ワークライフバランス
働き方改革

【配偶者手当不要論】配偶者手当を廃止する企業が増加していることを知っていますか?

この動画でわかること

  • 配偶者手当の平均額は月1万2千円であり年間で14万円程である
  • 現在、少子化で労働力が欲しいのに配偶者手当がそれを妨げている
  • 手当の見直しには社員の属性や会社側の手当額も考える必要がある

配偶者手当の仕組みを徹底解説~時代背景とその影響を整理しよう

20世紀型の「世帯主中心の働き方」を象徴してきた配偶者手当。しかし、今の時代にそぐわない側面が浮き彫りになり、多くの企業や社員、さらには厚生労働省までもが制度見直しを迫られています。この記事では配偶者手当の基礎から、現状の課題、見直し事例、今後の福利厚生改革までを分かりやすく解説します。

  • 配偶者手当は「奥さんを働かせない」仕組みの名残
  • 配偶者の年収によって支給や非支給の壁が発生
  • 人材の流動化・ダイバーシティ推進に逆行する側面もある

知られざる“手当の壁”103万円・130万円問題とは?

配偶者手当がパート・非正規の就労調整を助長する構造

パートタイム・非正規社員でよく話題になる「103万円の壁」「130万円の壁」とは、配偶者の年収をこれらの金額以下に抑えないと、配偶者手当や配偶者控除、社会保険扶養の適用がされなくなる、という問題です。
たとえば配偶者の年収が103万円を超えると、旦那さんの会社で配偶者手当が打ち切られるため、家計全体では「もっと働きたいのに手当がなくなるから働けない」現象が起こっています。

  • 配偶者手当の平均支給額は月額約12,000円、年間で14万円以上
  • 対象となる“壁”を越えた場合、実質的な世帯所得減となる
  • 配偶者の就労意欲やキャリア形成の大きな妨げになる

配偶者手当は今や不公平?男女平等・同一労働同一賃金の視点から再考

企業・社会の変化により見直し圧力が強まる理由

厚労省も公式に配偶者手当の問題点を指摘しています。
現状では「世帯主=夫」「男性社員のみ支給」など、性別役割分業を前提とした運用が色濃く残り、現実に合わなくなっています。また「正社員のみ支給し、パート・非正規には払わない」場合も同一労働同一賃金原則違反になるリスクも。
2020年の大阪日本郵便事件最高裁判決では「配偶者手当(扶養手当)」の非正規社員への支給を不合理とし、制度是正の動きが加速しました。

  • 配偶者手当の性別や働き方による支給格差は社会的問題
  • 非正規雇用や多様な働き方への対応が迫られている
  • 時代遅れの福利厚生から“成果”や“子育て支援”重視へシフトが始まっている

見直しはどう進める?配偶者手当の改革パターンと企業事例

厚労省が示す選択肢~「子ども手当」「基本給引き上げ」「カフェテリアポイント」など柔軟な方法

企業の配偶者手当改革事例では「配偶者の収入制限撤廃」や「子ども手当への財源振替」「基本給を引き上げて手当廃止」などさまざまな形が取られています。

  • 配偶者の収入制限を撤廃し正社員・パート等配偶者の働き方に関係なく支給
  • 配偶者手当をなくし、子ども手当等に振り替えることで少子化・子育て支援強化も可能
  • 配偶者手当をカフェテリアプラン(ポイント制の福利厚生)に振り分ける事例も拡大

ただし「属性(結婚・子持ち)で賃金が変わること」や「変更に伴う不利益」「手当を新設する理由説明」などには注意が必要です。会社と社員が十分に話し合い、「公平感と納得感」を醸成する運用ルール作りが重要となります。

成果主義と福利厚生の新潮流~“手当は当たり前”から“全体最適”へ

“20世紀型”から“多様性・公平性重視”にシフトする人事制度

成果主義的な給与体系が一般化する令和時代、手当の在り方も大きく見直しを迫られています。
配偶者手当は家族モデルや働き方、価値観が多様化した現代では、“一律で支給”する根拠が失われつつあるのです。

  • 公平性・透明性を重視した手当・福利厚生戦略が求められる
  • 賃金の決定要素は「働き方・成果・能力」へシフト
  • 社員が納得しやすい新たな説明と説得が必要

まとめ~配偶者手当の見直しは会社と社員両者にとっての成長のチャンス

配偶者手当は、時代や社会に合わせて柔軟に見直すべき福利厚生のひとつです。“従業員満足”“公平性”“多様化対応”といった観点から、自社の給与・福利厚生をアップデートしましょう。

  • 配偶者手当は時代の流れに沿って活用方法やあり方を見直そう
  • 公平な手当・福利厚生の設計により、採用力・定着率・従業員満足度アップが期待できる
  • 声を上げて議論し、納得感あるルールを労使で築くことが重要
可児さんサムネイル
【スピーカー】
千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授(専攻:社会保険、企業年金、企業福祉) 可児俊信

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<著書>
・「福利厚生アウトソーシングの理論と実務」(労務研究所)
・「共済会の実践的グランドデザイン」(労務研究所)
・「新しい!日本の福利厚生」(労務研究所)
・「実践!福利厚生改革」(日本法令) 他