしょう。

前向きに捉えつつも、入念に検討する

ワークシェアリングの導入により、現状よりも給与が下がるなら退職を決意する従業員がいても不思議ではありません。ワークシェアリングを導入するには、企業側のメリットを考える以上に、既存社員のことを考えて、どうしていくべきかを慎重に検討しましょう。

導入に際しては、前段の5つのステップを踏むことによりスムーズに導入できると考えられますが、なかでも前半の3つまでのステップ、現状の把握と無駄な仕事の削減、ワークシェアリングが可能な業務の選別に重点を置くことで、後に続く2つのステップも円滑にできるでしょう。

現在の業務に関する内容の洗い出しは上層部だけで考えるのではなく、末端の従業員まで巻き込んで話し合いをすることによって細かい部分まで見えてくるはずです。また、ワークシェアリングの導入に際しては、雇用調整助成金や教育訓練給付、キャリア形成促進助成金など国からの補助金制度が受けられます。詳細については社労士に相談しつつ、今現状企業にとって必要かどうかを検討する必要があるでしょう。

長時間労働の是正と共に検討すべき
福利厚生制度の拡充

多くの企業で課題となっている長時間労働の是正は、生産性向上や人材定着にも効果的です。

すでに多くの企業が取り組みを行っている中でセットとして注目されているのが、給与・福利厚生制度などの待遇面の向上です。

残業削減は従業員のプライベートを確保して仕事に対するモチベーションの向上に繋がっている一方で、残業代が減り、従業員の賃金低下が目立ってきています。

しかし、基本給を上げることは難しいので、残業代の代替策が求められます。

従業員満足度、生産性の向上、採用強化・離職防止に繋がる福利厚生制度の拡充を検討していくことが得策です。

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企業は人なりという言葉があるように、従業員の会社に対する満足度を高めることは、企業の業績を向上させることに繋がります。

ぜひこの機会に、福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。


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