福利厚生

いま、企業が福利厚生に「卵子凍結」を導入するメリットとは!?

サービスや商材を導入する方法を検討している従業員

近年、女性の社会進出が進む一方、キャリアにおける妊娠・出産のタイミングについて悩みを持つ方が少なくありません。

こうした中、女性のキャリアの可能性を広げる選択肢として、「卵子凍結」に注目が集まっています。企業においても、女性のキャリアとライフプランの両立を支援すべく、卵子凍結を福利厚生に取り入れる企業が増えつつあります。

そこで、この記事では卵子凍結を福利厚生に導入するメリットや注意点について、詳しく解説していきます。

東京都も費用の助成を開始。関心が高まる卵子凍結とは

卵子凍結とは、女性の卵子を採卵した上で、冷凍保存しておくことを指します。女性が将来、妊娠を希望する際に、卵子を解凍して体内に戻すことで、妊娠の可能性を高めることができます。

女性は、35歳を過ぎると妊娠率が低下し、また流産率が増加する傾向があります。これらの主な原因とされているのが、加齢による卵子の質の低下です。

女性は一生分の卵子を持って生まれ、その数は増えることはありません。そして、卵子の質は加齢とともに低下していきます。

卵子凍結は、こうした課題を解消するための方法のひとつで、年齢が若いうちに質の高い卵子を保存しておくことで、妊娠の可能性を高めることを目的としています。

卵子凍結は、悪性腫瘍など疾患の治療により女性の卵巣機能の低下が予測されるようなケースで、女性が将来的に妊娠を希望する場合に選択される療法として知られています。

しかし最近では、「『2人の間に子供が欲しい』と思えるパートナーがいない」「キャリアアップや趣味等、妊娠以外にやりたいことがある」「今すぐ妊娠することが現実的ではない」といった理由から、卵子凍結を希望する女性が増えています(※)。

(※)東京都福祉局 子供・子育て支援部「卵子凍結への支援の検討に関する状況調査結果」より抜粋

https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/touketsu/joukyouchousa.files/ranshi-chousakekka.pdf

卵子凍結にかかる費用

卵子凍結は、キャリアの幅を広げることができるという点で、働く女性にとってもメリットの多い選択肢といえます。しかし、卵子凍結については、妊娠した場合の安全性も含め、未だ明らかになっていないことも多いため、その判断には慎重さが求められます。

加えて、卵子凍結を実施するにあたって、女性にかかる経済的な負担についても注意が必要です。受診する医療機関にもよりますが、卵子凍結には30100万円程度かかることが一般的です。

こうした中、少子化対策の一環として、卵子凍結費用に対する助成制度をスタートする自治体が注目されています。例えば、東京都では、令和5年度から制度がスタートしており、卵子凍結費用のうち最大30万円が助成される仕組みとなっています。 

ただ、このような制度を導入する自治体はまだまだ少数で、卵子凍結を希望する女性の受け皿としての効果は限定的です。そこで最近では、企業が福利厚生の一環として卵子凍結費用をサポートするケースが増えつつあり、注目を集めています。

中でもいち早く取り入れたのは、Facebook社(現Meta社)です。同社が2014年に福利厚生の一環として卵子凍結費用のサポートを開始して以降、アメリカではGoogleAppleなどの巨大企業が同様の制度を導入しており、こうした動きは国内企業においても広がりを見せています。 

福利厚生に「卵子凍結」を導入した日本企業の事例

パナソニック コネクト社:卵子凍結費用を最大40万円補助

パナソニック コネクト社では、女性従業員の自律的なライフプラン設計を支援することを目的に、202310月より卵子凍結への費用補助を開始しています。

この制度では、34歳以下の女性従業員を対象として、卵子凍結を行うクリニックに対して支払う採卵・凍結費用について、40万円を上限として補助。さらに、対象となる従業員はグレイスグループ社が提供する卵子凍結管理サービス「Grace Bank」を利用することができます。

サイバーエージェント社:既存の女性活躍促進制度に卵子凍結補助を追加

サイバーエージェント社では、2014年より女性活躍促進制度「macalonパッケージ」を導入し、女性特有の体調不良のための休暇制度や、各種妊活支援制度を設けるなど、社員が長く継続して働くことができる職場環境の向上に取り組んでいます。

同社は、この制度の一環として卵子凍結補助を導入。また、従業員が卵子凍結について正確な知識を得た上で同制度を利用できるよう、専門医による社員セミナーを実施するなどの取り組みを行っています。

