人材育成

人事担当者必見!失敗しない新入社員研修の作り方・離職防止の秘訣など

人事担当者必見!!新入社員研修のおすすめ&離職防止の注意点を解説!

入社式を終えた新入社員に対する研修は、社会人としての価値観やビジネススキルを育むための突破口です。

しかし研修を行うにあたり、

  • 新入社員研修の設計方法がわからない
  • 新入社員から研修中に辞めたいと言われたことがある
  • 研修で学んだことが現場で活かされているかわからない

こうしたことに悩んでいる人事担当者は少なくないのではないでしょうか。

今回は、1〜2章で新入社員研修の基本的な目的・方法について今一度確認をしたあと、3章にて絶対に研修を成功させるための3つの秘訣を、そして4章では、研修後の社員離脱を防ぐために不可欠なフォローアップ方法を解説します。

自社の有意義な新入研修のために、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

福利厚生のアウトソーシングについて

福利厚生の充実は、従業員満足度を向上させ、採用や離職防止にも役立ちます。

もしこれから福利厚生の導入を検討するのであれば、自社で新たな制度を一から作るよりも、低価格で手間をかけずに簡単に導入ができるアウトソーシングサービスを利用すると良いでしょう。

数あるサービスの中でも、業界でトップシェアを誇る「ベネフィット・ステーション」の導入をおすすめします。

・140万件以上のサービスが利用できるため、年齢や性別関係なく、従業員の多様なニーズに応えることができる
・福利厚生会員数は業界最大の1,548万人(※2022年4月現在)
・「福利厚生」「健康支援」「教育・研修」をサポート

従業員が企業担当者を介さずサービスの利用申し込みを行うため、導入後の事務作業はほとんどありません。

ぜひこの機会にご検討ください。

【注目】自社にとって本当に必要な福利厚生制度は?

もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。

新入社員研修の目的は、配属先での業務を円滑に遂行するために必要な知識を身に付けてもらうこと

社員全員に挨拶できる時間を確保する

新入社員研修の大きな目的は、配属先での業務を円滑に遂行するために必要な知識を身に付けてもらうことです。

内容は、「一般(総合)研修」と「職種別研修」に分けられます。

一般(総合)研修の目的

新入社員が企業の一員として働く際、まず欠かせないのが「自社をよく理解する」ことです。

まずは、企業の理念や事業目的、価値観やビジョンを伝えましょう。新入社員は自分の役割を認識し、意欲が高まり、目標を設定することができます。

職種別研修の目的

職種別の研修では、より専門性のある知識やスキルの獲得が目的となります。

営業職であれば、自社の商品・サービスを顧客に提案・販売するノウハウを取り入れましょう。

またエンジニア職であれば、システム構築のための言語技術スキルや情報セキュリティに関する知識を育成します。

中途採用者研修であれば、すでに基本的なビジネスマナーが身についているので、後者に偏ることが多いかもしれません。

しかし新人研修の場合は、研修全体を通して、学生意識を脱却し社会人としての責任感を持てるようになることが重要です。

目的別に組み合わせよう!新入社員研修でよく導入される6つの研修方法

新入社員研修を成功させるために知っておきたい・3つの問題点と対策

次に、新入社員研修の「一般(総合)研修」や「職種別研修」で用いられる、代表的な6つの指導方法をご紹介します。

1)Off-JT

Off-JT(Off the Job Training)とは、通常の業務とは離れて行う教育研修のことです。講演会やオンライン教材がこれに当たります。

新入社員研修ではOff-JTで、企業の理念や価値観といった従業員全員に共通する内容を伝えることが一般的です。

▼株式会社サイバーエージェントの『肌マネジメント研修』

株式会社サイバーエージェント公式サイトより

インターネット広告事業を展開する株式会社サイバーエージェントは、資生堂ジャパン株式会社をパートナーとし、新入社員の男性向けに「肌マネジメント研修」を実施しています。

肌には日頃の生活習慣や内面が表れやすく、第一印象に大きな影響を与えるもの。同研修は、社会人としての見た目の気遣いを考え、最低限の身だしなみを整えることが狙いです。

