社内コミュニケーションはなぜ重要か?メリットや取り組み事例を紹介

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企業が円滑にビジネスを進めていくためには、良好な「社内コミュニケーション」は欠かせません。

社員同士のヨコの関係性だけでなく、タテのコミュニケーションも活発になれば、業務効率化や生産性向上、人手不足解消なども期待でき、企業が競争力を上げるための重要な手段のひとつとなります。

社員同士の「社内コミュニケーション」活性化のために、みなさんの職場ではどのような工夫や取り組みをされていますでしょうか?

この記事をご覧の方のなかには、「月に一回社内報が出ている」「会社主催の運動会がある」「オリジナルの制度がある」という方もいれば、「自分の会社には特にそのような制度や取り組みがないので、これから実践していきたい」という方もいらっしゃるでしょう。

ですが、まだ会社の仕組みになっていない場合、「大切なのはわかっているが、具体的にどのように実践していけばいいのか良くわからない」というお声もあるかと思います。

そこで今回の記事では、企業の広報・人事総務・ご担当者様向けに、社内コミュニケーションの重要性やメリットだけでなく、実践のためのポイント、実際の企業事例についてご紹介します。

すでに社内コミュニケーションに関する取り組みを行っているという方も、これから行うという方も、本記事を社員同士のコミュニケーション活性化のためのご参考にしていただけますと幸いです。

【注目】自社にとって本当に必要な福利厚生制度は?

もしもこの記事をご覧いただいている方の中で、自社の福利厚生制度についてお悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはじめに「企業担当者必見!「福利厚生サービス」のおすすめ5選を解説」の記事をお読みください。

社内コミュニケーションはなぜ大切なのか?

社内コミュニケーションの目的と背景

企業にとっての良好な社内コミュニケーションとは、「社員同士がお互いの知見やスキルを共有し合い、関係性を深め、それらを活用して企業の利益に貢献する取り組みやコミュニケーションを行う」ということです。

社内コミュニケーションが行われる目的としては、以下のような点が主に挙げられます。

・会社としての目標やビジョンの共有

・経営や事業に関する情報をいち早く共有し、業務効率化

・社員同士の交流、能力の高め合い

・より良い企業文化の醸成

・離職率低下、社員の定着

いずれも、健全な経営を行っていくうえで、重要な項目ばかりです。

HR総研が2016年に行った「社内コミュニケーションに関する調査」によれば、コミュニケーションに課題を感じている企業は約8割となっており、問題意識を持つ企業が年々増えてきています。

8割の企業が社内コミュニケーションに課題


その背景として、国による「働き方改革」の推進などにより、企業の経営環境や社員の働き方に変化が生じ、組織のあり方や社員の雇用形態が多様化していることなどが挙げられます。

こうした変化や社員の流動性が大きくなっていくにつれて、社員同士の意思疎通が図りにくくなっていくことも増えてくるため、社内コミュニケーションの重要性も増してきているのです。

社内コミュニケーション活発な企業が得られるメリット5つ

さて、社員同士のコミュニケーションが活発な組織になると、具体的にどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。

この章では5つのメリットについてご紹介します。

メリット①:生産性向上

社員同士のコミュニケーションが円滑になると、チーム内の業務分担がスムーズに進むため、進捗の進み具合や業務で困った人を見つけやすくなる環境が生まれます。

また、チーム内だけでなく部署間のプロジェクトの場合であっても、情報共有が円滑に行われるため、業務効率化や生産性向上を期待することができます。

生産性の向上や業務効率化については、別記事「労働生産性とは?混同しがちな定義と計算式をわかりやすく解説」にて、ご紹介しております。合わせて、ご覧ください。

メリット②:顧客満足度向上

多種多様な業界のクライアントを抱えている営業担当者にとっては、社内でストックしている情報や知見は多ければ多いほど、より有利な提案をすることができるはずです。

もし提案に関する重要な情報を、社内にいるメンバーが既に持っていて、それを知らない状態が続いたとしたら、企業にとっては大きな機会損失をしている状態と言えるのではないでしょうか。

