人材流出はなぜ起こるのか?原因を正しく把握し未然に防ぐ方法
少子高齢化などによる慢性的な労働力不足に陥っている日本において、企業からの人材流出は国レベルの生産性低下にもつながる深刻な問題です。実際に採用活動をおこなっている人事担当者の中には、人材流出の原因がわからず頭を抱えているという方も多いでしょう。
そこで今回では、せっかく採用した優秀な人材が流出してしまう原因を探りながら、限られた予算の中で流出を予防するための対策や、人材定着・管理の手法を意味するリテンションマネジメントなどを解説します。
企業の労働生産性を向上させるには 人手不足の今、以下のような課題には早急に取り組む必要があります。 ・従業員一人当たりの労働生産性の向上 ベネフィット・ステーションは、従業員満足度を向上し、健康経営やスキルアップを促進する総合型福利厚生サービスです。
・離職率の低下、採用強化
・従業員満足度の向上
・テレワークの拡大
・ITリテラシーの向上
グルメ・レジャー・ショッピング・スポーツ・旅だけでなくeラーニングなどの学習コンテンツ、育児・介護・健康・引っ越しなどライフイベントに関わるものまで、140万件と幅広いメニューを取りそろえています。
月額1人当たり1,000円~で上記課題の解決にオールインワンで寄与します。
資料は無料でダウンロードが可能です。
ぜひご覧ください。
目次
優秀な人材が流出する原因
新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが普及し、場所にとらわれない働き方が比較的容易になりました。
国際会計事務所のKPMGインターナショナルが世界のCEOを対象にした調査によると、コロナ禍から3年間で企業が抱える最も大きなリスクに「人材の流出」と回答した企業の割合は、全体の20%と最も高い結果となりました。現在、多くの企業では、人材の流出による人手不足がコロナ以前より加速しているという状況です。
優秀な人材が流出し退職してしまう原因として、具体的には以下のようなものが考えられます。
人事評価への不満
従業員はプロジェクトの成功や目標数値の達成のために努力して行動しています。しかし、働いている会社で「自分はあまり高く評価されていない」と感じると、仕事へのやりがいやモチベーションが低下してしまいます。また、その会社に長く在籍する生え抜きの従業員ばかりが高く評価されている場合、不公平感から離職を考える背景になることもあるでしょう。
給与の不足
仕事内容や業務量に見合った賃金でなかったり生活に必要な収入が得られなかったりする場合も、従業員は他社へ転職を考えるようになります。また、残業代が支払われないサービス残業なども企業への強い不信感につながり、離職者を増やす要因の一つになるでしょう。
キャリアパスへの不満
仕事ができる優秀な人材は、キャリアアップを目的とした転職をする傾向があります。例えば、以下のような特徴がある従業員は離職を検討する傾向があります。
・与えられた役割に不満がある
・自分の能力が発揮できる環境がない
・自分がなりたい姿が描けない
・人材育成の機会が十分でない
・自己成長できる可能性が見出せない
・企業の将来性や成長性が感じられない
労働条件
連日の残業によって心身が疲弊したり、ワークライフバランスが著しく乱れたりした場合も勤め続けることが難しくなります。また、働き方改革が推進されている近年では、育児や介護と仕事の両立ができない労働環境も人材流出の要因になりやすいです。
人間関係の失敗
上司からのハラスメントがあったり同僚とまったく話が合わなかったりと、職場の対人関係に関する問題を抱えている場合も、その会社に留まることが難しくなります。また、古参の社員ばかりの職場では、入社したばかりの新人や中途社員が人間関係を築きにくく、離職の原因になることもあるようです。
人材流出が企業にもたらすデメリット
人材流出が多い企業には以下のようなリスクが生じやすくなり、企業が受けるダメージが深刻なものになりかねません。ここでは、人材流出が企業にどのようなデメリットをもたらすのか紹介します。
知識・経験・人脈の損失
日本では採用した人材に仕事つけるメンバーシップ型雇用であることが一般的なため、今まで活躍していた人材が離職をすると、その人が持っていたノウハウや顧客・取引先とのコネクションも一気に失われます。これは人材流出における大きなデメリットで、優秀な人材であればあるほど企業の持続的な成長そのものにも影響を及ぼします。また、採用から数ヶ月で辞める従業員が多い場合は、知識や技術の継承や蓄積も難しいでしょう。
労働力そのものの不足
