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【共済事業積立金問題】積立金が多くて困ってしまった共済会の事例を紹介します…
この動画でわかること
- 共済会が抱える課題とは
- 会員の属性や共済事業の内容によって積立金の過不足の問題が発生する
- 実際にあった積立金の赤字の事例と余りすぎた事例、その解決手段とは
【共済会の積立金問題を徹底解説】赤字・余剰・還元…実例から学ぶ最新課題と対策
積立金が膨らむ・不足する…共済会が直面する「お金の悩み」とは
近年、企業や団体の共済会では「積立金が余る」「規定外の給付で赤字になる」「共済会の存在感が薄れ、会員からの納得感が下がる」など、新しい課題が浮き彫りになっています。
本記事では、実際の事例とともに、メリット・リスク・解決策をわかりやすく紹介します。
- 平均年齢の上昇や会員属性の変化で、給付バランスや積立金が大きく影響される
- 退会餞別金や医療給付の増加で赤字を抱える事例も発生
- 積立金が余りすぎ、還元や制度見直しが課題となるケースも増加中
共済会積立金の現状-余剰・不足・存在感の低下がもたらす実例
平均年齢の変化で積立金の使い道が偏る
会員の年齢分布が変化すると、給付の種類や必要資金が大きく動きます。
- 若年会員減少で結婚祝金や出産祝金の支給額が減り、会費が余りがちになる
- 逆に年齢が上がると退会餞別金・医療費給付・休業時給付が増加し、収支悪化も
- 会員のニーズに合った事業でないと、「共済会が意識されない」という課題も生じる
積立金が余れば還元が課題となり、不足すれば制度見直しや資金調達が必要となります。
実際に見直しが迫られる赤字事例―退会餞別金のインパクト
退会餞別金は、会員が退会する際に支給される金銭で、規定が緩いと資金繰りを圧迫します。
- 在会年数や基本給を基に計算された高額の退会餞別金が急増するケース
- 赤字時には会社からの借り入れと利子返済で支出増加
- 給付規定の見直しを行い、給付額削減や支給基準の厳格化を進める事例あり
会員の期待を配慮しつつも、赤字を避ける制度運営が必須です。
積立金が余りすぎた場合のリスクと会員還元の必要性
4億円も積み上がった共済会!?余剰金がもたらす課題
積立金が多すぎると、企業の利益の“ため込み問題”と同様に「会員への還元がなされない」と不満の種となります。
- 会員1人当たりの積立金が9万円以上となるケースも見られる
- リストラや会員数減少で、積立金だけが高止まりするパターンも
- 積立金の還元が遅れると、会員の納得感や制度利用意欲が低下
収支に問題がなくとも、「制度の意味」を問われるリスクが高まります。
積立金還元に向けた取り組みとコンサルティング事例
積立金問題に対しては、制度見直しやコンサルティングが有効です。
- 決算書・規程・事業内容を精査し、余剰金の還元策を設計
- 積立金を活用した新たな福利厚生(給付拡充・新メニュー提供等)を検討
- 会員・労働組合との協議で「納得できる制度改定」へと進める
一方で、会員の賛同を得ることが難しく、制度見直しが進みにくい場合もあります。
担当者・会員双方が納得できる共済会の資金運用とは
積立金と給付バランスの最適化―持続可能な運営へのヒント
積立金運用の見直しには、会員のニーズ把握から始め、資金の適正な使い方に焦点を当てる必要があります。
- 現状把握と事業内容・規程の見直しを定期的に実施
- 余剰金は会員への還元や新施策として活用し、納得度を向上
- 資金不足の場合は、給付規定の厳格化や新たな収益源の確保が重要
コンサルティングや第三者視点の導入も運営改善の鍵となります。
まとめ〜共済会の積立金は「会員還元」「制度見直し」で持続的成長へ
共済会の積立金問題は、「余剰」「不足」「存在感の低下」という3つの側面から捉え、経営・運営の見直しが欠かせません。
- 給付バランスを会員属性・ニーズに合わせて柔軟に変革すること
- 積立金の還元(新サービス・給付拡充など)で納得度を高めること
- 制度見直しは会員とのコミュニケーション・合意形成が成功の鍵
会員が「納得して使える」持続可能な福利厚生へ、積極的な制度改定がこれからの共済会の成長を支えます。
【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信
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