女性管理職になるのは怖くない!必要なスキルとマネジメントの鉄則
女性にとって、管理職への昇進は必ずしも嬉しいことばかりではないでしょう。
男性の場合は、管理職への昇進が決まると
- 自分の頑張りが認められた
- 会社から期待されている
と喜ぶ場合が多いと思いますが、女性の場合はどうでしょうか。
やる気に満ちている方もいれば、
- 自分に務まるだろうか?
- 結婚や子育てと両立できるだろうか?
と不安に思っている方もいないでしょうか。
しかし、女性が管理職になることは決してミスマッチではありません。
実際、多くの企業において、女性がリーダーとしての適性を発揮するケースも増えてきています。
とはいえ、男性の管理職とは、マネジメントで注意すべきことが異なります。
そこで今回は、女性で管理職になる上で不安を抱えている方に向けて
- 女性管理職が押さえておくべきマネジメントの鉄則
- 女性管理職に必要なスキル
- 女性管理職のこれからのキャリア
について、徹底解説します。
この記事を読んでいただければ、自信を持って女性管理職への一歩を踏み出せるようになると考えています。
もちろん、記事を読んで「自分にはやはり管理職は向いていない」という方も少なからずいると思います。
そういった方にも、今後のキャリアを決断できる内容になっていると考えています。ぜひ参考にしてください。
もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。
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目次
※今回の記事に関しては、筆者の経験とあわせて、以下の書籍を参考にさせていただきました。
女性管理職に期待されていること
女性に限らず、管理職に期待されるのは
- 業務のマネジメント(チームとして成果を出す)
- 人のマネジメント(メンバーを育てる)
この2つです。
管理職は、メンバーに必ずしもスキルで勝っていたり、業務内容に精通している必要はありません。
もちろん勉強は必要ですが、メンバーがすべて管理職(上司)の言いなりになってしまっては意味がないということです。
管理職は、メンバーの能力や役割を押さえ、最大のパフォーマンスを発揮できるチームにしていくこと、そしてメンバーと目標を共有し、育てていくことがミッションです。
一メンバーから管理職になったときに起こりがちなのは「何でも自分でやってしまうこと」「仕事を手放せないこと」だと思いますが、自分が何でもやる必要はない、というのが経験からまずお伝えしたいことです。
この「仕事を手放せない」ことの対策については、後で詳しくお話ししたいと思います。
そして「女性管理職」に特に期待されるのは以下の2つだと思います。
- 管理職の資質(上記の2つ)を発揮すること
- 女性ならではの資質を発揮すること
メンバーと協力して何かを作り出したり、チームとしてひとつのミッションに取り組むというのは、女性の方が得意とされる研究結果もあります。
だからこそ、今の時代に女性管理職が注目され、増えているのだと思っています。
また、管理職になることは、ペースをつかむことができれば
- 自分の仕事をコントロールできるようになる
- 仕事をメンバーに渡し、直接的な業務時間を削減できる
というメリットもあります。
会社は、あなたが自社で長くキャリアを積んでいくなら、管理職になった方が生活と仕事を両立してもらいやすい、と考えているかもしれません。
管理職になることは時間に追われてプライベートを犠牲にすることではない、と筆者は身を持って経験しました。
女性管理職に求められるスキルと成功法則
ではここからは、女性管理職に求められるスキルと、成果を出すためのマネジメントの法則を具体的にお話ししましょう。
主に、以下の4つの視点からお話しします。
(1)男女の違いを理解する
(2)任せることが苦手な人ほど、思いきって任せてみる
(3)メンバーとの対話のコツを知る
(4)メンバーの目標を引き出すコミュニケーションを知る
(1)男女の違いを理解する
女性管理職が抱える悩みには、男性の部下や上司について、
- なぜそういう反応をするのかわからない
- こちらの期待とは違う行動をとられてしまう
といったものがあります。
不要なストレスを溜めずに、相手といい関係を築くためには、前もって男性と女性の思考や行動の違いを理解しておくことがポイントです。
まず、男女の違いを理解することから始めましょう。
注意点として、男女の違い以上に「個人差」の方が大きいものだと言われています。
筆者としても、男性はこういうもの!女性はこういうもの!というステレオタイプに当てはまらない事例が増えてきていると思っています。
あくまで、性別でつまづかないための前提知識としてご覧ください。
傾向(1)男性:成果を気にする/女性:調和を気にする
女性管理職の方は、部下との関係を壊したくないという考えから、厳しい態度に出られないことがあるようです。
これは、男性に対して女性が調和を求めるものという心理の影響が否定できないでしょう。
古来から続く女性の「子供を生み、育てるという行動」「他の女性と協働して集落での生活を送ってきた経験」が、作用しているのかもしれません。
しかし、管理職に求められる「成果を出す」ことを追求する際に、この「部下との関係を壊したくない」という想いは裏目に出てしまうことがあります。
管理職が存在する理由は、経営課題を解決するため・組織として達成すべきミッションを成功に導くためです。
