【均衡待遇】あなたの給与・福利厚生、ちゃんと守られていますか?
この動画でわかること
- 同一労働賃金と福利厚生の待遇差
- 均等待遇と均衡待遇
- 非正規社員には正社員との差に納得してもらうことが大切
人手不足時代に見直したい「均衡待遇」と福利厚生格差の最新動向
少子高齢化や働き方改革の潮流により、非正規社員の人材確保と定着が企業の生命線となっています。
その中で注目されているのが「同一労働同一賃金」および「均衡待遇」の考え方です。
特に福利厚生については、従来の“正社員優遇”から、合理的な差や説明責任が重視されるようになっています。
- 2020年4月施行の同一労働同一賃金ルールが起点
- 福利厚生も賃金・手当などと並ぶ均衡待遇の一部として改正の対象に
- 非正規社員からの納得感とエンゲージメント維持が今後の重要課題

同一労働同一賃金制度の概要|非正規社員の待遇改善が進む背景
バブル崩壊後の「非正規格差」から現代の働き方改革へ
かつては「非正規社員=賃金・処遇が正社員より低い」という暗黙の常識が一般的でした。
しかし人口減少や慢性的な人手不足に直面し、幅広い雇用形態の処遇改善が国の最重要政策となりました。
- フルタイムでないから賃金が低いわけではなく、単に非正規だから低いという不合理な慣習
- 働く人の意欲低下と人材流出を招いていた社会問題
- 2019年以降、人手不足を背景に定着や処遇改善の動きが加速
同一労働同一賃金は、こうした不合理な待遇差を法律で是正する大きな転換点となりました。
同一労働とは?均等待遇と均衡待遇の違いも解説
「同一労働同一賃金」とは、同じ内容・責任・職務範囲で働くなら給与・手当・福利厚生まで同等の処遇を求める制度です。
ただし現実には正社員と非正規社員に“働き方の差”があるため、均等待遇だけでなく「均衡待遇」も認められています。
- 均等待遇…同じ働き方なら原則すべて同じ処遇(給与、福利厚生、休暇など)
- 均衡待遇…働き方や責任、転勤、職務内容などの差に見合った合理的な処遇差は認められる
- 処遇の性質・目的に照らして“不合理な格差”は禁止
福利厚生の格差是正と均衡待遇~法律&人事現場の具体対応
福利厚生格差の事例と合理的な説明義務
福利厚生の目的は「社員の満足度向上と長期定着」にあります。
人手不足時代には非正規社員にもこの効果が重要です。
法的には「理由の説明」「目的と既存ルールの明確化」が不可欠です。
- 皆勤手当や食事補助は非正規も対象にすべき合理的根拠がある
- 正社員だけ福利厚生を与えるときは目的や差の理由を明示
- 採用時・雇用契約時に待遇差説明義務あり(2020年改正法対応)
実務で差をつける場合のポイント~納得感と説明責任
全員同じ待遇にせずとも“納得感”が大切です。福利厚生の提供範囲や条件を明確化し、説明を徹底することで非正規社員の満足度や企業への定着にもつながります。
- 差をつける場合は「職務範囲・責任」「配属・異動」「勤続年数」などで合理性を説明
- 現場ごと、職種ごとに納得性あるルール作りが重要
- 説明にあたり法律や自社のポリシーも踏まえたドキュメント整備が推奨

待遇差の説明義務が強化~採用時から納得を生む人材マネジメントを
格差が生じる場合の「正当性」を積極的に開示
新しい法律では、正社員と非正規社員で差が生じる場合、採用説明時・雇用契約時に、その理由をわかりやすく説明する義務があります。
納得感のある福利厚生設計は“人材の流動化”と“企業の持続的成長”のベースです。
- 待遇差は単なる感情ではなく、具体的目的・合理性で納得化
- 制度設計と説明の充実が離職防止・社外評価・採用力向上に直結
- 時代の流れに合わせて制度を見直し続けるPDCAサイクルが重要
理想の福利厚生は「同じ働き方への同じサービス」と「格差がある場合の納得説明」
実際には全非正規社員に正社員と同じ福利厚生を与えるのはコストや運用面で難しい場合もあります。
このときは“格差理由の説明”や働き方の実態に即した均衡待遇制度の構築が、法令対応と社員満足の両面で求められています。
- 不合理な格差はNG、“バランスの良い設計”で納得を生む
- 差の理由や待遇方針は社内通達・契約書で明示
- 正社員との格差を減らす制度拡充が人手不足対策にも直結
まとめ~均衡待遇の福利厚生は説明と納得感が最重要!非正規社員の満足度アップで企業力向上へ

同一労働同一賃金や均衡待遇の流れの中、福利厚生の格差をどのように合理的に説明し、納得感のある対応をするかが企業人事のカギとなります。
不合理な格差の禁止と説明義務の強化は、従業員の満足度を高め、離職防止、人材定着・採用力向上といった多くの経営課題を解決します。
- 同じ働き方には同じ福利厚生を、差を設ける場合は説明責任を果たす
- 法律対応だけでなく従業員視点で納得感を高める現場運用が鍵
- 制度の見直し・差の合理性確認・説明充実が人材力強化と企業ブランド向上につながる
今後も社会状況や働き方の実態に合わせ、“バランスの良い福利厚生”と説明責任への取り組みが企業成長の要となります。
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信
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