従業員エンゲージメント

従業員満足度とは?明日から実践できる5つの考え方と企業事例を解説

従業員満足度とは?明日から実践できる5つの考え方と企業事例を解説

少子化と高齢化の同時進行に伴う「労働力人口の減少」は今や深刻な問題です。

経営層にとって重要なことは、限りある市場からいかに優秀な人材を獲得し、入社後のパフォーマンス(=生産性)を高めてもらうことにあります。

その鍵を握るのが「従業員満足度(Employee Satisfaction)」と言っても良いでしょう。

社員がワクワクしながら満足度高く働ける会社でないと、優秀な人材の確保は競合他社に遅れを取ってしまいかねません。従業員満足度の低下=経営上の機会損失といっても過言ではないのです。

この記事を読んでいる方は

  • 従業員満足度とはどういったものか
  • 従業員満足度を高める手法が知りたい

と気になっていないでしょうか。

従業員満足度を高めることで

  • 離職率の低下
  • 社員のモチベーション向上、生産性のアップ
  • 業界内での人材確保

が期待できます。

今回は、従業員満足度の基本と、従業員満足度向上に取り組んでいる企業の成功事例を解説します。

また、従業員満足度を正しく計測し、改善の糸口をつかむ手法もご紹介します。

あなたの会社でも、明日から取り組める施策が見つかると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

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従業員満足度とは

まず、従業員満足度の定義についてお話しします。

従業員満足度を指すESとは「Employee Satisfaction」の略称です。

従業員の待遇だけでなく、

  • 福利厚生
  • マネジメント
  • 職場環境
  • 仕事のやる気、モチベーション

といった面で、会社で働くことの満足度を高めることで、個人・組織のパフォーマンスを向上させ、業績を向上できるというものです。

日本では顧客満足度(CS/Customer Satisfaction)という考え方が先に浸透した感は否めませんが、従業員満足度を向上させることで、スタッフが対外的にもモチベーション高く接することができ、結果的に顧客満足度も向上することが多いのです。

よって、これからの企業発展のために、従業員満足度という考え方は欠かすことができないと考えています。

従業員満足度が企業におよぼす影響

日本における健康経営推進

従業員満足度が企業におよぼす影響は、以下の3つで説明できます。

  • 労働生産性におよぼす影響
  • CS(顧客満足度)におよぼす影響
  • 人的資源におよぼす影響

たとえば、従業員満足度の高い企業は、やらされ感/イヤイヤ感を持っていないため、いかに生産性を向上させるかにメンバーが前向きに取り組めます。

顧客満足度に対しても、企業への帰属意識が高まるため、心のこもった対応が可能になり、結果顧客満足度も高まります。

CSは従業員満足度より前に日本では注目された概念ですが、従業員満足度を犠牲にしたCSはいつか崩壊します。

一時的に支持を得ることはできても、遅かれ早かれメンバーの企業へのロイヤリティは低下し、不満退職の増加・人的資源が蓄積しないといった状況が起こるでしょう。

従業員満足度の高い場合・低い場合で、企業にもたらす影響をまとめてみました。

従業員満足度が高い場合

  • 生産性:やらされ感がない/前向きな生産性改善・提案・チームのパフォーマンス向上
  • CS:心のこもった対応によるCS向上/CS向上による従業員満足度向上の相乗効果
  • 人的資源:会社へのロイヤリティ向上/紹介採用の増加/優秀な人材の定着・成長

従業員満足度が低い場合

  • 生産性:やらされ感がある/生産性向上に踏み切れない・積極的に推進しない/必要なことだけやっている
  • CS:心のこもった対応ができない/長期的にCSも低下する
  • 人的資源:会社へのロイヤリティ低下/不満退職

ある統計では、入社して3年以内に正社員が退職すると、1,000万円以上のコスト損失になってしまうというデータもあります。

それが10人になれば単純計算で1億円のコスト損失です。

エース級の人材が辞めてしまった場合は、更に損失が大きくなります。

エース級の人材が辞めてしまった場合

  • 顧客流出につながる
  • 他社員の連鎖反応的な退職
  • 会社の士気低下

といったダメージがあります。

逆に、従業員満足度が高い企業は、評判が評判を呼び、紹介採用や競合からの優秀な人材流入も期待できるでしょう。

従業員満足度を高めることは、企業の経営課題といっても良いものです。

  • 利益
  • 顧客満足度

と同等、むしろ長期的に見ればそれ以上に重視すべきものだと考えています。

従業員満足度を左右する金銭報酬と非金銭報酬

従業員満足度を高めるためには、従業員が仕事に対する対価(報酬)を何で得るかを知る必要があります。

ハーズバーグ(1923-2000)の研究によれば、金銭報酬は少ないとネガティブな感情を呼び起こす一方、多く与えたからといってやる気やポジティブな感情とは比例しない「衛生要因」と定義されています。

