リモートワーク導入企業で要注意! 企業の生産性を低下させる「フリーライダー社員」の問題と対策とは?
昨今、国内での生産年齢人口の減少傾向は加速しつつあり、人的リソースの確保や生産性の向上は企業にとって喫緊の課題となっています。
一方、新型コロナウイルス感染拡大を受けてリモートワークを導入する企業が増え、対面でのコミュニケーションが難しくなるなか、「フリーライダー社員」にまつわる問題への関心が高まっています。
その上で、本コラムでは「フリーライダー社員」の問題点と対策方法について、詳しく解説していきます。
もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。
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目次
フリーライダー社員の特徴と発生原因
フリーライダーとは、もともと経済学において使用されてきた用語で、本来必要なコストを支払うことなく公共財(教育、医療など)を利用する人を指します。日本語ではしばしば「タダ乗り」と表現されます。
この用語が転じて、組織論においては「フリーライダー社員」として、「仕事量や達成した成果が相対的に見て十分でないにもかかわらず、一定の給料を得ている社員」のことを示すようになりました。
「フリーライダー社員」は、その特徴によっていくつかのタイプに分類することができます。ここでは、代表的なタイプを4つピックアップして紹介していきます。
フリーライダー社員の特徴をタイプ別に解説
よくいるフリーライダー社員 タイプ1「燃え尽き型」
主に社歴の長いベテラン社員の中に見受けられるタイプです。
20〜30代の頃は熱心に仕事に打ち込んでいたものの、「上司から適正な評価を受けなかった」「与えられた業務をやり切ったが、何も変化を起こせなかった」などの理由から、企業や社会への貢献を諦めてしまうケースが多いようです。
勤務時間中でも業務に集中している時間が短く、同僚・後輩と業務とは関係のない世間話に花を咲かせるような時間が多くなりがちです。
よくいるフリーライダー社員 タイプ2「ハイエナ型」
主に上昇志向の強い若手社員の中に見受けられるタイプです。
いわゆる「仕事ができない」というようなタイプではなく、自身の評価につながる業務には積極的に取り組むといった特徴があります。ただ、上昇志向が強いあまり、評価に繋がらない業務を部下に丸投げしたり、同僚が挙げた成果を横取りしたりといった行動をすることがしばしばあります。
そのため、取引先や上司からの信頼は厚い一方で、同僚や部下のやる気を削ぐような存在となっていることが少なくありません。
よくいるフリーライダー社員 タイプ3「ナマケモノ型」
主にマネジメント経験のない社員の中に見受けられるタイプです。
最小限の業務をこなして十分な給料を得ることを目的としているため、与えられた以外の業務に取り組むようなことは稀で、企業の成長は「他の社員に任せておけば良い」といった考えを持っていることが多いです。
業務に対するモチベーションも低いことから、成果物の品質が低くなりがちなことも、このタイプにおける課題です。
よくいるフリーライダー社員 タイプ4「ブラックホール型」
長期間にわたって「燃え尽き型」や「ナマケモノ型」を続けた場合、このタイプへと進化する可能性があります。
同僚・部下に対して社内体制や業務内容のネガティブな面を指摘して、モチベーションを引き下げます。また、時には彼らを飲み込んで「フリーライダー社員」化させ、チーム全体の生産性を低下させてしまうことが特徴で、今回紹介したタイプの中でも最も注意が必要な存在です。
また、会議の場でも「まず否定」から入るため、チーム内に新しいアイデアが生まれにくい環境となってしまう可能性があります。
フリーライダー社員はこうして生まれる
このように、「フリーライダー社員」には複数のタイプがあります。
彼らが「タダ乗り」を始めたきっかけとして考える原因は様々ですが、特に組織の体制に沿った評価制度が整っていない企業で「フリーライダー社員」が生まれてしまいがちで。
最近ではリモートワークの導入が進んだことから、社員の働きぶりを十分に見ることができず、適正な評価ができていない企業が少なくありません。結果として、モチベーションが下がり「フリーライダー社員」が生じてしまうことがあります。
また大企業では、過剰雇用が原因で、一人ひとりが与えられた業務量を十分にこなさずとも組織目標を達成できる組織体制となっているケースがあります。このような体制も、「自分が頑張らなくても、誰かがやってくれる」という考えから、「フリーライダー社員」を生む原因となり得ます。
