Z世代とは?その特徴から人材育成の方法に加え、他の世代との違いも紹介!
この記事のまとめ
・Z世代とは1997年から2012年に生まれた世代であり、「真のデジタルネイティブ」とも呼ばれる
・Z世代は高度デジタル社会で育ち、デジタルデバイスを利用したコミュニケーションに精通
・Z世代は個が自由に情報を発信する時代を生きており、多様な価値観を重要視
・Z世代はY世代(ミレニアル世代)以上にワークライフバランスを重視し、コト消費を好む
・Z世代の人材育成においては、個々の志向性や価値観に応じたマネジメントが重要
※この記事は2021年8月にテレビ番組に取り上げられました。(会社名は2022年4月1日ベネフィット・ワンに統合された株式会社JTBベネフィット名義)
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Z世代とは
Z世代は、一般的に1990年代後半から2010年代前半に誕生した世代を指し、「ジェネレーションZ」とも呼ばれます。2020年代以降に社会に進出する世代で、現在はその多くが学生です。
Z世代は、生まれた時からインターネットが普及しており、幼い頃からスマートフォンやSNSに親しんでいるために、「真のデジタルネイティブ」「ソーシャルネイティブ」「スマホ世代(iGen)」などの呼称でも呼ばれます。
Z世代が注目される背景
Z世代は、なぜ世間に注目されているのでしょうか。その理由を3つ紹介します。
これまでの世代と生活様式が顕著に異なるため
Z世代とそれ以前の世代では、生活様式が顕著に異なります。特に、デジタルデバイスを活用した情報発信・収集が生活に根付いており、よりリアルな情報収集を得ることがZ世代独自の価値観や思考性に大きな影響を与えています。これらの詳細については、追って解説します。
今後、本格的に社会に進出してくるため
1997年(日本では1996年とすることも一般的)から2012年生まれを指すZ世代は、これから本格的に社会人となるために、Z世代の人材獲得や人材育成を円滑に進めたい多くの企業が注目しています。
2019年時点の国連統計によると、Z世代が占める人口の割合は日本では約14%、アメリカでは約20%ですが、世界の人口約77億人では約32%で全人口のうち約1/3がZ世代になります。この統計をみると、日本における少子化が社会問題であることは明らかです。
近い将来、消費のメインターゲットとなるため
Z世代は、そのうちマーケットの中心となりますが、ソーシャルネイティブと呼ばれるこの世代に対する企業のマーケティングは十分とは言えません。例えば、消費行動が特徴的なため、広告戦略についても新たなアプローチが必要です。コロナ禍におけるデジタル化の加速もともない、マーケティング層としての注目度が高まっています。
Z世代とY世代・X世代との違い
Z世代と似た言葉に、Y世代(ミレニアル世代)やX世代(ジェネレーションX)があります。ここでは、これらの世代間の違いを社会情勢やデジタルデバイスの変化とともに紹介します。なお、各世代の生年は明確に定義されていませんので、一例として参考にしてください。
Z世代とY世代、X世代の違い
Z世代 | Y世代 | X世代 | |
生年 | 1997年~2012年 | 1981年~1996年 | 1965年~1980年 |
現年齢 | 10歳~25歳 | 26歳~41歳 | 42歳~57歳 |
別呼称 |
Generation Z 真のデジタルネイティブ ソーシャルネイティブ スマホ世代(iGen) |
Generation Y ミレニアル世代 デジタルネイティブ |
Generation X しらけ世代 団塊世代ジュニア デジタルイミグラント |
社会情勢 |
グレートリセッション、 アラブの春、AI発達 |
同時多発テロ、 イラク戦争、SNS登場 |
オイルショック、ベルリンの壁崩壊、インターネット普及 |
代表製品 |
AR/VR、3Dプリンタ 自動運転 |
スマートフォン タブレット端末 |
パソコン |
また、X世代よりも前の世代を「Baby boomers(ベビーブーム世代)」と呼び、さらに前の世代をTraditionalist(伝統主義者世代)と呼びます。
X世代とY世代の特徴
