有給休暇義務化とは?有休取得で業績が上がった3つの事例を紹介

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有給休暇義務化

2019年4月1日から、「働き方改革」への対策が順次始まりました。

中でも多くの企業に影響を及ぼすのが、有給休暇の義務化(年次有給休暇の指定義務化)です。具体的には、従業員に1年で5日以上の年次休暇を消化させることが義務化されました。これは事業規模や雇用人数にかかわらず、全ての企業が導入の対象となります。

この新制度によって、年次有給取得の対象や仕組みは、従来の規則とどう変わるのでしょうか。そして企業側は、具体的にどのような対応を取っていくべきなのでしょうか。

本記事では、年次有給義務化の背景、その対象や条件について解説します。また、有給休暇を推奨して業績を上げた企業の事例についても紹介していきます。

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なぜ義務化になったの?有給休暇給休暇義務化の背景

有給休暇義務化の背景

まずは、働き方改革法案によって有給休暇が義務化された背景について見てきましょう。

厚生労働省の調べによると、2017(平成29)年の有給休暇の平均取得日数は、年間9.3日でした。これは平均付与日数18.2日の約半数が消化されている計算になります。

この結果だけを見ると、有給の取得をわざわざ義務付ける必要性はないように感じるかもしれません。

しかし、経団連が400社・187万6,341人を対象に行った「2018年労働時間等実態調査」では、業界や役職に関わらず、同年の有給休暇の取得日数が5日に満たない従業員が一定数いることもわかっています。

有給休暇義務化の資料※参考: 内閣府男女共同参画局|第4次男女共同参画基本計画

これでは、十分な数の有給休暇取得が、全国的に浸透しているとは言えません。

こうした背景があり、日本政府は「第4次男女共同参画基本計画」の中で、有給休暇の取得率を2017年の51%から、2020年までに70%にする目標を掲げました。

これは従業員の働きすぎを防ぎ、ワークライフバランスを実現するための措置です。

今回の働き方改革関連法で「有給休暇義務化」で年5日の取得が求められるようになった背景には、こうした社会的課題があるのです。

新制度で何が変わるのか?

次に、この新制度で具体的に何がどう変わるのか見ていきましょう。

「年次有給休暇の年5日取得」の義務化の対象者

今回の「有給休暇義務化」は、労働基準法のもと、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者が対象となります。

対象者の条件は以下です。

①仕事を開始してから6ヶ月間継続して雇われていること
②全労働日の8割以上出勤していること

上記2つを満たしている労働者は、雇用形態にかかわらず、10日間の年次有給休暇を取得することができます。

有給休暇の日数が勤続年数に応じて増加することや、有給の消化期限が2年間であることは、正社員・非正社員いずれの場合も同様です。

しかし有給が取れるようになるタイミングや条件については、雇用形態によって少し異なります。

雇用形態別|義務化の条件とタイミング

旧制度と同じように、有給休暇の日数は勤続年数に応じて増加します。また正社員・非正社員いずれの場合も、消化期限(2年間)は変わりません。

しかし、有給が取れるようになるタイミングや条件は、雇用形態によって少し異なります。

正社員の場合

正社員もしくはフルタイムの契約社員には、入社後6ヶ月が経つと10日間の有給休暇が付与されます。初めて有給が付与される日を「基準日」と言い、企業は各従業員の「基準日」から1年以内に有給を5日以上消化させる必要があります。

※出典:厚生労働省|年次有給休暇の時季指定義務

パートやアルバイトの場合

パートタイマーやアルバイトなどの非正社員には、勤続年数や出勤日数(シフト数)に応じて、決まった有給休暇日が付与されます。

そのため、週4日のシフトで3年半以上働いている場合は、正社員と同程度の労働とみなされ、今回の有給休暇義務化の対象となります。

企業担当者が気をつけるべきポイント

有給休暇取得が5日未満の従業員への「時季指定義務」

有給休暇が義務化されても、すでに有給休暇を取得しやすい風土のある企業は、そこまで心配はいらないでしょう。

しかし、年次有給休暇取得日が5日に満たない労働者が一定数いることも事実です。

そこで今回、新たに設けられたのが、有給休暇を5日以上自己申請しない従業員に対して、企業が時季指定によって有給を取らせなければいけないという法律です。

これを「年次有給休暇の時季指定義務」と言います。

有給休暇の基本的なルールは、労働者が雇い主(企業)に対して「○月×日に休みます」と申し出ることによってその権利を使えるというものでした。

一方、新しく設置された時季指定義務では、雇い主が従業員に対して「いつ休みたいか」という要望を予めヒアリングしておき、それを考慮した上で「○月×日に休んでください」と有給の取得日を指定します。

事前に相談をしておくことで、業務への支障を回避したり、休暇を取る従業員が繁忙期や重要な仕事のときにいなくなったりといったリスクも避けることができます。

年次有給休暇管理簿の管理

雇い主には、労働基準法施行規則第24条に則り、各従業員の「年次有給休暇管理簿」を作成する義務が課されています。

今回の働き方改革関連法によって、前年からの繰り越し日数を含めた「残日数」だけではなく、以下3項目の記録が必須となりました。

  • 基準日(従業員に有給休暇が付与された日)
  • 時季(有給休暇を取得した具体的な日付)
  • 日数(有給休暇を取得した全ての日数)

