【同一労働同一賃金】不合理な格差となるケースについてお答えします
この動画でわかること
- 同一労働同一賃金とは働き方改革関連法の一部
- 有期雇用や非正規雇用の処遇改善にも同一労働同一賃金が有効
- 同一労働同一賃金は雇用形態の違いで不合理な格差は許されない
【同一労働同一賃金の完全攻略】多様な働き方・現場で納得できる待遇を実現するポイント
同一労働同一賃金とは?今さら聞けない基本の“キ”
2020年の法律施行で一気に注目を集めた「同一労働同一賃金」。しかし実際には、「具体的な内容が分からない」「ニュースでは見たけど現場でどう活かせばいいの?」という人事・総務・現場社員も多いはずです。
日本が人口減少社会に入り、労働力確保と生産性向上が急務となる今、本制度が持つ本当の意義・活用のコツを解説します。
働き方改革の核心~なぜ同一労働同一賃金が必要なのか?
長時間労働の是正と生産性向上~「働きたい人が働ける」環境づくり
同一労働同一賃金は、「長時間働くだけで給与が上がる」「一部の人しか働きやすくない」職場から、効率的に多様な人材が活躍できる職場へと転換するための制度です。
- 長時間労働は生産性を下げ、モチベーションや健康・職場の雰囲気にも悪影響
- 育児・介護・障がい・家庭事情でフル勤務できない人にも配慮し、多様性を受け入れる
- 短時間・週3勤務でも能力・やる気に応じた評価と処遇が可能になる
非正規雇用の待遇格差~今までと何が変わる?
非正規雇用者の現状と課題~雇用形態ごとの処遇の違い
契約社員・パート・派遣・雇用延長者など、非正規雇用が増加する一方、正社員との給与や待遇差は根強く残っています。
バブル崩壊以降、企業がコストダウンで“有期・低待遇”の働き方を拡げてきた背景がありますが、
同一労働同一賃金はこの「不合理な格差」にメスを入れる法改正です。
- 非正規雇用の給与は正社員より低い傾向が強い
- 「能力・責任・業務内容」が同じでも処遇が異なるケースが多い
- 本来は勤務日数・時間に応じて合理的な給与配分がなされるべき
この見直しを進めることで、全社員に納得の“職場の公平性”を届けることができます。
均等待遇・均衡待遇のポイント~法対応と現場運用の両立例
均等待遇とは?~同じ働き方であれば全て同じ処遇を
均等待遇の基本は、正社員と同じ業務・責任範囲・時間で働く非正規社員が「賃金・福利厚生・退職金など全てで同じ処遇を受けること」。
この「均等」が守られてこそ、働く意欲や納得感が生まれます。
- 「均等待遇」は退職金・福利厚生までを含めた“トータルの処遇”が対象
- 現場での役割分担・責任を明確化することで、制度運用がしやすくなる
- 納得感が生まれ、優秀人材の確保・定着にも好影響
均衡待遇とは?~異なる働き方の格差も合理性を保つ
一方、働き方に違いがある場合は「待遇差」が生まれても構いませんが、その差が“不合理”でないことが重要。これを均衡待遇と呼びます。
- 勤務日数・時間・責任が異なる場合は、合理的な根拠ある処遇差が認められる
- 一方で、単なる「形態の違い」ではなく業務・貢献度にも配慮した調整が必要
- 全社員が不利益を被らない制度設計こそが信頼される会社の条件
実務では「業務内容・労働条件の明文化」「処遇格差の根拠説明」が大切です。
まとめ~同一労働同一賃金がもたらす職場の未来
「同一労働同一賃金」の法制化は、ただの制度変更ではありません。
すべての雇用形態・働き方に納得できる職場を持続的に作るための第一歩です。
- 長時間労働の是正、多様性受容で“誰もが活躍できる”職場づくりが実現
- 非正規雇用の待遇格差解消、均等・均衡処遇の徹底が社員満足・定着率UPの鍵
- 現場・経営管理の両面で法対応+働きやすさ向上を進めて、魅力ある会社へ
制度・法律の定着とともに、“全員が活躍・納得できる柔軟な職場設計”をこれからも目指しましょう。
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信
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