Z世代の前の世代であるX世代とY世代(ミレニアル世代)が生きた時代背景について、歴史的背景とあわせて各世代の特徴を紹介します。
X世代・Y世代が生きた時代背景の変遷
年代 |
X世代の年齢 |
Y世代の年齢 | 主な出来事 |
1975年 | 〜10歳 | ベトナム戦争 終戦 | |
1979年 | 〜14歳 | オイルショック、学生運動終焉へ | |
1983年 | 3〜18歳 | 〜2歳 | 初代ファミコン発売 |
1989年 | 9〜24歳 | 〜8歳 | ベルリンの壁崩壊 |
1990年 | 10〜25歳 | 〜9歳 | パソコンが普及開始・スーパーファミコン発売 |
1995年 | 15〜30歳 | 〜14歳 | インターネット、携帯電話の普及開始 |
1999年 | 19〜34歳 | 3〜18歳 | ITバブル |
2001年 | 21〜36歳 | 5〜20歳 | ITバブル崩壊、アメリカ同時多発テロ |
2004年 | 24〜39歳 | 8〜23歳 | 日本でSNS(mixi)が流行 |
2008年 | 28〜43歳 | 12〜2歳 | リーマンショック |
2009年 | 29〜44歳 | 13〜28歳 | スマートフォン発売開始 |
X世代は、「内向的で個人主義」
X世代には現在の40代と50代が該当します。オイルショックによる高度経済成長の終焉や学生運動の終息が影響し、社会や政治に対し冷めており、冷静で手堅く判断する傾向があります。よって、「しらけ世代」とも呼ばれます。
X世代の中には、テレビゲームやインターネットに青年期で触れた層もおり、途中からデジタル環境に触れたという意味で、デジタルイミグラント(※)とも呼ばれます。
※イミグラント(immigrant):移民
Y世代(ミレニアル世代)は、「活動的なデジタルネイティブ」
Y世代は現在の20代後半~40代初頭が該当します。最初のデジタルネイティブ世代で、Y世代よりもミレニアル世代の呼称で有名かもしれません。生まれた頃にはテレビゲームなどのデジタルデバイスが存在し、青年期にかけては携帯電話(ガラケー)やパソコン、インターネットに親しみ、それらの進化と共に成長してきました。
しかし、インターネットの回線速度やデジタルデバイスの性能が未発達で、現代と比較するとさまざまな制約を受けており、コミュニケーション手段は電子メール、ブログ、掲示板がメインでした。よって、アナログに一定の理解を示しつつもデジタルに興味がある世代といえます。また、Y世代の後半にあたる1987年頃以降は、いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれていました。
Z世代の特徴
真のデジタルネイティブ
発展途上にあったY世代のデジタル社会に比べ、Z世代が生まれた時代は、ハイスペックなインターネットやデジタルデバイスが生活に根付いています。また、Z世代は幼い頃からスマートフォンに触れてSNSを使いこなす、「スマホネイティブ」かつ「ソーシャルネイティブ」でもあります。このように、高度にデジタル化された技術を習得し、生活の一部としているために、「真のデジタルネイティブ」とも称されます。
また、Y世代との比較において興味深いのは、携帯電話の位置付けやSNSの利用方法です。
Z世代とY世代におけるデジタル化の違い(例)
Z世代 | Y世代 | |
携帯電話 | オンライン上で完結するツール | 対面世界を補完するツール |
SNS | 写真や動画が中心 | 文字が中心 |
例えばSNSにおいて、Z世代はInstagramなどを用いた写真・動画投稿によるコミュニケーションが主流ですが、Y世代はmixiやFacebookなど文字中心のコミュニケーションが主流です。このように、同じSNSでも、それぞれの特徴からみた性格は、世代によって異なります。
価値観の多様化とその受容
Z世代の特徴として、多様性と現実主義を重んじる価値観が挙げられます。インターネットやSNSの普及にともない、個の情報発信が可能となったことで、各々が自身の趣味思考に合った好みを持つようになりました。
この点で、Z世代より前の、マスメディアによる広告などによりトレンド形成される時代を生きた世代と一線を画していて、多様性を受け入れるダイバーシティ&インクルージョンを重視し、個性を尊重する価値観を大切にしています。