なお、当書類は当該年休を与えた期間中、及び当該期間の満了後も3年間は保存しなければなりません。

罰則・罰金について

雇い主は、従業員に必ず年に5日以上の有給休暇を取得させなければいけません。従業員が自主的に申し出ない場合も同様です。もし遵守できなければ労働基準法違反として、懲役6ヶ月以下30万円以下の罰金が課される場合もあります。

人材不足が深刻化する中小企業こそ考えたい、人材確保の重要性

厚生労働省の調べによると、2017(平成29)年に企業が付与した有給休暇日数は、労働者1人あたり平均18.2 日です。

そのうち、労働者が取得した日数は9.3日で、取得率は51.1%となっていました。しかし取得率を企業規模別にみると、「1,000 人以上」で 58.4%、「300~999 人」がで47.6%、「100~299 人」で47.6%、そして「30~99 人」で44.3%と、企業規模が小さくなるにつれ、取得率が下がっているのがわかります。

※出典元:厚生労働省|平成 30 年就労条件総合調査の概況

というのも、従業員規模の小さい企業になればなるほど、従業員一人当たりの業務負担が重く、有給取得によって人手不足になりやすいからです。

実際に、日本・東京商工会議所による「義務化に向けた課題」の調査(複数回答)では、「業務量に対して人員が不足」(48.3%)という回答が最も多くなりました。次いで「年末年始や年度末など特定時期に業務が過度に集中」(36.2%)、「組織間、個人間で業務量にムラがあり、特定社員に業務が集中」(33.3%)という声も挙がっています。

※出典元:日本・東京商工会議所|「働き方改革関連法への準備状況等に関する調査」 集計結果

有給休暇の取得義務化の制度を整備する際には、こうした人材不足のリスクについても、気をつける必要があります。

「有給休暇の義務化」に向けて企業は何を準備すれば良いのか?

ここまで、有給休暇義務化の方針や注意点について説明してきましたが、「すぐに現場に休む習慣が根付くのか不安」と思う方もいるでしょう。

この章では、有給休暇の義務化に対する備えとして、厚生労働省も推奨している「年次有給休暇の計画的付与制度」をご紹介します。ぜひ、あなたの会社への導入も検討してみてください。

年次有給休暇の計画的付与制度とは?

この制度は、年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数については、労使協定を結べば、計画的に年次有給休暇取得日を割り振ることができるという制度です。

これは労働基準法でも定められています。

企業が導入するメリットとしては、

  • 労務管理がしやすく計画的な業務運営ができる。(企業側)
  • ためらいを感じずに有給休暇を取得することができる。(従業員側)

といった点が挙げられます。

厚労省の調査によると、有給取得について「ためらいを感じる」「ややためらいを感じる」社員は全体の63.8%に上ることがわかりました。

また、ためらいを感じる主な理由としては「みんなに迷惑が掛かると感じるから」(73.3%)「職場の雰囲気で取得しづらいから」(28.2%)などが挙げられています。

※参考:厚生労働省|「年次有給取得促進サイト」

そのため企業から計画的に有給が割り振られれば、従業員にとっても有給が取りやすくなると考えられます。

計画的付与制度の活用例

計画的付与制度の活用例としては、対象規模によって、以下のような方法があります。

①企業もしくは事業所全体での「一斉付与」

全員が一律で有給休暇を取得する方法す。全員で一斉に休みを取るので、社員間の引継ぎコストがかからない、休むことへの罪悪感を感じにくいなどのメリットがあります。

②班・グループ別の「交代制付与」

企業や事業所全体で一斉の有給休暇取得が難しい場合は、チームやグループごとに有給休暇を付与する日を決める方法もあります。

③年次有給休暇付与計画表による「個人別付与」

①や②が難しい場合は、個人ごとに有給休暇付与計画表を作成するのも良いでしょう。

この方法では、暦の関係で休日が飛び石となっている場合に、休日の橋渡しとして計画的付与制度を活用し、連休とします。

例えば、お盆(8月)や正月(年末年始)など所定の休日に計画的付与の年次有給休暇を組み合わせることで、大型連休とすることができます。

また、土曜日と日曜日を休日とする企業で、木曜日に祝日があった場合、金曜日に有給休暇を付与する(=ブリッジホリデー)と4連休になります。

※出典元:厚生労働省|「労働時間等見直しガイドライン」を 活用して

誕生日や結婚記念日などの個人的なイベントの日をアニバーサリー休暇として、有給休暇の取得を推進するのも良いでしょう。

ここで紹介したような方法で計画的付与制度を導入できれば、会社全体で有給休暇取得日数を向上させることができます。

計画的付与制度を導入する際の注意点

ただし、この制度を実際に導入するためには、以下の注意も必要です。

就業規則に規定を追加

企業の就業規則に、新たに以下のような規定を追加する必要があります。

「5日を超えて付与した年次有給休暇については、従業員の過半数を代表する者との間に協定を締結した場合、その労使協定に定める時期に計画的に取得させることとする」

労使協定の締結

計画的付与を行う場合には、従業員の過半数で組織する労働組合、もしくは労働者の過半数を代表する者と、書面による協定(労使協定)を締結する必要があります。

その際、以下のような項目を定めます。

  • 計画的付与の対象者(あるいは対象から除くもの)
  • 対象となる有給休暇の日数
  • 計画的付与の具体的な方法
  • 対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い
  • 計画的付与日の変更

