人材育成

ピープルアナリティクスとは?データを人事に生かすメソッドを解説

ピープルアナリティクスを使用して従業員のデータ分析をする人事部

ピープルアナリティクスとは、データに基づいた客観的な人事評価方法です。これまで人の勘や経験に依存した人事は終わりを迎え、IT技術の進化とともに人事考査も刷新しつつあります。今回は、ピープルアナリティクスの概念やメリット、実践方法、採用事例などを紹介します。ピープルアナリティクスの具体的なイメージや活用方法を把握したい人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。

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ピープルアナリティクスとは

ピープルアナリティクスとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。その概念が生まれた背景とあわせて解説します。

ピープルアナリティクスとは

ピープルアナリティクス(people analytics)とは、従業員やチームに関するデータを収集、分析し、人事に関わる意思決定に生かす手法で、ビックデータを得意とする巨大IT企業が取り入れた人材解析からはじまったものです。

ピープルアナリティクスは「HR アナリティクス」「タレントアナリティクス」といわれる場合もあり、今、注目されている人事評価の手法を意味します。

ピープルアナリティクスの目的

ピープルアナリティクスの目的は、テクノロジーを活用した客観的なデータの収集と分析に基づく人事上の意思決定にあります。従来は、評価者の主観や経験に基づく人事が当たり前のようにおこなわれてきました。評価者の直観ベースの評価が常であるため、評価に対する論理的な根拠がないケースも多く、信頼性に欠ける評価制度といわざるをえない状況です。これは、会社にとっても従業員にとってもリスクでしかありません。

そこで、データの客観的判断を導く必要性があるという課題感が生まれ、データからその判断や意思決定をおこなうデータドリブンによるピープルアナリティクスが用いられるようになりました。

ピープルアナリティクス導入のメリット

オンライン面接に参加している応募者

ピープルアナリティクスの導入は、会社にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、主なメリット6つを紹介します。

公平で客観的

ピープルアナリティクスの活用で、人事評価における人の主観を排除することにより、公平で客観的な判断が実現します。根拠に基づく説明により説得力が増し、従業員の理解や信頼獲得が期待できます。

判断基準が一定

ピープルアナリティクスは、評価者による価値観に依存せずビックデータを活用して分析した結果により判断をおこないます。そのため、人それぞれの価値観やタイミングに左右されることなく、常に判断基準の軸が一定に保てます。

スピーディー

個人の主観、直観などを排除し判断基準を明確にすることでプロセスがシンプルになるため、物事がスピーディーに展開します。また、判断基準が定量化されるため、スピーディーさだけでなく精度の高さもともないます。

広範な活用

ピープルアナリティクスの活用は、既存従業員の分析はもちろん、新規採用や異動、教育まで、人事領域に関わる課題に対し、あらゆる場面で応用が可能です。

生産性が向上

ピープルアナリティクスを活用すると、主観をベースとした無駄な議論を生むことなく判断に時間を割くことがないため、スムーズな判断が実現し、それにより生産性の向上も期待できます。

納得や信頼を獲得

ピープルアナリティクスは、主観的評価への依存から脱却し、事実を客観的にとらえ、公平な判断をくだすことに役立ちます。ピープルアナリティクスを活用することで、公平かつ明快な説明により従業員からの納得や信頼を獲得できます。そうすることで従業員満足度が向上し、企業の方針に納得ができないという理由からの離職率を低減するというメリットをもたらすことも可能です。

ピープルアナリティクスの実践

適材適所の人事戦略でいきいきと業務に取り組む従業員

ピープルアナリティクスは、具体的にどのように実践し活用すれば良いのでしょうか。人事領域における活用方法を紹介します。

データの収集と分析

ピープルアナリティクスの肝となるのがデータ収集と分析です。ただし、それらをおこなうためには、あらかじめ枠組みを作っておく必要があります。枠組みが何もない状態ではじめてしまうと、主旨や目的にブレが生じ、思うような結果が得られません。

ピープルアナリティクスの活用

ピープルアナリティクスを企業で活用する場合、主に以下3種類の場面で効果を発揮します。

 

1. ピープルアナリティクスを用いた採用

ピープルアナリティクスにより既存社員のデータ分析をおこなうことで、今後の採用計画の検討がスムーズになります。自社の現状が明確になるため、今後、何を目的にどのような属性の人材を採用すべきかが具体化されるためです。採用の段階でデータに基づき人材の将来性が予測できるため、ミスマッチを起こすリスクも軽減されます。

 

