サントリーホールディングス株式会社
飲食 1001名以上- 課題
- CSR推進
企業理念である「人と自然と響きあう」の実現に向けてさまざまなCSR活動に取り組むサントリーホールディングス株式会社様では、グループ内でのボランティア活動を推進するため、ボランティア活動に参加した従業員を対象にインセンティブ・ポイントを導入しています。導入の背景や効果、今後の展望について、コーポレートサステナビリティ推進本部 CSR推進部 課長の横谷正博さん、同部の荻原さやさんにお話を伺いました。
「ボランティアに参加したいけれど機会がない…」
きっかけを増やすためにインセンティブ・ポイントを導入しました。
サントリーグループでは、企業理念に掲げる「人と自然と響きあう」の実現に向けてさまざまなCSR活動を進めています。その根底には、事業でうまれた利益は、社会、社員、お客様に還元していこうという「利益三分主義」の価値観があります。これは、創業者の鳥井信治郎が「三方よし」を強く意識し、中でも奉仕の精神を重んじていたところに由来しています。 しかし、会社組織が大きくなるにつれて部署がセグメントされ、専門部署が会社を代表して社会との関係づくりを行うようになっていきました。ですが、専門部署の社員だけでなく、グループの社員一人ひとりが誠実で信頼される人間として、社会に貢献をしていく精神を忘れてはいけません。それを後押しするために、我々CSR推進部では、社員のボランティア活動の推進に取り組んでいます。
社員に意識調査を行ったところ、「ボランティア活動に参加したことがない」が「参加したいと思っている」参加意向のある社員が約半数いることがわかりました。そこで、社員がボランティアに参加するきっかけを増やすことができれば、ボランティア活動がもっと広がっていくのではないかと考え、きっかけづくりとして、3ヶ月間のボランティア強化月間をスタートすることにしたんです。ボランティア強化月間は人事部と共同で取り組んでいます。人事部では、働き方改革の次なるステージとして、社員一人ひとりがメリハリをもって働けるワークライフバランスの整備に取り組んでおり、空いた時間を自分のために投資し、自己成長につなげるための一つの施策としてボランティア活動を推進しています。
そんな中で、今までボランティア活動をしたことがなかった社員を巻き込み、みんなで盛り上げれるような仕組みがないかと探していたときに、インセンティブ・ポイントに出会いました。ボランティア参加に対するインセンティブとして、インセンティブ・ポイントを活用した「ボランティアポイント」を社員に付与することで、一人でも多くの社員がボランティア活動に参加するきっかけとなればと、導入することにしました。
強化月間中ボランティアに参加した社員に
ボランティアポイントを付与しています。
ボランティア強化期間中には、例えば兵庫県西脇市にある「天然水の森」での森林整備や、サントリー地域文化賞を受賞した佐賀県鹿島市の鹿島ガタリンピックというユニークなスポーツの祭典の運営ボランティア、被災地復興支援のチャリティマラソン大会など、さまざまなボランティアプログラムを企画し、そのボランティア活動に1回参加するごとに、500ボランティアポイントを付与しています。また、ボランティアポイントと合わせてオリジナルのボランティアバッジを配布していて、ボランティア当日の一体感醸成に役立てています。
告知は、イントラネットの社内広報誌を通して行いました。また、ダイバーシティをイメージしたポスターを作成し、オフィス内に掲示することで周知を行いました。実際にボランティアに参加してくれた社員に聞いたところ、ポスターやイントラネットを見て参加したという方が多かったですね。他にも、社員同士で誘い合って参加しているケースもありました。今後は、一度ボランティアに参加したメンバーを社内掲示板内でコミュニティ化していくことで、社員同士で誘い合ってボランティアに参加するケースをもっと増やしていければと考えています。
▼オリジナルのボランティアバッジ
参加者数は通常の4倍になり、
ボランティア活動のきっかけづくりに成功しました。
その結果、ボランティア強化月間中の参加者は、通常の約4倍となりました。月単位で見ると、約6倍になった月もありましたね。参加した社員にはアンケートをとっているのですが、満足度、再参加意向ともに100%という結果となり、社員満足度も非常に高かったです。特徴的だったのが、ボランティア強化月間中にはじめてボランティアに参加した社員が多かったことです。ボランティアポイントをきっかけに、ボランティア強化月間をやった意味がとてもあったと感じています。 社員アンケートでは、ボランティアポイントについて「自分でポイントの交換先を選べるのはとてもいい」といった声があったり、「ある募金団体をポイント交換先に追加してほしい」というリクエストがあったりと、社員もボランティアポイントに関心をもってくれているのを感じています。社員からリクエストがあった募金団体はベネフィット・ワンにてメニュー化していただき、我々で直接アプローチできない範囲までカバーできるようになりました。
ボランティアを通して社員同士や地域の方との
コミュニケーションがうまれています。
また、ボランティアを通して新しいコミュニケーションがうまれることの効果も改めて実感しました。実際に我々も現地に赴き、社員と一緒にボランティアに参加したのですが、事業では全く接点がない社員同士の交流が生まれたり、社員だけにとどまらず地域の方との交流がうまれたりと、とても意義のある時間になっていたようでした。事業で関わりのないような部署の社員が、何か一つのアクティビティを共にする機会はまずないので、ボランティア活動のように壁のない活動で社員のコミュニケーションが活性化することは、とても良いことだと感じています。
ダイバーシティ推進に向けて、
ボランティア活動をさらに広めていきたいです。
サントリーグループ内には海外の会社も増えてきているのですが、海外では日本に比べて、ボランティアが社会や会社の中に根付いていることが多いです。今後、ダイバーシティを推進し、多様な価値観を受け入れることは間違いなく会社を大きくする糧となるでしょう。そのためには、日本のメンバーも社会に対して開かれた目を持ち、さまざまな価値観を身に着けていくことが大切だと考えています。その役割を、ボランティア活動が担っていけるように、インセンティブ・ポイントをきっかけにボランティア活動をさらに広めていけたらと思っています。
「インセンティブ・ポイント」に取り組もうと
お考えの企業担当者さまへ
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