また、日頃から多くの人と会話や情報共有を行うことで、社員の基礎的なコミュニケーション能力向上にも役立ち、総合的な提案レベル向上も期待できます。

メリット③:社員満足度向上

意見交換が活発な組織では、社員同士だけでなく、上長に対しても意見を言いやすい土壌ができていると考えられます。

社員にとって、自分が仕事をコントロールできるかどうかはモチベーションに大きく関わってきます。

そうした環境に社員がいると、仕事の進め方の認識を合わせることができるほか、上長も部下の不満や要望を吸い上げやすくなるため、社員満足度を上げるための施策としても有効です。

社員満足度向上については、別記事「従業員満足度とは?明日から実践できる5つの考え方と企業事例を解説」にて、ご紹介しております。合わせて、ご覧ください。

メリット④:社員定着率向上

どの企業においても人手不足が喫緊な課題として叫ばれているなか、社員の定着率を上げることは、企業経営において最も重要なミッションの一つでしょう。

退職を選ぶ社員の、最も多い退職理由は、「人間関係での悩み・不満」に関するものです。

常日頃から、同僚や上長に相談しやすい環境をつくっておくことが、仕事の満足度向上や離職率低下へも繋がっていくでしょう。

日頃からコミュニケーションを密に行い、しっかりとした人間関係を築くことができれば、もしその社員が一時的にその会社を離れたとしてもまた戻ってきたり、パートナーとして力を貸してくれるかもしれません。

企業のパワーリソースを確保するために、社員のエンゲージメントレベルを上げておくことは、社員の定着率を保つために非常に重要な要素です。

メリット⑤:企業ブランド向上

社内コミュニケーションに関する取り組みが活発な組織は、「働きやすい企業」や「先進的な取り組みをしている企業」としてメディアに取り上げられやすくなり、PR活動や企業ブランド価値向上などにも役立てることができます。

また社内サークルや社内イベントが盛んであったり、社員の口コミでプラスの評判になっている会社には、新卒学生や中途転職者が入社を決める一つの判断材料となることもあるため、自社のことを好きな人材を集めるための手段としても有効です。

社内コミュニケーションの方法例4つ

①社内報

この章では、社内コミュニケーションに関する具体的な施策例についていくつかご紹介します。

HR総研が2016年に行った「社内コミュニケーションに関する調査」によれば、職場の「コミュニケーション不全の防止・抑制策は何か?」という質問に対し、最も回答数が多かったのが「社内報」でした。

社内コミュニケーションには社内報が効果的

社内報は、普段はなかなか知ることが難しい、経営者がいま考えていることや、同僚の意外な一面が垣間見える社員インタビュー、座談会などを通して会社の文化を知る・伝えることができる媒体です。

一般的には、広報や人事・総務などの部署が企画・制作を担当することが多いですが、クリエイティブ系人材を持っている会社だと、自社のデザイナーが社内報制作プロジェクトに関わることもあります。

社内報に特別なルールや、しきたりはありません。社内向けのものもあれば、社外向けのものもあります。紙だけでなく最近ではWeb社内報などのサービスも登場してきています。

自社のコミュニケーション施策実績や社員規模に合わせて、魅力的なコンテンツを発信することで、社員のエンゲージメントは徐々に上がっていき会話や交流も自然と生まれてくるでしょう。

②社員食堂

社員食堂の設置は、社員同士のコミュニケーションや情報交換が活発に行われる場として、今も昔も人気かつ有効な施策です。

大企業では、豪華な内装で、栄養バランスも十分に考えられた食事を提供できる場合もありますが、限られた予算で福利厚生を提供したい中小企業の場合は、数百万〜数千万円の費用が掛かってくる社員食堂の設置は難しい場合もあるでしょう。

最近では、IT企業などを中心に、ハイクオリティなオフィス常駐型の外部社員食堂サービスや配達弁当サービスなどが盛んになっています。

大規模な投資をせずとも、社員が喜ぶ食の場がそこにあれば、自然と会話は生まれます。様々な工夫や可能性を検討しながら、社員食堂の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

社員食堂については、別記事「3人に1人が高い満足度を実感、福利厚生で検討すべき社員食堂」にてご紹介しております。合わせて、ご覧ください。

③社員研修

社内コミュニケーションを活性化させるためには、社員同士の交流のみが手段ではありません。

社員ひとり一人のスキルアップを助ける社員研修を行うことにより、普段出ないような話題や生産性アップのための施策アイディアが出ることもあります。

研修の種類には、マネジメント研修や全社員対象の座学研修だけでなく、定期的かつライトな内容の研修、フリーな雰囲気の中意見交換ができる懇親会付きの研修など、その設定方法は自由で様々です。

