人材育成
働き方改革

【2025年最新人事】退職者が戦力に!?いま企業がOB会を見直す理由とは

この動画でわかること

  • OB会を行う目的とメリットとは
  • アルムナイの採用を促進させるべき理由
  • OB会への参加規則を緩和させることが今後のカギ?

アルムナイ活用で組織を強く!企業がOB会・元社員ネットワークを運営する最新戦略

OB会とアルムナイはどう違う?現代の組織運営に欠かせない理由を解説

近年、企業の人材戦略で重要性が増している「OB会」「アルムナイ制度」。
OB会は主に定年退職者を中心とする伝統的な元社員の集まりですが、アルムナイは自発的退職やライフイベント退職など、多様なキャリアを持つ元社員全般を指し、企業と元社員の新たな関係構築を支えるネットワークです。

  • OB会:定年退職者が中心。名簿管理や社内報・会報の送付、各種イベント開催
  • アルムナイ:中途退職者や女性社員の再雇用・パートナー関係も含む、多様な元社員
  • 人材供給源・自社サービスのファン化・企業ブランド醸成など多様な役割

「アルムナイ=卒業生ネットワーク」と捉え、採用や事業連携、情報発信など戦略的に活用する企業が増えています。

OB会・アルムナイ制度の運営実態と組織活用例

元社員ネットワークの運営方法~現場で必要な仕組みとポイント

福利厚生専門誌『旬刊福利厚生』2023年の調査によると、OB会の運営主体は「会社(人事・総務)」が約4割、「OB会自身の自主運営」が約5割、労働組合が少数を占めています。

  • 加入資格:定年退職者だけでなく、勤続年数や自己都合退職者も条件により参加可能
  • 会費や入会金:8割が何らかの費用徴収。約2割は無料
  • 事業内容:名簿作成、社内報/OB会報の発行、保険・保養所の利用、セミナーや慶弔給付など多様

こうした活動は、元社員との継続的な関係性を保ち、一体感の醸成や企業ブランドづくりに貢献します。

アルムナイ活用で広がる企業価値~再雇用・顧客化・パートナー戦略

OB会やアルムナイの大きな目的は、社員を大切にする「長期勤続」の手段。現役社員も「退職後も大切にされる組織」で働きたいという安心感を持てます。

  • 社員の一体感醸成とエンゲージメント向上
  • 退職後の元社員を自社サービスや製品の消費者・ファンとして活用
  • 人手不足対策として再雇用(ウエルカムバック制度)・業務委託先やパートナー化も

企業によっては退職者向けに専用応募ページやウェルカムバック制度を用意。
社外経験を持ち即戦力となる元社員や事業委託先としてのパートナー活用が進んでいます。

アルムナイ採用のメリットと注意点~即戦力・効率アップ・コスト削減

アルムナイ志向の人材戦略の強みとは?

「アルムナイ採用」は、元社員の社外経験を活かし、企業に新たな知見と即戦力をもたらします。
特にウェルカムバック制度を導入する企業では、元社員による迅速な事業貢献・現場の馴染みやすさ・ミスマッチリスクの低減効果が期待できます。

  • 社外経験がある社員の再雇用で、組織の業務効率・発展につながる
  • 社内をよく知る人材が即戦力として帰ってきやすい
  • 採用コストが低く、リファラル採用やパートナー契約にも強い

企業のHPから簡単に応募できる仕組み、業務委託やフリーランス契約による柔軟な受け入れも重要です。

組織内外の曖昧化~アルムナイ管理の新課題

副業・兼業・業務委託・提携先パートナーなど、働き方が多様化。
社外人材(アルムナイ)が組織内で活躍する流れは主流となりつつあります。

  • 元社員が業務委託やフリーランスとして再び関わるケースが増加
  • 会社の「内/外」の境界が曖昧になり、多様な活用が可能
  • 情報漏洩・機密管理・業務指示体制の整備が新たな課題

アルムナイ管理ツール導入や、既存OB会のルール見直しが効果的です。

OB会からアルムナイ制度への進化~実務で押さえるポイント

OB会則見直し・運営の会社一元化・情報発信の強化

OB会をアルムナイ向けに活用する場合、会則や加入条件を見直しながら、会社主体の運営や情報発信体制を確立しましょう。

  • OB会の加入資格を広げ、中途退職者・原則全員参加型に見直し
  • 会社主体の運営で一貫性を持つ(人事総務/HR部門が管理役)
  • 新製品・新サービス・新規事業情報など最新情報をタイムリーに発信

専門アプリや管理ツールの活用で、Excel管理からの脱却も目指しましょう。

まとめ~アルムナイ制度の導入は企業の持続性・成長のカギ

今や「OB会・アルムナイ制度」は単なる福利厚生ではなく、人材戦略や組織開発の必須ツールです。
OB会とアルムナイネットワークを活用することで、長期勤続・再雇用・事業連携・採用力強化・企業ブランド向上など、さまざまな効果が期待できます。また、情報管理や契約・指示体制の整備、現実に即した運営の工夫も欠かせません。

  • 営業・技術・管理職など多様な元社員をアルムナイネットワークで活用
  • 即戦力の確保、コスト削減、社外人材連携による事業力UPが見込める
  • OB会則見直しや情報発信力強化で、絶えずネットワーク価値を高める

今後はOB会の進化型として、より開かれたアルムナイ管理・活用に各社が競争と協力を強めていく流れです。

可児さんサムネイル
"【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信"

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"<著書>
・「福利厚生アウトソーシングの理論と実務」(労務研究所)
・「共済会の実践的グランドデザイン」(労務研究所)
・「新しい!日本の福利厚生」(労務研究所)
・「実践!福利厚生改革」(日本法令) 他"