先輩社員による、服装やメイクの「マナー」をテーマにしたパネルディスカッションの他、化粧水などを使ったスキンケアの実践も行います。

参考:~企業向け男性スキンケアセミナー第1弾~ 「人の印象は肌でも決まる。肌マネジメント研修 by uno」

▼株式会社CHINTAIの『暗闇入社式』

株式会社CHINTAI公式サイトより

賃貸物件の空室情報提供サービスを手がける株式会社CHINTAIでは、2014年度から真っ暗闇での入社式を行なっています。

従来「入社式」と言えば、役員講話が中心となったセレモニーをイメージするでしょう。しかし同社は入社式当日、新入社員と役員・部門長・人事担当の計10人ほどで、特別に作られた真っ暗な部屋に入ります。そこで新入社員の自己紹介や、少人数での対話を、計2時間以上も行うのです。

この手法は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」とも呼ばれ、対話の本質や、コミュニケーションの大切さを理解するのに適した手法です。社員数130名のアットホームな風土を活かした、同社らしいユニークな研修でしょう。

参考:産労総合研究所|事例No.143 CHINTAI

2)グループワーク

グループワークは、1つのお題(テーマ)に対してチームで協力しながら取り組む研修方法です。

目的によって、課題の切り口が異なります。

新入社員のコミュニケーション活性化を狙うならば、「与えられた材料を使ってできるだけ高いタワーを作りなさい」といった作業型が良いでしょう。一般的に「マシュマロチャレンジ」と呼ばれるものです。

対して「ブランドAの売り上げ向上のためのプランを考え発表してください」といったプレゼン型では、問題解決能力やビジネスセンスを測ることができます。

新入社員自身にとっても、アイデア出しや時間管理など、自身の得意作業を見極める機会にもなります。

▼株式会社リンクバルの『街コンイベント研修』

株式会社リンクバルより

日本最大のイベントECプラットフォーム「machicon JAPAN」やオンラインマッチングサービス「CoupLink」などを運営する株式会社リンクバルでは、新入社員研修で「街コンイベント」を主催します。

タスク内容は、街コンの企画から実施までの総プロデュース。期間は1ヶ月。新入社員がグループとなり、既存の街コンシステムの課題を解決することが目的です。

イベント実施のフローを学ぶことで、参加者にいかに満足してもらえるかとマーケター目線で考えることができたり、イベント当日は参加者の反応を直接見たり、やりがいも感じられるとか。

また問題解決にあたって、新入社員がそれぞれ自分の得意とするアプローチの仕方を考えるきっかけにもなります。

参考:リンクバルブログ|街コン運営をちょっとスマートにしたかった

3)レクリエーション

レクリエーションは、新入社員のやる気と団結力を高めるのに適した手段です。簡単に遊べるボードゲームから、本格的な脱出ゲームまで、企業によって内容は異なります。

老若男女かかわらず参加できるので、新入社員が話す機会の少ないマネージャー職以上の従業員と一緒に取り組めば、会話の糸口にもなれるでしょう。

▼株式会社アップガレージの『漫才研修』

株式会社アップガレージ公式サイトより

中古カー用品やバイクパーツの買取り・販売を行う株式会社アップガレージでは、新入社員が漫才を披露するという、ユニークな新人研修を行っています。

内容は、その場で組まされる新入社員同士が1日で考える「ボケ」と「ツッコミ」のネタを、なんと役員陣へ披露するというもの。着想やコミュニケーション力だけでなく、度胸も問われるような取り組みです。

同研修は、どんなことにでも「無理だ」と思って壁を作らず、自分の殻を破るきっかけとなることを目的としています。優秀なネタを作ったペアは、プロのお笑い芸人が出場するライブにも登壇できるそうです。

参考:新人がプロに教わる漫才研修 成功体験を通じて「やったらできた」経験を

▼国際自動車グループの『kmウォーキング』

国際自動車グループ公式サイトより

大手タクシー会社である国際自動車グループの新入社員研修は、都内約42.195kmの道のりを、少人数からなる班に分かれて歩く「kmウォーキング」が毎年の目玉となっています。夕方に出発し、夜通し都内を歩くものです。