企業が金銭報酬を社員に提供するのには、限界があり、しかも報酬を上げたから従業員満足度に直結するものではないのです。

金銭的報酬だけでない、非金銭的報酬を正しく理解し、従業員のモチベーションアップにつなげることが大切です。

  • 金銭的報酬
  • 非金銭的報酬

を含む、総報酬という考え方を以下に示します。

総報酬

従業員満足度を構成する5つの要素

従業員満足度を構成する要素

次に、従業員満足度を構成する主要な要素について解説します。

(1)ビジョンへの共感

企業がどんなビジョンを持っているのかは「その会社での働きがい」を左右する重要な要素です。

このビジョンがしっかり浸透していると、

  • メンバーが会社に期待感、ワクワク感が持てる
  • 会社の一員であることに誇りを持てる

といった効果が見込めます。

たとえば、あなたの会社は以下の質問に対して、すべての社員が「YES」と回答できるでしょうか?

  • 自社のビジョン・ゴールを説明できるか
  • 自分の上司から、組織のゴール・目標を聞いているか
  • あなたのチームのメンバーは、組織のゴール・目標を知っているか

これに疑問符がつくようだと、あなたの会社のビジョン共有・共感には、まだ課題があるといえそうです。

近年の調査によると、従業員満足度の高い組織ほど、ビジョンへの共感が高い傾向があることが判明しています。

自分が生活をかける会社がどんな道を歩もうとしているのか、が働く上での満足度を左右するといってよいでしょう。

企業を船にたとえれば、

  • 目指す目的地がはっきりしている
  • その目的地を目指したいとメンバーが思える

場合、その一員であることは満足感につながるということです。

注意点:無理に「ワクワク」させようとしていないか

ビジョンへの共感は、従業員満足度を向上させるために必要な要素ですが、無理に「ワクワク感」を求めすぎるとマイナスな結果になりかねません。

組織改革や従業員満足向上施策に取り組むとき、経営者が陥りやすい落とし穴といってもよいでしょう。

たとえば、以下のようなことです。

  • 笑顔での元気な挨拶を強制する
  • ワクワク運動で「どんな仕事も」ワクワク感を持って取り組むように強制する

この「どんな仕事も」というのがポイントで、最終的にはこういった状態になるのがベストですが、取り組みの頭からこのようなゴールを求めすぎると、社員には負担になります。

