部下の動きがこんなにも変わる、明日から実践したい正しい指示の出し方
あれだけ伝えたつもりなのに、なぜ理解してもらえないんだ…伝える側(上司側)に落ち度はなく、指示を受ける側(部下)の理解力が低くて伝わらない、そう勘違いをしていませんか。
事実として、このような悩みを抱えている多くの方が、伝える側に問題があるのではなく、指示を受ける側に問題があると誤った認識を持っています。
しかし、それは違います。部下があなたの指示を理解できないのは、あなたの伝え方が悪いからです。
伝え方は少しの意識で改善できます。
今回の記事では、明日からすぐに実践できる「正しい指示の出し方」についてお伝えしていきます。この方法を学ぶだけで、部下との関係が良好になり、業務が滞ることなく、全てが円滑に回りだします。
もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。
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目次
大切なのは部下にどう伝わったのか、部下がどのように理解していたのか
上記でのように、部下とのコミュニケーションに何らかの問題を抱えている多くの上司が「伝えたつもり」になっているということです。
明日の15時までにこれとこれを作って提出するようにと指示を出したつもりが、提出期限を過ぎても部下は資料を提出してきませんでした。
あなたは伝えたつもりだったが、部下には伝わっていなかった。
ここで重要なのは、相手に「伝える」のではなく「伝わる」ことです。
もう少し分かりやすく解説しましょう。「相手に伝える」とは、こちらから一方的に語りかける・話しかけることです。この場合、相手との会話(コミュニケーション)は成立しません。一方「相手に伝わる」とは、こちらが話しかけた内容に対して、相手が返答してくれます。この時、はじめて会話が成り立ち、そこには相手との会話(コミュニケーション)が成立します。
部下への指示出しも同様です。大切なのは、部下に自分の言葉がどう伝わったのか、どのように理解してくれたのか、です。
普段あなたの言葉はどのように部下に伝わっているのでしょうか。これを機にあなたの指示の出し方を考え直してみましょう。
次の章では、部下に伝わるための話し方のポイントについてお伝えしていきます。このポイントを押さえることで、明日からのコミュニケーションがグッと円滑に進むことでしょう。
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上司が変われば部下も変わる!明日から使える分かりやすく正確に伝えるための6つのポイント
この章では、あなたの指示が分かりやすく正確に部下に伝わるために、押さえておきたい6つのポイントについてご紹介します。
まずはできることから1つずつ取り入れてみましょう。
部下の表情・反応を見ながら話す、指示を伝え終えることが重要ではなく、相手が理解しているかどうかが重要
指示を出す際には、常に部下の表情・反応を見ながら話すように心がけましょう。
YES/NOがはっきりと言える部下であれば良いですが部下のタイプも十人十色。
「上司の話が分からないけど今分からないと言ったら怒られそう」「このタイミングで質問して良いのかな」と、部下と上司という関係上、萎縮してしまい十分に理解していないのに理解したフリをするケースがあります。
そのようなケースを未然に防ぐため、少し反応が変わった、疑問を持った表情をしているなどの変化が見受けられたら、「ここまでで何か質問があるか」「ここまでの話を理解ができたのか」を都度聞いてあげるようにしましょう。話し終えてから、何をやってもらうべきかを復唱してもらうのも効果的です。声に出して確認させることにより、部下自身も自分のやるべきことが明確になります。
また、次のステップとして、部下自らが率先して質問ができる環境作りを心がけると良いでしょう。その環境作りのために必要なのが、部下との信頼関係です。
信頼関係が築けていれば、部下もあなたに心を開き、このチームにおける自分の存在価値を考え、主体性を持って動き始めます。
例えば、毎日少しは業務以外の雑談を挟む、部下の仕事状況を確認するための進捗ミーティングを定期的に開く、月1度はランチや飲み会に行くなど、日頃からのコミュニケーションの回数が重要となります。
これを機会に、日頃からのコミュニケーションを意識し、信頼関係の構築に努めましょう。
自分の常識の範囲内で指示を出さない
その会社特有または業界特有の専門用語で話を進めるのはやめましょう。誰にでも伝わるような分かりやすい指示を出せるのがベストです。
これも伝え方が下手な上司によくあることですが、あたかも相手が自分と同じ知識を持っていると錯覚し、これを知っていて当然という風に話を進めがちです。
上司と部下という関係上、やはりこなしてきた業務の量にも差がありますし、積み上げてきた経験も違います。ましてや、新入社員であれば知らないことばかりです。
誰にでも分かるような具体的で丁寧な指示を出しましょう。
指示が多い場合は、伝える前に伝えたいことを紙に書いて、頭の中を一旦整理する
指示が多い場合は、伝える前に伝えたいことを紙に書いて(グルーピングして)頭の中を整理すると良いでしょう。その上で、指示を出すことを心がけましょう。
例えば、今部下に伝えたいことが5つあるとします。
その内訳は、クライアント業務に関する指示が3つ、社内業務に関する指示が2つ。
伝えたいことが5つあるからといって、これを思いついた順に全てをランダムに伝えてはいけません。伝えられた方も、「たくさんの指示があったけど、一体自分が何をしたら良いのか分からない」と、指示は出されたが行動に移せないという状態に陥る可能性があります。
一度自分の頭を整理するという意味も込めて、まずは伝えること全てを箇条書きで書き出してみましょう。