決して楽とは言えないハードな環境を乗り越えることで、周囲との絆、歩ききった成功体験、そして道中やゴール・ポイントで応援してくれる先輩や上司との連帯感を育むことが目的です。

またドライバーとして配属される新入社員には、自ら東京の道を歩くことで、自分の職場となる街の地理や雰囲気を実感してもらうという狙いもあります。

参考:新入社員研修kmウォーキング「みんな仲間だ」2016を開催しました

4)ロールプレイ

ロールプレイとは、実際の業務で登場し得る役割になりきることで、ビジネスに関わる様々な立場の考えを理解する研修方法です。

営業職であれば「お客様」と「営業職」、アナリストであれば「クライアント」と「コンサルタント」などに扮し、ビジネス上での対応方法を学びます。

またロールプレイは、ビジネスマナーなど一般研修の手法にも適しています。

例えば「タクシーの上座・下座」を考えてみましょう。

新入社員であれば「下座」に当たりますので、助手席もしくは後部座席の真ん中に座ることが通常です。

これは、座学やインターネット検索で、いとも簡単に学ぶことができます。

しかし、以下のような状況ではいかがでしょうか。

出向帰りに、クライアント側の従業員1名と上司2人と自分の計4人でタクシーを共有することになったが、「宜しければタクシー内で先ほどの続きを相談しましょう」と自分を除いた3人が話している。

マニュアル通り、率先して後部座席の真ん中に座るでしょうか。

それとも、物理的に会話の妨げになってしまうことを危惧し、別の案を提案してみるべきでしょうか。

ロールプレイでは、新入社員にこうした一筋縄ではいかない体験をさせることもできるのです。

5)ケーススタディ

ケーススタディは、日常の業務で起こりがちな事例を元に、その時に求められる対応や解決法を考える研修方法です。

実際の業務で起こり得る状況の対応方法を身につけることが目的ですので、しばしば「4)ロールプレイ」とも並行して用いられます。

新人研修の場合は、電話対応やクレーム対応などが挙げられます。

▼株式会社青森ダイハツモーターズの『幼稚園研修』

株式会社青森ダイハツモーターズ公式サイトより

車のショールームを展開している株式会社青森ダイハツモーターズでは、5日間の「幼稚園研修」を実施しています。

同研修の目的は、来店する子連れのお客様への対応方法を実践的に学ぶこと。ショップに小さな子供がいることで、商品の説明中にどうしても気が逸れたり、満足に説明ができないといったケースが発生していましたが、子供との接し方や距離感を身に付けることで、家族連れの顧客満足度を上げることを目的としています。

ただ商品・サービスを売るのではない、年齢問わず気持ちの良いコミュニケーションを取ることが求められる職場には最適なOJT型のケーススタディと言えるでしょう。

参考:青森ダイハツモーターズ|幼稚園研修

6)配属先でのOJT

OJT(On the Job Training)は、企業の業務を実践的に学ぶ手法です。

就労経験自体が初めての新入社員には、仕事内容の具体的なイメージがついていない場合が多々あります。

そこで実際の仕事でのミスマッチを起こさないために、実際の現場を見られる研修手法は効果的です。

▼マルハニチロ株式会社の『OJTリーダー制度』

マルハニチロ株式会社公式サイトより

マルハニチロ株式会社では、入社式・合宿研修(2泊3日)・工場実習を終えた本配属後、全新入社員に1人ずつ各部署の「OJTリーダー」がつくユニークな制度をとっています。

以前は「職場指導者」という呼び名で新人教育が行われていましたが、受ける側が指導側の実力を超えて成長できないことや、指導者1人ひとりへの負担が大きいといった課題が浮かび上がりました。

そこで2012年に「OJTリーダー」と改称。指導側へのOJTリーダー養成研修(1日)も開始しました。OJTリーダーは、ラインの直属課長と組織目標や部門目標などの確認をし、各担当の新入社員への「育成指導方針」をすり合わせます。また新入社員は彼らとの頻繁なミーティングを通して「目標管理シート」を作成します。
担当指導員だけでなく、会社全体で新入社員を育成していこうとする姿勢が特徴的です。