社員研修については、別記事「【人材育成のコツ】優秀な人材がどんどん育つポイントを世代ごとに解説」にて、ご紹介しております。合わせて、ご覧ください。

④レクリエーション

社員旅行やスポーツ大会などのレクリエーションを設定すると、社員の意外な特技を知ることができたり、普段は会話をする機会が少ない社員と役員との距離を縮める交流にも役立てることができます。

社員が一斉に移動したり、趣味を合わせることが難しい場合は、社内で部活動を発足する制度を作ることも社内コミュニケーションには有効です。

いくつかの企業では、インドア系・アウトドア系問わず、社員の個性が発揮されるような部活動を活発に行なっている企業もあります。

部署は違うが部活動でお世話になっているため仕事でも何か協力したい、といった業務上の役割以外の場所で社員同士の動きを活性化する効果などがあるでしょう。

⑤社内通貨

社内通貨の活用も、社内コミュニケーションを活性化させるにあたり有効な施策の一つです。

例えば、ベネフィットワンが提供するの「インセンティブ・ポイント」というサービスは、社員が同僚に頑張った分だけポイント(サンクスポイント)をプレゼントすることができ、そのポイント合計数に応じて約2万点の商品から欲しいものを選んで交換できるというものです。

このようなサービスを活用することで、部下の行動を細かく評価したり、部下から上司に感謝の気持ちを伝えることができます。

単なる言葉だけでなく、実際に目に見えるプレゼントを贈り合えることで、仕事のモチベーションも高まり、社内のコミュニケーションも活発になるでしょう。

インセンティブ・ポイントについて、詳しく知りたい方は、「インセンティブ・ポイント/サービスページ 」もご覧ください。

成果を出す社内コミュニケーションの実践ポイント3つ

成果を出す社内コミュニケーションを生むために必要なこと

いくら社内で社内報を一生懸命作ってみたり、社員一同が参加する研修制度を作ったとしても、それが社員からの反発のタネになったり、社員のエンゲージメント向上に役立たなくては意味がありません。

社内コミュニケーションにおいては、一つ一つの施策に対して、「何のために」これが「誰に」「どのように役立つのか」などの目的を明確にしておくことが重要です。

この章では、社内コミュニケーション施策を行う際に、成果を出すために気をつけておきたいポイントを4つご紹介します。

ポイント①:知る

円滑な社員同士のコミュニケーションを行い、成果をあげるためには、自分が関わっている仕事や会社についてよく「知る」ということが大切になってきます。

この記事をご覧のみなさんは、会社に関する以下の質問に自信を持って答えることができるでしょうか。

Q.同じ部署の、誰がどんな特技を持っているのか知っていますか?

Q.仕事で困ったときに、誰に相談したらベストか知っていますか?

Q.会社のビジョンや歴史をどれだけ知っていますか?

Q.自社の商品やサービスをどれだけ知っていますか?

Q.自分たちの会社の「いいところ」や「改善したほうがいいところ」を知っていますか?

いずれの質問も、仕事を効率的にすすめていく上で重要な情報ですよね。ですが、これらの情報を一人で集めるには限界がありますし、それが正しい情報なのかも分かりません。

人やモノの情報が自然と流入してくる仕組みがあれば、特別な労力を使わずに業務を効率化させることができます。

また、「知る」ことは、以下のような好循環を生み出します。

知る→好きになる→誇りに思う→楽しくなる→真似をする→知りたくなる・伝えたくなる→知る(以下、ループ)

好きこそ物の上手なれと言いますが、自分が納得して好きになった物事は必ず上達します。これを仕事に置き換えてみると、目の前の仕事や会社を好きになることが出来れば、個人のスキルアップだけでなく、会社全体の戦力向上が期待できます。

全ての人が同じ対象を好きになることは難しいかもしれませんが、少なくとも会社や周囲の情報を多く知ることでその判断ができるようになります。

知るためのきっかけや場を意識して用意してあげることで、社員にも自然と知りたいという気持ちが生まれます。

ポイント②:つながる

企業にとって、人材はもっとも重要な経営資源です。その人材同士が互いに成果を上げるために連携したり、有益なつながりを持つことができれば、企業そのものの価値も上がると考えてよいでしょう。

