福利厚生
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【永年勤続表彰はもうもらえない?】福利厚生の専門家が最新トレンド・非課税要件を徹底解説
この動画でわかること
- 今までの永年勤続表彰制度と最新トレンド
- 永年勤続表彰の非課税要件は慰労前提
- 永年勤続を廃止した会社は長期勤続よりも定着に課題がある
【働き方多様化で制度はどう変わる?】永年勤続表彰の最新トレンドと見直し事例を徹底解説
永年勤続表彰の役割と制度変革の必要性〜社員の思いと企業の課題
かつて長期勤続を象徴する「永年勤続表彰」は、社員のロイヤリティ向上を担う重要な福利厚生でした。しかし近年、働き方やキャリアの多様化が進み、制度の公平性や見直しの必要性が浮き彫りになっています。
長年務める社員への感謝と、企業としての人材定着支援。その両立ができる最新動向と課題を本記事で解説します。
- 永年勤続表彰の目的は「長く企業に貢献してくれた社員への労い(=ロイヤリティ強化)」
- 表彰は旅行券や特別休暇など“楽しみ”や“節目”の体験の機会を提供
- 税制優遇(旅行券非課税等)も活用されるが、見直しは社員の期待・既得権とのバランスが課題
永年勤続表彰の最新事例:より長期、より柔軟な設計へ
金属年数の延長・節目追加が進化のポイント
今や定年年齢の上昇やキャリアの多様化に合わせ、永年勤続表彰の“節目”が増加する傾向です。
- 25年表彰だけでなく、30年・35年と「さらに長い勤続」の表彰制度を新設する事例
- 従来の20年・25年は「既得権重視」で残しつつ、制度の延長や複数回表彰を行う
- 金属年数の緩和や、早期退職者でも一定要件で特典を得られる仕組みの導入なども
一方で、中途社員の増加や定着支援の重要性から“短期間でも感謝を示す福利厚生”への見直しも話題です。
廃止・代替策のリアル:定着と公平性を最優先へ
永年勤続表彰を廃止する企業も増えています。その背景と代替策をご紹介します。
- 中途入社の増加・コロナ禍で「表彰旅行券」「記念イベント」の実施困難→福利厚生パッケージへの切り替え
- 代替施策例:「自己啓発助成金」「人間ドック無料受診」など実用的な支援にシフト
- カフェテリアプランのポイント支給・退職時加算等、納得感ある経過措置で社員の権利を確保
こうした移行は社員の“期待感”との調整が難しく、制度の見直しには段階的な実施や権利保護型の措置が有効です。
永年勤続表彰の税制・非課税要件の基礎知識
非課税となる永年勤続表彰の要件を把握しよう
社員が受け取る表彰旅行券などが非課税となるためには、厳密な税制要件を満たす必要があります。
- 非課税対象:旅行券、記念品(感謝状など) ※現金支給は原則課税対象
- 非課税条件は「業務に必要な長期勤務の節目を迎えた社員への表彰」「旅行券や記念行事予約など従来型が中心」
- 自己啓発・健康支援への転用は、仕事関連性が高ければ非課税となる場合あり(例:健康診断は検診として非課税)
昔ながらの「表彰旅行・観劇」が由来の制度なので、「社員の実情」と「税制」のギャップも見直しポイントです。
制度改定時の注意点と、納得感を生む移行措置
既得権への配慮と納得感ある見直し手順
永年勤続表彰を縮小・廃止する場合、社員の納得感や権利保護が重要です。
- 廃止・変更は「数年先の節目」から反映し、すぐの改定は避ける
- 代替案:カフェテリアプラン・退職金への加算など合理的な経過措置
- 社員への説明・期待管理を丁寧にし、混乱や不満を回避する
変化を受け入れやすくする合理的な代替策の導入が、制度変更の成功ポイントです。
まとめ〜永年勤続表彰は「定着支援」「納得感」「公平性」で進化する
変化する社会・働き方に合わせて、永年勤続表彰も進化し続けています。
長期勤務への感謝はもちろん、社員定着支援・公平性や納得感を重視した見直しが企業価値を高めます。
- 金属年数の節目追加や、実用的な支援型への切り替えでロイヤリティUPと定着を両立
- 税制要件を正しく理解し、非課税メリットを最大限活用
- 既得権への配慮と合理的な代替策で、社員の満足と納得感を守る制度設計がポイント
自社に合った制度の見直しと、個々の働き方を尊重する福利厚生の設計が、これからの企業成長の重要なカギです。
【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信
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