コラム

第8回:非正規従業員の待遇改善を図る際の課題について

 非正規従業員の待遇改善を図る際の課題として「待遇の改善対象・改善度合」が挙げられる。待遇改善のための原資は上限なく拠出できるわけではなく、また投資対効果も考慮する必要があるため、様ざまな判断基準をもとに決定していくことになる。

 判断基準の一つとなるのが「対象となる従業員の範囲のバランス・整合性」である。従業員の待遇はすべて人事関連の諸規程・規則で定められている。規程は一般的に、第1条で待遇の目的を謳っており、第2条では規程の対象となる従業員の雇用区分が定められている。雇用区分とは、執行役員、社員、専任社員、嘱託社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトといった区分である。

 表はある東証一部上場のサービス業における、企業内の福利厚生に関連する待遇とその対象となる雇用区分の一覧である。正規従業員である総合職と専任職は、すべての対象となっている。一方で契約社員、嘱託、パートタイマー・アルバイトは非対象となっている待遇もある。

このように一覧にすると、現状の待遇差が把握でき、各待遇の規程を見直す際の参考とすることができる。

また、来年4月(中小企業は2021年4月)に施行となる「パートタイム・有期雇用労働法」第14条で、事業主には非正規従業員に対して、正規従業員との待遇差について説明する義務が課せられている。このような一覧を作っておくことで、待遇全体における正規従業員と非正規従業員のバランスが理解でき、納得性の高い説明が可能となる。同法では、説明義務があるだけで、非正規従業員の了解まで求められていないが、非正規従業員がその待遇差に納得することは、モチベーションの維持や万一の訴訟を防ぐことにつながる。

同一労働同一賃金規定の趣旨は、個々の待遇ごとに不合理な待遇差の有無をみることで、待遇全体をみるものではないが、納得感を高めるには有効といえる。

 ちなみに、図表では、非正規従業員は社員持ち株会の対象外となっている。持株会は長期間にわたる資産形成手段である。よって有期雇用である非正規従業員は対象外とするのが通常であった。しかし、有期雇用契約の更新で実質的に雇用期間が長期になるか、無期労働契約に転換した社員は、持株会の目的からみて加入対象とするのが望ましい。

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