チームとしての調和が取れていることと、チームとしてのミッション達成は必ずしもイコールではないことを覚えておきましょう。
もし部下の感情を優先したい気持ちと管理職としてなすべきことの間で悩んだ場合、「リーダーとしてなすべきことはどちらか?」と問いかけ続けることが、もっともシンプルで有効な方法だと考えます。
傾向(2)男性:縦の関係を重視/女性:横の関係を重視
もうひとつの傾向として考えられるのが、
- 男性は縦の関係(上下関係)を重視する
- 女性は横の関係(仲間・チームメイトの関係)を重視する
ということです。
別の言い方をすれば、女性は実際に上下関係がある場合でも、仲間として接しようとする傾向がある、ということです。
これは、メンバーに仕事の依頼をする場合の注意すべきポイントの違いとして現れることがあります。
男性は上下関係で動くことに抵抗がないことが多いため、
- 責任の所在
- 任せる仕事の範囲
を明確に指示することが、有効に働きます。
その一方、上記のような傾向を持つ女性に対しては、指示だけでは不十分で、
- 相手の意見を聞きだす
- 相手の考えを受け止める
- 相手に共感する
といった行動を行い、共通の課題としてともに解決するという姿勢が有効です。
傾向(3)男性:できないと言えない/女性:できないと言える
これは、筆者自身も管理職として男性・女性どちらにも接した経験から感じることです。
たとえば、男女それぞれに、同じ仕事について「この仕事、できるかな?」と問いかけたとします。
傾向として
- 男性:「できます」「大丈夫です」ということでも、実際できていないこともある
- 女性:スキルとしては充分可能な仕事でも「できません」「私にはむずかしいです」と言う
といったことが起こりえます。
これらの傾向が存在しうることを頭に入れたうえで、仕事の依頼をすれば
- この人に任せていい仕事かどうか
- どこまでフォローしようか
といった判断がつきやすくなるでしょう。
そして、この傾向は「女性の自分に管理職は務まらないのでは…」と思っているような方にも当てはまるということです。
経営層や上司から見てこの人は優秀だなと思う女性であっても、面談などで話してみると「自信がないです」といった本音が顔を出すこともあるといいます。
「打診された時点で、あなたにはできる素質がある」と考えて良いと思います。もし自信がないと思っても、チャレンジしてみることで世界が変わる可能性もあるのです。
今回の記事が、女性管理職に挑戦してみよう、というあなたの助けとなれば幸いです。
(2)任せることが苦手な人ほど、思い切って任せてみる
女性管理職になって間もない方が直面する悩みとして
- 任せる仕事がない
- なかなか安心して任せられない
といったことがあるようです。
筆者自身、管理職になって「メンバーに任せること」のハードルに苦しんだ経験があります。「自分が仕事をしていないような気分」になってしまい、なかなか仕事を渡すことができませんでした。
しかし、この考え方を変えなければ、管理職として期待される仕事になかなかシフトできないまま仕事を抱え込んでしまいます。
任せることが不安という方は、以下のように考え方を変えてみましょう。
- 本当に大丈夫か、できないんじゃないか→相手は失敗するもの
- 相手が失敗しないことを期待する→相手が失敗してもすぐフォローする
初めて任せられた仕事を何の問題もなくこなせる人はごく少数でしょう。
おそらく、あなた自身も、何度かトライして、自分だけの「こうすれば良い」というやり方を編み出したのではないでしょうか。
部下に「失敗しない」ことを期待せず、必ず失敗するくらいの気持ちでフォローの準備をしておいた方が、双方に余計なストレスなく業務をこなせます。
(3)メンバーとの対話のコツを知る
管理職として、メンバーとどう接したらいいかわからない…という方もいるのではないでしょうか。
下記に紹介するポイントを押さえて対話することで、自分の意志を相手に伝えることがよりスムーズにできると思います。
日々の会話のコツ:誰でも「認めてほしい・気づいてほしい」と知る
人間の三大本能とは
- 食欲
- 性欲
- 集団欲
とされています。
集団欲とは、集団やチームの一員でありたい、認めてほしい、という欲求のことです。
部下・メンバーのマネジメントをする上で、この集団欲に着目することが大切です。
これは大変シンプルで「相手を承認する」といった行為によって実現できます。
承認とはこの場合、
- 相手の存在や変化、成長に気づく
- それを相手に伝える
という行動を指します。
具体的な行動で表現してみましょう。代表的かつ、もっとも簡単なものは「日常の声掛け」です。
- おはよう!元気?といった声掛け
- ありがとう!助かるよ!といったねぎらいの声掛け
- どうしたの?と相手の変化に気づき、気遣う声掛け
- 目が合ったら笑顔でほほ笑む
- 目を見て話す
- もらったメールにはすぐ返信する
- 呼ばれたときには必ず返事をする
これによって、メンバーは
- 私のことを気にかけてくれているんだな
- 私の行動、変化に気づいてくれた
と嬉しくなり、仕事のモチベーションアップにつながります。
仕事を依頼する際のコツ:仕事の全体像をしっかり伝える
メンバーに仕事を頼んで、期待通りにやり遂げてもらったときの喜びはひとしおですが、これは思った以上に難しいものです。
仕事を依頼するときには「仕事の全体像をしっかり伝える」ことを忘れないでください。
具体的な事例をお話しします。
パターン1
●●さん、毎週木曜日に、このシートに開発課題として挙がった項目を記入しておいてくれる?
