働き方改革

副業禁止は絶対なのか?トラブルの予防方法からおすすめ副業まで解説

副業禁止は絶対なのか?トラブルの予防方法からおすすめ副業まで解説

仕事をしていて「もっとお金があったらいいのに」と思う人にとって、まず思い浮かべるのが副業だと思います。

副業によって、月5万でも10万でも稼ぐことができたら、生活がずっと楽になるのに…と思いますよね。

しかし、会社の就業規則では「副業が禁止されている」ことも少なくありません。会社の規則を破ってまで、副業に踏み切るというのはかなり覚悟が要ることです。

  • 副業禁止は実際、どこまで拘束力があるのか
  • 副業禁止を破ったらどうなるのか
  • 副業によって、会社とトラブルになってしまったらどうすればいいのか

といったことが気になってはいませんか。

今回の記事では、あなたの悩みを解決すべく

  • 会社の就業規則による副業禁止の拘束力
  • 副業でトラブルになってしまった場合の解決方法
  • そして、筆者おすすめの副業選択肢

までを徹底解説します。

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就業規則での副業禁止は、憲法や労働関連の法律で決められていない

会社の就業規則と法律の関係

まず知っておくべきなのは、会社の就業規則と法律の関係です。

就業規則で副業が禁止されている場合、それは法律でも拘束力を持つのでしょうか。

結論からいうと「会社の就業規則で副業が禁止されていても、憲法・法律にはそういった拘束力はない」のです。

  • 就業規則
  • 憲法
  • 労働関連の法律

それぞれでの副業の捉え方について、解説しましょう。

会社の就業規則

会社の就業規則で副業が禁止されていることは少なくありません。

その場合、原則会社の許可なく他人に雇い入れられることを禁止し、その違反が懲戒事由となると定められているのが一般的です。

憲法

その一方、憲法では職業選択の自由について定めているため、副業を一切禁止することはできないことになっています。

労働関連の法律

労働関連の法律では、副業に関する規定は特にありません。

社員は会社に対して就業時間の間は労務に従事する義務がありますが、就業時間外の余暇は自由に利用できるというのが法律上の見解です。

懲戒が妥当とされる3つのケース

上記のように、憲法または労働関連の法律では、副業を行うことは咎められるものではありません。

しかし、就業規則の拘束力について、実際の裁判でも判断が分かれます。
以下に当てはまる場合は、会社の就業規則によって懲戒が妥当と判断される可能性があります。

  • 本業に支障をきたした場合
  • 対外的な信用をなくした場合
  • 同業他社で働いた場合

その判断基準は「副業がどの程度本業に影響を与えたか」ということです。

要は、副業と本業のけじめをつけきれず、本業の会社に不利益をもたらした場合、雇用者側が責任を負う必要があることになります。

身を守るために知っておくべき!労使間でトラブルになったときの「労働審判」

労使間でトラブルになったときの「労働審判」

ここまでの話をまとめると、会社の就業規則において副業が禁止されていたとしても、憲法・労働関連法律では副業は禁止されていません。

しかし、副業によって会社に損害を与えたり、仕事に不利益をもたらした場合、懲戒を受けることはありえます。

もし副業が発覚して、会社から減給・降格などの懲戒処分、解雇といった処分を受けた場合はどうすれば良いか、心配な方は多いと思います。

まず会社と充分に話し合うことが先決ですが、それでも解決しない場合は、労働審判という方法が存在します。

これは、労働審判法に基づき労働紛争を解決する手続きのことです。原則3回以内の審判で終了する決まりです。

労働審判の申し込み方法

まず裁判所に申立書を提出します。そうすると、裁判所から1回目の審理期日が指定されます。

その日までに会社は裁判所へ答弁書を提出する決まりとなっています。

審理では、当事者間の調停をメインに行います。労働審判の調停により確定した結論は、通常の裁判における和解と同様の効力を持つため、強制執行が可能になるものです。

労働審判の申し立てに準備するもの

労働審判申し立てに必要なものは主に以下のような資料です。

  • 申立書
  • 雇入れ通知書
  • 給与明細書
