コラム

第17回:ガイドラインに明記されていない福利厚生的手当について

多くの非正規従業員はその勤務する事業所での採用であり転勤や異動がない。基本給や時給にはその地域の物価が反映されていると考えられるため、福利厚生的手当である地域手当の支給は、ガイドラインでは不要とされている。

一方、ガイドラインに明記されていない福利厚生的手当に、配偶者手当や子ども手当(総称して家族手当または扶養手当)がある。支給の目的は、扶養家族数に応じた従業員の生計費の負担増に対する補填である。これにより、給与を生計のための収入としてみた場合の従業員間の平等性が担保されてきた。

民間企業が今年実施した調査では、実施率は78%と非常に高い。同じ調査で、支給額は配偶者と子ども2人分で、平均で月額31003円となっている。

「同一労働同一賃金」の施行は、配偶者手当を見直す良いタイミングである。ほとんどの企業では、支給要件を「配偶者の年収が103万円以下」としている。配偶者がフルタイムで働き、年収が103万円を超えると支給されず、結果的に配偶者の労働市場への参入を抑制している。国策である「働き方改革」に逆行している。

厚生労働省が20164月にまとめた「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書」では、配偶者手当は「夫婦間の性別役割分業が⼀般的であった⾼度経済成⻑期に⽇本的雇⽤慣⾏と相まって定着してきた制度であるが、⼥性の就業が進むなど社会の実情が⼤きく変化している中、税制・社会保障制度とともに、就業調整の要因となっている」と問題視している。配偶者手当の見直しの事例を①配偶者手当を廃止し、基本給などへ組み入れ、または子ども手当などの増額、②家族手当を廃止し、または配偶者を対象から除外し、相当部分を基本給等に組み入れ、③家族手当を廃止し基礎能力に応じて支給する手当を創設、④「配偶者手当」を縮小などに分類している。

「同一労働同一賃金」の趣旨でいえば、配偶者手当の支給目的が、収入の少ない配偶者がいることによる生活費の補填であるから、正規従業員にだけ支給するのは不合理であるといえる。

よって、①廃止し、それを原資に非正規にまで家族手当を支給する範囲を拡大する、②家族手当を含めて廃止し、それらを原資に新たな待遇の原資とする――のいずれかが考えられる。

女性従業員比率の高いA社の見直し事例(図表)では、扶養家族手当を見直し段階的に廃止した。支給対象が「世帯主」であるため、結果的に対象者に男性が多く、女性従業員にとって不公平となっていた。

見直しでは、原資総額は変えず、給与および子ども手当の増額に原資を移行した。十分な予告期間を置いたため、経過措置は設けなかった。

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