ポイント①では、「知る」が重要であるとお伝えしました。ですが、知るだけでは十分ではありません。

社員がほかの社員の経験やスキルを知り、「つながる」ことで、組織はつよくなっていきます。

「あの人は、いまのプロジェクトの経験があるようだ。話を聞いてみよう」
「あの人は、前に〇〇が得意と言っていたな。仕事を頼んでみようか。」

このように、誰かの情報を日頃から共有しておくと、話しかけやすくなったり、相談をするきっかけを作ることができます。

社内にお互いが交流しやすい環境を用意するためには、例えばですが、以下のような企画やイベントを行うと、その土壌をつくることができるでしょう。

・違う部署や部門同士が連携するプロジェクトの発足
・社内の誰もが参加可能なワークショップ(社員が講師になってもよい)
・いま業界が抱えている問題やナレッジの共有を目的としたイベントの開催

気を付けなければならないのは、社員が自発的に行動していないにも関わらず、会社側が強制的に参加させようとすると「やらされ感」が出てしまいます。そうなると、イベントも形骸化し、大きな効果を得られなくなってしまうばかりか、社員のエンゲージメントも下がってしまいます。

人を変えようとするのではなく、環境を変えることで、人は変化していきます。

社員同士が助け合う文化を作ることは容易なことではありませんが、時間をかけて「知る」「つながる」を実践していきましょう。

ポイント③:やってみる

社内コミュニケーションを活性化させるためには、時には新しい取り組みにチャレンジする必要も出てくるでしょう。

例えば、

・新しいチャットツールを導入してみる
・新しいマネジメント手法を試してみる
・社内からの提案だけでなく、社外の人の意見も積極的に取り入れてみる

チャレンジは変化です。変化は怖いし、面倒です。ですが、チャンレンジすることで得られることも多くあります。

「ちょっと、やってみようか」

社員から行動が生まれそうになければ、まずはリーダーが積極的に実践してみましょう。それを見た部下たちは真似をするようになります。

もしチャレンジした結果、うまく成果が上がらなかったり、期待していたものと違っていた場合はすぐに止めてしまえばいいのです。何度でもチャレンジはできます。

なぜ失敗したのか?をしっかりと原因と改善策をチーム内で共有し合い、改善サイクルをまわしていくことで、成功の確率は高くなっていきます。

もし社員が協力してくれなかったら?対処法5つ

社内コミュニケーションは経営の問題

「知る」「つながる」「やってみる」。もし、新しく社内コミュニケーション施策をやってみようという場合、これらはみな日常業務においては発生しない変化を伴う新しい行動です。

広報・人事総務ご担当者の方にとっては、社員に対して新しくアクションを起こす場合、以下のような不安が付きまとうのではないでしょうか。

・「余計な仕事が増える!面倒臭い」

・「別にほかの社員のことなんて知りたくない、関わりたくない」

・「今までのやり方でいい」

しかし、記事冒頭でも述べたとおり、社内コミュニケーションの目的は、社員同士が業務上有益な連携をしたり、社員の定着率を上げることです。離職率の高さが経営に直結する時代において、社内外から自社のことを愛してもらえる仲間を増やしていくことは、経営上避けては通れない問題となってきます。

変化を起こすことはとても労力の掛かることですし、絶対に効果が出るという保証はありません。ですが、諦めず会社に共感してもらえる人を増やしていく取り組みを続けていれば、必ず応えてくれる社員が少しずつ現れてきます。

この章では、そのような仲間をつくる際に有効な手段をいくつかご紹介します。

対処法①:決裁権を持つ人を味方につける

新しい取り組みを行おうとする際、「余計なことをしないで欲しい」「そんなことをしてどうなる?」といった声が社員から出てくることがあります。それは、会社として重要ではない業務になぜ自分たちが巻き込まれるんだ、という気持ちでしょう。

ですが、もし組織やチームの上司やトップの人間が、それを実践していたらどうでしょうか。集団における文化や意識というものは、トップの行動に大きく影響を受けます。

役職が上の人を味方につけることで、「その取り組みは会社にとって重要な業務のひとつなのだ」と、周囲に認識させることができます。そうなると、反対していた人たちも協力せざるを得なくなります。