参考:公式サイトおよび「OJT制度」でリーダーを中心に 職場全体での新入社員育成をめざす

このように、新入社員研修にも様々な方法があります。

例えば営業職であれば、自社の商品やサービス理解をOff-JT(座学)で行い、実際のクライアントへのアプローチをロールプレイで行うなど、目的に合わせて異なる研修手法を組み合わせるようにしましょう。

新入社員研修を成功させるために知っておくべき3つのポイント

新入社員のうちからぜひ身に着けておきたいスキル

新入社員研修の目的や手法を理解したら、次はカリキュラム設計…と思いがちですが、研修で失敗しないためには、少しステップが必要です。

ここでは、新人研修を成功させるために担当者が知っておくべき3つのポイントを解説します。

1)社員研修の正しい設計ステップを踏む

社員研修を設計するとき、皆さんはどのステップから着手していますか。

「新入社員になって欲しい従業員像」といったアウトプットや、「事後アンケートの満足度80%以上」などのKPIの設定でしょうか。

実は、成果ありきの研修に貪欲になってしまうと、社員研修自体が空回りしかねません

有意義のある研修を設計するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

1. 新入社員のレベル把握

ひとえに「新入社員」と言っても、スキルや適性には個人差があります。まずは受講者である新入社員のレベルを正確に把握しましょう。

事前にスキルを知っておくには、採用時にOJTを導入する、内々定の段階でオンライン課題を実施するといった方法があります。

仕事観を知るには、Webサイト上で回答できるオンライン・アンケートを実施しても良いでしょう。

2. 経営理念の理解の復習

経営に対する経営者自身の使命感。そういうものがなかったら、人を育てようと思っても人は育ちません

パナソニックの創業者・松下幸之助氏の有名な言葉です。

新入社員は研修を通して、企業の経営理念や事業内容を学びます。そこで研修担当者は、経営理念や方針をしっかりと理解し、彼らを導くことが重要です。

研修用の資料に自ら目を通したり、事業計画書を見直すなどして、改めて理解を整理することを忘れずにしましょう。

3. 経営陣・現場社員へのヒアリング

研修の目的や新入社員に身に付けてもらいたい内容は、企業の人材育成方針や、実際の業務で求められるスキルによって変わってきます。

そこで経営陣や現場の社員にヒアリングを行い、新入社員が身に付けるべきスキルを具体化しましょう。それをもとに、新入社員研修の目的や具体的な目標を設定していきます。

2)新入社員に高すぎる目標を立てさせない

新人研修の後半から最後にかけて、今後の行動計画を立ててもらうことはよくあると思います。

「もっと視野を広げる」「”ホウレンソウ(報告・連絡・相談)”を大切にする」など、新生活への意気込みを感じさせてくれるものも多いでしょう。

しかし、いざ配属となると、その計画が実践されないことが多いのも現実です。

なぜなら具体的な業務経験がないまま立てる行動計画は、単なる「言葉遊び」で終わってしまうからです。

対策としては、新入社員の立てた目標を、できるだけ具体化してあげましょう。

例)「”ホウレンソウ”を大切にする」

 →「上司に対して毎週月曜日の定例ミーティングの前に10〜15分ほど時間を取り、相談やフィードバックの時間に当てる」

業務のイメージが湧きやすくなる他、「毎週月曜日はミーティングなんだ」と自社のスケジュールを学ぶことにも繋がります。

3)新入社員研修で身につけさせるべきは「リーダーシップ」

新入社員研修で教えることは多岐にわたりますが、育成のポイントとして身につけさせるべきは「リーダーシップ」であると心得ましょう。

リーダーシップは、グループの全員が発揮するものです。

企業は自分一人ではなくチームとして成果をあげていくものですが、その中でも「アイデアを出す」、「意見を整理する」、「意見の食い違いをまとめる」といった様々な役割があります。

新入社員研修では、それぞれがどんなリーダーシップを発揮しやすいか問いかけてみるのも有効です。

上記3つのポイントを掴んだら、研修期間やカリキュラム(手法)を決めていきましょう。

企業によっては、既に研修の雛形があるかもしれません。しかし近年、社会動向や学生のスキルは目まぐるしく変わっています。

常に自社にとって最適な研修であるために、今一度、自社の研修内容を見直してみてくださいね。

社員の離職を防ぐには研修後のフォローこそ重要!

