驚くほど作業効率の上がるパワーナップとは?その正しい方法と導入事例
日中、勤務している間に実践する「パワーナップ」が注目されています。わずかな時間で頭がスッキリするなどの効果が科学的に実証され、社内制度として導入・推奨する企業も増えているようです。
社員の心身の健康や働きやすい環境作りに向けた施策として興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回は、パフォーマンスや生産性の向上にも役立つといわれるパワーナップについて詳しく解説します。
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パワーナップとは
はじめに、パワーナップという概念の意味や歴史、効果とその科学的根拠を説明します。
パワーナップの定義
パワーナップ(power nap)とは、日中に取る15分から30分程度の仮眠のことです。短い時間でも睡眠の効果を最大化(パワーアップ)する睡眠法として、社会心理学者ジェームス・マース氏によって作られた言葉です。昼間に取る仮眠は、夜の睡眠の3倍ほどの効果があるともいわれています。
パワーナップの歴史
パワーナップの効果について実験をおこない、科学的根拠を見出したのはNASA(アメリカ航空宇宙局)でした。パイロットに26分間のパワーナップを取らせると、認知能力が34%、注意力が54%も向上したのです。
Googleも、従業員のパフォーマンスや生産性向上を目的としてパワーナップに着目しています。そして、様々な企業が積極的にパワーナップを推進して独自の研究結果を公にしたことで、パワーナップの効果が世界的に認知されるまでになりました。
パワーナップの科学的根拠
午後に眠気を感じる人は多いでしょう。これには2つの要因があります。
1つめの要因は人間の生体リズムです。眠くなるタイミングは夜中だけなく、昼間の14~16時頃にも訪れます。
もう1つの要因は、脳内のオレキシン作動性ニューロンの活動の影響です。ニューロンが活動している際には、オレキシンという物質が分泌されて覚醒状態になります。逆に、ニューロンの活動がオフになると眠くなります。食事をすると血糖値が上がりますが、血糖値が上昇することでもニューロンの活動はオフになり、オレキシンの分泌が抑制されてしまいます。したがって、多くの人が昼食後に眠くなるのです。
また、短時間のパワーナップでは、深い眠りのレム睡眠ではなく浅いノンレム睡眠の状態になります。ノンレム睡眠には4つのステージレベルがあり、パワーナップにおけるレベルはステージ2です。カリフォルニア大学の研究では、このステージ2の状態では脳内メモリがリセットされ、蓄積されたあらゆる情報が整理されて優先順位がつけられることがわかっています。つまり、パワーナップはワーキングメモリの強化につながる可能性が高いといえます。
シエスタとの違い
シエスタは13:00~16:00を指し、スペイン語で「昼寝」を意味します。したがって、15分から30分程度の仮眠をとるパワーナップより仮眠の時間が長くなるところに違いがあります。
また、パワーナップは仮眠をとることに対して、スペインや南米などで導入されているシエスタは仕事を休む(店を休業する)意味合いで導入されており、昼寝をしてもしていなくてもシエスタと呼ばれています。
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パワーナップの効果と導入メリット
企業がパワーナップを推奨して制度を導入することで、職場にどのようなメリットがもたらされるのかを見ていきましょう。
疲労回復とモチベーション向上
パワーナップは短時間ですが、朝に起床してからフル回転している脳にとっては大きな休息です。特に、デスクワークなどの身体より頭を使う仕事では自覚がなくてもかなりの疲労が蓄積されています。一日の途中のパワーナップで疲労感が軽減してスッキリとした気持ちが得られると、業務へのモチベーションも向上しやすくなるでしょう。
作業効率の向上
NASAやGoogleなど多くの世界的企業や機関における研究で、パワーナップには記憶力や注意力を向上させる効果があるということが実証されています。午前中からのあらゆる活動でエネルギーを消費するため、午後に疲れが出て作業効率が落ちるのは必然でしょう。そこでパワーナップを取れば、心身や神経の疲れからくる作業効率の低下を緩和できます。
作業品質の向上
ランチの後の時間に眠気を感じる人も少なくありません。眠気や疲れは集中することの妨げになりますが、パワーナップを実践することで集中力や判断力は向上します。しっかり覚醒した状態が維持できるため、ミスや事故を起こす可能性も下がるでしょう。
柔軟な発想が生まれる
パワーナップ実践者の中には、クリエイティビティが上がると実感している人もいます。脳が集中や記憶などの機能を維持しやすくなるだけではなく、ストレス緩和によっていわゆる「冴えている状態」が長く維持できるようになります。
従業員の健康増進
パワーナップは睡眠不足を補う行為です。パワーナップによって睡眠時間を確保できれば、軽度のストレスは解消されやすくなります。また、十分な睡眠は心身の不調や病気の予防にもなるため、社員が健康的に働き続けることにもつながります。長期的に見ると人材コストが下がることも期待できるでしょう。
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従業員が健康であれば高い集中力を保って仕事に取り組めるため、生産性が向上するというプラスのサイクルが生まれます。
パワーナップの効果的な実践方法
漫然とした昼寝ではなく、頭をスッキリさせて生産性を向上させる正しいパワーナップの実践方法を解説します。
