コラム

第16回:「同一労働同一賃金」に向けた企業の対応について(第15回のつづき)

前回大企業において「同一労働同一賃金」への対応が進んでいない理由として、多様化した雇用区分、法解釈の幅の広さ、待遇改善の優先順位、改善原資の確保の問題を指摘した。以下では、これらの課題の対応を進めている事例や対応方法案を提示し、解決策を探っていく。

まず待遇改善の優先順位付けである。ガイドラインに例示されている待遇差から真っ先に改善を図りたい。その理由は例示されており真っ先に目に付く待遇差だからである。待遇改善での課題は、「法解釈の幅の広さ」と「改善原資の確保」であるとしたが、ガイドラインに例示されているものは解釈の余地はなく取り組みやすい。その中でも原資の確保が不要な待遇から改善を進めると良い。

更衣室、休憩室、食堂といった仕事をするうえで不可欠な福利厚生施設は同一の利用とする。次に特別休暇および法定超有給休暇の同一支給である。これも目に見える追加原資は不要で取り組みやすい。

手当は仕事関連の手当(役職手当、作業手当、勤務手当、精勤・皆勤手当、残業・休日出勤の手当の割増率など)と福利厚生的手当がある。福利厚生的手当は、食事手当、地域手当、通勤手当が例示されている。

食事手当は、就業時間内に「食事のための休憩時間がある」従業員には正規・非正規にかかわらず支給しなければならない。食事手当・食事補助を支給している企業は、民間企業が今年実施した調査では、32%と年々低下傾向にある。支給額は平均で月額6855円であり、非正規にも支給するとかなりの負担増となる。

食事手当は、社員食堂のある事業所とない事業所との公平性を確保するために支給されるが、一般に非正規従業員は転勤がなく不公平に配慮する必要が薄い。また食事手当には社員食堂にある税制上・社会保険上の有利な取り扱いもなく、支給額の1/3程度が税や社会保険料で控除される。こうした手当を非正規にも支給するのは事業主にとっても費用対効果が良くない。しかし一方で非正規との待遇を同一とするために正規への食事手当を廃止するのはガイドラインでは望ましくないとしている。

これに対応する事例として、ある金融機関の取組みを挙げたい。同金融機関では、正規従業員に対して月額3500円の食事手当を支給していたがこれを廃止し、廃止によって生まれた原資で、非正規従業員も対象とするカフェテリアプランを導入した。労働力が多様化するなかで、食事費用だけをとくに支援するのではなく、育児費用やスポーツなどの健康増進費用、自己啓発費用などそれぞれのニーズに合った費用支援をすべきという考え方である。原資は単純計算では3500円×12月=42000/年・名となるが、非正規にも配分することから、正規従業員35000ポイント(1ポイント=1円)、非正規従業員25000ポイントの付与とした。

付与ポイントの差は「働き方」の差に基づくものである。カフェテリアプランのメニューになかに「食事補助メニュー」も採用するので引続き食事補助を得ることも可能であり、従業員の納得性を高めている。

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