福利厚生
働き方改革

【人材確保】外国人労働者が働きやすい会社の福利厚生事例7選

この動画でわかること

  • 外国人社員の多様性に配慮した福利厚生制度の事例
  • ダイバーシティ経営を推進した外国人の生活習慣に関する福利厚生の事例①
  • ダイバーシティ経営を推進した外国人の生活習慣に関する福利厚生の事例②

注目のダイバーシティ経営!外国人社員が喜ぶ福利厚生の全貌

グローバル採用や海外人材の活躍が広がる今、外国人社員にとって本当に働きやすい職場環境づくりは、最重要経営テーマの1つです。今回は「働くエール」有料福利厚生法人を4年連続受賞した長野県のIT企業・株式会社電産の取材事例を中心に、最新の福利厚生サービス・仕組み・実践例を詳しく解説します。

働くエール受賞の理由は? ~具体事例でわかる先進的な福利厚生~

宗教や文化、食事の多様性へのきめ細かい配慮

採用するだけでなく、入社後に生活や文化への違和感をケアできるかが外国人社員受け入れではポイント。
電産では、異文化・宗教への配慮として「祈祷室(きとうしつ)」を設置、祈りや儀式、礼拝が快適に行えるように整備しています。また、食文化への配慮として、ハラルやベジタリアン向け食事を社員食堂で用意するなどダイバーシティへの対応を強化しています。

  • 社内に祈祷室を設置し礼拝などの宗教的なニーズに対応
  • 食堂で多国籍・宗教対応メニューを準備、食材にも配慮
  • 生活習慣の違いに対する社内教育や意見交換機会を提供

安心して働くための「万が一」や資産形成への支援も充実

福利厚生担当者が「社員とその家族の安心・活躍・生活を守る」という基本姿勢のもと、GLTD(団体長期障害所得保障保険)や確定拠出年金など、将来・緊急時支援も徹底しています。
GLTDは、会社が全額保険料を負担し、社員は加入の上で追加オプションも自身で積み増すことができます。確定拠出年金もFP(ファイナンシャルプランナー)セミナーなどを通じてお金の知識向上・資産形成支援まで行っています。

  • GLTDで病気や怪我、長期休職時も生活資金の不安を解消
  • 確定拠出年金の導入とFPセミナーで“お金に強い社員”を育成
  • 個別相談も厚く、保険や資産情報を適切にサポート

言語・生活支援~外国人社員向けの環境整備が進化

言語面や生活インフラに不安を感じる外国人社員へのサポートとして、複数の支援策が実践されています。

  • 保健師や担当者が医療機関付き添いなど、日本語が堪能でない場合に生活・医療サポートも実施
  • 企業研修・新人研修に日本語講座を組み込み、日本語習得支援と教材提供を推進
  • 福利厚生アウトソーシング業者を活用し、英語・中国語など多言語対応の問い合わせ窓口・コールセンター設置

定着率やエンゲージメントの向上にはこうした細やかな「安心サポート」が不可欠です。

ダイバーシティ経営“本気”の企業が実践する+αの工夫

社内理解の浸透研修で「チームの壁」もなくす

外国人社員の雇用が進む中、受け入れ側の管理職や現場リーダーへ向けたダイバーシティ研修を導入。異文化理解や宗教的習慣の違い、価値観などを共有することで、すれ違いや摩擦防止の社内風土を築いています。

  • 多文化共生のマインド醸成を目指す管理職研修・現場向けレクチャー
  • ダイバーシティ推進責任者・チームを社内に設置し意見や要望を吸い上げる体制
  • 外国人社員向け“ワークショップ型交流会”など職場内コミュニケーション企画も

受賞企業が語る福利厚生成功の秘訣と今後の展望

電産の事例では、これらの施策を「福利厚生=社員・家族が安心して長く勤める土台」として推進し続けていることが高く評価に。ウェブサイトでの多言語情報発信やオンライン相談窓口も強化し、さらにグローバル人材定着を本気で支えています。

  • 働くエール認定業者として、複数年連続で有料法人に選定
  • 全社横断で福利厚生充実・見直しを継続実施
  • 社外アウトソーサーとの連携で最新の対応力・多言語サービスを拡充

まとめ~外国人社員も主役!本当に選ばれる会社の福利厚生・実践のポイント

外国人社員の採用・定着・活躍を目指す企業にとって、先進企業事例が示す通り、必要なのは「多文化共生」「生活文化へのきめ細やかな配慮」「職場の安心感と公正性」の3点です。

  • 宗教的配慮や生活サポート、資産形成まで切れ目ない支援を実施
  • 言語保証や医療アテンド、多言語コールセンターなど生活基盤の安心を確保
  • 社内教育・ダイバーシティ研修、家族含めたケアまで幅広い施策を実現

グローバル時代における“幸せに働ける職場環境づくり”の最新事例として、こうした福利厚生運用は今後ますます主流になります。ぜひ自社の施策設計・見直しのヒントにしてみてください。

可児さんサムネイル
【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信

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<著書>
・「福利厚生アウトソーシングの理論と実務」(労務研究所)
・「共済会の実践的グランドデザイン」(労務研究所)
・「新しい!日本の福利厚生」(労務研究所)
・「実践!福利厚生改革」(日本法令) 他