どうしても業務上、ワクワクしにくいものも存在するため「ワクワク感」より「やらされている感」が勝ってしまいます。

満足度向上に取り組む場合、

  • モチベーションを持ちやすい業務に限って、ワクワク感を持てるように動機づけする
  • 退屈、嫌な仕事を「まんざらでもない」と思えるような働きかけ

などからスタートすることをおすすめします。

(2)マネジメントへの納得感

マネジメントへの納得感

会社から管理される立場の従業員が、実際にどんな管理や処遇を受けているか。

日々会社の中で受けるマネジメントに納得しているかどうかも、従業員満足度の構成要素です。

上司のなにげない一言で傷ついたり、また救われたりといったように、上司のマネジメントによって従業員満足度は変動します。

  • 上司から認められているという承認感
  • 部下の想いを汲んだコミュニケーション

などが非金銭報酬として機能し、従業員満足度を高めている事例も多くあります。

また、上司のマネジメントが原因で従業員満足度が低下している場合であっても

  • 上司(管理者)のスキル不足
  • 上司(管理者)自身の従業員満足度が低下している

といった2つのパターンが想定されます。

どちらに原因があるかを特定し、

  • 前者の場合:教育プログラム・研修による改善支援
  • 後者の場合:管理者の満足度を高めるための総合的な支援

を検討するのがおすすめです。

承認感を与えるひとつのヒント:権限委譲をしている

メンバーに承認感を与え、前向きに業務に取り組んでもらえる状態を作るひとつのヒントが「権限委譲」です。

人はそれなりの権限を与えられていると、主体的・前向きに仕事に取り組むことができる傾向があります。

指示されて動いてばかりでは、上司のOKをもらうために仕事をしている状態になりかねません。

自社ではメンバーに権限委譲をする文化ができているか、見直してみるのもおすすめです。

たとえば、仕事を依頼するときに

  • ゴールを説明したうえで、やり方は任せる
  • 最初の判断は任せてみる

といったことです。

その一方で、任せっぱなしでは「丸投げ」に近くなってしまい、メンバーの承認欲求が満たされずにフラストレーションが溜まる結果になるので、継続的なフォローが必要です。

権限委譲ができていないと、管理職に業務が集中し、彼らの働きがい・パフォーマンスが低下し、組織全体に悪影響をおよぼす可能性もあるわけです。

(3)社会・業績への参画度

働くことでどれだけ社会に貢献できているか、会社の業績に影響を与えているか。

また、自己成長を感じ、今後のキャリアをイメージできるかどうかも従業員満足度を左右します。

仕事の社会的意義が感じられなかったり、自分が成長できていると感じられない場合、従業員満足度が下がることもあります。

また管理部門・間接的部門であることにより達成感が得にくい職種も、従業員満足度の課題となることも少なくありません。

これらは次項の企業風土とも密接にかかわっており、

  • 経営層からビジョンの共有やコミュニケーションが頻繁にある
  • メンバーが上司・部下かかわらずお互いに承認し、関心を持つ文化である

といった場合、働きがいを感じ、満足度高く働ける傾向にあります。

(4)企業風土が快適か

企業風土が快適か

ITの発達によって情報伝達のスピードは上がったものの、その一方で

  • コミュニケーションの低下
  • 一人あたりの業務負荷増加

によって、組織全体が殺伐としていき、従業員満足度が低下しているケースもあります。

人が一定数集まれば、そこには必ず風土が形成され、コミュニケーションの方向性を決定づけます。

従業員満足度を高める企業風土の一例は

  • 社員が柔軟にコミュニケーションをとれる
  • メンバー間で関心を持ちあう

といった風土・文化を実現することだと考えられます。

企業風土が改善されることで、(1)に挙げたようなビジョンの浸透や、上司とのスムーズなコミュニケーションによる(2)マネジメントの納得感の向上も期待できるでしょう。

(5)職場環境は快適か

職場環境は快適か

職場環境もまた、生産性やモチベーションに大きく影響します。

  • 充実した就業環境・サポート
  • 従業員に配慮された活用しやすい福利厚生
  • ワークライフバランスを実現する就業規則
  • 基本的な労働条件が整備されていること

などがこの要素に該当します。

充実した福利厚生(休暇やサービス)を社員に提供していることが、企業選択を左右する事例も少なくありません。

女性比率の多い企業
ちなみに、女性比率の多い企業ほど、この職場環境の快適さを重視する傾向があるという調査結果も見られます。

政府が掲げる「働き方改革」の柱のひとつが、女性や高齢者などの労働参画による労働力人口の増加であるため、この項目は今後、従業員満足度を向上させるうえで非常に重要な項目になってくる可能性があります。

福利厚生のおすすめサービスについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説

従業員満足度を高めている企業の好事例を解説!

従業員満足度を高めている企業の好事例

ここでは、実際に社内での取り組みや施策によって、従業員満足度を高めている企業の好事例をご紹介しましょう。

以下の4つの企業です。

※事例ピックアップに際し、沢渡あまね著「働く人改革」を参考にしました。

  • 株式会社カウネット
  • 株式会社ラクーン
  • ジヤトコ株式会社
  • From One’s Heart株式会社

株式会社カウネット:リフレッシュルームをリフォームし、自社製品への興味がわく空間に

株式会社カウネット
※参照:株式会社カウネット

従業員満足を左右する職場環境。自社製品への関心を高めるとともに、その改善に取り組んだのが「株式会社カウネット」の事例です。

カウネットは、東京都大田区にあるオフィス用品通販サービスの企業です。

  • 社員に自社製品をもっと知ってもらう
  • いい商品のヒントとして、他社製品も知ること

を目的として、リフレッシュスペースをショールームに改築しました。

自社の製品・他社製品について知ることは、従業員満足度のための(3)社会・業績への参画度に直結しますが、強制的に勉強会をしたり、ショールームを作るのでは「社員の方から自発的に知ろう」とする動きにはつながりにくいものです。