ですがもちろん、「やらされ感」が出ないような工夫をする必要はありますので、なるべく円満に協力してもらえるような根回しや注意が必要です。

対処法②:ほかの部署を巻き込む

会社利益にとって効果的な社内コミュニケーションを行うためには、小規模なチーム内だけで実践しても意味がありません。会社全体で取り組むことが望ましいです。

広報、人事・総務部門の担当者が単独で頑張ることも最初は必要ですが、より大きなインパクトにしたい場合は、他の部署を巻き込むことも検討してみてください。

うまく他部署と連携をとることができると、

・新しい取り組みの存在感を社内で示すことができ、多くの人に知ってもらえる
・社内で話題になれば、社長やマネージメントに関わる人たちも協力的になってもらえる可能性が高くなる

といったメリットがあります。

注意点としては、自分の部署以外のチームを巻き込む際には、「なぜこれをやる必要があるのか」という目的をうまく共有し、理解してもらう必要があります。そうでないと、行動を伴う協力を得るのは難しいでしょう。ですので、十分な下準備が必要です。

対処法③:社外の事例・人にたよる

これまで経験の無いことで成果を上げるには相当の労力が掛かります。ですが、上手くいったケースを参考にすることで、成功までの道のりは短くて済みます。

・社内コミュニケーションで上手くいっている会社の事例を社内で共有する
・他社が実践していて面白いと感じた取り組みをマネしてみる
・すでに実績のある社外の人を呼んで、勉強会を開催してみる

外部の人に頼ることは悪いことではありません。むしろ、自分たちにとって有益な情報をいち早く入手できる絶好の機会でもあります。

勇気を出して、他社事例を取り入れたり、社外の人に声をかけてみましょう。

対処法④:全社員に対して告知し、担当を持ち回りにする

チャットツールの導入やイベントの企画など、社内コミュニケーションにおける新しい取り組みをする際にありがちなのが、一部の人たち(多くは数人の発起人チーム)だけが盛り上がるという状況です。

「何かあっちでやってるみたいだけど、関係ないや」と思われてしまってはいけません。

先ほどの他の部署を巻き込むという対処法でも触れましたが、社内コミュニケーションは会社全体の問題です。

社員全員に当事者意識を持ってもらうためにも、社内報を毎月発行し、その中で取り組みたいイベントについて触れるといったことや、全社会議などの社員が集まる場所で告知と協力のお願いをするなどの取り組みを地道に行なっていくことで少しずつ社員からの協力を得られるようになってきます。

また、アクションを起こすメンバーもいつも同じではなく、月に一回担当を変えたり、他部署の社員にも運営を協力してもらうなどの工夫をすることで、これは全員に関わることだという当事者意識を持ってもらうことができます。

対処法⑤:「すぐ効果が出る」と「後々効果が出る」の両方に取り組む

社内コミュニケーションの取り組みには二つの種類があります。

一つ目は、主催イベントでの交流会や社員インタビューなど、すぐに効果が出る施策。二つ目は、社内報や日々の報告などの、後から効果が出る施策です。

前者は、その場で会話や交流が生まれるため、きっかけ作りとしては最適です。しかし、本当にその場だけの盛り上がりだけかもしれません。目指すべきは後者で、特別なイベントが無い平常時であっても、社内コミュニケーションが自然と生まれる土壌を担当者は目指す必要があるでしょう。

とは言え、一週間や一ヶ月の短期間で企業の文化をつくりだすことは難しいはずです。そのため、短期的な効果が見込めるイベントやセミナー、交流会などの施策を定期的に行い、長期的な関係づくりに役立つような設計で実施していくと文化が醸成されてゆくでしょう。

社内コミュニケーション取り組み事例4つ

社内コミュニケーションを活発にする方法やポイントは何となく理解できたけど、いまいちまだ実践するイメージが湧かない…という方もいらっしゃるでしょう。

本章では、実際に成功した社内コミュニケーション施策の取り組みを『働く人改革』から4つご紹介します。

事例①:株式会社ポッケ

企業データ

  • 所在地:東京都渋谷区
  • 事業内容:気象情報、占い、ライフスタイル関連のアプリやサイトの運営
  • 従業員:85人(2017年4月時点)
  • 平均年齢:34.8歳(2017年5月時点)