パターン2
●●さん、毎週木曜日に、このシートに開発課題として挙がった項目を記入しておいてくれる?というのも、クライアントと話をしていて、お互いの課題認識にズレがありそうということがわかったの。だから、毎週金曜日に、直近1週間で挙がった課題をすりあわせするミーティングをすることになったの。
どちらの伝え方の方が腑に落ちるでしょうか。また、どちらの方が希望通りの仕事ができそうだと思うでしょう。
多くの方が、後者と答えるのではないでしょうか。
長すぎるコミュニケーションは、相手に伝わりにくいときもありますが、仕事を依頼するときは「全体像を伝える」ことを意識しましょう。
全体像とは
- なぜその仕事が必要なのかの背景
- その仕事の成果は誰にどう渡され、使われるのか
- その仕事は社内工程やクライアント(関係者)にどう影響するのか
といったことです。
後者の伝え方の場合、メンバーはクライアントに見せる資料なのだな、という意識で作ることができ
- もっと良い見せ方があるかもしれない
- 時系列がわかりやすいようにまとめた方がいいかな
といった工夫をしてくれるかもしれません。
メンバーが期待通りの仕事をしてくれないと悩むとき、もしかしたら「頭の中で考えている仕事の完了イメージを伝えられていない」ことが原因かもしれないのです。
これは、管理職階層が上がった場合でも起こりがちな現象です。ぜひ覚えておいてください。
ほめ方のコツ
管理職に就いたばかりの時は特に
- どうやってほめたらいいか分からない
- メンバーのほめるべき所が見つからない
といった悩みが発生しがちです。
チームメイトとしてなら人をほめることが得意だった女性も、管理職になると「今までと同じほめ方でいいのか…」と悩みはじめてしまうケースもあるようです。
この問題を解決するためには、以下の考え方に注目してみましょう。
成果だけでなく、プロセスに注目してほめる
ほめるという行為は、承認行動のひとつです。
- あなたのことをちゃんと見ているよ
- あなたの成果や成長をちゃんと把握して、喜んでいるよ
と伝える行動が、ほめるということです。
ほめることに躊躇する人に色々と質問してみると、傾向として「何か成果や結果が出たときでないとほめられない」ということがあったのですが、それ以上に「プロセスをほめる」ことが重要なのです。
- 失敗してしまったときでも、評価できる行動・チャレンジはなかったか
- 成果が出せたとき、相手のどんな行動が結果につながったか
に注目し、そのプロセスをほめてみましょう。
「あの資料をしっかり作ったのがプレゼンに効いたよね」「企画は通らなかったことは残念だけど、あのまとめ方ができるようになったことは次に活かせるよ」
というような表現です。
目に見える結果だけでなく、プロセスをほめることで
- 自分の仕事ぶりを気にかけてくれて、評価してくれる
- うわべだけでなく、本心でほめてくれている
と感じ、承認感が得られます。ぜひ実践してみてください。
叱り方のコツ
ほめること以上に、女性管理職の壁になりうるのが「相手を上手に叱ること」です。
- 部下(メンバー)と気まずくなるのが怖い
- 叱ることに躊躇してしまう
こんな不安をもっている方は多いのではないでしょうか。
この理由として考えられるのは、主に以下の2つです。
- 部下に嫌われるのが怖い
- 相手に対してどんなトーン・表現で叱ればいいかわからない
それぞれ、原因とポイントをお話ししていきましょう。
ポイント:叱るのではなく、フィードバックする
これは考え方の切り替えと言っても良いのですが、「叱る」と思うとネガティブな感情が立ちふさがります。
しかし「フィードバックする」というのは、相手の成長のために
- 事実を伝える
- 起こったこと、こちらに見えていることを伝える
というだけのことです。
そう考えると、叱る行動に対するハードルが下がるでしょう。
この場合、フィードバックの本質は「相手の目指す姿と現状とのギャップを正確に伝えること」です。
人は、自分の現状を完璧には把握できていません。しかし、鏡を見ることで、自分の状態をより正確に掴むことができます。