また、Z世代は幼い頃にリーマンショックから続く不況に生きる親を見て育ち、その後に東日本大震災を経験したことも影響し、現実主義な一面もあります。モノ(商品)の所有ではなく、体験や経験に価値を置きますので、価値があるものや共感が得られるモノに対しては時間やお金を惜しみなく注ぎ、消費行動として必要なモノはサブスクリプション※で購入したりシェアリングで入手したりします。
※サブスクリプション(subscription):期間に応じて定額の料金を支払い、サービスの提供を受ける契約
社会人としての母数はまだ少ないZ世代ですが、就職氷河期世代ともいわれているX世代の後半からY世代の前半よりも転職の回数は少なめで、なるべくなら1社で長く働きたいという保守的な面もあります。
平等・オープン・効率・バランス
Z世代は、ゆとり教育の余波で絶対評価の教育を受けており、競争よりも協調や助け合いを大事にします。また、SNSを通じて日常的に「自分らしさを発信する」、「他のコンテンツから情報を受信する」ことに慣れています。そのため、以下のようなことを社会や働き方に求める傾向があります。
(1)平等な価値観が前提
例えば、性別についても「こうあるべき」との考え方でなく、違いを個性として受け入れる価値観を大事にする社会を求めます。また、SDGsに対する認知度が高いことが特徴で、特にジェンダー平等への関心が高く、テレビや新聞よりも影響力のあるインフルエンサーが発信するTwitterやTikTokから身近に感じている傾向があります。
(2)開かれた環境を望む
リアルだけでなくSNSを通じたオープンな環境での自己表現やコミュニケーションに慣れているため、社会や職場でも同じような開かれた環境を求める傾向があります。
(3)効率性を求める
ネットリテラシーが高くスマホやPCなど最先端のデジタルデバイスを有効に使用し、圧倒的な情報スピードの環境で生活しているため、アナログで非効率なシステムや慣例を嫌い、効率性を求めます。
(4)ワークライフバランスを重視
以下の円グラフは、Z世代とY世代を含んだ調査結果(平成29年度)と、Y世代のみを対象とした調査結果(平成23年度)です。共に「仕事よりも家庭やプライベートを優先したい」と答える層が多いのですが、Z世代が加わった層(平成29年度)はその性格がさらに強いことがわかります。
Z世代とY世代の就労に関する意識調査
出典:内閣府 平成30年 子供・若者白書 「特集 就労等に関する若者の意識」
Z世代の人材育成のポイント
会社が持続的に発展していくためには、Z世代に限らずあらゆる世代が成長できる環境を整えることが重要です。これから社会に本格参入するZ世代を、会社はどのように育成すれば良いのでしょうか。
ルールやマニュアルで縛るのではなく、自由な発想を促す育成
大量生産を前提としていたモノ社会では、ルールやマニュアルは非常に重要でしたが、コト社会への推移やニーズの多様化にともない、自由な発想によるビジネスモデルの着想やカスタマイズの重要性が高まっています。
多様性を重要視するZ世代の個性をルールやマニュアルで縛るのではなく、自由に発想させる育成や体験の機会を提供することで、企業の持続的な成長に寄与します。
古い慣習に固執せずに、新しい利便性を取り入れる育成
真のデジタルネイティブであるZ世代は、Y世代(ミレニアル世代)よりもさらにデジタル化された世界を生きています。よって、ハンコや紙文化に代表されるようなアナログ体質にアレルギーを示します。
また、不確かな情報はデジタルデバイスなどを通して正確でリアルな情報を確認することが当たり前で、合理的ではない社内のルールや常識を疑うこともあります。この場合は、慣習を無理に押し付けるのではなく、Z世代の意見を聞きながら、最適化を目指した改善も検討しましょう。
Z世代に新しいアイデアを考えさせる際に、そのアイデアやメリットをわかりやすく説明させることも、重要な人材育成の1つです。
個々の強みや思考性に配慮した育成
Z世代は多様性を重視しているため、一律に扱われることを嫌います。個々の強みや思考性に配慮した人材育成をすることで、会社への満足度やモチベーションの向上に貢献し、その取り組みが採用における企業のブランド価値向上に繋がります。