そして、当時のリフレッシュルームは老朽化も進んでおり、古びた感じがしていたそうで「職場環境を向上させる」意味でも有効な取り組みだといえます。

社員の反応もよく、2017年に実施した調査では、90%以上の社員が見た目・使い勝手について「よくなった」と回答したそうです。

株式会社ラクーン:長距離通勤脱出を会社がサポートする「近距離通勤支援」

株式会社ラクーン
※参照:株式会社ラクーン

職場への通勤時間も、職場環境のひとつ。日本のビジネスマンは、仕事を始めるときに長距離通勤で疲れきっているというのもよく指摘されることです。

朝の長距離通勤での疲れは、仕事のモチベーションやワークライフバランスにも大きく影響します。

その改善に取り組んだのが株式会社ラクーンの事例です。

同社は東京都中央区に本社をかまえる、ネット上の流通サービスや決済、保証事業を手がけるベンチャー企業です。

ここでは、会社に3キロ以内に住む社員に月2万円の手当てを支給する「近距離通勤支援制度」を導入しました。

住宅手当自体は珍しくないものの、近距離に限定した制度は新しいといえます。

その狙いは

  • 長距離と近距離通勤による交通費の格差解消(会社のお金は全従業員の資産であるという考え)
  • 近距離通勤の促進による、社員のワークライフバランス改善

にあります。

社内結婚のメンバーや、大半の独身者がこの制度を利用しており、自転車で通勤しているそうです。

近距離通勤になると、メンバーには

  • 満員電車の憂うつから解放される
  • 会社が終わって早く家に帰り、プライベートの時間を持つことができる

というメリットがあります。

ワークライフバランスは、単に業務を削減するだけでなく、社員がプライベートに早く移行するための取り組みも必要と教えてくれる好事例です。

また同社は、社長が「自分が社長である限り、本社を東京・日本橋から移転しない」という宣言をしています。

本社・勤務地の移転は、乗り換えの心理的・体力的負担や子育ての不安につながりかねません。

その点で、社員に安心して働いてもらえるようにとの配慮だそうです。

ジヤトコ株式会社:役員から率先して会議のスリム化に取り組む

ジヤトコ株式会社
※参照:ジヤトコ株式会社

ジヤトコは、静岡県富士市にある変速機・自動車部品の製造、開発、販売を手がける企業で、日産自動車グループの部品開発メーカーです。

会議・ミーティングは会社の運営に不可欠な存在である一方、企業によっては

  • 形だけの参加になっている
  • 会議中に「内職」をしている
  • 眠気を我慢して参加している

といった、残念なケースが見受けられるのも事実です。

そこで同社では、会議のスリム化に取り組むため「会議面積」を以下のように定義しました。

会議面積=参加人数×時間

こうして導き出される会議面積を削減していこうという取り組みです。

そして、以下の原則を徹底しました。

  • 会議参加者は議論への参加を必要条件とし、議論参加可能性が低い場合参加しない
  • 課題プレゼンターを必要とする場合、追加参加者を認める
  • 従来のメンバーは任意参加者として開催通知を配信、参加要否は本人判断
  • 情報展開が目的の会議は開催を取りやめる(情報は別途展開)

ここまでであれば他の企業でも見られることだと思いますが、同社では「トップの会議体=経営会議」から会議面積の削減を行いました。

経営会議の参加メンバーからは懸念も出たものの、1年ほどの継続で、現在では経営会議の参加メンバーが月間120人ほどから60人と半減しているそうです。

この動きは会社全体の会議面積削減にもつながってきており、トップから改革を行うことで、現場に浸透させようとする好事例といえます。

From One’s Heart株式会社:福利厚生パッケージサービスを導入し正社員登用の促進が出来た事例

従業員の多様化する働き方ニーズに答えるべく福利厚生パッケージサービス ベネフィット・ステーションを導入し、従業員満足度を向上できた事例が立川ワシントンホテルの運営会社であるFrom One’s Heart株式会社の事例です。

昼夜問わない働き方、幅広い社員構成が特徴のホテル運営業、社員ひとりひとりのニーズに応じた幅広い福利厚生が求められており、そんなニーズに答えるべくベネフィット・ステーションを導入しました。

雇用半年からベネフィット・ステーションの利用権が付与されるため、加入を楽しみに日々のモチベーションに繋がっている社員が多いとのことです。

また、「社員を一番大切にしたい」という会社の思いが社員に伝わり、パート・アルバイト社員の正社員登用促進への貢献も期待されています。

<人を一番大切にしたいという強い想いから福利厚生を導入し「正社員登用の促進と採用力の強化」の課題を解決できた事例>にて詳しく解説しております、こちらも合わせてご確認ください。