この鏡の役割をするのがフィードバックです。
- 進捗状況の報告がもらえないと、どこまで進んでいるか分からないので不安になるんだよ
- 今回の●●さんのミスが原因で、クライアントは再度書類を提出しなければいけなくなったんだよ
ポイントは、客観的な事実をベースに伝えることです。
フィードバックは現状を正確に伝えることで、目指す姿とのギャップに気づかせ、改善を求めるものです。
変に遠慮してそのイメージが歪んでしまっていたら、相手はどう改善していいかわからず、気づきが得られないままになります。
もうひとつ押さえておきたいのは、「叱ることで嫌われてしまったらどうしよう」というのは、マネジメントからは乖離した感情であるというこです。
「どう思われるだろう」は自分本位の感情
管理職としてあなたに求められることは「メンバーを成長させること」です。
そう考えたとき、嫌われることを恐れる感情は、自分本位ということになります。
- ここで叱らないことはこの人の成長を阻害するのでは
- 叱ることでこの人はもっと成長できるはず
そう思えば、叱ることはネガティブな行動ではないと気付くことができます。
次に、叱るときにどう伝えたらいいか分からないという場合の解決方法です。これには2つポイントがあります。
叱るときの伝え方(1)相手の人間性ではなく、行動・考えに重点を置く
叱るのが苦手な人、適切でない叱り方をする人は、相手の人間性まで否定するような叱り方をしてしまうことがあります。
これでは、たとえ正しい指摘をしていたとしても素直に受け取ることは難しいでしょう。
叱るときの伝え方のポイントは「あなたの行動に対して指摘しているのであって、決してあなた自身を否定しているわけではない」というメッセージを伝えることです。
- 自分自身を否定された
- ダメ出しされた
と思うと、誰であっても少なからず落ち込むでしょう。
しかし、自分の存在は認められたうえで
- 自分の行動に問題があった
- 自分の意見を批判された
ということなら、メンバーも受け入れやすくなります。
NG事例とOK事例を載せておきましょう。
NG事例
- ●●さんっていつもそうだよね
- だから●●さんはダメなんだよ
OK事例
- ミスが続いているけど、何が原因なんだろう
- 遅刻はこれで3回目だけど、約束が守れないと信頼を失ってしまうよ
叱るときの伝え方(2)自分(あなた)を主語にして伝える
もうひとつのポイントは、叱る自分(あなた)を主語にして伝えることです。
これは、筆者自身もよく意識していました。
どれだけ言い方に気をつけていても、指摘される・フィードバックされる行為には少なからず抵抗を覚える人もいるものです。
そのため「相手の中で必要以上に問題を膨らませてしまう」伝え方は、受け入れがたいものとなる可能性があります。
たとえば
- どうしてそんなにやる気がないの?
- やる気がなさそうに感じるけど、どうしたの?
だと、どちらが抵抗なく受け入れられるでしょうか。
おそらく、後者という方が多いと思います。これは前者が「あなたはやる気がない」と断定してしまう言い方であるのに対し、後者は「私はそう感じた」という言い方だからです。
本人にその自覚がなかった場合でも、後者のように言われたら「周りからそう見えるのか。なぜだろう?」と考えてくれることもあるでしょう。
(4)メンバーの目標を引き出すコミュニケーションを知る
最後の項目は、メンバーの目標を引き出すコミュニケーションを身に着けることです。
上述のように、メンバーをサポートし、成長させることが管理職に求められる役割です。
そのうえで、メンバーの目標を引き出せること・達成のために支援できることは重要なスキルといっていいでしょう。
メンバー自身の目標と組織の目標ががっちりリンクしたとき、チームのパフォーマンスは大きく向上します。
「やらされる意識」ではなく、自分のやりたいことのためにも仕事に前向きに取り組もうと思えるからです。
ただ「組織の目標は●●だから」と伝えるだけでは、メンバーの動機づけにはつながりません。以下の2つのポイントと行動を知っておきましょう。
動機付けの2つのタイプ
- 将来どうなりたい?