これまでの人材育成は、年次や職種に応じて一律的なアプローチが一般的でしたが、今後は個々の特性や状況に応じたアプローチが重要です。
まとめ
コロナ禍におけるテレワークにより、Z世代にあたる昨今の新入社員の育成が、多くの企業で課題になっています。十分にコミュニケーションが取れない環境下で、個々の新入社員の価値観やスキルを把握するには、どのような方法があるのでしょうか。
その解決策の1つとして効果的なのが、ベネフィット・ワンが提供するデータ活用プラットフォーム「ベネワン・プラットフォーム」です。ベネワン・プラットフォームでは、社員のデータを一元管理し、可視化することで、個人が持つ能力を最大限に発揮することを叶え、社員一人ひとりがPC上で回答したアンケートやサーベイなどのデータを分析します。これにより上司は部下の能力や価値観を把握でき、会社としても社員のデータを蓄積することで会社・組織としての人事データを充実させ、戦略的な人材獲得や人員配置が可能となります。もちろん、社員本人にもデータを開示して自己理解を個々の分析結果に応じて自己成長のための具体的なアドバイスを与える機能も備わっているため、を促すことができます。
また、Z世代が求めるワークライフバランスの充実には、ベネフィット・ワンが提供する「ベネフィット・ステーション」がおすすめです。ベネフィット・ステーションには、全国どこでも利用できる約140万のサービスがあり、仕事とプライベートの両立を叶えます。中でもeラーニングサービスでは、ネットリテラシーが高いZ世代ならではのデジタルを活用したスキルアップが可能な次世代型福利厚生サービスです。
Z世代の次はアルファ世代(α世代)と言われています。
アルファ世代は、2010~2025年頃までに誕生した世代を指し、世界の人口では約20億人がアルファ世代と言われるようになることが予想されています。2022年現在、彼らはまだ小中学生ですが、Z世代と変わらずデジタルネイティブではあるものの、その先にあるデータ分析やVR(仮想現実)も身近となっています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)をさらに後押しする世代の台頭に備え、ベネフィット・ワンが提供する「ベネフィット・ステーション」や「ベネワン・プラットフォーム」をはじめとしたHRテックサービスをぜひご検討ください。
今回の記事のポイントは以下の5つです。
・Z世代とは1997年から2012年に生まれた世代であり、「真のデジタルネイティブ」とも呼ばれる
・Z世代は高度デジタル社会で育ち、デジタルデバイスを利用したコミュニケーションに精通
・Z世代は個が自由に情報を発信する時代を生きており、多様な価値観を重要視
・Z世代はY世代(ミレニアル世代)よりもワークライフバランスを重視しており、コト消費を好む
・Z世代の人材育成においては、個々の志向性や価値観に即したマネジメントが重要
少額投資で人材不足を解消
福利厚生サービス ベネフィット・ステーション
今や全業種の企業において65%以上が深刻な人材不足と言われています。人材不足の悩みの多くは、以下のようなものです。
・福利厚生などの待遇による満足度が低く、既存の社員が転職するなど人材の流出が止まらない
・中小企業は企業独自としてのアピールポイントが少なく、新しい人材の確保に苦戦する
人材不足を解消するには、新規採用で社員を増員または既存社員の離職を減らすかのいずれかの方法しかありません。その解決策として、福利厚生の充実に注目が集まっています。
なぜなら賃金を上げるよりも安価に拡充できるからです。
総合福利厚生サービス ベネフィット・ステーションの特徴
・東証プライム上場企業の62.2%(2022年4月現在)が導入済み
・140万件を超える優待サービスから自分にあったものが選べ、幅広い年代層/多様なニーズに対応可能
・従業員1人あたり1,000円(税抜)~で、健康支援、教育支援も合わせて対応可能
中小企業であれば、最短2週間で大企業と同等レベルの福利厚生の導入が可能です。
導入の手続きも簡単で、導入後も従業員が企業担当者を介さずにサービスを利用できるため、事務作業はほとんど発生しません。
ぜひこの機会に福利厚生制度の拡充を検討していきましょう。