本当に満足している?従業員満足度を計測する方法

従業員満足度を計測する方法

ここまで、従業員満足度の考え方と重要ポイント、企業の好事例をお話ししてきましたが、満足度を向上さるためには従業員満足度を正確に把握する必要があります。

最後に、組織改革に取り組む企業でも採用されている

  • 従業員満足度アンケートの設計
  • 従業員満足度の分析方法

をご紹介します。

従業員満足度アンケートの設計

自社の従業員満足度を正しく把握するためには、アンケートによる情報収集が有効です。

しかしアンケートの落とし穴として、「満足度」を測るためだけのアンケートになってしまうケースがあります。

  • 満足度
  • 重要度

の2つの尺度で5段階評価してもらうことで、やる気やロイヤリティとの相関、そして社員が重視している項目にどれだけ満足しているかといった現状を把握することができます。

フリーコメントを記入してもらうことで定性的情報を収集できると、定量数値の背景にある事象・課題をより正しく掴むことができます。

以下に、従業員満足度アンケートの作成事例を載せておきましょう。

ESアンケートの事例
※参考:「顧客と会社を幸せにするES経営の鉄則

従業員満足度のポートフォリオ分析の方法

アンケートで従業員の本音を収集したら、ポートフォリオ分析によって自社の従業員満足度の強み・弱みを発見することが可能です。

これは筆者自身、自社でアンケートを実施した際に活用したフレームワークです。

多くの人材研修・コンサルティング企業で導入されている手法のため、見たことがある方もいるかもしれませんね。

この機会に、その実態と活かし方を知っておきましょう。

従業員満足度のポートフォリオ分析

これは先ほど述べた「満足度」「重要度」の2軸から分析することで

  • 自社が改善すべき項目
  • 優先順位

が把握できるフレームワークです。

たとえば、上記でいうところの「改善検討項目」とは、満足度は低いものの、従業員の中で「そこまで重要と考えていない」項目といえます。

そのため、改善の優先順位はある程度下げても良い、という判断ができます。

各フレームについて詳細を解説しましょう。

強み強化項目:満足度高&重要度高

このフレームワークの右上に属するカテゴリーは満足度が高く・重要度も高いという項目です。

自社の従業員満足度における強みと考えて良いでしょう。

  • 自社の社員が働き続ける要因
  • 社員の動機付けと直結している要因

ということができ、採用活動で伝えるべき強みにもなります。

このスコアを維持しながら強化する取り組みをすることで、従業員満足度に直に反映させることができるでしょう。

重点改善項目:満足度低&重要度高

このフレームワークにおいて、もっとも重要度が高いのが右下のゾーン、つまり重要度が高いと考えられている一方、実際の従業員満足度は低いという項目になります。

そのため、従業員満足度向上のために最優先で取り組む必要があるものです。

改善検討項目:満足度低&重要度低

左下のカテゴリーは、従業員の満足度は低いものの、同時に重要度も低いと考えられています。

そのため、改善の検討はしつつも、優先順位は高くない項目と判断できます。

重要改善項目について取り組んだ後で、対策を検討すれば良いでしょう。

現状維持項目:満足度高&重要度低

左上の項目は、従業員満足度は高いものの、重要度は低いと考えられています。

そのため、これ以上の改善に取り組んでも直接的な効果があまり期待できないゾーンとなります。

現状維持ができれば問題ないといって良いでしょう。

これらのフレームワークの結果見えてくる傾向は、同じ企業であっても、部署やチームによって違いが出ることが多くあります。

実際、筆者が所属する企業において、いくつかのグループ会社とその中の各部署でこれらのフレームワークを実施したところ、

  • グループ会社間での傾向の相違
  • 同じ会社でも部署による傾向の相違

が強く現れました。

さいごに

今回の記事では、従業員満足度を理解していただき、自社で明日から取り組みを始めるための必要知識をお話ししました。

上記でお伝えしたようなポイントを押さえた施策をすることで、従業員満足度の向上がスムーズになるでしょう。

改めてお伝えすると、従業員満足度を高めることで、

  • 離職率の低下
  • 社員のモチベーション向上、生産性のアップ
  • 業界内での人材確保

が期待できます。これからの時代、真剣に取り組む価値は大いにあります。

社員が活き活き働ける会社にするために、今回の内容をぜひ参考にしてください。

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労働力人口が減少している今、一部の調査では日本で働く人の70%は“やる気がない”とも言われています。

優秀な人材が辞めてしまう…
営業のモチベーションが上がらない…
職場に活気がなく生産性が上がらない…

上記のような問題は、社員のモチベーションを向上させることで解決ができます。
モチベーションの向上は社員のエンゲージメントを高め、労働生産性の向上にもつながります。

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