福利厚生
人材育成

【人的資本経営の本質】デジタル人材が集まる福利厚生を徹底解説

この動画でわかること

  • 人的資本への投資を行うメリット
  • 給与や賞与は格差がつきやすいが福利厚生は平等
  • 福利厚生制度を使ってもらえるために会社がやるべきこと

福利厚生と人的資本投資が生む「社員満足」と「企業成長」

近年、企業の人的資本への投資が経営の成否を左右する重要な要素として注目されています。給与や賞与には個人差が出やすいものの、福利厚生は社員全員が平等に受けられる制度であり、企業独自の人材確保・定着・成長を支える“大きな武器”です。この記事では、福利厚生と人的資本投資のメリット、実践事例、制度活用を最大化するポイントを分かりやすく解説します。

人的資本経営のメリット~社員を大切にする投資がもたらす企業価値

社長の「実体験」が福利厚生イノベーションへ

IT企業・株式会社マイレベルの事例では、社長自身がエンジニア時代に抱いた「欲しかった福利厚生」を新設。社員視点を取り入れた制度導入が社員の支持を集め、業界イメージ改革にもつながっています。

  • 社員ニーズの把握:アンケートや日常会話からリアルな声を吸い上げる
  • 直接コミュニケーションが可能な規模なら、トップとの距離感が大きな強み
  • 福利厚生が“平等配分”されることで、社員の定着率やモチベーションが向上

特に、SI業界ではイメージ払拭の観点から、説明会で企業文化・制度の分かりやすいPRが定着に直結しています。

公的制度+自社独自制度で“社員満足度”を底上げ

福利厚生は法律で義務付けられるもの(社会保険、年金、医療保険等)と、企業が独自に設けるものに大別されます。“社員全員のニーズに応える”ためには、両者のバランスが重要です。

  • 法定福利厚生:健康保険、厚生年金、雇用保険など、国が義務付ける最低限の制度
  • 任意福利厚生:社宅、レジャー補助、育児・介護支援、リクリエーション、資格取得補助など
  • 利用実態や満足度に応じて設計・改善を繰り返すのが成功の秘訣

「使われる制度しか作らない」「社員のための制度設計」という社長の思いが、実際の運用で成果を生んでいます。

せっかく作った福利厚生、どう活用されている?~利用率向上の工夫

社員に“選ばれる制度”のために~比較・周知・声の反映がカギ

福利厚生は「ニーズ」と「実際の利用」が必ずしも一致しません。例えば企業内託児所などはアンケートでは需要が高いものの、実際には「会社へ子を連れて行く負担」「近所の施設利用のほうが便利」など、利用されないケースも。

  • 社内制度と市場サービス(外部の同種サービス)を比較し、社員目線で利便性を検証
  • ホームページや社内イントラネットで利用事例・社員の声・満足度を「見える化」
  • 社員同士やOBからの口コミ・推薦が実際の利用率向上に直結

採用広報への活用も重要。福利厚生ページを外部公開し、制度の詳細・利用実績・社員レビューを掲載することで、「応募者にも伝わる」「ブランディングにも効果」という好循環が生まれます。

柔軟な補助制度で個々のニーズにフィット

IT企業では、社外勉強会への参加費、資格取得へ補助、機材やドメイン取得、サークル活動費や社員旅行の全額補助など“実践的な補助”が目立ちます。

  • 個人の希望や生活背景、外国人社員への就労ビザ申請費用支援なども含め、柔軟な対応
  • 熱中症や花粉症など健康管理への補助も「安心感」「会社への満足」につながる
  • 使ってみて満足したら、さらに社内に利用者が増える好循環

「会社が自分の事情や希望を見てくれる」体感が、ダイバーシティ経営にも直結し、さらなる会社の成長を促進します。

まとめ~福利厚生は社員を支え、企業価値を高める“平等の力”

人的資本への投資と福利厚生の充実は、給与・所与と異なり全員が公平に受けられる“平等性”を持っています。

  • 社員のリアルなニーズに寄り添い、利用される制度だけを設計・改善することが重要
  • 利用率向上には、サービス比較・社員の声・周知活動などが鍵を握る
  • 補助の柔軟化、多様性への配慮が社員の満足・定着・成長につながる

福利厚生は「会社が社員を大切にしている」ことを具体的に示す強力なツール。積極的な制度改善や社内外への情報発信が、人的資本経営を支える最大の土台となります。

可児さんサムネイル
【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信

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<著書>
・「福利厚生アウトソーシングの理論と実務」(労務研究所)
・「共済会の実践的グランドデザイン」(労務研究所)
・「新しい!日本の福利厚生」(労務研究所)
・「実践!福利厚生改革」(日本法令) 他