女性の活躍を後押し!今企業が最も注目すべき男性の育児休暇制度
働き方改革が進む中、その施策の1つとして注目されているのが「女性の活躍推進」です。
女性の活躍推進を進める一方、女性特有の様々なライフステージによって起こる労働環境の変化・その変化に応じてどのようにキャリアを形成支援すれば良いのか、など課題が多く残ります。
女性は、結婚・出産・子育てなど、様々なライフステージがあります。
ライフステージの変化とともに、仕事をセーブするなど、今のライフステージにあった労働環境へ変えていかなければなりません。
このように様々なライフステージを経ても、女性がキャリア形成をするためには、配偶者である旦那さんの協力体制は必須です。
今回その中でも特に注目したいのが、男性の育児休暇制度の取得についてです。
最近では、男性の育児休業取得率も、H28には3.16%と、H24と比較し、4年連続で上昇しています。
しかし、まだまだその比率自体は少なく、男性の育児休業取得率をあげることは容易ではありません。
政府はH32には、男性の育児休業取得率を13%にする、という目標を掲げています。
男女共同参画社会が進む中、今後ますます女性の活躍が期待される一方、企業としても注目していかなければならない男性社員の育児休業制度。
今回は、以下のステップで男性の育児休業取得率をアップする方法を説明します。
- 男性の育児休業取得率が上がらない理由
- 男性が育児休業を取る場合の企業のメリット
- 男性社員の育児休業取得率が高い企業の事例
- 企業側が準備すべきこと
ぜひ、これを機会に、男性社員の育児休業取得率を向上に取り組みましょう。
もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。
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目次
男性の育児休業取得率が上がらない理由
育児・介護休業法では、「原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者は、子が1歳に達するまでの間(場合によって子が1歳6か月に達するまで)、育児休業を取得できる」と定められています。
育児休業の取得は性別を問わないので、もちろん男性にも取得する権利があります。しかし、先ほどお話ししたように男性の育児休業取得率はなかなか上がりません。
その理由はどこにあるのでしょうか。
参照元:ライフネット生命
ライフネット生命が行ったアンケート調査によると、勤務先が「男性が育児休業を取得できる雰囲気がある」と答えた人は23.6%と少なく、男性は育児休業が取得しにくいと考える人が多いです。
そういった風潮があり、実際に取得した事例も少ないことから、なかなか男性社員の育児休業取得率は伸びていきません。
2.男性が育児休業を取る場合の企業のメリット
男性の育児休業取得率が上がると、企業側からみると育児休業中の社員が増えるため、労働力不足などのデメリットがあることは予測できます。
しかし、男性社員が育児休業をとることで、実は企業にとって以下のようなメリットがあるといえます。
従業員の満足度アップ
男性の育児への参加が進むことで夫婦の関係が安定し、従業員の満足度がアップする。
その結果、会社への満足度があがることが期待できます。
協力し合える風土が醸成される
育児休業を取得する社員が増えることで、社員同士が協力し合える風土を醸成されます。すると、育児休業のみならず、いざという時に社員が互いに助け合うことができます。
業務の見える化が進む
育児休業を取得する社員が増えれば、その業務を引き継いだり、ほかの人と共有する機会も増えます。
そのため、属人化していた仕事が整理されるため、結果的に業務効率アップが期待できます。
企業側はこうしたメリットにも注目しつつ、少しずつ準備を始めていくといいでしょう。
男性の育児休業取得率がアップした企業の事例
まず紹介するのは、2016年にイクメン企業アワードを受賞した株式会社丸井グループの例です。
丸井グループは、男性の育児休業取得率が平成25年度の13.8%でしたが、2年後の平成27年度には65.5%と3倍以上に増加しました。
冒頭でお話しした約3%という平均値から考えると驚異的な数字ですが、どのような取り組みを行ったのでしょうか。
厚生労働省が紹介している育メンアワードを参考に、一部の取り組みについてご紹介させていただきます。
※育メンアワードとは、厚生労働省が実施している男性の育児休業取得を支援するプロジェクトのこと。
2年間で男性の育児休業取得率が3倍になった株式会社丸井グループ
参照元:株式会社丸井グループ
1.育児サポート制度の案内
子供が1歳になるまでの間、最大7日間の有給を取得できる短期育児休暇制度を2013年度より導入。
さらに平成27年度からは、所属長が出産祝い金を渡す際に、育児サポート制度の案内を行い、本人と直属上司への育休取得の声かけを必須化することで、取得を推進しました。