社内SNS

最近では、企業がTwitterやFacebookなどのSNSでオリジナルのアカウントをつくり、情報発信することが増えてきています。

SNSは基本的に不特定多数の人間に対して情報の発信やコミュニケーションが行われるものですが、社内用のSNSやブログもあります。

これらは社内コミュニケーションの重要な要素である「知る」「つながる」を促進してくれ、部門を横断したチームの形成や文化の醸成に非常に効果的です。

株式会社ポッケは、社内用SNSとブログを活用して、社内と社外に対し自社を知ってもらう取り組みを行なっています。

同社は、社内コミュニケーションの活性を目的に、社内SNS(マイクロソフト社のYammerを利用)を立ち上げました。当初は社員全体までなかなか広まらず、活気もなかったうえ、導入に否定的な管理職もいたそうです。

そこで、社員にもっと気軽に使ってもらうために、業務上の内容だけでなくプライベートな投稿もよしとしました。すると、「アニメ部」「ラーメン部」「自転車部」といった趣味のグループも立ち上がり、徐々に活気も出てきて社員も利用し始めました。

「勝手共有」という名の業務用のグループがある社員の発案により生まれ、そこでは日々の情報発信だけでなく、仕事や日々の生活で役立つ小ネタを発信することで、社員からポジティブな反応やレスも増えてきました。

レスポンスが増えてくると、もっと情報発信がしたいという人も増えてくるというサイクルが生まれたそうです。

ブログ『ポッケのなかみ』

『ポッケのなかみ』

株式会社ポッケでは、SNSの他に自社ブログ『ポッケのなかみ』も運営しています。同ブログでは、社内の様々な取り組みの様子や担当者の日常などを綴った記事が公開されています。

社内SNSで社員同士の会話から面白そうなトピックを選んで、社外に発信できるものを記事ネタとして活用しているそうです。

ブログは採用活動にも役立っているそうで、「ブログを見ました!」と言って同社に応募してくる人も多いのだとか。

社内のクローズドな情報を、オープンな情報に活用し、採用にも役立てている好例です。

事例②:ヤマハ発動機株式会社

企業データ

  • 所在地:静岡県磐田市
  • 事業内容:モーターサイクル、ボート、自動車用エンジンなどの製造および販売
  • 従業員:10,511人(2016年12月末時点)
  • 平均年齢:43歳(2016年12月末時点)

社内報『Revs』・『Reves+』

みなさんは、「社内報」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。

地味で、自分とはあまり関係の無いことが書かれていて、発行されているのは知っているけど読んだことはない、という方も多いのではないのでしょうか。

ヤマハ発動機株式会社は、2016年1月に従来の社内報のイメージを大きく刷新しました。それが、社内報『Reves(レヴズ)』です。Revesの由来は、同社が2013年に発表したブランドスローガン「Reves your Heart(心をワクワクさせる)」から取ったものです。

社内報『Reves』(出典:Reves+バックナンバーより)

一般的な社内報は、モノクロのA4というパターンも多いですが、『Reves』はフルカラーでコンパクトなB5サイズを採用しています。

冊子をB5にした理由としては、社員がバックに入れて、家に持ち帰ってからも読みやすいように、というねらいがあるそうです。写真やインタビューも多く、従来のイメージを大きく変えるものでした。

同紙の編集手法もそれまでの方法から一新しました。コンテンツは、経営層のメッセージ、各部門の取り組みや製品紹介、決算発表などオーソドックスな記事だけでなく、職人たちの物語、社史をブランドの視点からとらえ直したブランドストーリーなど、古くからいる社員だけでなく若手社員の関心も引くような内容が掲載されています。

インタビュー・座談会などの豊富なコンテンツ (出典:Reves+バックナンバーより)

また、「Reves」は紙媒体ですが、ウェブ版の「Reves+」も日本語・英語で展開されています。「Reves+」では、海外グループから毎月届く様々なトピックを掲載し、グループ全体のことが一覧してわかるサイトになっています。