慢性的に人手が足りない中小企業の場合、度重なる人材流出によって従業員1人あたり携わる業務の種類が増えます。そうなると、残された従業員の業務に支障が出て直接的な打撃を受けます。現場の労働力が今以上に不足すれば残された従業員の負担がさらに増え、それが新たな人材流出を引き起こすという悪循環に陥ります。また、中小企業ではテレワークの実施が大企業より低い傾向があり、新たに採用する際に働き方の選択肢が少ないことなど労働条件が原因で応募者から辞退される可能性もあります。
採用・育成のためのコスト増
人材流出が続けば不足した労働力を補うために、積極的な採用活動をおこなわなければなりません。採用後は、当然ながら仕事を覚えてもらうための教育やトレーニングが必要です。そのため、人材流出が止まらない企業では、人事担当者の業務負担や採用・育成コストが増えやすい傾向があります。
しかし、コロナ禍で業績向上が鈍化している企業や業績が低迷している企業では、採用活動に充てる予算を削減している傾向もあり、流出した人材の補充がかなわなければ結果として人材不足を引き起こし、既存の従業員に対する負担が増大すると、前述同様にさらなる人材流出の悪循環に陥ります。
企業の信頼性低下
悪い噂が広がりやすい地方都市などでは離職率の高さによって企業の評判が下がり、それによって将来の採用もいっそう困難になるケースが多いです。全従業員の数%が流出してしまうということになると、企業の成長にも影響が出るといわれています。特に、母数の少ない中小企業の場合、たった数人の離職でも数十%の人材流出という状況は企業成長に大きな悪影響が出る可能性もあります。
人材流出対策~ 人事評価制度の見直しについて
人材流出を防ぐ対策としておすすめしたいのが、人事評価制度と労働条件の見直しです。これらはリテンションマネジメントといわれており、優秀な人材の流出を防止する取り組みです。本項と次項では、リテンションマネジメントの方法を紹介します。
人事評価制度の重要性とは
まず、潜在的な離職要因である「適切に評価されていない問題」を解消するには、経営陣や人事担当者が人事評価制度の重要性や従業員への影響度を知る必要性があります。
誤った基準で不適切な評価がおこなわれると、従業員の賃金や昇格などにも支障が出ます。また、自分よりも業務への貢献度が低い従業員の方が高評価であったり昇格するとわかった場合、モチベーションが低下して離職を考え始める人もいるでしょう。優秀な人材に納得して働いてもらうためにも、人事評価制度における以下3つのポイントを押さえて人事評価制度の見直しを進めてください。
【対策1】客観的な評価システムを導入する
公平性を保つ上で最も大切なのは、経営陣などの主観や経験に頼らない、誰が見ても納得できる定義を決めてシステムを構築することです。例えば、業績などの数値化できる項目だけで評価をした場合、成果がすぐに出るわけではない仕事に携わる従業員が不満を抱く可能性があります。
そのため、評価制度の客観性や公平性を高めるには、数値以外の視点で報奨を与える表彰制度やインセンティブ制度の導入も検討する必要があります。
【対策2】適切な人物に評価を任せる
評価システムが構築できたら、次は適切な評価担当者を選びます。なお、評価担当者はその職場での社内の実態や職務内容などをすべて把握している必要があります。
また、離職につながる不公平感を解消するには、幅広い従業員に信頼される人間性などについても評価担当者を選ぶ際の判断基準になるでしょう。
【対策3】人事評価そのものが担当者のスキルアップにつながることも
すべての部下を公平に評価することは、組織をまとめる管理職に欠かせないスキルの一つです。現場のリーダーや管理職向けの研修で評価スキルを向上させると、評価に対する従業員の不満や離職率における課題も徐々に解消できます。
また、適切な評価によって従業員が納得して働ける環境ができると、部や課を取りまとめる管理職の負担も軽減されるでしょう。
人材流出対策~労働条件の見直しについて
労働条件の見直しもリテンションマネジメントの一つです。人材流出の防止策として非常に有効ですので、4種類の具体例を紹介します。
従業員の正社員化
賃金や待遇、契約期間の不安があると、安定した仕事を求めて転職を考えるようになるものです。このような理由で優秀な人材が流出することを防ぐためには、非正規で雇っている従業員の正社員化も検討すべきでしょう。
ただし、注意点としてこの対策によって自社の正社員が増加する場合は、「人数が増えた分、基本給を下げる」といったことをしないようにしましょう。
人材の再配置
優秀な人材を採用した場合、できる限り本人が希望するキャリアパスが実現しやすい部署に配属するのが理想です。適材適所に人材を配置できていると、高いパフォーマンスを発揮しやすくなるため、その結果、各従業員が部署内で良好な人間関係を築けるようになりコミュニケーションも活性化します。