新入社員研修が終わったら、忘れてはいけないのがフォローアップです。

なぜなら、しっかりと事後サポートをすることで、数年以内の離職率が抑えられるからです。

実際に新入社員が早期退職してしまう理由を、大手人材紹介会社Adecoの調査で見てみましょう。

「あなたが新卒として所属した企業もしくは団体を、3年以内で退職した理由は何ですか?あてはまる理由を3つまで選んでください」という問いに対し、最も多く挙げられた理由は「自身の希望と業務内容のミスマッチ」(37.9%)でした。

Adeco公式サイトより

 自ら希望した企業ですから、入社当初は様々な魅力を感じていたはずです。

それにも関わらず「ミスマッチ」で退社するということは、研修で学んだことと実際の業務のすり合わせが十分でないことが一番に考えられます。

そこで新入社員には、研修直後〜3ヶ月目まで、人事担当者や直属の上司が具体的なサポートを心掛けましょう。

1ヶ月目:業務支援・関係構築に注力する

研修直後に注力すべきは、従業員同士や会社との関係構築です。

なぜなら入社時の印象は、その企業に対する長期間のイメージを左右するからです。

新入社員はさまざまな想い・不安を抱えて入社するため、面接時と職場の雰囲気が違えば、急に不安感や違和感を覚えます。

導入研修の初期と、配属直後の上司面談などで、

  • どんな気持ちで働きたいか
  • 入社するまでどんな気持ちだったか

を丁寧に確認しましょう。

「本当にこの会社でいいのか?」といった不安を取り除いてあげることが肝心です。

人事担当者は新入社員と関わる現場に研修内容を報告し、指導内容の引き継ぎやすり合わせをしておきましょう。

対策:社員全員に挨拶できる時間を確保する

新入社員が「この会社に入ってよかった」と安心するためには、会社全体から受け入れられている実感を得る必要があります。

そのためぜひ浸透させてほしいのが、部署全員への挨拶です。

新入社員は、既存社員のふるまいに想像以上に敏感になっているもの。

少ない時間で効率よく自己紹介をしてもらうために、既存社員の紹介シートを新入社員に渡しておくのも良いでしょう。

早くに従業員の顔と名前を覚えることができる他、趣味などプライベートな情報も入れておけば、会話の発端に繋がるかもしれません。

2ヶ月目:精神支援・ストレスケアに注力

入社2ヶ月目からは、新入社員が一人で業務をし始めることも多いのではないでしょうか。

この時期は、精神支援とストレスケアに注力しましょう。

押さえておくポイントは以下の2つです。

対策:新入社員が孤立していないか再度チェックする

ここでの孤立とは、業務に対して

  • 分からないことがあったとき、相談できる雰囲気があるか
  • 仕事の進捗を確認する体制があるか

を指します。いくら優秀な従業員でも、日頃の報告や、何かが起きたときに頼れる導線は確保しておかねばなりません。

そこで最初のうちは、1週間に1度ほどのペースで、近況確認の面談を行うことをおすすめします。

新入社員の業務に理解のある、直属の上司などが指導にあたりましょう。

対策:不用意に距離を置くような言葉を遣わない

新入社員にとって、配属先のリーダーは多大な影響力を持っています。

実際に、何気なく発する言葉ひとつでも、相手を遠ざけたり、遮断・否定する言葉をよく使う傾向があります。

例えば、以下のようなものです。

  • で?
  • だから?
  • それで?
  • どうせ
  • だったら

新入社員が悩みやミスを抱えていて、リーダーに対して冷や汗をかきながら報告する場面を思い浮かべてみてください。せっかく研修を終えていても、一気に意気消沈してしまうでしょう。