時間を明確に区切る
仮眠する時間は20分から30分が最適です。30分以上になると逆効果になってしまうため、時間を明確に区切って実践しましょう。また、パワーナップを実践する時間帯は正午から15時の間が適しています。ランチの後に時間を取りやすいという方も多いでしょう。夕方以降にパワーナップを取ると夜の睡眠時間に近いため、夜になかなか寝付けない、よく眠れないなどの悪影響が出ることもあります。夕方以降の仮眠は避けることがポイントです。
横にはならない
寝る姿勢にも気を配りましょう。横になってしまうと深い眠りになりやすく、昼寝した後のスッキリ感が得られにくいようです。椅子に座ったまま机に伏せるなど、身体を起こした体勢での仮眠をおすすめします。こうすると交感神経が適度に刺激され、スッキリとした目覚めが得られます。
暗さとほど良い雑音
仮眠の体勢になってからは、スムーズに眠りに入れるのが理想です。そのためにもアイマスクなどを活用してできるだけ光を遮断したり、周りの音や声が気にならない静かな場所でおこなったりと眠りに入りやすい環境を作る工夫をしましょう。
カフェインを摂取
パワーナップをする直前にコーヒーなどでカフェインを摂取するのもおすすめです。カフェインの覚醒効果は摂取後15分から20分後の起きるべきタイミングで出始めるため、スッキリと目覚めることができます。
パワーナップ中の周囲の配慮
勤務中のパワーナップの実践では周囲の協力が欠かせません。少なくとも15分から20分の間パワーナップに集中できなければ、正しい効果は得られません。本人宛の電話がかかってきても起こすのは避け、後で折り返す旨伝えるなどの対応をしましょう。本人がパワーナップに入る前に周りにひと声かけることも大事です。
非公開: 新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた対策を! 新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症は、オフィス内でクラスター(集団感染)を引き起こすきっかけになりがちです。
クラスターが発生すると生産性が低下し、事業計画が正常に実行されない可能性もありますので、健康経営や安全配慮義務として感染症対策を徹底しましょう。
感染症対策の中でも、在宅勤務が実施しづらい企業ではワクチン接種が効果的です。
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企業におけるパワーナップ制度の導入事例
科学的根拠は理解できたとしても、「昼寝」の制度化に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。そこで、実際にパワーナップを制度化して成果を収めている企業の事例を紹介します。
対照実験をおこなってから本格導入した事例
従業員に「仮眠なし」の2週間と「仮眠あり」の2週間、集中力を測るデバイスをつけて比較実験をした企業があります。実験後、30分の仮眠を取ったほうがより集中力が高いという結果が出ました。また、実験に参加した従業員の8割が仮眠を継続したいと答えています。
仮眠スペースを設けた事例
社内に仮眠用のスペースを設ける企業も増えています。海外の先進大企業などでは、ナップルームだけでなくナップポッドと呼ばれる専用機器を導入しているところもあるようです。高額な準備はできない企業でも、専用ルームに簡易ベッドやハンモックなどが設置されています。
オフィス空間での実施を奨励した事例
会議の少ない時間帯に、会議室を「仮眠できる部屋」として開放している企業もあります。その時間帯はリラクゼーション効果のあるヒーリングミュージックをかけたり、アロマを焚いたりと様々な工夫がされているようです。オフィス空間を有効活用するという意味でも取り入れやすい方法ではないでしょうか。
ルールを策定してメリハリある実施を実現した事例
パワーナップの導入に際して、明確なルールを設けることで成果につなげた企業もあります。周知されたルールとは以下のとおりで、従業員にも好評だそうです。
1. 眠いと感じたら仮眠して良い
2. 長さは15分から20分程度
3. 場所はデスクや社用車
4. 周りはパワーナップ中の人に声をかけない
仕事に睡眠を取り入れて従業員の幸福と生産性を高めよう
日本でもパワーナップは広がっており、うれしい効果を実感する社会人や企業が増えています。長さや時間帯などを工夫してパワーナップを実践する環境が揃えば、生産性アップの期待も持てるでしょう。
パワーナップは、従業員に健康や睡眠への意識を高めてもらうためにも有効な施策ではないでしょうか。企業が従業員の健康に配慮する取り組みは、求職者をはじめとしてあらゆるステークホルダーの高評価につながる要素となっています。
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ただ休暇取得を促すのではなく、心身共にリラックスができる
有給休暇の過ごし方を提案しよう
社員へ休日の過ごし方を聞けば「1日家にいてぼーっとしていた」「とにかく寝ていた」など、ただ有給休暇を消化しているだけ…
有給休暇の過ごし方は、個人の自由です。しかし、休日の充実度合が仕事にも影響を及ぼすため、企業としては、心身共にしっかりとリフレッシュができる有意義な休日を過ごしてもらうことが重要です。
充実した休日の提案には、福利厚生サービスの充実を検討しましょう。
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ぜひこの機会に有給の取得推進とあわせ、福利厚生サービスの導入を検討してはいかがでしょうか?