特別休暇は法定外休暇!その種類や作り方と有給休暇・法定休暇との違いを解説
働き方改革で労働者の働き方が多様化するとワークライフバランスが向上し、ユニークな特別休暇を新設する企業が増えています。最近では、サッカーのワールドカップで日本代表を応援するために特別休暇を付与した企業事例が記憶に新しいでしょう。
しかし、この特別休暇は各企業で労基署への届け出なく自由に定められるものなのか、また、どのような手順で導入すれば良いのかを悩む方もいることでしょう。
今回の記事では、特別休暇の種類やその他の休暇との違い、導入手順などについて紹介します。特別休暇の導入により福利厚生が充実すれば、優秀な人材の確保にも効果的です。人事担当者は、特別休暇について知識を深め自社の取り組みに役立てましょう。
競合他社との差別化をはかる!企業のイメージアップは「ベネフィット・ステーション」で 人生100年時代と言われるようになり、定年年齢の引上げや定年廃止が進んでいます。 例えば「仕事とプライベートの充実ができる働きやすい会社か」「風通しが良い社風で一緒に働く人と一体感を持つことができる働きがいがある会社か」といった不安を払拭する必要があります。 これらの課題は、福利厚生サービスベネフィット・ステーションの導入で解決すること出来ます。 1. 140万件以上のサービスが利用できるため、年齢や性別関係なく、従業員の多様なニーズに応えることができる 2. 企業の福利厚生制度として「スポーツジム割引」「育児・介護補助」などの記載が出来るため、競合他社との差別化ができる 従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。 ぜひ、企業のイメージアップや労働環境の改善策の一つとして、福利厚生制度の検討をしましょう。
少子高齢化による人手不足の原因の一つとなっている中で、「企業のイメージアップ」は離職率低下や若手の人材確保において重要な役割を担います。
目次
特別休暇・有給休暇・法定休暇の違い
特別休暇だけでなく、「休暇」と名の付くものはいくつか存在していることはご存じでしょうか。これらは同じ休暇ではありますが目的としているものが異なり、「法定外休暇」と「法定休暇」にわかれます。
まずは、特別休暇と有給休暇の定義について概要を解説します。
特別休暇
特別休暇とは、福利厚生の一環として企業が従業員に自由に付与できる休暇で、いわゆる「特休」と言われています。
特別休暇は法律の定めがない「法定外休暇」にあたるため、休暇の目的や有給・無給は各企業で自由に決定できます。特別休暇を利用して自社のビジョンや特色を表現することができれば、既存社員の流出を防いだり新規人材の採用時に使用促進をアピール材料としたり企業にとって様々な効果が見込めます。
有給休暇
有給休暇は正式名称を「年次有給休暇」と言います。特別休暇と異なり、労働基準法で定められている「法定休暇」であり従業員の「権利」です。企業は条件に該当する従業員に対して、必ず有給休暇を付与しなければなりません。
また、基本的に有給休暇の取得目的は従業員の自由となるため、企業側の承認は不要です。
年次有給休暇については、2019年4月以降の働き方改革関連法にて一定日数の確実な取得が義務づけられました。これにより、年間10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対しては年間5日、時季を指定して付与しなければなりません。
有給休暇の略は有給?有休?年休?