また有給休暇の計画的付与は、労働者が付与された有給休暇のうち、5日を除いた日数のみです。

例えば、有給休暇の付与日数が20日の労働者なら15日、10日なら5日を計画的付与の対象にすることができます。

年次有給休暇の計画的付与制度についてくわしく知りたい方は、厚生労働省が発表している「有給休暇ハンドブック」という資料をチェックしてみてください。

有給休暇取得率向上で業績が上がった企業の例

ここまで、具体的な運用方法をご紹介してきましたが、「従業員の有給休暇の取得率が上がると、全体の業務量が減って売上が落ちてしまうのではないか」と心配になるかもしれません。

しかし実際には、有給休暇取得率を向上させることには、以下のようにさまざまなメリットがあります。

そこで本章では、「有給取得率の向上」が、企業がもとより抱えている課題の解決にどのように貢献したのかわかる事例を3つご紹介します。

有休取得率が25.6%増に改善し、残業時間を13.1%削減した株式会社セブンイレブン・ジャパン

※参照元:セブンイレブンジャパン公式サイト

コンビニエンス・ストア大手の株式会社セブンイレブン・ジャパンは、2011年度から2015年度にかけて、有給取得率および年間休日休暇日数(会社の公休日数と休暇取得日数を合わせた日数)を大幅に改善させました。

その結果、同期間における月平均残業時間は13.1時間も削減されています。従業員の意識調査でも、「育児をしながらでも働きやすくなった」「育児をしながらでもキャリアアップを目指せるようになった」といった声が多く聞かれるようになりました。

2015年以降は、男性のさらなる育児参画促進を目的として、未就学児がいる従業員に対する育児休暇制度も強化しています。

取り組みが多数のメディアに取り上げられ、有休取得率が15.8%増を実現させた株式会社ダッドウェイ

※参照元:株式会社ダッドウェイ公式サイト

ベビー用品やスポーツ用品の小売・卸売業を行う株式会社ダッドウェイでは、2008年に女性従業員からの「育児で年次有給休暇が足りなくなってしまう」という相談を受けたことがきっかけで、社内制度の見直しを始めました。

育児や介護のために6日間以上の有給を取得することができる「ファミリーサポート休暇」を導入したほか、2013年からは「育児」に加えて「介護」も申請の適用範囲に追加されました。

なお、この6日間の休みは分割取得が可能です。1時間・2時間・ 半日・1日という4パターンから選ぶことができるので、社員の家族構成や事情に細かく対応できます。

こうした取り組みがメディアに取り上げられることで、有給取得率の向上は、従業員満足度や入社希望者数の増加にも大いに貢献しています。

有休取得率向上

「従業員が辞めない会社」をミッションに制度改革を続ける万協製薬株式会社

※参照元:万協製薬会社公式サイト

三重県に本社のある万協製薬会社では、阪神・淡路大震災(1995年)で神戸工場が全壊したことで社員離れが相次いだため、「従業員が辞めない会社」をミッションに制度改革を続けてきました。

2013年には、社内の異なる部門に所属する8人で 「ファミリー」を作っての社員旅行(会社から1週間の連続休暇と費用を支給)をサポートする「プチコミファミリー制度」を導入。有給休暇の取得が促進されるほか、社内メンバー間での情報交換や悩み相談をより気軽に行えるようになり、2006年度に18%だった離職率が、2015年度には6%以下に減少しました。

また有給休暇取得を含め、従業員が働きやすい環境をつくることて、会社の業績向上にもつながっています。

2017年時点での有給休暇取得率は、80%となっています。

有休取得率

まとめ|労働者が働きやすい環境をつくるには、有給休暇の取得率の向上は重要である

今回の労働基準法の改正案が示すように、労働者の権利を守るための議論は活発に進んでいます。

ただし、世界的に見れば、日本の有給取得率が必ずしも高いとは言えないのが現状です。

企業側はこうした時流をキャッチしながら、労働者がより働きやすい環境を常に整えていく必要があるでしょう。

労働者が働きやすい環境をつくるには、有給休暇の取得率の向上は重要です。有給休暇を取得した社員が、休みを満喫できるように福利厚生サービスを導入するという方法もいいでしょう。

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ただ休暇取得を促すのではなく
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有給休暇の過ごし方を提案しよう

社員へ休日の過ごし方を聞けば「1日家にいてぼーっとしていた」「とにかく寝ていた」など、ただ有給休暇を消化しているだけ

有給休暇の過ごし方は、個人の自由です。しかし、休日の充実度合が仕事にも影響を及ぼすため、企業としては、心身共にしっかりとリフレッシュができる有意義な休日を過ごしてもらうことが重要です。

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