  • 解雇通知書などの証拠文書の写し(コピー)
  • 手数料数千~1万円程度

もし会社との話し合いがうまくいかなった場合、弁護士に依頼して数十万の費用がかかるよりも、コスト面・解決のスピード面でおすすめの方法です。

もちろん、そうならないように充分な配慮を持って副業をするかどうかを決定するべきですが、もしもの時にあなたの身を守ってくれる知識として覚えておきましょう。

注意!公務員の副業は原則法律で禁止されている

メディアと談話をしている政治家

もしあなたが公務員で、副業を検討している場合は事情が変わってきます。

公務員の副業は法律(国家公務員法・地方公務員法)によって禁止されています。

その理由は、本業である公務に専念してもらうため、また公務によって得た情報が不当に利用されることを防ぐためです。

違反した場合

  • 免職
  • 減給

などの処罰対象となることがありえます。

しかし、中には例外もあります。

  • 規模の小さい農林水産業
  • 一定以下の規模の不動産賃貸業
  • 預金や株式投資などの貯蓄・資産運用

といったことであれば、許可が下りる可能性もあります。

公務員の副業が認められるためには、

  • 国家公務員の場合:内閣総理大臣および所轄庁長の許可を得る
  • 地方公務員の場合:任命権者の許可を得る

といったことが条件になります。

本業と副業を両立する場合のポイント

本業と副業を両立する場合のポイント

次は、副業をする決断をした方に向けて、本業と副業を両立するポイントをお話しします。

もっとも大切なのは本業と両立できること

副業をするうえで、何がもっとも大切かというと「本業と両立できること」といえます。

  • どれだけ収入が見込めるか
  • 自分の得意なことかどうか

で副業を判断する人もいますが、上記のとおり、本業に影響をおよぼすレベルの副業はNGです。

最低限のルールとして、以下を守ることを徹底してください。

  • 本業の就業時間中は副業をしない
  • 本業の備品を持ち出さない
  • 本業で得た情報や人脈を副業で使わない

これらに違反すると、本業に支障をきたしているとして、懲戒を受けることになりかねません。

また、同僚に必要以上に副業についての話はしない方が良いでしょう。

確定申告で副業が会社に知られる可能性

自己申告しなくても、会社に副業が知られるケースが、住民税から発覚することです。

会社は社員の給与から、所得税・住民税を天引きして、納税手続きをしており、これを特別徴収といいます。

副業で得た収入について確定申告を行った場合、自治体には

  • 本業で得た給与支払報告書
  • 副業による確定申告

の2つが届きます。

その結果、副業で得た収入を含めた住民税が会社に通知されることで、本来の住民税と差があることから発覚する可能性があります。

これを避けるには、確定申告の際に、住民税の支払いを「給与天引きの特別徴収」ではなく、住民税を自分で支払う「普通徴収」にする方法があります。

しかし、副業がアルバイトなどの給与所得の場合は、この方法は使えません。

ハードルが低いおすすめの副業と注意点

ハードルが低いおすすめの副業と注意点

副業をする場合「どの副業をするか」も気になるポイントだと思います。

求人雑誌などでアルバイトを探す方法もありますが、会社勤務の方にとっては、アルバイトでない副業がメインといって良いのではないでしょうか。

最後に、初めて副業をする方でも取り組みやすい、おすすめの副業とポイントをお話ししておきます。

インターネットを使った副業はハードルが低い

インターネットを使った副業はハードルが低い

インターネットの副業は、PCやスマホがあればスタートできるため、初めての方でも取り組みやすいおすすめジャンルです。

主なインターネットを使った副業はこちらです。

  • アンケート:WEBでアンケートに回答すると報酬
  • モニター調査:サービスを利用したり、商品を使った結果を回答すると報酬
  • ネットオークション:ネットオークションに品物を出品し、売れると報酬
  • アフィリエイト:サービスや商材を紹介し、申し込みや販売があると報酬
  • ドロップシッピング:在庫を抱えない形態だが、商品が売れると商品提供者から報酬
  • ネットショップ:オンラインでショップを運営し、主に仕入れから販売までを行う