有給休暇は「有給」「有休」「年休」と略されますが、どれが正しい表現なのでしょうか。
まずはそれぞれの意味を確認しましょう。
有給:休暇を取得しても給与が支払われるという意味。
有休:有給休暇の略。
年休:年次有給休暇の略。厚生労働省での年次有給休暇の略称。
したがって、どれが正しくてどれが誤りであるかはなく法律上の決まりもありませんが、産前産後休業は「産休」、育児休暇を「育休」と略したりすることから、有給休暇も「有休」のように「休」を使う方が一般的です。
法定休暇
有給休暇の他にも、法律で定められている休暇があります。これらを「法定休暇」と呼び、有給休暇以外の法定休暇には、産前産後休業、育児休業、子の看護休暇、生理休暇、介護休業、介護休暇、裁判員休暇などがあります。
これらはすべて企業が自由に付与できる特別休暇と異なり、法律で従業員への付与が義務づけられている休暇です。
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特別休暇の種類
前述のとおり、特別休暇は法定外休暇であるため企業が独自に設けることができるものです。そのため、他社にはないようなユニークな休暇制度を設けている会社も多くあります。
ここでは、代表的な特別休暇を10種類紹介します。
慶弔休暇
慶弔休暇とは、従業員の結婚・出産などの慶事や親族が亡くなった忌引きなど喪に服す必要がある場合など、冠婚葬祭に合わせて付与する特別休暇です。企業によっては法事で使用できる場合もあります。
慶弔の理由によって付与する特別休暇日数をルール化して定めている企業が多く、1~4日間程度が一般的です。慶弔休暇は、特別休暇の中でも最もポピュラーで、導入している企業が多い休暇となっています。
病気休暇
病気休暇とは、従業員が心身に何らかの病気を患った際に回復へ向けて通院や治療、療養で使ってもらうために付与する特別休暇で、「病休」と言われています。企業によっては、半日単位での取得を認めているケースもあります。
病休と似た言葉で「病欠」がありますが、病欠は病気欠勤のことですので無給になるところに違いがあります。
病気休暇と休職の違いは?
休職とは、従業員の都合で労働契約が継続されながらも会社を長期的に休むことで業務免除がなされる制度です。病気休暇と同様に法律上の定義はなく、企業によって対象条件が異なる場合や制度そのものを設けていない場合もあります。
一方で病気休暇は風邪などの傷病が理由で取得可能な休暇で、休職はメンタルヘルスが不調の場合に取得するイメージが強いかと思います。しかし、休職はメンタルヘルスや健康面以外にも留学する場合や、労働組合の業務に専念する場合、議員になる場合、そして犯罪の疑いで起訴された場合などにも取得できるところに違いがあります。
ボランティア休暇
ボランティア休暇とは、ボランティア活動に参加する従業員に付与する特別休暇です。
使途としては、従業員の積極的な社会貢献活動を後押しする目的で設けられています。最近では、地震や豪雨などの大規模災害で被災した地域への復興支援でボランティア活動や、SDGsやダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みで障がい者や高齢者など配慮が必要な人へ福祉活動としてのボランティアが盛んに行われています。
この休暇を与えることで従業員のボランティア活動が活発になれば「従業員が自発的に行動を起こす意識が変化する」「従業員1人ひとりの世界観が広がる」「企業のイメージアップにつながる」などのメリットにもなります。
リフレッシュ休暇
リフレッシュ休暇とは、従業員や家族の慰労、自己啓発などを目的として付与する特別休暇です。
すべての従業員を対象とせず、年齢や勤続年数が一定に達した場合に付与するのが一般的です。付与日数も一律ではなく、多くの企業では従業員の年齢に応じて幅広く設定されています。
夏季休暇・年末年始休暇
夏季休暇とは、お盆期間の前後に連休を付与し、年末年始休暇とは、元旦の前後に連休を付与する特別休暇です。
基本的には特別休暇として企業が連続的に付与するものですが、夏季休暇においては企業によって夏季期間に計画年休を適用し、夏季休暇としているケースもあります。後者の場合、従業員から反発を受ける可能性もあるため、注意が必要です。
夏季休暇?夏期休暇?どっちが正しい?
