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【慶弔給付がなくなる?】慶弔給付制度の見直し方法を3つのポイントで徹底解説

この動画でわかること

  • ライフコースにより格差が生まれる慶弔給付
  • 慶弔給付の見直しに絶対的な正解はない
  • 負担軽減のために健康増進や疾病予防に注力

慶弔給付の見直しは公平性がカギ!セグメント別に考える福利厚生制度の最新トレンド

慶弔給付制度が課題視される理由とは?家族・ライフコースの多様化に適応する運営のヒント

企業の福利厚生の中でも「慶弔給付」は、その公平性や家族構成の変化によって見直しの必要性が叫ばれています。
結婚・出産・弔事などは個人のライフコースによるため、「もらえる人・もらえない人」の不満が顕在化しやすく、企業の共済会・互助会事業の方向性にも影響します。

  • 慶弔給付はライフコースにより受給格差・不公平感が生じる
  • 家族構成や未婚率の上昇など社会背景が大きく変化している
  • 福利厚生として公平・平等性が強く求められる時代になってきている

慶弔給付の基本3分類とそれぞれの課題

慶事給付:結婚・出産などライフコース型給付の公平性問題

慶事給付は、社員の結婚・出産・子の入学など、特定のライフイベントに対して支給されるものです。
しかし近年は、未婚者や子どもを持たない選択をする社員が増え、不公平感や差別感の温床となっています。

  • ライフイベントに該当しない社員は給付を受けられず不満が生じる
  • 共済会型の場合は会費を払うのに受給機会が少なく格差が拡大
  • 世代や家庭の多様化により制度の見直し圧力が高まっている

弔事給付:家族の縮小化・高齢化と給付範囲の見直し

死亡弔慰金などの弔事給付は、「家族の範囲決定」「社員の高齢化」「財政負担」が課題です。
近年の核家族化・単身世帯の増加・親死亡事例の増加など、給付対象者設定や財政圧迫リスクが顕在化しています。

  • 家族範囲の絞り込み(同居家族のみ等)が現実的な選択肢
  • 社員の高齢化により親死亡による給付事例が増え財政負担が拡大
  • 対象範囲や給付額を見直し、組織ごとに再設計が求められる

補償給付:休業給付・医療補償の財政負担と自助努力のバランス

育児休業・私傷病休業などの休業給付は近年増加傾向。組織財政を圧迫し、GLTD(所得補償保険)の活用や給付縮減も課題となっています。
医療補償では、社員平均年齢の上昇や健保付加給付の廃止で企業側の補填が重要性を増しつつ、健康増進・疾病予防への転換も進んでいます。

  • 育児休業給付や傷病休業給付への上乗せは財政負担が大きい
  • 任意加入型GLTD(所得補償保険)で自助努力促進も重要
  • 健康増進・疾病予防施策に福利厚生費をシフトする企業も増加

慶弔給付見直しのポイント~公平・納得感をどう両立するか

ライフコースによる格差是正の一般的な選択肢

社員のライフコースの多様化に配慮し、制度の見直しは企業ごとの事情を踏まえた総合判断が不可欠です。一般的には公平性重視と定着促進の2つの考え方が存在します。

  • 社員がライフコースを自由に選択する権利を認め、給付による格差是正を図る
  • 会社の定着促進や家庭形成にメリットがあるなら慶事給付を一定維持
  • 給付水準や対象者を制度の目的・現状に沿って柔軟に見直す

弔事給付・補償給付の運営工夫と財政バランス

家族範囲の縮小・給付額の調整・GLTD活用等、最新事例を参考に、組織ごとに最適化した福利厚生設計をすすめましょう。

  • 核家族化・単身世帯増加を受け同居家族限定等の制度見直し
  • 親死亡時の給付額縮減など財政への影響を評価
  • 医療費負担には疾病予防・健康増進施策への福利厚生シフトも有効

今後の慶弔給付運用~社員と企業の納得度を上げる施策

減額や対象縮小の場合の社員説明と配慮ポイント

見直しに際し、不利益変更に敏感な社員への配慮と説明責任が大事です。複数の案や併用策を組み合わせることで納得感向上に努めましょう。

  • 直近給付水準の維持・段階的見直し・自助努力促進型への転換
  • 健康増進施策強化と補償給付縮減のセット組み合わせ
  • 社員説明・アンケート・丁寧な意思疎通の推進

まとめ~慶弔給付の見直しは多様化・公平性・財政バランスの三位一体がポイント

慶弔給付制度の見直しは、社員のライフコース多様化や家族構成変化、公平性の確保、さらに組織財政バランスとの調和が極めて重要です。
現代の福利厚生は、多様化する社員の価値に合わせて、セグメントごと・事例ごとにカスタマイズし、納得度や説明責任を十分に果たす運営が強く求められています。

  • 慶事・弔事・補償給付はそれぞれ課題が異なり見直しポイントも多様
  • 社員のライフコース・家族構成・時代背景を踏まえた公平性重視の制度設計
  • 見直し時には社員説明責任や配慮も徹底、納得感・信頼性向上が鍵に

今後は一律の運用に固執せず、企業の事情や社員のニーズをきめ細かく反映した合理的かつ納得度の高い福利厚生運営が今後の「良い会社の証し」となるでしょう。

可児さんサムネイル
【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信

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<著書>
・「福利厚生アウトソーシングの理論と実務」(労務研究所)
・「共済会の実践的グランドデザイン」(労務研究所)
・「新しい!日本の福利厚生」(労務研究所)
・「実践!福利厚生改革」(日本法令) 他