人材育成

リカレント教育とは?リスキリングとの違いやメリットと実践について解説

学び直しをして自律的なスキルアップに取り組む従業員

少子高齢化による人材不足や高年齢化が進行する中、社会人が学び直しをおこなうリカレント教育に注目が集まっています。

人手不足など物理的な理由でマンパワーが下がるのであれば、一人ひとりが価値を生み出す能力を高める必要があります。時代の変化スピードが加速する中、ビジネスシーンでも過去に身に付けた知識やスキルが通用しないケースも少なくありません。

今やリカレント教育は、現代社会で生き残っていくための喫緊の課題といえるかもしれません。今回は、リカレント教育の定義から企業におけるメリット、国の支援策や企業ができることを紹介します。また、似たような言葉の生涯学習や、昨今よく耳にするリスキリングとの違いについても解説します。

福利厚生のアウトソーシングについて

福利厚生の充実は、従業員満足度を向上させ、採用や離職防止にも役立ちます。

もしこれから福利厚生の導入を検討するのであれば、自社で新たな制度を一から作るよりも、低価格で手間をかけずに簡単に導入ができるアウトソーシングサービスを利用すると良いでしょう。

数あるサービスの中でも、業界でトップシェアを誇る「ベネフィット・ステーション」の導入をおすすめします。

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従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。

ぜひこの機会にご検討ください。

リカレント教育とは?

オンラインセミナーでスキルアップをしている従業員

はじめに、リカレント教育とは何なのか、その概要や現代において求められている理由とその背景について解説します。

リカレント教育の定義と意味

「リカレント」は英語にすると「recurrent」で、「反復」や「回帰」などの意味を持ちます。したがって「リカレント教育」は「回帰教育」や「循環教育」と訳されることもあります。

いわゆる学生時代が終わって社会人になっても、時代の流れを見て学びを反復・継続していくためにあるのがリカレント教育です。本来は「職業上必要な知識・技術を修得するために、フルタイムでの就学と就職を繰り返すこと」と定義されます。

文部科学省は、諸外国とやや異なる日本の状況を鑑みて、「働きながら学ぶ」「心の豊かさや生きがいのために学ぶ」「学校以外の場で学ぶ」ことなどもリカレント教育に含まれると言及しています。キャリアアップやスキルアップはもちろん、自己の市場価値を高め、豊かな人生を続けていくための手段のひとつとされています。

リカレント教育の提唱と定着

リカレント教育の提唱者は、スウェーデンの経済学者であるゴスタ・レーン氏です。氏は、時代の急速な変化に適応していくためには教育を受ける必要があると述べた上で、「労働すること」と「教育を受けること」を交互にできるのが理想だと説いています。

1970年代になるとOECD(経済協力開発機構)もこの考え方に着目して研究に着手し、世界的にリカレント教育の概念や必要性が認識されるようになりました。

日本におけるリカレント教育

日本におけるリカレント教育の浸透度は、世界的に見ても非常に低いのが現状です。欧米などでは、リカレント教育の本来の形、つまり就業と大学などでのフルタイムでの学びを繰り返すことが推奨されています。一方、日本は認識的にも実践的にも、働きながら学ぶ傾向が強いのが実情です。

近年は、「リフレッシュ教育」と称した取り組みも生まれています。これは諸外国のリカレント教育に近づけた教育のあり方で、職業人を対象として、職業志向の教育内容が高等教育機関で実施されます。

リカレント教育が求められる3つの背景

1. 人生100年時代の到来

人生100年といわれる現代、定年退職の年齢が引き上がり、長期的に学びを繰り返していかないと過去の知識やスキルでは通用しなくなる懸念と、業務の効率化という観点からも過去の知識やスキルをアップデートする必要性があります。

 

2. 労働市場の流動化

デジタル化にともない、プロジェクト単位で高いスキルの人材が雇用できるジョブ型雇用が加速しています。また、ベンチャー企業が増えている昨今、転職や起業をサポートするためにも教育機関やオンラインを活用した学び直しができる環境の整備や構築が必要です。

 

3. 国際競争力の強化

日本では少子化の影響によって生産年齢人口が減少しており、今後もこの状況が続くことは明白です。コロナ過で停滞していた世界経済も回復の兆しが見える昨今は、国内のみならず海外でも知識やスキルが通用するグローバル人材の育成も必要です。したがって、企業や国の創造力・競争力を維持するために、1人ひとりが生み出す価値を高める必要性が高まっています。

 

上記のような状況下で、知識やスキルが低い人や価値創造力の低い人は活躍の場を失うことにもなりかねません。そうなってしまえば、仕事だけでなく生活や人生の質も下がってしまうでしょう。人生の質そのものを高める意味でも、何歳になっても活躍し続けるためにも、リカレント教育の必要性が高まっているといえます。

リカレント教育と生涯学習の違い

これまで述べたようにリカレント教育は働くことが前提で知識や技術を習得するための学習ですが、意味がよく似た言葉に「生涯学習」があります。
生涯学習とは学校教育や社会教育をはじめ、スポーツ、ボランティア、レクリエーションなど生涯におこなうあらゆる活動や機会においておこなう学習のことです。

つまり、リカレント教育は仕事におけるスキルアップやキャリアアップが前提の学習に対して、生涯学習は仕事以外も含んだあらゆる活動において教養を高め、豊かな人生を送るための学習といえます。

リスキリングとは?