2. ピープルアナリティクスによる人材活用

ピープルアナリティクスは、タレントマネジメントにも効果を発揮します。タレントマネジメントとは、従業員が持ち合わせている経験やスキル、ノウハウを効果的に発揮できる人材配置や人材育成をおこなうことです。

ピープルアナリティクスにより従業員の特性を踏まえながら最適な組織編成が実現するため、従業員にとって魅力的で居心地の良い環境が構築できます。従業員が自分の能力を最大限に発揮できれば、生産性向上だけでなく顧客満足度も向上し、会社全体に大きな利益をもたらすことにもつながります。

 

3. ピープルアナリティクスによる離職予防

ピープルアナリティクスは、離職を防止し人材不足に陥るリスクを軽減します。現代は、柔軟で多様な働き方や少子高齢化によって人材が流動的になり、優秀な人材の長期保有が難しくなっています。新たな退職者を生む前に過去の退職者データを用いて退職に至った原因の分析をおこなうことで、先手を打つ対策が可能となります。

ピープルアナリティクスを用いた人材採用の事例

AIや機械学習を活用した人材採用の応募用紙(エントリーシート)のイメージ

ピープルアナリティクスが従来の人事考査と大きく異なる仕組みであることや、従業員と会社双方にメリットをもたらす仕組みであることが理解できても、いざ導入するとなると不安要素や課題を思い浮かべてしまうこともあるでしょう。そこで、実際にピープルアナリティクスを導入し、成果をあげている事例を紹介していきます。

エントリーシートの選考をAIでおこなうことで業務効率化に成功

新卒採用で用いられるエントリーシートによる選考は、優秀な学生を獲得するための最初の重要なステップではありますが、人事担当者には大きな負担がのしかかります。この問題を改善するため、ある企業ではエントリーシートによる選考にAIを活用したピープルアナリティクスを導入したところ、70%以上の工数削減が実現しました。

応募者からの不満を緩和するために完全移行はしていないものの、導入前と比較すると格段に業務負担が軽減され、空いた時間を別の業務に有効活用できているとのことです。また、AIが選考をおこなうことで選考基準が一定に保てるため、公平な選考が実現できているといいます。

社内のハイパフォーマーや過去の採用基準のデータをもとに一貫性のある採用が可能へ

今まで明確な基準を設けず、人事担当者の経験や勘に頼りきった採用をおこなっていた企業でピープルアナリティクスを採用したところ、自社の現在地が理解でき、不足している労働力や必要な人材像が明確となったといいます。その結果、選考に一貫性を持ち、自社に本当に必要な人材を採用できるようになったそうです。

ピープルアナリティクスを取り入れ人事を刷新

ピープルアナリティクスの採用は、企業と従業員、双方に大きなメリットをもたらします。会社や従業員の5年後、10年後の未来のためにも、ピープルアナリティクスの積極的な活用を進めていきましょう。

ベネフィット・ワンが提供する「ベネワン・プラットフォーム」は、全従業員の勤怠や健康に関するデータを一元管理し、可視化することができます。ピープルアナリティクスに不可欠な人事データの収集や分析はもちろん、従業員1人ひとりの特性にあわせた最適な提案(レコメンド)も可能です。ピープルアナリティクスを導入し、人事領域の基盤を整えたい場合に最適なツールといえます。

また、ピープルアナリティクスにより評価の客観性が担保されることは従業員のモチベーションや生産性の向上に繋がりますが、従業員のモチベーション向上に効果的な代表例として福利厚生制度の充実も必要です。

ベネフィット・ワンの福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」は、約140万件以上の福利厚生サービスを擁していますので、多様化する従業員のあらゆるニーズに対応することができます。サービスの利用範囲は会員ご本人様と配偶者からそれぞれの二親等以内のため、会員ご本人の家族だけでなく配偶者の父母、兄弟、祖父母の方もご本人と同じ会員特典を享受できます。

人的資本の情報開示が義務化されつつある中、企業の持続的な成長を促すためには従業員の成長が必要です。ベネフィット・ステーションは従業員の人材育成に必要な教育や研修におけるカテゴリも充実していますので、人材育成にはベネフィット・ステーションを活用してスキルアップの機会を提供し、受講したカリキュラムや研修のデータ、保有しているスキルや資格はベネワン・プラットフォームへ集約してピープルアナリティクスを実施しましょう。

ベネワン・プラットフォームはベネフィット・ステーションを導入すると無料で利用できますので、ピープルアナリティクスを支援するツールとしてぜひ導入をご検討ください。

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