社員属性の変化に合わせて組合運営を適正化し、
社員が働き続けられる環境を整備した事例

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大手飲食チェーン株式会社サイゼリヤ(以下、サイゼリヤ)の労働組合「サイゼリヤユニオン」(以下、ユニオン)が2017年12月1日から福利厚生サービス ベネフィット・ステーションを導入しました。

営業部・人事部を歴任し、現在はユニオンの執行委員長を務める堀江義徳様に導入の背景、期待することについて話を聞きました。
※本稿の取材はベネフィット・ステーションの導入前である11月中旬に行いました。

――まずはサイゼリヤの社員構成や働き方について教えてください。

サイゼリヤは全国約1000店舗を超えるイタリアンレストランを展開しています。

店長や本社機能を担当する正社員1900名と店舗運営のパートスタッフが2万6000人ほど働いています。

正社員の9割近くが男性ですが、パートスタッフにおいては女性が7割を占めています。

――ベネフィット・ステーションの導入は会社としてではなく、ユニオンとしてのベネフィット・ステーションの導入となりますが、ユニオン加入者とはどこまでの範囲を指しますか?

正社員に加えて社会保険に加入しているパートスタッフ約2700名、合わせて約4500名が対象となります。

――社会保険加入しているパートスタッフが10%を超えるというのは外食産業では高い数値のように思います。

社会保険の加入者が増えると企業負担が増えるので、外食業界では「80時間以上働かせるな」というのが常識です。

サイゼリヤでは昔から「パートスタッフの生活を支えるためには当然」という感覚で、社会保険の適用をOKとしていました。

社会保険の加入を前提に採用面接にいらっしゃる方も多いですよ。

そもそも、パートスタッフをユニオンに加入させ始めたのもサイゼリヤは特に早かったですね。

――他にもサイゼリヤならではの特徴はありますか?

社会保険加入者にはユニオンの加入に加えて、時給手当が1時間につき+10円、ボーナスがしっかり出るのも特徴です。

さらに、今年の7月には長く働いてくれているパートスタッフに対し、退職時に自社株が受け取れるインセンティブ制度「株式給付信託(J-ESOP)」を導入しました。

――パートスタッフに株の付与とは聞いたことがありません、素晴らしいですね。

なぜここまで長く働いてもらえるような工夫をされているのでしょうか?

これはサイゼリヤのビジネスに対する考え方が関係しています。

売り上げは「立地×商品」で決まると考えていて、実は店長の評価においても売り上げの重要度は限りなく低いです。

その分、サービスのクオリティー、店舗の清潔感、常に良い接客を維持することを最重要とした評価制度にしています。

そのため、特に現場で働く社員に気持ちよく、長く安定して生活してもらうこと、それがクオリティーを維持することにつながると考えています。

余談ですが、最近ではメニューを紹介してくれるような番組に出ないようにしています。

一時的には売り上げがとてつもなく上がるのですが、忙しすぎて均一なクオリティを保つことが難しくなったことがあり(笑)。

新たに組合員になった社員へ組合制度とベネフィット・ステーションの説明を行っている様子

――少し話が変わりますが、ベネフィット・ステーションの導入はどのようなきっかけ・背景があったのでしょうか?

大きく3つの要因でユニオンの制度を変更し、ベネフィット・ステーションを導入することとなりました。

⑴平均年齢の上昇、⑵女性社員への対応、⑶組合費使途の最適化がその要因です。

まず、平均年齢についてです。10年前、社員の平均年齢は26歳でしたが、社員が辞めず働き続けてくれた結果、現在では36歳になりました。

10年前は若く、仕事と社内のイベントに熱心だった社員が中心でしたが、今では家庭を持ち子供を育てながら働いている社員が多くを占めています。

たまの連休は家族サービス、もう少しすると両親の介護問題に直面する、そんな社員が増えてきているのが実情です。

女性社員への対応についても、店舗スタッフの7割を占める彼女たちへのサポートが不足しているという状況でした。

パートスタッフの多くは子育てをしている方が多く、特に首都圏は待機児童などの問題があります。

働き続けたくても続けられないという状況は何としても避けたいと思っていました。

――それらに加えて、組合費の使途に課題があったのですね。

これまでユニオンで提供していた社員懇親会・社員旅行・リゾート施設などを、社員属性の変化・社会の変化に合わせたサポートへ変えていく必要がありました。

特に予算の多くを占める社員旅行・イベントは、費用にして数千万円の出費がありましたが、参加者は年間約250名、組合員に対する比率はわずか5.5%であり、4500名から集まった組合費の使途としては正しくないと考えていました。

ユニオンとしては「すべての社員が日常的にサポートを受け、働き続けられる」ように制度の改革に踏み切りました。

――参加者にはメリットが非常に大きい制度ですね、変更にはご苦労はなかったですか?

ユニオンとしてはやはり合議を得る必要がありますし、一部反発や反対意見がでることを想定しておりました。

しかし実際は驚くほど反対がなく、むしろ「こんなサービス使えて良いの?」という嬉しい反響がありました。

定期大会に参加する全国150名程のユニオン役員に対して、ベネフィット・ワンの営業担当さんにも協力をいただきながら根回しをしていたのも大きかったと思います。

――福利厚生サービスの提供業者はいくつかありますがが、ベネフィット・ワンを選択した理由・決め手は何でしたか?