ジョブ型雇用で研修の講師をする人材

「リスキリング」は英語にすると「reskilling」のことで、リカレント教育と同様に「学び直し」のことですが、リスキリングは働きながら新たなスキルを身につけてキャリアアップをすることをいいます。

リスキリングが必要な背景

総務省が発表した2022年の情報通信白書によると、人材不足の中でもDX人材と呼ばれるデジタル人材は圧倒的に足りないとのことです。AIIoTなど昨今におけるデジタル技術の急速な進化にともない、DXを実現する目的は「生産性向上」と「データ分析・活用」という回答が多いものの、DXの実現に課題を感じている企業は日本国内で約7割を占めています。そうなると、全職種でITリテラシーを身につけてDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する必要性が高まっているといえます。
企業がその分野において人材不足を感じるのであれば、企業が従業員へ不足している人材になるべくスキルを身につける機会を提供する必要があります。

また、経済産業省は、人材を資本としてとらえ、その価値を最大限に引き出して中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」から、事業の方向性や目標を策定したのちに不足している分野のリスキリングを実施する重要性を述べています。

リカレント教育とリスキリングの違い

リカレント教育は従業員が主体となって自分にとってプラスとなる知識やスキルを身につけることに対し、リスキリングは企業が自社の事業戦略に合わせて効果的な人材育成をすることで従業員の知識やスキルが身につくことに役割の違いがあります。

従業員にとってのリカレント教育とリスキリングの違い
リカレント教育:能動的

リスキリング:受動的

リスキリングのデメリット

社内に不足している分野の人材を作り出すために、能力やスキルを従業員が主体となって学ぶリカレント教育で身につけることは難しいものです。しかも、近年では一つの事業においても様々な分野の知識が必要になるケースも増えています。社内に不足する分野の人材を創出するためにも、企業が主体となって学びの機会を提供するリスキリングは有効といえます。

ただし、従業員にとってリスキリングは受動的な学びになりますので「仕事の一環」としとらえる人もいることでしょう。そのため、リスキリングによる企業からのやらされ感から自己成長しにくい側面があります。

リカレント教育がもたらす企業へのメリット

モチベーション高くリカレント教育に取り組む従業員

リカレント教育は企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは、主なメリットを紹介します。

従業員の付加価値と生産性を高める

リカレント教育を利用することによって従業員は現代のニーズに合う学びを得て、能力やスキルをレベルアップさせます。より高い能力やスキルを活かして業務を遂行できるようになり、生産性の向上も期待できるでしょう。

教育を通じて人脈を得る

リカレント教育の現場には、その分野の学びを深めたい人材が集まってきます。学び直しの側面を持つため、年齢層も幅広く、学習を通して社外に豊かな人脈を築けるのです。将来のビジネスで活用できるようなネットワークをつくる機会にもなるでしょう。

スキルアップの機会を提供することで離職を防ぐ

人生100年といわれる現代、時代に即した能力やスキルの必要性は労働者も認識しています。自分が働いている会社にリカレント教育が導入され、自分が学びたい分野を選んで成長できるような環境があれば、企業としても社員がスキルアップを目的とする離職を防ぐことができるでしょう。

企業における主体性・責任感の向上が期待できる

リカレント教育において従業員は、自分のスケジュールに合わせて通学先や教材を自ら選定し、学習時間や内容の調整をしていきます。この積み重ねによって従業員1人ひとりの主体性や責任感が培われ、業務でもそれが活かされると期待できるでしょう。

リカレント教育の手段

自律的にスキルアップするリアル会場のイメージ

リカレント教育を受ける方法は多岐にわたるため、企業が支援をする手段も一つではありません。そこで、リカレント教育の種類とそれぞれについての企業の対応・支援の方法を紹介します。

大学や専門学校の社会人コースの履修

日本では多くの大学や大学院が社会人を対象としたコースを設け、特別選抜を実施しています。パートタイムで学習できる機会も拡充されており、一部の科目履修での単位取得が可能な学校もあるようです。企業としては、休暇・休業制度の制定や学費の支援などができるでしょう。