法律では「夏季休暇」が使用されていますが、夏期休暇も夏休みを意味するため誤りではありません。夏季休暇の定義は気温や暦、気象庁の定義を基にしています。
参考までに意味を紹介します。
夏季休暇:季節としての夏(5~9月)の間に休暇を取得すること。
夏期休暇:時期としての夏(7~8月)の間に休暇を取得すること。
誕生日休暇
誕生日休暇とは、従業員の誕生日に付与する特別休暇です。
業務状況により誕生日当日に取得できない可能性もあるため、「誕生月内で好きな1日」「誕生日から前後1ヶ月以内」などの振替を認めている企業が多いです。
アニバーサリー休暇
アニバーサリー休暇とは、従業員の大切な日や特別な日に付与する特別休暇で、「メモリアル休暇」とも呼ぶ企業もあります。
前述の誕生日休暇は従業員本人の誕生日に限られた休暇でしたが、アニバーサリー休暇は従業員自身の誕生日だけでなく大切な人の誕生日や結婚記念日などプライベートに関わることはもちろん、過去に仕事で大きな成果をあげた日など仕事で思い出のある日に付与する企業もあります。
教育訓練休暇
教育訓練休暇とは、従業員が仕事上必要なスキル習得を目的とし、一定日数業務から離れて教育訓練を受ける際に付与する特別休暇です。
昨今の人的資本の情報開示義務化を見据え、リスキリングを目的に導入する企業が増えています。なお、教育訓練休暇を導入して条件を満たした企業には、国から人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)が支給されます。教育訓練に要する日数は受講コースによって異なるため、企業側はそれに応じた日数の特別休暇を付与するケースが多いです。
赴任休暇
赴任休暇とは、転勤や出向を伴う異動が発生した場合に引っ越しや新天地での業務準備を考慮して付与される特別休暇で、海外や全国に支店や店舗がある企業での導入がみられます。
コロナ特別休暇
新型コロナウイルス感染症の症状によって取得できる特別休暇です。この休暇を取得することで出社している人の防疫にも効果を発揮します。
例えば、従業員自身や家族が新型コロナの疑いを伴った発熱や咳がある場合に取得できます。公務員にはこの休暇制度が設けられており、人事院のサイトに本制度の記述があります。
公務員の特別休暇
前述のコロナ特別休暇のように、公務員にも特別休暇制度があります。国家公務員で一般職員の場合を例にして以下に一覧を記載します。
・公民権行使:選挙権等の公民権の行使をする場合、必要と認められる期間だけ付与。
・骨髄等ドナー:骨髄又は末梢血幹細胞の提供者となる場合、必要と認められる期間だけ付与。
・不妊治療:不妊治療を受けるために医療機関へ通院する等の場合、1年で5日以内付与。ただし、体外受精及び顕微授精に係る通院等の場合はさらに5日加算される。
・現住居の減失等:現住居の滅失や損壊等した場合、原則として連続する7日の範囲内で付与。
・退勤途上:退勤途上の危険を回避する場合、必要と認められる期間だけ付与。
新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた対策を! 新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症は、オフィス内でクラスター(集団感染)を引き起こすきっかけになりがちです。
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特別休暇は賞与に影響するか
特別休暇は、前述のとおり企業が自由に定め従業員へ付与できる休暇です。
そのため、賞与の勤怠査定や出勤率の算出で、特別休暇取得日を出勤、欠勤どちらの扱いにするかの判断も、それぞれ企業の判断に委ねられています。よって、賞与の出勤率を欠勤として算出しても法的な問題はありませんが、本来の休暇の意味を考慮すると適当な判断とはあまりいえないでしょう。
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特別休暇を導入するには
実際に、特別休暇を新設する場合の手順を紹介していきます。
目的と内容を検討
まずは、新設する特別休暇の目的と内容を明確にします。新設する特別休暇によって企業側がどのようなメリットを享受したいのか、従業員へ何を提供したいのかを検討しましょう。