新入社員と接するときは、不用意に脅迫してしまうような言葉遣いは避けましょう。

3ヶ月目:振り返り支援とモチベーション付け

入社して3ヶ月が経つと、仕事を覚え始め、一人でもある程度業務がこなせるようになります。

これまでの研修や仕事を改めて振り返り

  • 自分がどんな位置にいるのか
  • 何がこれからの課題なのか

を振り返るサポートをしてあげましょう。

対策:導入研修のワークシートを使った面談を実施する

新入社員導入研修では、これからのアクションプランを書いたワークシートを作成することがあります。

そのときこそ宝物のように扱うメンバーもいる一方で、それ以降に見直す機会が少ないのも事実です。

しかし、本来そこには未来への希望・情熱とともに、研修のエッセンスが詰まっているはずなのです。

そこで配属後に導入研修のワークシートを使った面談を実施してみましょう。

継続的に行動することを意識づけられると同時に、導入研修がその後の行動に影響を与えていたか、新入社員自身が答え合わせをできるため「この研修は有効だったのか?」と判断するヒントになります。

対策:認められる場を用意してあげる

仕事を覚え始めた段階で、新入社員の「できる」を認めてあげることは、大いにモチベーションとなるでしょう。

  • 仕事で成果を挙げることができた
  • 前はできなかったことができるようになった

こうしたことを実感できるよう、フィードバックを伝えましょう。

【事例:エストコーポレーションの「オリジナル表彰制度」

エストコーポレーション公式サイトより

医療・福祉業界のエストコーポレーションが行なっている、従業員を褒めるユニークな制度もあります。同社は月に一度の全体朝礼で、以下の表彰式を行なっています。

・ 「笑顔が太陽で賞」
常に元気で明るく会社やチームの皆を活気づかせ、まわりを巻き込んで明るい場作りができている人に贈られる賞

・「チャレンジ精神ピカイチ賞」
自分が今までやったことがないことにチャレンジし、何 事にも主体的に行動できている人に贈られる賞

・「頼られやすいで賞」
事業部の垣根を超えて、どんなことでも頼りになる!何でも聞けてしまう!思わず頼りにしてしまう人に贈られる賞

受賞者は直径35cmの巨大サイコロをふり、出た目×3,000円がインセンティブとして支給されます。

結果、従業員のモチベーションが上がり、2010年より毎年平均約200%の売上成長をキープしています。

対策:ミスをした際は「反省会」ではなく「改善会」に

もし新入社員がミスをした際には、同じミスを起こさせないようにすることが大切です。

  • 何が問題だったのか
  • 誰が間違っていたのか
  • あれがダメだった

これらを伝えれば原因の追求にはなりますが、右も左も分からない新入社員の場合、モチベーションが下がりかねません。そこでミスへのフォローアップは、あくまでも改善材料を探す機会だと共有し、伝え方も以下のように変えてみましょう。

  • あれを直せば改善できるよ
  • この部分を直せば良くなるよ

言葉の印象だけでも新入社員の受け止め方は大きく変わるはずです。

新入社員研修には社内メンバーだけでなく外部の専門家・サービスも利用しよう

一口に新入社員研修と言っても、準備からフォローアップまで、大変な時間と労力がかかっていることが伺えたと思います。

数多くのステップを要する新入社員研修は、必ずしも人事担当者が一括して請け負うべきものではありません。

できれば以下のように責任を分散させましょう。

  • 社内で必要になる知識の教育:社内メンバー
  • 仕事の姿勢やリーダーシップの考え方:外部の研修サービス
  • 仕事をしながらリーダーシップやビジネススキルを身に着ける:現場の配属先

もちろん、社外の講師は、社内の専門知識まで教えることはできません。

一方で社内メンバーであっても、リーダーシップの伝え方やビジネススキルの教育はプロにおよばないこともあります。

また新入社員研修の内容がパッケージ化された外部サービスを利用することで、社内準備の効率化を測ることもできるでしょう。

人事担当者は研修の実行役ではなく、こうした各研修の適任者を配置したり日々のフィードバックを行っていくなど、コーディネーターの役割を担いましょう。

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まとめ

これから多くの知識や経験を吸収し活躍していく新入社員は、企業にとって大きな資産です。

それだけに、新入社員研修では、せっかく育成してきた従業員を失うことがないようサポートし続けることが大切です。

今回の内容を参考にしていただくことで、あなたの会社の一員となる新入社員が、かけがえのない人材となることを祈っています。

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