写真や動画を豊富に使えるウェブの特徴を活かして、紙媒体だけでは伝えきれない細かな情報や最新情報を連動させて発信しています。

事例③:日本ビジネスシステムズ株式会社

企業データ

  • 所在地:東京都港区
  • 事業内容:ITコンサルテーション、システムインテグレーション、ITサービス、アプリケーション開発
  • 従業員:1000人(2017年4月時点)
  • 平均年齢:33歳

本気の社員食堂『Lucy’s CAFE & DINING』

昔から現在に至るまで不動の人気を維持し続けている社員食堂ですが、社内のコミュニケーションを活性化させる場としても近年注目されています。

日本ビジネスシステムズ株式会社が展開する社員食堂『Lucy’s CAFE & DINING』は、まるでおしゃれなカフェやバーのような空間です。

『Lucy’s CAFE & DINING』(写真出典:同社HPより)

ITシステムのコンサルティング、開発、運用サポートなどを行う同社では、クライアント先へ常駐社員も多く、社員同士の交流や会社への帰属意識を持ちづらい環境でした。そこで、社員食堂を設置することにより、気軽なコミュニケーションを行うことを目的とした場をつくりました。

(写真出典:同社HPより)

『Lucy’s CAFE & DINING』では、上司と部下、女性社員同士など、様々なグループが食堂に集まっています。この食堂は夜になると居酒屋にもなり、飲みニケーションの場としても活用されています。

(写真出典:同社HPより)

また、この食堂では日常的にプレゼンの場としても使われており、社員同士でのソリューションの勉強会や事例発表会なども頻繁に行われています。

どのような知識やスキルを社員が持っているのかを、日々使う場所で共有することで、特別なイベントだけではなく日常業務の延長線上で知識交流をすることができます。

事例④:ヤフー株式会社

企業データ

  • 所在地:東京都千代田区
  • 事業内容:インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業など
  • 従業員:6696人(2018年6月時点)
  • 平均年齢:34.9歳(2018年6月時点)

社員6000名でのフリーアドレス

最近、日本でも欧米企業にならってオフィスのフリーアドレスに取り組む企業も増えてきました。

フリーアドレスとは、固定席を設けずに、毎日自由に違う座席で仕事ができるスタイルです。目的としては、社員同士のコミュニケーションを活性化するほか、交流することで誰がどのような仕事をしているのか見える化するためでもあります。

部署単位でフリーアドレス制を取り入れているケースはよくありますが、ヤフー株式会社は全社員6000名でそれを行なっています。

2016年10月末、同社は本社移転と同時に、新オフィスの全フロアをフリーアドレスに変更しました。ヤフーの社員は、毎日どの階、どの席で仕事をしても良いのです。

オフィスの配置にもフリーアドレスの利用を促す仕組みがあります。オフィスフロアに設置してある机はあえてジグザグに配置されています。このようにすることで、社員同士の偶然の出会いによるコミュニケーションの活性化を狙っています。

同社はこの仕組みを「情報の交差点」と名付け、新しいアイディアや情報が集まってきやすい環境をつくっています。

ジグザグに配置されたフリーアドレスの机(写真出典:同社HPより)

そのほかに、『LODGE』と呼ばれるコワーキングスペースもあります。ここは、社外のゲストも自由に出入りできるパブリックスペースになっており、連日様々な人が作業をしています。

オープンコラボレーションスペース『LODGE』(写真出典:同社HPより)

おわりに

本記事では、社内コミュニケーションを活性化させる上で大切なポイントや事例についてご紹介してきました。

社内コミュニケーションを活発にし、社員同士の交流や情報交換が自然と生まれるようにするのは、簡単なことではありません。なぜなら、それは強制されて行うものではなく、その企業の文化として行われていくべきものだからです。文化は長い時間をかけて育んでいくものです。

そしてそれを実現していくための絶対的な正解はありません。その時の会社の状況や自社社員の性格、時代によって、最適な打ち手が変わってくるからです。

すぐに成果が出なくても諦めるのではなく、色々な方法を試してみて、少しでも手応えを感じたものがあればそれを続けていけば良いのです。

社内コミュニケーションの活性化は、経営を活性化させることとイコールです。

広報・人事総務・ご担当者の皆さまにとって、本記事が、新しいチャレンジを行う際の参考に少しでもなれば幸いです。

 

参考文献:沢渡あまね著『働く人改革』(インプレス、2017)

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社内コミュニケーションが活性化
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