目的や内容を決める際には、担当者が人事的な知識だけを持ち寄って話し合いを重ねていると、視野が狭くなり気づきも得られにくくなります。日頃から耳にしている従業員の声を参考にしたり新たに意見を聞いてみたりして、広い視野をもつように心がけましょう。
条件を決定し、就業規則へ記載
目的と内容が固まったら、特別休暇の対象者や付与日数、方法、期限、給料については有給・無給などの細かい条件を決定していきます。
決定する際には、「最初に定めた目標が実現可能な条件になっているか」という点に注意しながら進めていきましょう。ここで整合性をとらなければ不具合が生じてしまい、後々変更せざるを得ない状況になる可能性もあります。
内容が確定したら就業規則へ反映しましょう。
従業員へ周知する
特別休暇が新設された旨を従業員へ周知します。
掲示板への貼り出し、社内報の発行、メール、社内ポータルへの掲載など、あらゆるツールを活用し、すべての従業員へ確実に周知する必要があります。各所属長から部下たちに直接伝達してもらうのも良いでしょう。
労働基準監督へ届け出
特別休暇の新設にともなって就業規則を変更した場合、各事業場を管轄する労働基準監督署への届け出が必要です。この際、変更済の就業規則のほかに、就業規則(変更)届と意見書もあわせて提出することが求められています。
届け出は持参・郵送のどちらでも可能ですので、すみやかに手続きを済ませましょう。
書き方については、本社の所在地を管轄する労働局のホームページをご確認ください。
従業員の健康を支援するヘルスケアサービスについて 人生100年時代と言われるようになった昨今、新型コロナの影響で在宅勤務が進み、従業員の健康管理や健康促進など健康課題を抱えている企業が増えています。 ベネフィット・ワンでは、そのような健康課題を解決するサービスを多数ご用意しています。 【サービスの一例】 中小企業の方へは、産業保健をすべてひとまとめにしたパッケージサービスもございます。 ぜひ、下のリンクから課題を確認し、自社に合ったサービスを検討してみてください。
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特別休暇の有効活用はベネフィット・ワンの「ベネフィット・ステーション」で!
特別休暇は、法的に導入が定められているものではありませんが、従業員の心身の健康や幸せな未来の実現に資する制度です。企業にとっても、社内外に職場環境の充実をアピールできる要素となるため、自社のビジョンや目的を踏まえて、最適な特別休暇の導入を検討していきましょう。
ベネフィット・ワンの「ベネフィット・ステーション」は、地域・世代間格差なく平等に生活のあらゆるシーンでご利用いただける約140万件以上のサービスを提供している総合福利厚生サービスです。特別休暇を取得してベネフィット・ステーションを併用することで、従業員と家族の楽しい休日を後押します。全国どこでも利用できますので、地域間格差が原因での不平はなく、誰もが平等にサービスを受けられます。また、従業員のワークライフバランスの向上や健康経営の推進、教育・研修の支援をトータルでサポートするカテゴリが充実しているのが特徴です。
ベネフィット・ステーションの利用範囲は会員ご本人様と配偶者からそれぞれの二親等以内ですので、会員本人の家族だけでなく配偶者の父母、兄弟、祖父母の方々もご本人と同じ会員特典を受けることが可能です。特別休暇の取得を推進し、従業員満足度の向上を実現するベネフィット・ステーションのご利用を、ぜひご検討ください。
ただ休暇取得を促すのではなく、心身共にリラックスができる
有給休暇の過ごし方を提案しよう
社員へ休日の過ごし方を聞けば「1日家にいてぼーっとしていた」「とにかく寝ていた」など、ただ有給休暇を消化しているだけ…
有給休暇の過ごし方は、個人の自由です。しかし、休日の充実度合が仕事にも影響を及ぼすため、企業としては、心身共にしっかりとリフレッシュができる有意義な休日を過ごしてもらうことが重要です。
充実した休日の提案には、福利厚生サービスの充実を検討しましょう。
福利厚生 ベネフィット・ステーションは、旅行・映画・マッサージなどの140万件を超える優待サービスから自分にあったものを使え、地域差なく/幅広い年代層/多様なニーズに対応できます。
サービスの利用申し込みも、従業員が企業担当者を介さず行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。
ぜひこの機会に有給の取得推進とあわせ、福利厚生サービスの導入を検討してはいかがでしょうか?