- やりたいことはなにかある?
と問いかけても「特にないです」と返ってきた経験は筆者にもあります。
女性で管理職をやっている知人に聞いても、そこでパワーを持って話し続けることができなかった、と言っていました。
しかし、人が仕事の動機づけをするのに2つのタイプがあることを知ることで、より響く問いかけができるようになったと言います。
- ビジョン型の動機づけ:ビジョン(将来の夢・なりたい姿)を思い描くことでやる気が高まり、行動を起こす
- 価値観型の動機づけ:価値観(自分らしさやこだわり)を満たす行動を日々とっていくことでやる気が高まり、行動する
たとえば、価値観型のメンバーに「もっとやりたいことを思い描かないとダメだよ」と言っても響かないものです。
かえってプレッシャーを与えてしまうことになりかねません。
つまり、価値観型かつ「やりたいことが持てない・分からない」メンバーには、相手が大切にしている価値観を掘り下げて、担当業務との接点・関連性を見つけた方がやる気につながりやすいといえます。
「やりたいことが持てない」部下とのコミュニケーション:価値観を明らかにする
たとえば、以下のような問いかけをしてみます。
- 仕事をしていてどんなときが楽しい?
- どういうときにやりがいを感じる?
- 充実したなと思う瞬間ってどんなとき?
- 自分にとってのこだわりって何がある?
これに対して回答が得られたら「その中で特に楽しいのはどんな瞬間?」「そのときあなたはどんな行動をしている?」とどんどん掘り下げていくと、具体的な回答が徐々に得られるようになってきます。
たとえば、筆者が価値観型のメンバーと目標について話したとき、こんなことが嬉しいという声がありました。
- クライアントの要望を先読みして実現できたとき
- 営業のメンバーに喜んでもらえたとき(彼女は営業サポートの業務でした)
- 自分の提案が受け入れられたとき
これらがメンバーの価値観の核心となるものです。
それを「そういう行動を積み重ねていったら、半年後にはどうなっていると思う?」と少しずつ時間軸を未来に持っていきます。
そうすることで、価値観型のタイプでも
- 自分は将来どうなっていたら素敵なのか
- 自分は実はこうなっていたい
という目標を引き出しやすくなります。
さいごに
女性管理職が成果を出すために押さえておきたいポイントは以上です。
これらを知っておけば、管理職として好調なスタートが切れるのではないでしょうか。
最後にお伝えしておきたいのが「自分で決めた成長ラインに縛られすぎないこと」です。
なにしろ、新任管理職の方にとっては、今までとは違った業務・視点が求められるため、すぐに何もかもうまくいくことの方がまれです。
しかし、知らず知らず「半年以内に管理職として認められなければ」などとラインを設定していないでしょうか。
これは自分にプレッシャーを与えてしまうことの方が多く、メリットは少ないです。
ちなみにこれは、筆者自身が管理職として、この「自分で決めたライン」にしばられてしまっていたからこそ思うことです。
繰り返しになりますが、あなたに管理職を任せたいと会社・上司が言っている以上、あなたにはその素養がある・将来その素養を発揮できると思っているということです。
必要以上に怖がることはありません。今回の記事が、あなたの背中をポンと押してくれることを祈っています。
今求められるのは、ライフステージが変わっても働き続けられる制度や福利厚生が整った職場環境
長時間労働の是正など働き方改革が進む中、その施策の1つとして注目されているのが「女性の活躍推進」です。
近年では、政府の働きかけもあり、働く女性の割合は右肩上がりの傾向にあります。
活躍する女性が増える一方、さらなる雇用を生むために解決しなければならない問題があります。
それが、結婚、出産、子育てなど人生のライフイベントによる、女性の離職です。
国立社会保障・人口問題研究所の調査結果によると、約4割近くの女性が第一子の妊娠を機に退職したことがわかっています。
そこで今求められているのが、様々なライフイベントを迎えても働き続けられる制度や福利厚生が整った職場環境です。
ベネフィット・ステーションでは、
・育休復帰前にeラーニング等の研修や専用コールセンターによる情報サポート
・認可外保育施設利用時の割引により、保育と仕事の両立を支援
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妊娠・出産、子育てから職場復帰を支援するサービスを手厚く提供しています。
また従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。
ぜひ人事制度の改定と併せて福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。