定時制・通信制大学

仕事や家庭の状況による時間的な制約に対応するために、多くの大学で夜間部や昼夜開講制が導入されています。また、学びの場所を問わない通信教育課程を設置する大学も増えているようです。この場合も、学費支援制度を設けるなどして学習者をサポートしましょう。

国の職業訓練

国は就労を希望する人に対して、様々な職業訓練を受ける機会を提供しています。現代の社会人の学習ニーズに合わせたプログラムを備えたコースが多数開設されており、給付金の対象になる学びもあるため、企業は積極的に情報提供をしていくと良いでしょう。

オンライン講座(MOOC)

大学の講義をオンライン上で受講できるMOOCも活発になってきています。世界の一流大学が提供するコンテンツを使って学べるのが特長で、日本の大学の参画も増えているようです。多種多様な分野・業種に活かせる知識やスキルについて、各個人のニーズに合わせて、自分のペースで学ぶことができます。企業側から最新の情報を提供しましょう。

社内での教育・研修

社内に独自のアカデミーを設置したり、学習プログラムを提供したりする企業も増えています。大学との協働で構築したカリキュラムを用いているところもあるようです。体系的な研修の実施などもここにあてはまるでしょう。

リカレント教育への国の支援と補助金

スキルや経験を積み上げてスキルアップをしていくイメージ

日本政府もリカレント教育を推進しています。ここで、国の推進策として施行されている支援や補助金の内容を具体的に見ていきましょう。

教育訓練給付金

教育訓練給付金は、労働者が短期から中長期にわたって自己のスキルアップや能力開発に取り組む際に発生する学習費用の一部を支援する支給金です。

受講開始時点で、雇用保険の被保険者期間が3年以上の人が対象です。在職中はもちろん、離職後1年以内に受講を開始すれば制度の対象となります。

この制度には、以下3つの種類があります。

 

1. 一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金の対象となる学びには様々なものがありますが、厚生労働大臣が指定していることが前提です。英会話教室やパソコン講座などの通学型の学びのほか、通信教育もあります。訓練や講座受講を修了することが給付の要件です。

 

2. 特定一般教育訓練給付金

厚生労働大臣が指定する講座の中では介護職員初任者研や税理士など、専門性が高く就職や起業にも有利な講座がこの特定一般教育訓練にあたります。また、昨今のデジタル化に関係するIT関係資格取得講座も含まれます。

 

3. 専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金では、対象として比較的長期にわたる講座が多く選ばれているのが特徴です。厚生労働大臣が指定している講座には、看護師、歯科衛生士、美容師、栄養士、介護福祉士などの講座があります。こちらも、訓練や講座受講を修了することが給付の要件です。 

履修証明制度

履修証明制度は、大学などで社会人向けのプログラムを受講した人に対して「履修証明書」が交付される制度です。

この証明書は、キャリアアップや再就職の際にもアピール手段の一つになります。履歴書上でも、資格欄ではなく学歴として記載することが可能です。

真に必要とされるリカレント教育をサポートするサービスの検討を!

人生100年時代といわれる昨今、リカレント教育の重要性はますます拡大していくでしょう。企業として社内で提供できる学びは限られていたとしても、外部の大学や通信講座での学びを支援することは可能ではないでしょうか。キャリアアップやスキルアップに対する支援を充実させることは人材獲得や定着にも寄与します。そして、組織能力の向上も期待できるでしょう。
注意点として、正しい知識でリカレント教育を導入しないとメリットがデメリットに転じる場合がありますので本記事のポイントをよく理解して導入を進めましょう。

ベネフィット・ワンでできる人材育成サポートの一例として、「ベネワン・プラットフォーム」がありますが、全従業員のデータを一元管理できることに加えて、その成長過程の可視化を実現するデータ活用プラットフォームです。
また、従業員自らがスキルアップカテゴリから多彩な研修を選ぶことができる「ベネフィット・ステーション」は、約140万件以上の福利厚生メニューを擁し、学びのメニューだけでなく多様化する従業員のニーズに対応できる次世代型福利厚生サービスです。

これらを自社の人材育成の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。

幅広い種類の福利厚生を拡充できる
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従業員満足度を高めるためには、福利厚生を幅広く用意する必要があります。

とはいえ、福利厚生を1から自前で整えるのは大きな労力がかかります。
そんなときに活用したいのが福利厚生サービスです。
ベネフィット・ステーションではレジャー・食事・育児・介護・財産形成といった幅広い福利厚生を一気に拡充することができます。

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※「サービス利用率」は1社ごとの優待サービス利用回数が、社員数と同じになった場合を100%とし、算出しています。

従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどないのも特徴です。

ぜひこの機会に福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。


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