これは実は、上からスタートする手間がかからない順に並べてあります。

筆者が特におすすめするのは、

  • アンケート、モニター調査:少額でも手間をかけずに稼ぎたい方
  • ネットオークション:継続して出品できる方・詳しい趣味やジャンルがある方

の2つです。

ネットショップやドロップシッピングはインターネットを使った副業では最も手間がかかると思っており、初めて取り組むにはかなりハードルが高いです。

またある程度収益を出すためには、かなりの継続と投資が必要になることが多いと考えています。

商品やサービスを紹介して報酬を得るアフィリエイトも同様です。

いまだに「簡単に稼げる!」と謳われることは多いのですが、アフィリエイトを専門で行う専業アフィリエイターも増えており、ほとんどの商材が激戦区になっています。

結果、現在ではアンケート・モニター調査と、ネットオークションが副業としてのハードルと難易度のバランスからおすすめです。

それぞれのポイントをもう少し詳しくお話ししておきましょう。

アンケート、モニター調査の副業のポイント

アンケート、モニターの副業に向いているのは以下のような方です。

  • 副業にあまり時間や手間をかけたくない方
  • 知識やスキルがそこまで必要でない副業をしたい方

アンケート・モニターを募集しているサイトに登録をすると、メールアドレスに案件の依頼メールが届きます。

すべてに対応する必要はなく、気に入ったものだけに回答すれば大丈夫です。

回答に対する報酬は現金で支払われることは少なく、多くはポイントが加算され、ある程度ポイントがたまると商品券や現金に換えられる仕組みです。

注意点:単価は安いため数をこなさないと小遣い程度も稼げない

アンケート、モニター調査はハードルは低い一方で、単価はかなり安いものもあります。

メールでまず案内される予備質問の報酬は数円~数十円といったことも珍しくなく、お小遣いレベルで稼ぐにもかなりの数をこなす必要があります。

予備質問に回答すると申し込みできる本質問になると単価も上がり、数百円~1,000円程度になりますが、回答のボリュームも増えます。

ドンピシャの依頼が来る可能性も限られているため、複数のアンケート・モニターサイトに登録することをおすすめします。

代表的なアンケート・モニター登録サイト

アンケート、モニター登録サイトは入れ替わりも激しい業界です。

この業界では、長く運営していることと信頼性はある程度比例すると考えているため、10年以上運営しているアンケート・モニターサイトをピックアップしてみました。

リサーチパネル:2005年設立

リサーチパネル:2005年設立
※参照:リサーチパネル

 

日本リサーチセンター サイバーパネル:1960年設立

日本リサーチセンター サイバーパネル
※参照:日本リサーチセンター

オピニオンワールド:1977年設立

オピニオンワールド:1977年設立
※参照:オピニオンワールド

ネットオークションの副業のポイント

ネットオークションは、副業としてではなく使ってみたという方も多いでしょう。

その点で、もっともハードルが低い副業といっても良いかもしれません。

副業を開始するにはオークションサイトへの登録が必須となりますが、サービスによって利用料金や特徴も異なります。

代表的なものはやはり、「Yahoo!オークション」です。

同程度の規模のネットオークションとして「楽天オークション」もありましたが、2016年にサービス終了しています。

以下に、Yahoo!オークションの詳細をまとめてみました。

Yahoo!オークション 出品数、取引数は国内最大
閲覧者が多いため、他サービスで売れなかった商品も期待できる
支払い代行サービスあり
Yahoo!プレミアム会員(498円・月額)登録必要
落札システム利用料は1か月の落札金額の8.64%~
落札システム利用料は1か月の落札金額の8.64%~

とはいえ、自分がすでに登録し、使っているネットオークションがあれば、それを利用するのが最も簡単でしょう。

まずは家にあるもので、手放す予定のものをいくつか出品してみましょう。

さいごに

今回、副業をしたいが会社で禁止されている…と不安を持っている方に

  • 就業規則による副業禁止の拘束力
  • 副業で会社とトラブルになった場合の対策
  • 筆者おすすめの副業

についてお話ししました。

何度もお話ししますが、副業は「本業に支障をきたさない」ことが大前提です。

これを守らないと、副業が意図せず発覚した際にあなたが責任を負わなければならない可能性が高まります。

また本業に支障が出るレベルの副業は、長続きしないことも多いものです。

ぜひ副業をやるにしても、無理しない範囲でスタートしてみることをおすすめします。

「働き方改革」何から取り組めば良い?
とお悩みの企業担当者の方へ

やるべきことが分からず、まずは今話題の残業の抑制から取り組んでみたという企業が約86%を超える中、その半数にも及ぶ、約44%の従業員が残業抑制に関する満足度を実感出来なかったと回答をしています。(※参考:LINE株式会社 livedoor NEWS 残業削減で「収入が減った」が3割 「生産性で評価して」という声

このようにそもそもの目的を見失い、残業を減らしたり、休みを増やしたところで、従業員の満足度が下がればその施策は無意味なものとなります。

何から始めて良いのか分からない・従業員満足度を向上させたい、とお困りの企業担当者は、まずは福利厚生アウトソーシングサービスの導入を検討してみはいかがでしょうか。

福利厚生の充実は、従業員満足度の充実による労働生産性の向上、離職率の低下・採用力の強化(人材不足の補填)など、様々なメリットがあります。


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