さらに近年、終身雇用の終焉など社会構造の変化により、個人の価値観にも大きな変化が生まれ、企業の目標と個人キャリアの目標が必ずしも一致しない状況となっています。こうした状況も、社員のエンゲージメントを低下させる原因のひとつと言えるでしょう。
フリーライダー社員が生み出す問題や悪影響
「フリーライダー社員の特徴をタイプ別に解説」の項でも紹介した通り、「フリーライダー社員」を放置しておくと、社内に様々な悪影響があります。その悪影響は、次のようにまとめることができます。
・周囲の従業員のモチベーションを低下させる
・別のフリーライダー社員を生み出す可能性もある
・結果として企業全体の生産性低下や離職率の悪化につながる
冒頭で解説した通り、昨今では生産年齢人口の減少が進んでおり、人的リソースの確保はますます難しくなると予測されています。このことから、企業としては生産性低下や離職率の悪化は回避すべき状況と言えます。
そこでここからは、「フリーライダー社員」を生み出さない、または既に存在する「フリーライダー社員」を戦力となり得る社員に戻す対策について解説していきます。
フリーライダー社員を生み出さないための対策
「フリーライダー社員」を生み出さないためには、社員のモチベーションを常に高い状態に維持することが重要です。具体的には、次のような対策によって社員のモチベーションを高めることができます。
評価制度の見直し
社員の業務内容や取り組みを把握して、それに応じた評価をすることは、モチベーションを高めるために不可欠です。一方、リモートワークの導入が進むなか、
そこで、たとえばオンライン会議ツールを活用した「1on1ミーティング(※1)」の実施や、周囲を巻き込んだ「360度評価(※2)」を導入することで、リモートワーク中においてもより適正な評価ができるようになります。
また、上記のような施策を実施しても効果が出ないような場合には、評価制度の考え方そのものを見直す必要があるかもしれません。具体的には従来のような時間管理を重視する考え方から、タスクや成果を重視する考え方へと変更するといったものです。
※1 上司・部下が1対1で定期的にミーティングを行う手法。コミュニケーションの増加、共通理解の醸成といったメリットがあるとされている。
※2 直属の上司だけでなく、同僚や部下、他部署の社員など様々な社内関係者のフィードバックをもとに評価する手法。より多面的な評価を下せるメリットがあるとされている。
コミュニケーション手段の見直し
社員数の多い大企業においては、上司と部下の関係性が希薄になっていることが少なくありません。さらに最近では新型コロナウイルスの影響により、本来コミュニケーションを円滑にするために行われる社内レクリエーションなどの開催も難しい状況となっています。
そして、コミュニケーション不足により孤独感を感じた場合、モチベーションの低下をまねき、最悪の場合、社員が離職してしまうおそれもあります。こうした状況に陥らないためには、従来とは違った手段でのコミュニケーションへと見直しを図ることが重要です。
たとえば、福利厚生の一環として「社内ポイント」を導入する方法があります。同僚やお世話になっている上司へ、感謝のメッセージを添えたポイントを送り合うことで、対面では難しい気軽なコミュニケーションを実現することができます。
福利厚生制度の見直し
社員のモチベーションを上げるためには、福利厚生を手厚くすることが欠かせません。一方で、近年のライフスタイルの多様化により、昔ながらの福利厚生制度では社員のニーズを満たすことは難しくなっています。
たとえば、従来、社員のモチベーションを上げるために導入されていた社員旅行も、今では「時代遅れ」とされることが少なくありません。代わりに、それぞれの社員が旅行する際に使える割引サービスなどの福利厚生が活用されることが多くなっています。
こうした変化を受けて最近では、個々の社員のニーズに一括して対応できる、選択型(カフェテリアプラン型)の福利厚生サービスを導入する企業が増えつつあります。
社員のモチベーションアップにつながる、ベネフィット・ワンのサービス
ベネフィット・ワンでは、この記事でも解説した「社内ポイント」として活用できるサービスとして「インセンティブ・ポイント」をご用意しています。
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