その上で、指示内容をグルーピングします。(この例では、社内業務とクライアント業務、の2つが大きなカテゴリーとなります。)次に、それぞれのカテゴリーで部下に行ってほしい業務を1つずつ記載していきましょう。
カテゴリーのイメージは、下記のようになります。A、B、Cの部分が実際に行って欲しい業務内容です。
これらを整理した上で、部下に伝えるようにしましょう。書いた内容を見せながら話すのも効果的です。視覚的な情報が入ることにより、より頭に残りやすくなります。
その際に、部下がメモを取っていなければ、メモを取らせるようにしましょう。
余計なことは伝えない、本当に伝える必要があることだけを伝える
一度に3つの指示を出すよりは、なるべく指示を1つに絞り、物事を簡潔に伝えた方が相手の理解度も上がります。
また、それが1つの指示だとしても、余計なことを長々と話されるよりは、短ければ短い方がより正確に伝わります。
よくありがちなこととして、伝えたいことがまとまらず、余計なことばかりを伝えすぎて、相手に伝わらないケースがあります。
前文でも述べているように、「伝わる」とは相手が理解してはじめて成り立つコミュニケーションです。
まずは、今回相手に何を一番に頼みたいのか(結論)を明確にし、相手が理解しやすいようになるべくシンプルに伝えてあげましょう。一文で伝えられれば、それがベストです。
抽象的な表現は使わない、5W2H・数値を使って話す
抽象的な表現を使わず、5W2H(「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、どのくらい(How much,How many)」)や数値を使って話すように心がけましょう。
少し分かりにくいので、例文をあげて解説していきましょう。
「前話してた来月の会議あるじゃん?それまでにやってほしいことがあってさ、顧客のリスト共有したいから、それまでにリストきれいにまとめておいてほしいんだよね、あと頼むね」
このような指示を出された部下は、こう思うでしょう。
「来月の会議?会議って確か来月3回あったよな…きれいにって…どうしたらいいか全然分からない…」
上司の頭の中では下記のようなことを伝えたつもりでしたが、部下には全く伝わりませんでした。それもそのはずです、伝えるべきことが伝わっていないせいです。これでは部下も何をして良いのかが分かりません。
そこで重要になってくるのが、5W2H・具体的な数値です。では、これらを使用して、上記の指示を整理してみましょう。
このように意識して伝えるべきことを伝えれば、業務も効率的に回り出します。自分自身を振り返った時に、このようなことがなかったかどうかを考えてみましょう。
あればすぐにでも改善していきましょう。少しの意識で、伝え方は劇的に変わります。
主体性を持った優秀な部下を育てる、常に目的意識(仕事の全体像)を把握させる
組織として大切なのは、今自分が育てている部下が主体性を持って働くことです。主体性を養うことにより、いずれはその部下がチームの主力となり、売り上げを上げ、ゆくゆくはチームのリーダーとなるかもしれません。
そのためには、与えられる仕事をただこなすのではなく、常にチームの一員として、会社の一員として、今自分がすべきことは何かを考えられるようになる必要があります。
ただ単に上司から言われたことばかりをしているのでは、その能力は養えません。
なぜこの仕事を与えているのか、なぜこの仕事を今やる必要があるのか、その仕事をする目的を考えさせ続けましょう。
次世代のリーダーを育てるのも上司の立派な役目です。
しかし、それは1日でできることではありません。日々の積み重ねが、優秀な人材を育てるのです。
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自分の指示が伝わらないからといって、人格否定は絶対にしてはいけない
自分の指示が伝わらないばかりに、全てを理解力が低い部下のせいだと決めつけ、人格否定をするような叱り方は絶対にしてはいけません。
もしも、今そのような叱り方をしているのであれば、直ちに考え方を改め、改善すべきです。
部下のモチベーションを下げるとともに、人格否定をされたことによりあなたに萎縮し、今後のコミュニケーションに支障が出る恐れがあります。
また、ミスをしてもどうせ怒られるだけだと、あなたへの報告や相談をあえて避ける可能性があります。
これがもし大切な取引先の契約更新がかかった重要案件だった場合はどうでしょう。ミスした部下からの報告・相談がなく、何も知らない状況下で大惨事となり、取り返しがつかなくなることも考えられます。
確かにこれはミスをした部下のせいではありますが、このような環境を作り上げてしまった上司の責任でもあるのです。部下の責任は上司の責任です。
まずは、部下が話す内容を話を遮らずに全てを聞き入れ、その上で今回のミスについて何がいけなかったのか、何を反省してもらわなければならないのか、今後このようなことを繰り返さないためにはどうしていくべきなのかを一緒に考えていかなければなりません。
まとめ
今回の記事では、明日からすぐに実践できる「正しい指示の出し方」についてお話ししました。
ポイントは以下の6つです。
- 部下の表情・反応を見ながら話す、指示を伝え終えることが重要ではなく、相手が理解しているかどうかが重要
- 自分の常識の範囲内で指示を出さない
- 指示が多い場合は、伝える前に伝えたいことを紙に書いて、頭の中を一旦整理する
- 余計なことは伝えない、本当に伝える必要があることだけを伝える
- 抽象的な表現は使わない、5W2H・数値を使って話す
- 主体性を持った優秀な部下を育てる、常に目的意識(仕事の全体像)を把握させる
伝え方はあなたの意識一つで改善できます。
今以上に部下との良好な関係を築き上げ、業務の効率化をはかりましょう。
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