ジャパネットホールディングス社:40歳未満の全女性従業員を対象に、卵子凍結費用にかかる費用を補助

ジャパネットホールディングス社は、従業員一人ひとりのワークライフバランスを意識した職場環境の向上のための取り組みを、2015年から本格化してきました。具体的には、出生祝い金の進呈や託児所の設置、子ども向けイベントの開催といった取り組みが挙げられます。

そんな同社は、ライフスタイルやキャリアプランの選択肢が広がる社会を目指し、卵子凍結管理サービス「Grace Bank」を提供するグレイスグループ社に対し、約2.4億円を出資。さらに、女性従業員が卵子凍結をする際の、検査から採卵にかかる諸費用を最大40万円まで補助する制度を導入しています。

福利厚生に「卵子凍結」を導入する3つのメリット

では、企業が福利厚生の一環として、女性従業員の卵子凍結費用をサポートすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主な3つのメリットをピックアップして解説していきます。

メリット1:従業員のキャリアの柔軟性を高められる

「キャリアでは重要な時期だが、ライフプランを考慮すると、妊娠を優先せざるを得ない…」

福利厚生制度で卵子凍結費用をサポートすることで、女性従業員のこのような悩みを解消し、仕事に集中できる選択肢を残せるようになります。

メリット2:従業員のエンゲージメントを高められる

前述した通り、企業が福利厚生の一環として卵子凍結費用のサポートを導入し始めたのは、それほど遠い過去のことではありません。その点で、卵子凍結費用のサポートは、企業にとって先進的な取り組みと言えるでしょう。

そうした先進的で個人のライフスタイルに寄り添った取り組みを実施することで、従業員が自身の将来をサポートしてくれると感じれば、エンゲージメントの向上が期待できます。

メリット3:ブランド力や採用力の強化にもつながる

少子高齢化が加速する中、企業にとって人材の確保は喫緊の課題となっています。特に優秀な女性人材を惹きつけ、確保するため、家庭と仕事の両立を支援する福利厚生の重要性はかつてなく高まっていると言えるでしょう。

こうした状況の中、福利厚生の一環として卵子凍結費用をサポートすれば、キャリア志向の強い女性に企業の魅力をアピールすることができ、ブランド力はもちろん、採用力の強化にもつながるでしょう。

福利厚生に「卵子凍結」を導入する際の注意点

このように、福利厚生の一環として、女性従業員の卵子凍結費用をサポートすることで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。一方で、実際にそうした取り組みを導入する場合には、実務として福利厚生事業を担う人事・労務部門の負担増に注意が必要です。

具体的には、制度設計や承認フロー設計、従業員との書類のやり取り、保管といった業務の負担増が懸念されます。近年、働き方改革にまつわる法改正や感染症対策などへの対応で人事・労務部門の負担がこれまでになく高まる中、さらなる業務負担を強いることに対して懸念のある方もいらっしゃるでしょう。

そこで、こうした課題を解消する方法として、福利厚生のアウトソーシングサービスに注目が集まっています。

福利厚生のアウトソーシングサービスとは、それまで企業の中だけで提供していた福利厚生を外部企業に委託することで、代行してサービスの内容を考えたり、提供手続きを行う、というものです。

※詳細はこちらの記事をご一読ください。

https://bowgl.com/fringebenefits-outsourcing/

福利厚生のアウトソーシングサービスの中には、卵子凍結に関連するメニューを提供しているところもあります。そうしたサービスを導入することで、人事・労務部門の負担を増やすことなく、福利厚生に「卵子凍結」を導入するメリットを享受することができます。

「卵子凍結」に関するメニューも充実! ベネフィット・ステーション

株式会社ベネフィット・ワンでは、従業員の多様なニーズにワンストップで対応できる福利厚生アウトソーシングサービスとして、「ベネフィット・ステーション」をご提供しています。

ベネフィット・ステーションの140万を越えるメニューの中には、卵子凍結に係る費用を一部割引するサービスも含まれています。そのため、人事・労務部門のご担当社様の負担を増やすことなく、福利厚生に「卵子凍結」を導入いただけます。

女性従業員のエンゲージメント向上や、採用力強化に課題を持つ企業の方はぜひお気軽にご相談ください。

総合福利厚生サービス ベネフィット・ステーション

ベネフィット・ステーションは、従業員満足度を向上し、健康経営やスキルアップを促進する総合福利厚生サービスです。

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140万件以上のメニューを取りそろえています。

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