2.多様性推進に取り組んでいる企業を招き、全社向け講演会を実施
多様性推進への取り組みが先進的な他企業のトップを招待し、多様な働き方の必要性について語ってもらう講演会を全社向けに実施。
多様性を活かしたマネジメントを管理職同士が話し合うグループワークを多数開催した。
育児休業を取りやすい風土づくりのために、管理職を巻き込んだ意識改革を行ったことが、高い育児休業取得率に結びついています。
男性の育児旧取得100%が続いている社会福祉法人桔梗会
参照元:社会福祉法人桔梗会
男性の育児休暇取得率が100%を誇る企業もあります。どのような取り組みを行えば、育児休暇取得率100%を実現できるのでしょうか。その具体的な取り組みについてご紹介しています。
1.管理職からの育児休業取得の呼びかけ
出産を控えた配偶者がいる男性職員に対して、管理職のほうから育児休暇取得を促し、周囲の職員にも協力を呼びかけている
2.育児休業の有給化
育児休業を有休化することで、休業した時に収入が落ちることを防ぐ狙いがある。
先ほどの丸井の例と共通するのは、育児休暇の有給化と管理職から育児休暇取得を促している点です。
育児休業取得の事例が少ない企業で、男性社員が自分から育児休業を申し出ることはハードルが高いですが、上司が働きかけてくれれば、グッと取得がしやすくなります。
では、企業が男性社員の育児休業取得率をアップするには、どのような取り組みをしたらいいでしょうか。
企業側が準備すること
育児休暇を取得する男性社員を増やすために、企業側が準備しておくべきことは以下の4つです。
- 育児休業の対象となる社員を把握し、育児休業取得を推奨
- 業務の引継ぎがスムーズにいくように支援
- 育児休業中の社員とコミュニケーションを積極的にとる
- 育児休業の取得事例を全社に共有するなどして奨励
育児休業の対象となる社員を把握し、育児休業取得を推奨
まず、配偶者が妊娠している男性社員には、企業側に申告してもらうようにしましょう。そして、直属の管理職などから育児休暇取得を推奨します。
先ほど紹介した事例のように、有給化すると社員側も取得がしやすいので検討してみてください。
もし、育児休業が長期になる場合は育児休業給付金や休業中の社会保険免除など、経済的な面の情報を社員に提供しましょう。
くわしくは、「※育児休暇 手当金の記事に誘導」で紹介していますのでチェックしてくださいね。
業務の引継ぎがスムーズにいくように支援
育児休業の取得が決まったら、誰にどの業務を引き継ぐのか、取得者と上司で話し合って進めてもらうようにしましょう。 この機会に業務を見える化し、属人的な要素をなるべく減らしておきましょう。 また、社内の関係部署や取引先などへの連絡も忘れずに行うように指導しておく必要があります。
育児休業中の社員とコミュニケーションを積極的にとる
長期の育児休業を取得する社員に対しては、休業中に企業側からマメに情報共有をするようにしましょう。最近は、休業中の社員のための情報サイトを制作している企業もあります。
育児休業の取得事例を全社に共有するなどして奨励
育児休業を取得した男性社員がいたら、先輩パパ社員として情報共有してもらうなど、積極的に事例を全社的に紹介しましょう。
そうした事例が増えていけば、次第に男性社員が育児休業を取得することが珍しいことではなく当たり前のことなんだ、という雰囲気を醸成することができます。
また、育児休業中の社員を支援する方法としては、ベビーシッターや家事代行などの福利厚生サービスを活用する方法もあります。
参照元:ベネフィット・ステーション
まとめ
いかがでしたか?
男性社員の育児休暇取得が進むことで、社員の満足度も上がり、会社としても業務の効率化などを進めることができます。
少しずつ事例をつくっていくことから始めていきましょう。
参考サイト:厚生労働省|育児休業取得者割合
ワークライフバランスの充実を支援する
福利厚生サービス ベネフィット・ステーション
待機児童問題/介護離職者の増加など、ワークライフバランスを取り巻く環境には問題が山積しています。
フレキシブルな勤務形態、休業・休暇制度を整えることは大前提として必要ですが、それだけでは育児・介護にかかわる金銭の問題や情報の提供不足といった課題が残ります。
福利厚生サービス ベネフィット・ステーションの導入により上記の課題を解決することができます。
①【育児】保育園探しのお手伝いや認可外保育施設利用時の割引等があり、保育と仕事の両立を支援できる。
②【介護】介護情報の無料提供・無料相談、介護用品購入費用の一部還付を受けられ、介護離職を防止する。
また、従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。
ぜひ人事制度の改定と併せて福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。