また、キャリア志向の強い優秀な人材の場合は、上司や人事担当者がほど良い距離感を保ちつつ、エンゲージメントを高めるようなフォローを続けることも重要です。
キャリアパスへの不満解消のための研修と教育支援を実施
自己成長意欲が高い従業員には、研修の環境と金銭の両面から教育支援をするのがおすすめです。このようなサポートによって高いレベルのスキルを習得できれば、学びの場を求めるようになることで離職する可能性は低くなり、質の高い業務に取り組める人材がいることは企業にとってもメリットです。
ただし、求めるスキルやキャリアは人によって違いがありますので、1on1ミーティングなどを定期的に実施してそれぞれの希望に耳を傾けるようにしてください。
辞めないで済む働き方改革
少子高齢化や核家族化の進む近年の日本では、介護や子育てなどの事情で仕事を手放す人もいることは事実です。この問題を解消するには、以下のような施策によって幅広い従業員が仕事を続けやすい環境を作る必要があります。
・残業や休日出勤の削減
・フレックスタイム制の導入
・時短勤務と短時間正社員の導入
・育児休暇・介護休暇などの充実
・テレワークの拡充やハイブリッドワークの導入
コロナ禍でテレワークが普及したとはいえ、フレックスタイム制や時短勤務など労働時間を一律に固定しない働き方とのかけあわせることが人材流出を抑制するのに効果的です。
また、職場環境におけるストレスも従業員に離職を考えさせる要因になります。よって、軋轢のない良好な人間関係の中でコミュニケーションをとりながら仕事ができるようにすることも、人材流出を防ぐための大事な取り組みといえるでしょう。
人材の適切な評価と環境整備で人材の流出防止
優秀な人材の流出には、人事評価やキャリアパスへの不満や人間関係の失敗といった原因が考えられます。多くの人材が離職した企業には、以下のような問題が生じるのが一般的です。
・労働力の不足
・採用育成コストの増大
・知識や技術、人脈の喪失
・社会的信用の低下 など
人材流出の防止には、ツールを活用することも効果的です。ベネフィット・ワンが提供する「ベネワン‧プラットフォーム」は、従業員1人ひとりのデータを可視化することにより、「個」と「組織」のマネジメントをサポートするデータ活用プラットフォームです。
「ベネフィット・ステーション」は、ワークライフバランスの充実、健康経営の推進、教育・研修の支援をトータルでサポートする次世代型福利厚生サービスです。これらのツールは従業員満足度の向上だけでなく、人材流出の原因となる内定辞退や離職防止にも役立ちます。なお、ベネフィット・ステーションを導入いただくと、ベネワン・プラットフォームは無料でご利用いただけます。
また、公平な評価の実現に向けたインセンティブ制度の導入・運用には、ベネフィット・ワンが提供する「インセンティブ・ポイント」の利用がおすすめです。インセンティブ・ポイントは働く人のエンゲージメントを強めるポイントプラットフォームで、本記事のような優秀な人材流出や従業員のモチベーションがなかなか向上しないといった課題におすすめです。
人材流出の防止を目的とした新しいツールやサービスの導入に関心のある方は、ぜひ以下のページをチェックしてみてください。
福利厚生のアウトソーシングについて 福利厚生の充実は、従業員満足度を向上させ、採用や離職防止にも役立ちます。 総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」は ・140万件以上のサービスが利用できるため、年齢や性別関係なく、従業員の多様なニーズに応えることができる ぜひこの機会にご検討ください。
・福利厚生会員数は業界最大の1,613万人(※2024年4月現在)
・「福利厚生」「健康支援」「教育・研修」をサポート
人材定着率40%UPに成功
社員のやる気を引き出すインセンティブ・ポイント
労働人口が減少している今、一部の調査では日本で働く人の70%は“やる気がない”とも言われています。
優秀な人材が辞めてしまう…
会社へのエンゲージメントが低い…
職場に活気がなく生産性が上がらない…
上記のような問題は、社員のモチベーションを向上させることで解決ができます。
モチベーションの向上は社員のエンゲージメントを高め、労働生産性の向上にもつながります。
社員のやる気を引き出すオリジナルのポイント制度”インセンティブ・ポイント”は、
・多様なニーズに合わせて、約20,000点から好きなアイテムと交換できる
・コミュニケーションが活性化され、社内環境の改善につながる
・人材定着率40%アップに成功した事例も。確実な導入効果を実感できる
すでに業界トップシェアを誇る576社が導入、404万人の社員が利用しています。
ぜひこの機会に、社員のやる気を引き出すオリジナルのポイント制度を検討してみましょう。