今回はベネフィット・ワンを含めて3社の検討をしましたが、単なるパッケージサービスの提供にとどまらず、一緒に考え、試行錯誤していける「福利厚生のパートナー」だと感じたのが決め手となりました。

特に考え方が似ていると思ったんです。

こちらからの質問に対して、できるものはできる、できないものはできないとはっきり回答いただくのはもちろんですが、今はできないながらも要望を形にしていこう、一緒に考えていきたいという企業の姿勢が見え、好感を持ちました。

――導入前の段階ですが、ベネフィット・ステーションに期待しているところはありますか?

日常の家族サービスで使ってもらえそうな施設の割引サービスはもちろんですが、特に部活動の支援サービスに期待しています。

サイゼリヤにも昔から野球部などがあるのですが、社員構成の変化からか最近は活動が下火になっています。

日常的に近隣店舗に勤める社員同士、あるいは他企業の方との交流を活性化させることはリフレッシュにも自己啓発にも良いと考えています。

サイゼリヤ野球部の集合写真。「社員交流がより活発になれば」(堀江氏)と話す

ベネフィット・ステーションでは企業を越えた枠組みで会員同士からなる”部活”を数多くご用意。社員のコミュニケーション活性化・余暇充実を支援します。

――今後の展望などはございますか?

ベネフィット・ワンにどっぷりと入っていただき、是非一緒にいろいろなことに取り組みたいと考えています。

逆に、私たちをぜひ実験台にしてください(笑)

もう少し時間が経った時点では、導入前後で離職率の変化を測定したり、社員へのアンケートをとったりと効果検証においてもさまざまな取り組みに期待をしています。

新たな試みなので、一人ひとりの社員にとっても会社にとっても良い結果をもたらす制度にしていきたいです。

ベネフィット・ワン導入直前に発行された組合報。サービススタートに先駆けて告知を行った

導入から約2週間、魅力は身近な店舗で、家族も使える

堀江様へのインタビューの後、実際に店舗で働く方を代表して、サイゼリヤ新大久保明治通り店・嵯峨店長、定時社員金生様にお話を聞きました。
※ベネフィット・ステーション導入後の2017年12月13日に取材を行いました

左:店長 嵯峨濃様、右:定時社員 金生様

――先週から会員証が届き始めていると伺ったのですが、ご利用いただけましたか?

金生:まだなんです。会員証は届いたので、具体的に何ができるのか、どんなお店で使えるのかがわかって早く使いたいのですが。

嵯峨濃:ミニストップのソフトクリームなど、身近なものもあるのですよね。

金生:あとは、カラオケの歌広場なども。サービス対象もですが、自分だけしか使えないサービスじゃないのが凄く良いですよね。アプリを使えば会員カードを持ち歩く必要もないし、子供にもアプリをDLして使ってもらえる。

嵯峨濃:ちなみに金生さんのお子さんは今の時間、ここで働いているんです。

――親子そろってこの店舗で働いているのですか?

金生:はい、学生なのですが、他のところでバイトを始めると思っていたら「サイゼリヤが良い」と相談を受けまして。

嵯峨濃:私も是非是非って(笑)

――自分の母親と一緒に働くとは…私にはまったく想像できません。

金生:もちろん厳しく指導しています、周りは気を使うかもしれませんが(笑)

嵯峨濃:サイゼリヤは親子だけでなく夫婦で働いているケースも多いですし、中には3代で働いているケースもあります。

――それはすごいですね、友人紹介制度などを設けているのですか?

嵯峨濃:特に設けていませんが、楽しく働いている姿とか、やりがいを持って働いているのを近くで感じているのだと思います。

紹介する側としても、よほど自信がなければ家族には勧められませんし、そういう点ではすごく良い職場だと思います。

――今回の組合制度の変更について、お二人はどういう考えをお持ちですか?

嵯峨濃:私自身、ユニオン主催のレクリエーションイベントには参加したことがありますが、社員旅行への参加はしたことがありませんでした。

家族がいる方が行くものだと認識していていましたので。

会社が大きくなりすぎてしまって、特定の人しか参加できていないのに関わらず費用を組合員全員で持ち合うというのは不公平じゃないか?という堀江委員長の考えはまさにその通りだと思います。

それに私は、ほかの企業に勤めている友達が福利厚生サービスを使っているのを羨ましいと感じていたので、ベネフィット・ステーションの話を聞いた時はとても嬉しく感じました。

飲食業という働き方では、休みや利用するタイミングも人それぞれになってしまいます。

それぞれが選択してそれぞれのタイミングで利用できる、というのはとても良いと思います。

これから使っていくのが楽しみです。

ベネフィット・ワンでは、社員待遇の向上施策としてベネフィット・ステーションのご提案を行っております。 また、労働組合・共済会の運営に関するご相談等も承っております。
従業員と企業の幸せな関係を築くために、ぜひこの機会に福利厚生の充実を検討してみてはいかがでしょうか

福利厚生サービス ベネフィット・ステーション を問い合わせる。
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